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第十一話~不安定な旅人6~
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私ーーアンリエッタは、幸せな気持ちでいっぱいです。
夢にまで見た、憧れの小雪お姉ちゃんと一緒に旅に出られるなんて!
勇者として前線に行ってしまわれたときは、完全に諦めてしまいました。
なにせ私はまだ幼い。戦いに出られるような年じゃないのは明白です。
私の魔力は高かったので、治癒と水魔法を必死に勉強して、かなり上達しました。極めてしまったと言ってもいいでしょう。
ですが……魔力があって、どんなに高度な魔法が使えても、魔攻力が普通の子供よりちょっと強いレベルなので、前線に出ても足でまとい。
だから、小雪お姉ちゃんのそばにいられる資格なんてなかったのです。
だけど、勇者をやめてしまった小雪お姉ちゃんについていくことならできます。
前線に戦いに行くわけではないのですから!
やったです! 素晴らしいです!
このことについては、駄姉と腐父に感謝しなければなりません。
勝手に家を出てしまったので、お城では慌てふためいている頃でしょう。ざまぁ見やがれです。小雪お姉ちゃんにさんざん悪口を言って、勇者を辞めさせた罰なのです。
困った駄姉や臭さ以外何もない腐父の顔を思い浮かべるだけで、自然と笑ってしまいます。
だけど、それよりも……小雪お姉ちゃんと一緒に歩いているだけで幸せな気持ちがいっぱい溢れてきて、笑いが止まりませんわ!
「くふ、くふふふふ」
「ん、どうしたの、アンリ?」
「いえ、なんでもありません! くふふ」
今、小雪お姉ちゃんとエクリプセという傭兵がたくさんいる町に向かっています。
小雪お姉ちゃんは傭兵ギルドに登録して、お仕事をしながら旅をするそうです。
ということは、二人で同じ部屋に泊まったり、同じベッドに潜り込んだり、そそそ、その先まで、くふ、うへぇ、うへへぇ~。
「ア、アンリ……ヨダレがすごいことに、なっているけど……」
「あわわ、じゅる、すいません、小雪お姉ちゃん。はう……恥ずかしいです」
「何も問題ないならいいのよ。うん、きっと大丈夫。問題ない! だから何も見ていないんだから! こんちくしょう! わーははははは」
眉間にシワを寄せて、うめき声をあげて、拳を天に掲げて、叫んだと思ったら笑い始めました。
なんだか情緒不安定な感じがしますね。大丈夫なんでしょうか?
もし、小雪お姉ちゃんが精神的に疲弊して、狂ってしまったら……私がお側についてお世話ができますわ!
そそそ、それって、穏やかな森の中で小雪お姉ちゃんと、きゃっきゃうふふな生活になるってことですよね! くふぅ~。妄想が止まりません!
でも、もし本当の私を知ってしまったら、小雪おねえちゃんは引いてしまうのでしょうか?
そうだったら寂しいです。
だけど、この恋心がおかしいということを、自分自身でもわかっているのです。
同性の恋愛なんて、普通ありませんよね。
でも、でもでも、しょうがないのです。あの時、私を助けてくれた小雪お姉ちゃんは、とっても、とーってもかっこよかったんですから!
