私、いらない子ですか。だったら死んでもいいですか。

 心が壊れてしまった勇者ーー西条小雪は、世界を壊す化物となってしまった。しかも『時の牢獄』という死ねない効果を持った状態異常というおまけ付き。小雪はいくつもの世界を壊していった。

 それから数兆年。

 奇跡的に正気を取り戻した小雪は、勇者召喚で呼ばれた異世界オブリーオで自由気ままに敵である魔族を滅していた。
 だけどその行動はオブリーオで悪行と呼ばれるものだった。
 それでも魔族との戦いに勝つために、自らそういった行動を行い続けた小雪は、悪臭王ヘンブルゲンに呼び出される。

「貴様の行動には我慢ならん。貴様から我が国の勇者としての称号を剥奪する」

 そんなことを言われたものだから、小雪は勇者の証である聖剣を折って、完全に勇者をやめてしまった。

 これで自分の役割を終えた。『時の牢獄』から抜け出せたはずだ。

 ずっと死ねない苦しみを味わっていた小雪は、宿に戻って自殺した。

 だけど、死ぬことができなかった。『時の牢獄』は健在。それに『天秤の判定者』という謎の称号があることに気が付く。
 まあでも、別にどうでもいいやと、適当に考えた小雪は、正気である間を楽しもうと旅に出る。
 だけど『天秤の判定者』には隠された秘密があった。

 小説家になろう様、カクヨム様に投稿しております。
24h.ポイント 0pt
0
小説 194,333 位 / 194,333件 ファンタジー 44,895 位 / 44,895件

あなたにおすすめの小説

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 だが夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

主役の聖女は死にました

F.conoe
ファンタジー
聖女と一緒に召喚された私。私は聖女じゃないのに、聖女とされた。

巻き込まれ召喚された上、性別を間違えられたのでそのまま生活することにしました。

蒼霧雪枷
恋愛
勇者として異世界に召喚されチート無双、からのハーレム落ち。ここ最近はそんな話ばっか読んでるきがする引きこもりな俺、18歳。 此度どうやら、件の異世界召喚とやらに"巻き込まれた"らしい。 召喚した彼らは「男の勇者」に用があるらしいので、俺は巻き込まれた一般人だと確信する。 だって俺、一応女だもの。 勿論元の世界に帰れないお約束も聞き、やはり性別を間違われているようなので… ならば男として新たな人生片道切符を切ってやろうじゃねぇの? って、ちょっと待て。俺は一般人Aでいいんだ、そんなオマケが実はチート持ってました展開は望んでねぇ!! ついでに、恋愛フラグも要りません!!! 性別を間違われた男勝りな男装少女が、王弟殿下と友人になり、とある俺様何様騎士様を引っ掻き回し、勇者から全力逃走する話。 ────────── 突発的に書きたくなって書いた産物。 会話文の量が極端だったりする。読みにくかったらすみません。 他の小説の更新まだかよこの野郎って方がいたら言ってくださいその通りですごめんなさい。 4/1 お気に入り登録数50突破記念ssを投稿してすぐに100越えるもんだからそっと笑ってる。ありがたい限りです。 4/4 通知先輩が仕事してくれずに感想来てたの知りませんでした(死滅)とても嬉しくて語彙力が消えた。突破記念はもうワケわかんなくなってる。 4/20 無事完結いたしました!気まぐれにオマケを投げることもあるかも知れませんが、ここまでお付き合いくださりありがとうございました! 4/25 オマケ、始めました。え、早い?投稿頻度は少ないからいいかなってさっき思い立ちました。突発的に始めたから、オマケも突発的でいいよね。 21.8/30 完全完結しました。今後更新することはございません。ありがとうございました!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません

青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。 だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。 女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。 途方に暮れる主人公たち。 だが、たった一つの救いがあった。 三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。 右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。 圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。 双方の利害が一致した。 ※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております

やさしい魔法と君のための物語。

雨色銀水
ファンタジー
これは森の魔法使いと子供の出会いから始まる、出会いと別れと再会の長い物語――。 ※第一部「君と過ごしたなもなき季節に」編あらすじ※ かつて罪を犯し、森に幽閉されていた魔法使いはある日、ひとりの子供を拾う。 ぼろぼろで小さな子供は、名前さえも持たず、ずっと長い間孤独に生きてきた。 孤独な魔法使いと幼い子供。二人は不器用ながらも少しずつ心の距離を縮めながら、絆を深めていく。 失ったものを埋めあうように、二人はいつしか家族のようなものになっていき――。 「ただ、抱きしめる。それだけのことができなかったんだ」 雪が溶けて、春が来たら。 また、出会えると信じている。 ※第二部「あなたに贈るシフソフィラ」編あらすじ※ 王国に仕える『魔法使い』は、ある日、宰相から一つの依頼を受ける。 魔法石の盗難事件――その事件の解決に向け、調査を始める魔法使いと騎士と弟子たち。 調査を続けていた魔法使いは、一つの結末にたどり着くのだが――。 「あなたが大好きですよ、誰よりもね」 結末の先に訪れる破滅と失われた絆。魔法使いはすべてを失い、物語はゼロに戻る。 ※第三部「魔法使いの掟とソフィラの願い」編あらすじ※ 魔法使いであった少年は罪を犯し、大切な人たちから離れて一つの村へとたどり着いていた。 そこで根を下ろし、時を過ごした少年は青年となり、ひとりの子供と出会う。 獣の耳としっぽを持つ、人ならざる姿の少女――幼い彼女を救うため、青年はかつての師と罪に向き合い、立ち向かっていく。 青年は自分の罪を乗り越え、先の未来をつかみ取れるのか――? 「生きる限り、忘れることなんかできない」 最後に訪れた再会は、奇跡のように涙を降らせる。 第四部「さよならを告げる風の彼方に」編 ヴィルヘルムと魔法使い、そしてかつての英雄『ギルベルト』に捧ぐ物語。 ※他サイトにも同時投稿しています。