優しい時間

ときのはるか

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第1章 執着と躾

鏡に映る媚態

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瞬の足も腕も精一杯その排泄の欲望を堪え震えていた。
その心許ない小さな陰経も瞬のめいっぱい開かされた股間の狭間でふるふると揺れている。

出したいものを我慢させられ、だんだんと精神的にも追い詰められた幼い瞬の顔は躾ける側の嗜虐心をそそるものがあった。

その姿はきっとこの瞬間を見詰めている主人にも至福の時間を与えている事だろうと思う。

それをしっかりと報告する為に今一度瞬の股間が見えるように瞬の前を開けて、さも椅子の前にその主人が居るかのように瞬の媚態を曝け出す。

この部屋には、ベッドと机とこの診察台のような変な椅子の他に、この六畳程度の部屋を余す事なく映し出す大きな鏡がバスルームであろうまだ知らされていないスペース側の壁一面に張られていた。

榊は優しく瞬に声をかける。

下腹には今にもまたそこに刺激を掛けようとする榊の手が伸びるかに見えたが、その手は下腹にも陰経にも触れずに、玉の下からそれを持ち上げるようにして、その尖端から我慢汁のような液体を僅かに覗かせている瞬の可愛い子供のペニスを強調させた。
そのあられもない姿が大きく鏡に映し出される。

その鏡は写る物を拡大してしまう仕様になっていた。
それを目の錯覚かと瞬は思いたかったが、明らかにここでの一部始終を瞬に目で理解させる為にあえてそういう作りになっているだろう事を理解してしまう。

瞬はこんな風に少し諦めの良すぎるところがある子供だった。

本当の父親に対してもそうだった。

もっと自分を愛してくれと主張してみても良かったはずなのに、それが最後まで言えなかった。

だが頭で理解しようと今はまだ恥じらいの方が強い。

頭の中では許しを請う為には、従順に従わなければならないという想いが交差する。
それなのにどうしてもやはり恥じらいの方が勝ってしまうのだった。

瞬は必死に閉じられない股を引き寄せようと足掻いてしまう。
そうすると余計に膀胱に力が入り漏らしそうになる。
今漏らせば榊の手を汚してしまう事は必至だった。
ガクガクと内腿が震え今にもそこは決壊寸前であった。

「壁の鏡をよく見なさい」

「うぅ…いやっ…恥ずかしい…」

「いいですか、その気持ちを最後まで忘れない事です。こんな風に誰かにおしっこを我慢させられ誰かの許しが無いと排泄できない事はけして普通ではありません。
でも瞬がこうして恥ずかしいと思う気持ちをずっと忘れ無ければ、あなたのお父様は瞬を迎え入れる時、よく頑張ったと言ってあなたをいっぱい褒めてくださると思います。
そしてそれからは今後一切あなたの排泄はお父様の許可のもと許されるようになるのです。
そんな至福の時はないと思うような喜びをその時の瞬はきっと感じるようになっていると思います。
いやそうならなければならないのです。
私の言っている事がわかりますか?」

「いや…わかりません。学校とか会社とかお父様と離れている時は…僕はどうなってしまうのですか?」

「それをこれから私と一緒に訓練して行くんですよ。
人にはそれぞれ限界というものがあります。
ただしその限界は日々の訓練や気持ちによっても変わっていきます。今の瞬はこれが限界かもしれませんが、少しずつそれは我慢が出来るように頑張りましょう」

瞬の瞳は大きく見開かれその縁から透明な液体が盛り上がりポロポロと頬を伝っていった。
それを榊が優しく指でそれをすくいあげる。

全身に汗をびっしりとかいた瞬の身体は空調が効いていてもだいぶ冷たくなっていた。
さすがに今日はこの辺にしてやろうと思う榊は、今一度瞬の顎の下に手を添えて、俯く顔を上げさせる。

「どうしますか?今日はこの辺で許しを請いますか?」

「…あと…少し…なら、我慢できます」

その答えにさすがの榊も思わず胸がグッと締め付けられるような思いがした。

こんなに素直に言われたことをすぐ消化できる子供に当たった事は榊でさえ未だかつてない事だった。

普通このくらいの年頃でいっぱい普通じゃない事を初めて経験されたら、頭が混乱してそれどころではないはずだった。

今みたいにもう許してあげるからそう言ってごらんとそそのかされれば、すぐ許しを請うのが通例の事。

まさかそれを初日にこうして我慢を覚えられる従順な精神を持つ者は百人に一人居るか居ないかだろうと思う。

少なくとも榊が今まで担当して来た生徒の中で、あくまでも恥じらいを忘れず、けして媚びず、かつ貞淑に、まだ我慢れると言ったのは瞬が初めてかもしれなかった。

主人である堂島もその姿を見てきっと更に心躍らせている事だろうと思う。

榊は瞬の頬を慈しむように撫でる。

「恥じらいを忘れず常に貞淑でありなさい。そうすればあなたはきっと幸せになります」

その言葉が今の瞬の心に、優しく深く浸透して行くのだった。


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