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六章 変化
買い物なう
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ハンカチ お菓子 ペナント的な奴、ミサンガにリボンガラス細工にフルーツ。
街を練り歩き、のんびり歩き、目を輝かせ、年がさも無くはしゃぎ、アイデンサんに笑われ……そしてまたお土産屋を見比べて僕は悩む。
「んー………」
こう……眺める分には楽しいけど……いざ本腰入れて転々と見ている、けど良いものが……ない。
「あの店でも何も買わなかったな………遠慮する必要はないんだぞ? 」
お店をさっと見ては次の店に移るを繰り返し変わる変わると見て、七件目のお店から出てため息をつく僕にアイデンさんはずっしりと重そうなお財布を出した。
「別に遠慮しているつもりはないよー」
「ならなぜ何も買わないんだ? 」
へにょりと眉を下げるアイデンさんにつられて僕も同じ顔をさせながら歩き出す。
「なんていうか個人的にこれ、てのが無いんだよね」
「ほう」
「布とかありきたりなのはちょっと、なんか僕の好み的な何かが許さないの」
「好み的な何かってなんだ…………」
「お菓子とか無くなる物じゃないものなら意外性のある物を買いたいわけよ」
「……分かるな」
「んー、でもここらへんの奴はデザインとかは申し分ないけど~……特に気に入るものはないねぇ」
「王都だからそれなりに良いものはある筈、それでもか? 」
「うんー……だって、アルさんにうさぎの刺繍つきのハンカチとかあり得ないでしょー?」
「あいつに何か贈るつもりのか? 」
「お土産だよ? 」
「あぁ、そういうことか………いやあいつになにかを買うつもりなのか?」
目を丸くするアイデンさんに僕は肩をすくめた。
「折角街に降りられたんだからその楽しさを親しい人と共有したいと思うのは普通でしょ」
「そういうものか」
「そういうもんだよ、……で、アルさんに何送ろうかね」
周りにあるお店をきょろきょろと見るけど、ここら一帯のお店はすべて見尽くした。
「んー、そうだ、あいつに送るなら適当な物で良いと思うが? 」
あそこの無地のタオルとかどうだ、とアイデンさんは一軒のお土産屋さんを指差す。
「わかってないねーアイデンさん」
「む? 」
やれやれと溜め息をつけばアイデンさんは首を傾げる。
「こうやってうだうだ悩んでるのが結構楽しいんじゃないの」
「……………楽しいのか? 」
「yes」
「すまんがわからん……」
溜め息をついたアイデンさんに僕は苦笑を漏らす。
にしても、マジでどーしよーかな、、お土産。
あの人に似合いそうなものってなんだろ。
アイデンさんが指差した先にあった店にとりあえず着いた僕は手近にあったポーチを手に取る。
「……いっそのこと笑いに逃げてこの小熊さんポーチをプレゼント……」
リアル熊だけど小熊だから結構可愛いねこれ。
「するのか……? 」
「これを僕だと思ってずっとつけてて! て言葉も添えて」
「ごつい男が可愛いポーチつけている気持ち悪い絵面ができるから止めてくれ………」
アイデンさんが遠い目をして面白いことになってるけど無視、無視だ。
「おばさんこれくださーい!」
「銅貨6枚だよ~」
店の奥にいるお店のおばさんに声をかける。
「買うのか? おい?! 」
「へいっ」
「それは誰に向けた返事だっ!? 」
がさごそとポケット、もといそこから繋いだ影に手を突っ込んでお金を探していると言うのに発狂寸前のアイデンが邪魔をしてくる。
「……これオークのブーちゃんにあげるもんだよ」
あの子なら多分似合うでしょ、あ、そうなると王様にもなんか買ってかなきゃじゃん。
「あ、あぁそうか………良かった……なんだ」
深く溜め息をつくアイデンを尻目に僕は影から引っ張りだした銅貨をおばさんに渡す。
「はいまいどあり! となりのかっこいいお兄さん楽しい人だね、良かったらまた来ておくれよ」
「はーいありがと~! 」
何故かまたげっそりしているアイデンさんの腕を引っ張って更に歩き出した。
※※※
それにしても、酔い的な物は汗かいて流れたとはい え、ちょっとぽやんてするし、良い加減疲れてきたな………でもまだ夕方までは時間あるからその分遊び尽くさないと………、それにアルさんのお土産はどうしよう。
どうせならあの人に似合う物か実用的な物にしたい、おべっかとかお世辞とか抜きにアルさんの事は大好きだから、たまには、ね。
だったらボーチなんかよりちゃんとしたバッグとかハンカチ……いや、汗拭きタオルをたくさん…………ん?。
閃いた。
「あぁそうだ」
ぽんと手を叩いて言えば隣のアイデンさんが怪訝な顔を浮かべる、
「今度はどうした? 」
今度はってなんだい………。
「アルさんっ将軍でしょ?」
「あぁ、大将軍だな」
「武器使うでしょ? 」
「使うぞ」
「だったらなにか剣とかナイフ送ればいいんじゃないかっと」
「………なるほど」
腕を組んで感心しているアイデンさんに僕はにへらと笑った。
「だからアイデンさん」
「おう」
「どっか武器屋つれてって! 」