あの日、勇者召喚の儀が行われることは知っていましたが、私は参加を禁止されていました。
こっちから願い下げです! あんな臭いの権化とも呼べる悪臭汚物の近くに、一秒もいたくありませんでしたし、なにより勇者なんて得体のしれない人達に助けを請うて、どうにかなる状況だと思っていませんでした。
傲慢で愚かで臭いが最悪なアレが、最終手段として行った勇者召喚の儀。どうせ失敗するはずです。
私はガン無視して、お城を抜け出して、遊びに行きました。
だけど、怪しい人達に捕まってしまったのです。
その人たちは被害者でした。
妻を、娘を、あの悪臭で失ってしまった男の人達。ああ、いつかこうなることはわかっていました。
あんな酷い臭いを撒き散らして、あたりの人達に迷惑をかけるだけでなく、その臭いで人をも殺す。さんざんどうにかしてくださいとあれほど言ったのに、私の言うことは、まったく聞いてくれない。それどころか、アレは、いつも私の名前を間違えて呼ぶ……。しかも毎回バラバラです。これが、家族なんでしょうか。
絶対に違いますよね。名前すらちゃんと覚えていられない、ただ追い掛け回されるだけの関係が、家族なんて言えませんよね。
そこで、私は悟ったのです。ああ、私はいらない子なんだって。どうせ死んでも誰も気にしません。そこらへんで虫に食われて土に帰るだけでしょう。
一人ぼっち、孤独は寒く、辛い。
誰にも必要とされていないのなら、死んだほうがいいのかもしれない。いてもいなくても変わらないんだから。
そう、私が全てを諦めかけたとき、あの人がやってきました。
煌びやかで力強い魔力の波動をまとった、小雪お姉ちゃんが私を助けてくれたのです。
私を襲った人達も、突然の乱入者に戸惑いながらも、怒りに任せて攻撃してきました。
それを小雪お姉ちゃんは、全て力でねじ伏せました。
その圧倒的な力を前にして、私の胸の内から、恐怖という感情が湧き上がってきました。
体が勝手に震えて、瞳に涙が溜まっていくような感触。私は小さく「死にたくない」と呟いたことを今でも覚えています。
そんな私を抱き寄せて、「もう大丈夫だよ。もう一人じゃない。安心して、ね」と優しく言ってくれました。
そんなことを言われたら、もう私はメロメロです。包み込んでくれた暖かさ、私に言ってくれた優しい言葉。きっと助けたみんなに、小雪お姉ちゃんは言っているのでしょう。
でも、あの時の私には、自分のことをいらない子だって思った私にとっては、とっても、とっても欲しかった言葉だったのです。
まるで、私のことをいる子だって言ってくれたみたいで、とっても嬉しかった。
だから恋してしまったんです。これだけの理由があるのだから、誰だって文句を言えませんよね。なので、堂々と私は小雪お姉ちゃん攻略をしなくてはならないのです。ずっと、ずっと一緒にいるために。
でも、なんと言えばいいのでしょうか、小雪お姉ちゃんの攻略難易度は桁外れに高いです。
さりげないボディータッチとかしてみたりと、色々試しているのですが、なんだか反応が薄いのです。こうなったら、更なる作戦をねらないと、くふ、くふふふ。
「そういえばアンリ」
「ははは、ハイ! どうしましたか? 小雪お姉ちゃん」
「いやね、大変なことに気がついて」
「一体どうしましたか?」
「このペースだと、今日中にエクリプセに到着しない! どうしよう……」
「そ、そんなの当たり前ですよ! ここからエクリプセまで一ヶ月ぐらいはかかるのですよ!」
「あう、食料とかそんなに持ってきていないや、大丈夫かな?」
「大丈夫ですよ、王都の近くにも村や町があります。今日はどこかの町に入って宿をとりましょう。これなら大丈夫ですよね!」
そう言って、さりげなく小雪お姉ちゃんに抱きつきました。ちゃんと、胸をこすりつけるのも忘れないですよ。だけど私の胸……小さいから、微妙かもしれません。
どうなのでしょうか。確認するべく小雪お姉ちゃんの表情をそっと見ましたが、とっても微妙な顔をしていました。
おかしいです。こうすれば気になる異性は振り向いてくれるって本に……はっ!
私と小雪お姉ちゃんは同性でした!
どうりで効果がないはずです。失念していました。こうなったら、プランの練り直しをするのです。
エクリプセに到着するまで、まだまだ時間があります。焦らずゆっくりやれば、大丈夫なのですっ!
くふふふ、とっても楽しみなのですぅ!
