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六章 変化

やかましいわ

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「いらっしゃいませアイデン大将軍!! 」

「……………」

耳に、というか空間ごと揺らすかん高い声に思わず歪もうとする顔を僕はなんとか抑える。


これは、あれだ某洋服屋店員の声………。

ここ宝石商だよね?とアイデンさんを見れば方耳に指を突っ込んでいる。


顔は彫像みたいな真顔、良かった、ちゃんとうるさいのね。



「ようこそ、王都一番の老舗宝石商、【ストーンドリーム】へ!! 本日はいかがいたしましょうか大将軍!! 」

うおぉ、至近距離でキンキン声はきつい………耳、耳がぁ……、


顔を頑張って固定させながら苦しみ、なんとか堪えているととぽん、と僕の肩にアイデンさんの手が乗る。

「店主 この子は俺の伴侶となる子だ……頼む」

頼むって、え? なに、店主? チガウチガウ……伴侶?


「まあそういうことですのね……!! 畏まりました!

ちなみに装飾の石は? 」

お姉さん頷いてるけど通じてるの??。


「ガーネットで手頃な物があれば、一週間以内に」

ガーネット? えぇ? え?


「はいはい! では少々お待ちを」

二人の顔を交互に見ているとにこにこと頭を下げた洋服屋店員(勝手に命名)さんはお店の奥に歩いていった。



「………何してんの ?」

意味わかんないんだけど。


そんな気持ちでアイデンさんを見れば彫像から一変教会の絵画みたいな笑み。


「ラグーンにな、着けて貰いたい物があるんだ」

着けて貰いたいもの? やっぱりネックレスつけさせる気この人、イヤリングで充分お腹いっぱいよ僕。

いや、でも折角買ってくれるんだから、うーん。 


「なんかじゃらじゃらした物は嫌いだよ僕」

「分かっている、できるだけシンプルな物にする、………だが時間が経てばじゃらじゃらしてしまうかもな? 」

「えー?」

意味わかんない(二回目)


「失礼しますねぇー」

あ、お姉さんいつのまに前に、ん?、手に持ってるのなに。


「では伴侶様、左腕を少し出して頂いても宜しいですか?、はい、ありがとうございます では失礼しますねえ」

伴侶様? 僕の事か………。

流されるまま腕を出せば巻き尺みたいな物を僕の腕につけてなにやら小さい紙にメモしている。


三分くらいかな、じっとしてたらふいにその人がにんまりと顔を上げた。


「おっけーです! お疲れさまでした! 」

うぉ、耳がぁ………。


「できるだけシンプルで、あまり派手では無いもので頼む」

「畏まりました! 」

み、耳がぁ……ぐおぉ!。


「値段の方は? 」

「そうですねぇ、簡単に見ると……金貨20枚になります 」 

仏頂面アイデンさんに聞かれたお姉さんはにんまりスマイルを更ににんまりさせて答える。


「ほぇ?」

きんかにじゅうまい????。


えぇー、と日本円に換算すると、お………。


二十万円………はいい?


「わかった」

「え? 」

アイデンさんなに即決してんの?! いやお財布からすんなり出さないで二十万円!?


あぁ、渡したった………。


「はい、確かに受けとりました! では一週間後、必ずお渡ししますのでお越しください」


「あぁ、さぁ、行こうかラグーン」

ぉ? ぇ?

頭の中でカーニバルを展開していた僕は腰に回されたアイデンさんの腕に我に帰る。


「いや、あの」

「ほら、時間は有限だ、行こう」

え、ちょい引き寄せないで、まぁいいけど金、違う、なに買ったのこの人、しかも聞いた限りオーダーメイド、え? 次何処いくかって?


え、とえっと  うん。


「うん………ぅん」

もういいや。


店から出て、半場方針状態の僕の耳に口を寄せたアイデンさんが一言。


「クク、こういった所は慣れてないか? 実に可愛らしい……」

やかましいわごら










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