笑顔で言った僕にアイデンさんは少し顎にてを当てるとゆっくり頷いた。
「分かった、とっておきの店に連れていってやろう」
街を練り歩き、のんびり歩き、目を輝かせ、年がさも無くはしゃぎ、アイデンサんに笑われ……そしてまたお土産屋を見比べて僕は悩む。
「んー………」
こう……眺める分には楽しいけど……いざ本腰入れて転々と見ている、けど良いものが……ない。
「あの店でも何も買わなかったな………遠慮する必要はないんだぞ? 」
お店をさっと見ては次の店に移るを繰り返し変わる変わると見て、七件目のお店から出てため息をつく僕にアイデンさんはずっしりと重そうなお財布を出した。
「別に遠慮しているつもりはないよー」
「ならなぜ何も買わないんだ? 」
へにょりと眉を下げるアイデンさんにつられて僕も同じ顔をさせながら歩き出す。
「なんていうか個人的にこれ、てのが無いんだよね」
「ほう」
「布とかありきたりなのはちょっと、なんか僕の好み的な何かが許さないの」
「好み的な何かってなんだ…………」
「お菓子とか無くなる物じゃないものなら意外性のある物を買いたいわけよ」
「……分かるな」
「んー、でもここらへんの奴はデザインとかは申し分ないけど~……特に気に入るものはないねぇ」
「王都だからそれなりに良いものはある筈、それでもか? 」
「うんー……だって、アルさんにうさぎの刺繍つきのハンカチとかあり得ないでしょー?」
「あいつに何か贈るつもりのか? 」
「お土産だよ? 」
「あぁ、そういうことか………いやあいつになにかを買うつもりなのか?」
目を丸くするアイデンさんに僕は肩をすくめた。
「折角街に降りられたんだからその楽しさを親しい人と共有したいと思うのは普通でしょ」
「そういうものか」
「そういうもんだよ、……で、アルさんに何送ろうかね」
周りにあるお店をきょろきょろと見るけど、ここら一帯のお店はすべて見尽くした。
「んー、そうだ、あいつに送るなら適当な物で良いと思うが? 」
あそこの無地のタオルとかどうだ、とアイデンさんは一軒のお土産屋さんを指差す。
「わかってないねーアイデンさん」
「む? 」
やれやれと溜め息をつけばアイデンさんは首を傾げる。
「こうやってうだうだ悩んでるのが結構楽しいんじゃないの」
「……………楽しいのか? 」
「yes」
「すまんがわからん……」
溜め息をついたアイデンさんに僕は苦笑を漏らす。
にしても、マジでどーしよーかな、、お土産。
あの人に似合いそうなものってなんだろ。
アイデンさんが指差した先にあった店にとりあえず着いた僕は手近にあったポーチを手に取る。
「……いっそのこと笑いに逃げてこの小熊さんポーチをプレゼント……」
リアル熊だけど小熊だから結構可愛いねこれ。
「するのか……? 」
「これを僕だと思ってずっとつけてて! て言葉も添えて」
「ごつい男が可愛いポーチつけている気持ち悪い絵面ができるから止めてくれ………」
アイデンさんが遠い目をして面白いことになってるけど無視、無視だ。
「おばさんこれくださーい!」
「銅貨6枚だよ~」
店の奥にいるお店のおばさんに声をかける。
「買うのか? おい?! 」
「へいっ」
「それは誰に向けた返事だっ!? 」
がさごそとポケット、もといそこから繋いだ影に手を突っ込んでお金を探していると言うのに発狂寸前のアイデンが邪魔をしてくる。
「……これオークのブーちゃんにあげるもんだよ」
あの子なら多分似合うでしょ、あ、そうなると王様にもなんか買ってかなきゃじゃん。
「あ、あぁそうか………良かった……なんだ」
深く溜め息をつくアイデンを尻目に僕は影から引っ張りだした銅貨をおばさんに渡す。
「はいまいどあり! となりのかっこいいお兄さん楽しい人だね、良かったらまた来ておくれよ」
「はーいありがと~! 」
何故かまたげっそりしているアイデンさんの腕を引っ張って更に歩き出した。
※※※
それにしても、酔い的な物は汗かいて流れたとはい え、ちょっとぽやんてするし、良い加減疲れてきたな………でもまだ夕方までは時間あるからその分遊び尽くさないと………、それにアルさんのお土産はどうしよう。
どうせならあの人に似合う物か実用的な物にしたい、おべっかとかお世辞とか抜きにアルさんの事は大好きだから、たまには、ね。
だったらボーチなんかよりちゃんとしたバッグとかハンカチ……いや、汗拭きタオルをたくさん…………ん?。
閃いた。
「あぁそうだ」
ぽんと手を叩いて言えば隣のアイデンさんが怪訝な顔を浮かべる、
「今度はどうした? 」
今度はってなんだい………。
「アルさんっ将軍でしょ?」
「あぁ、大将軍だな」
「武器使うでしょ? 」
「使うぞ」
「だったらなにか剣とかナイフ送ればいいんじゃないかっと」
「………なるほど」
腕を組んで感心しているアイデンさんに僕はにへらと笑った。
「だからアイデンさん」
「おう」
「どっか武器屋つれてって! 」
笑顔で言った僕にアイデンさんは少し顎にてを当てるとゆっくり頷いた。
「分かった、とっておきの店に連れていってやろう」
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