今は小雪お姉ちゃんの素晴らしさを知っているのは私だけです。だから独り占めできるです。
……だけど、小雪お姉ちゃんの素晴らしさを知ってしまう人達がこれから増えていくかもしれませんね。
そうしたら、小雪お姉ちゃんを好きになる人も…………。
もし、そんな奴が現れたら……どうしてやりましょう。
刺す、盛る、それとも、切り刻む? 拷問器具で痛めつけるのもいいかもしれない。
私の小雪お姉ちゃんに近づこうとした罪をより理解することができるでしょう。
くふ、くふふふ、私がしっかり守ります。同性でも異性でも、小雪お姉ちゃんに近づく虫は私がしっかり排除しますよ。
害虫なんていらないんです。邪魔者なんです。小雪お姉ちゃんも群がられたら鬱陶しいって思うはずですから!
だから、ありとあらゆる手段を用いて、フルボッコにしてやるです。
殺して痛めつけて、泣いて喚こうが容赦しません。
女だろうが男だろうが、小雪お姉ちゃんに好意を寄せるやつなんていらねぇんですよ。くふふふふふふふ。
「ア、アンリ? 大丈夫? 目にハイライトがないんだけど! なんか怖いんだけど! どどどどうしよう! アンリが壊れたッ!」
「くふ、大丈夫ですよ、小雪お姉ちゃん」
「ほ、本当に?」
私は、再び小雪お姉ちゃんの腕にしがみつきました。この、肌と肌が触れ合っている感触が、なんとも言えません。とってもきもちいのです!
「私はいつも通りですよ、小雪お姉ちゃん。もし、悪い虫が小雪おねえちゃんに群がるようだったら、私がしっかり守ってあげますね」
「え、あ、うん。そ、そうだね」
なんか、すっごく戸惑った顔をしているような、していないような。これはどう捉えればいいのでしょうか。よくわかりません。でも、今は気にしている余裕はありません。
本当はこの気持ちをちゃんと伝えたい。だけど、今の小雪お姉ちゃんに言っても断られるだけ。拒絶されるのは絶対に嫌です。
だから、口に出して言いません。
だけど、心の中ならいいですよね。
小雪お姉ちゃん、だーい好き。愛している。だからいつか、私と……くふ、くふふふふ。
心の中で、好きだって思い返すだけで、妄想が止まりません。
なんだか今日もいい一日になりそうです!
夢にまで見た、憧れの小雪お姉ちゃんと一緒に旅に出られるなんて!
勇者として前線に行ってしまわれたときは、完全に諦めてしまいました。
なにせ私はまだ幼い。戦いに出られるような年じゃないのは明白です。
私の魔力は高かったので、治癒と水魔法を必死に勉強して、かなり上達しました。極めてしまったと言ってもいいでしょう。
ですが……魔力があって、どんなに高度な魔法が使えても、魔攻力が普通の子供よりちょっと強いレベルなので、前線に出ても足でまとい。
だから、小雪お姉ちゃんのそばにいられる資格なんてなかったのです。
だけど、勇者をやめてしまった小雪お姉ちゃんについていくことならできます。
前線に戦いに行くわけではないのですから!
やったです! 素晴らしいです!
このことについては、駄姉と腐父に感謝しなければなりません。
勝手に家を出てしまったので、お城では慌てふためいている頃でしょう。ざまぁ見やがれです。小雪お姉ちゃんにさんざん悪口を言って、勇者を辞めさせた罰なのです。
困った駄姉や臭さ以外何もない腐父の顔を思い浮かべるだけで、自然と笑ってしまいます。
だけど、それよりも……小雪お姉ちゃんと一緒に歩いているだけで幸せな気持ちがいっぱい溢れてきて、笑いが止まりませんわ!
「くふ、くふふふふ」
「ん、どうしたの、アンリ?」
「いえ、なんでもありません! くふふ」
今、小雪お姉ちゃんとエクリプセという傭兵がたくさんいる町に向かっています。
小雪お姉ちゃんは傭兵ギルドに登録して、お仕事をしながら旅をするそうです。
ということは、二人で同じ部屋に泊まったり、同じベッドに潜り込んだり、そそそ、その先まで、くふ、うへぇ、うへへぇ~。
「ア、アンリ……ヨダレがすごいことに、なっているけど……」
「あわわ、じゅる、すいません、小雪お姉ちゃん。はう……恥ずかしいです」
「何も問題ないならいいのよ。うん、きっと大丈夫。問題ない! だから何も見ていないんだから! こんちくしょう! わーははははは」
眉間にシワを寄せて、うめき声をあげて、拳を天に掲げて、叫んだと思ったら笑い始めました。
なんだか情緒不安定な感じがしますね。大丈夫なんでしょうか?
