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第1章 執着と躾
排泄の許し(第1章 完結)
しおりを挟むその日の夕方、瞬は力尽きベッドに横たわっていた。
あれから更に三時間もおしっこを我慢してとうとう榊の方から瞬に排尿の許可を出した。
とりあえずはじめは尿の量とその成分をきちんと観察する為もあり、医療用の尿瓶を股間にあてがい、瞬にそれを促した。
言われた通りに瞬は恥じらいを忘れず、羞恥に震えながら放尿を試みた。
だが、我慢しすぎた膀胱の筋肉は凝り固まり、思うように尿を押し出せ無くなってしまった。
だがそれも榊にも経験がある事で、焦る瞬を優しくよくここまで我慢が出来たと褒めてやりながら、幼い陰経の尖端を消毒綿で優しく拭き取るとその小さな窄まりに細い管を挿入していった。
「ひぃっ!」
初めて尿道カテーテルを入れられた瞬は、尿道括約筋の調節を知らずそこを管が通過する刺激に驚き失神してしまったが、それがこの先訓練次第では大きな快感に変わる事をまだ瞬は知らないのだった。
ここではその快感までを教える事はオーダーには含まれてはいない。
それもきっとここで従順に躾けられた瞬に直接主人が教えたいという事だと榊は理解していた。
だからあくまでこれは医療行為に他ならない。
榊はきちんと看護士の資格も持っていた。
だからたいていの事なら子供の体調の変化にも対応できる。
瞬を躾出来たあかつきには、その報酬を使い医師免許でも取得しようかと思っているところでもあった。
だがそんな事より瞬があまりにも従順に我慢を重ねてしまったので、やはり感染症も気になってしまう。
幸い尿に細菌は発見されなかったが、予防として抗生物質だけは与えておこうと思う。
まだぐったりと意識を飛ばしている瞬の細い腕にゴム管を巻きつけ浮き出した血管にチクンと針を突き刺したが、それでも瞬は目覚めなかった。
そのはずである、榊の刺す注射針の痛みはほとんど無いはずだった。
榊の注射には定評があった。本人もそれを自負している。
どんな患者でも的確に点滴のルートを取る自信がある榊に、健康な少年である瞬の静脈を見つける事はわけない事だった。
結局昼食を食べ損ねた瞬の栄養補給とそして感染症の予防を兼ねて、抗生剤を混ぜた点滴を施す。
そしてそれには車でも飲ませた誘眠作用がある薬も混ぜられてあった。
これで明日の朝までぐっすり眠れるはずである。
榊は瞬の主人である堂島が今も鏡の向こうで固唾を飲んでその様を伺っているだろう事と察し、大きな壁一面に広がる鏡に向かって一糸纏わぬ瞬の裸身を見せ付けるようにして、それからゆっくりとそのまだ幼い身体に毛布を掛けてやった。
眠っていると更にあどけなさが増したようにも思われる。
こんな瞬の躾を自分でしないなんてもったいない事をすると鏡には映らない角度で思わず口の端が上がってしまった。
部屋の照明を落とし榊は瞬の部屋から出ると外から一応鍵をかける。
瞬に施錠など必要ないとは思われるが、逆に不埒な輩が侵入してくる可能性もあるから施錠は絶対なのだった。
そんなここの施設の子供の部屋は必ず24時間体制で監視カメラが回っていた。
瞬の部屋の鏡の向こうには様々な角度からこの部屋を写し出すカメラが数台設置されていた。
主人たちはその映像を離れていてもいつでも見られるようになっている。
それがこの施設の売りの一つでもあった。
高い金を払って躾けてもらっている自分のモノが、きちんとその対価に似合う躾を受けているかを確認する事が随時可能なのだった。
そしてその姿に魅せられ予定よりも早く迎えに来てしまう主人達も少なくはない。
それでも一度決められた金額は支払わなければならないのだから、施設としてはむしろそれも大歓迎だった。
だが瞬の躾だけは最後まで榊は遂行したいと思うようになってしまった。
だからあまり主人の前で挑発的な事をさせないように、今後は気を付けて躾けていかなければならないと思う。
最高の作品に仕上げたいと思う素材を中途半端に取り上げられたくはない。
意外と順調に排尿の躾は第一段階をクリアしてしまったが排泄の躾はそれだけに留まらない。
明日は朝からいよいよ腸の方の躾が始まるのだった。
少し温かくしたグリセリン液をいっぱい瞬の腸内に注入するのを想像すると、思わず榊の股間にさえ血流が増してしまいそうになる。
それだけではなく瞬にはまだまだいっぱい躾なければならない事あるのだった。
そのプランを考えながら榊は今晩は美味しいお酒が飲めそうだと思わず口許が緩みそうにもなるが、よく訓練が行き届いた榊のそんな表情の変化に気付く者は殆ど居ないだろう。
居るとしたらそれは付き合いの長い施設を任されている有栖川くらいのものだった。
【第一部・完】
(あとがき)
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ただ受けがみんなに愛されて行くだけの話を書こうと思ったら。
ご主人様そっちのけの教官x生徒のようになってしまいました(笑)
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