もし、小雪お姉ちゃんが精神的に疲弊して、狂ってしまったら……私がお側についてお世話ができますわ!
そそそ、それって、穏やかな森の中で小雪お姉ちゃんと、きゃっきゃうふふな生活になるってことですよね! くふぅ~。妄想が止まりません!
でも、もし本当の私を知ってしまったら、小雪おねえちゃんは引いてしまうのでしょうか?
そうだったら寂しいです。
だけど、この恋心がおかしいということを、自分自身でもわかっているのです。
同性の恋愛なんて、普通ありませんよね。
でも、でもでも、しょうがないのです。あの時、私を助けてくれた小雪お姉ちゃんは、とっても、とーってもかっこよかったんですから!
あの日、勇者召喚の儀が行われることは知っていましたが、私は参加を禁止されていました。
こっちから願い下げです! あんな臭いの権化とも呼べる悪臭汚物の近くに、一秒もいたくありませんでしたし、なにより勇者なんて得体のしれない人達に助けを請うて、どうにかなる状況だと思っていませんでした。
傲慢で愚かで臭いが最悪なアレが、最終手段として行った勇者召喚の儀。どうせ失敗するはずです。
私はガン無視して、お城を抜け出して、遊びに行きました。
だけど、怪しい人達に捕まってしまったのです。
その人たちは被害者でした。
妻を、娘を、あの悪臭で失ってしまった男の人達。ああ、いつかこうなることはわかっていました。
あんな酷い臭いを撒き散らして、あたりの人達に迷惑をかけるだけでなく、その臭いで人をも殺す。さんざんどうにかしてくださいとあれほど言ったのに、私の言うことは、まったく聞いてくれない。それどころか、アレは、いつも私の名前を間違えて呼ぶ……。しかも毎回バラバラです。これが、家族なんでしょうか。
絶対に違いますよね。名前すらちゃんと覚えていられない、ただ追い掛け回されるだけの関係が、家族なんて言えませんよね。
そこで、私は悟ったのです。ああ、私はいらない子なんだって。どうせ死んでも誰も気にしません。そこらへんで虫に食われて土に帰るだけでしょう。
一人ぼっち、孤独は寒く、辛い。
誰にも必要とされていないのなら、死んだほうがいいのかもしれない。いてもいなくても変わらないんだから。
そう、私が全てを諦めかけたとき、あの人がやってきました。
煌びやかで力強い魔力の波動をまとった、小雪お姉ちゃんが私を助けてくれたのです。
私を襲った人達も、突然の乱入者に戸惑いながらも、怒りに任せて攻撃してきました。
それを小雪お姉ちゃんは、全て力でねじ伏せました。
その圧倒的な力を前にして、私の胸の内から、恐怖という感情が湧き上がってきました。
体が勝手に震えて、瞳に涙が溜まっていくような感触。私は小さく「死にたくない」と呟いたことを今でも覚えています。
そんな私を抱き寄せて、「もう大丈夫だよ。もう一人じゃない。安心して、ね」と優しく言ってくれました。
そんなことを言われたら、もう私はメロメロです。包み込んでくれた暖かさ、私に言ってくれた優しい言葉。きっと助けたみんなに、小雪お姉ちゃんは言っているのでしょう。
でも、あの時の私には、自分のことをいらない子だって思った私にとっては、とっても、とっても欲しかった言葉だったのです。
まるで、私のことをいる子だって言ってくれたみたいで、とっても嬉しかった。
だから恋してしまったんです。これだけの理由があるのだから、誰だって文句を言えませんよね。なので、堂々と私は小雪お姉ちゃん攻略をしなくてはならないのです。ずっと、ずっと一緒にいるために。
でも、なんと言えばいいのでしょうか、小雪お姉ちゃんの攻略難易度は桁外れに高いです。
さりげないボディータッチとかしてみたりと、色々試しているのですが、なんだか反応が薄いのです。こうなったら、更なる作戦をねらないと、くふ、くふふふ。
「そういえばアンリ」
「ははは、ハイ! どうしましたか? 小雪お姉ちゃん」
「いやね、大変なことに気がついて」
「一体どうしましたか?」
「このペースだと、今日中にエクリプセに到着しない! どうしよう……」
「そ、そんなの当たり前ですよ! ここからエクリプセまで一ヶ月ぐらいはかかるのですよ!」
「あう、食料とかそんなに持ってきていないや、大丈夫かな?」
「大丈夫ですよ、王都の近くにも村や町があります。今日はどこかの町に入って宿をとりましょう。これなら大丈夫ですよね!」
そう言って、さりげなく小雪お姉ちゃんに抱きつきました。ちゃんと、胸をこすりつけるのも忘れないですよ。だけど私の胸……小さいから、微妙かもしれません。
どうなのでしょうか。確認するべく小雪お姉ちゃんの表情をそっと見ましたが、とっても微妙な顔をしていました。
おかしいです。こうすれば気になる異性は振り向いてくれるって本に……はっ!
私と小雪お姉ちゃんは同性でした!
どうりで効果がないはずです。失念していました。こうなったら、プランの練り直しをするのです。
エクリプセに到着するまで、まだまだ時間があります。焦らずゆっくりやれば、大丈夫なのですっ!
くふふふ、とっても楽しみなのですぅ!
今は小雪お姉ちゃんの素晴らしさを知っているのは私だけです。だから独り占めできるです。
……だけど、小雪お姉ちゃんの素晴らしさを知ってしまう人達がこれから増えていくかもしれませんね。
そうしたら、小雪お姉ちゃんを好きになる人も…………。
もし、そんな奴が現れたら……どうしてやりましょう。
刺す、盛る、それとも、切り刻む? 拷問器具で痛めつけるのもいいかもしれない。
私の小雪お姉ちゃんに近づこうとした罪をより理解することができるでしょう。
くふ、くふふふ、私がしっかり守ります。同性でも異性でも、小雪お姉ちゃんに近づく虫は私がしっかり排除しますよ。
害虫なんていらないんです。邪魔者なんです。小雪お姉ちゃんも群がられたら鬱陶しいって思うはずですから!
だから、ありとあらゆる手段を用いて、フルボッコにしてやるです。
殺して痛めつけて、泣いて喚こうが容赦しません。
女だろうが男だろうが、小雪お姉ちゃんに好意を寄せるやつなんていらねぇんですよ。くふふふふふふふ。
「ア、アンリ? 大丈夫? 目にハイライトがないんだけど! なんか怖いんだけど! どどどどうしよう! アンリが壊れたッ!」
「くふ、大丈夫ですよ、小雪お姉ちゃん」
「ほ、本当に?」
私は、再び小雪お姉ちゃんの腕にしがみつきました。この、肌と肌が触れ合っている感触が、なんとも言えません。とってもきもちいのです!
「私はいつも通りですよ、小雪お姉ちゃん。もし、悪い虫が小雪おねえちゃんに群がるようだったら、私がしっかり守ってあげますね」
「え、あ、うん。そ、そうだね」
なんか、すっごく戸惑った顔をしているような、していないような。これはどう捉えればいいのでしょうか。よくわかりません。でも、今は気にしている余裕はありません。
本当はこの気持ちをちゃんと伝えたい。だけど、今の小雪お姉ちゃんに言っても断られるだけ。拒絶されるのは絶対に嫌です。
だから、口に出して言いません。
だけど、心の中ならいいですよね。
小雪お姉ちゃん、だーい好き。愛している。だからいつか、私と……くふ、くふふふふ。
心の中で、好きだって思い返すだけで、妄想が止まりません。
なんだか今日もいい一日になりそうです!
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