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六章 変化
…………敵?
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「またこいよ坊主! 」
「ありがとうございますー! 」
中々に頑固そうだけど気さくなおじさんの野太い声に返事をし、僕は店を出た。
アイデンさんに紹介して貰ったお店に入ると、商品を見てうだうだ悩む。
結局、一時間悩んで悩みぬき、漸くアルさんへのプレゼントを決めて少し人の少ない通りを歩く。
悩んでる時の事は……僕の優柔不断のお陰延々何にしようか悩んで悩んで悩んだ挙げ句別のことで悩み抜いた。
まず初めに手に取ったのは剣……なんだけど、アイデンさんが言うにはあいつが並みの剣振るうとすぐに折れてしまうから送るなら特注の物がいい、らしい。
だから、また振り出しからスタートよろしくむーむー唸りながらプレゼントを選び直した。
お陰で色々と教えてくれていた店主のおじちゃん呆れて店の裏引っ込んじゃうし、アイデンさんにはあくびされるわで漸く、漸く決めた一振りのナイフを買った時には日が沈みかけていた。
今から帰るんだけど、本当なら神殿に顔見せる予定だったけどアイデンさんに止められたから止めた。
「こんな感じの奴だけど、気に入ってくれるかな~アルさん」
てくてくと城へ向けて歩きながら茶色い皮の鞘に入ったナイフ、世に言うダガーナイフを持ちながら僕は呟く。
「あいつなら絶対気に入る」
「そうかなぁ……」
アイデンさんは笑顔で言ってくれてるから良いけど……。
「んー? 、んーいや、三日後くらいに渡す? かな?」
「………割りと先なんだな」
「城についたら十中八九あいつが出迎えると思う、その時に渡してみたらどうだ?」
「アルさんに渡すんなら意外性のあるものにしようと思うんだ」
「なら……何か飾りでもつけるのか?」
「そうだねぇ……つけるだけなら簡単だけど」
何を付与しよかな~。
「ならあまり目立ちすぎない所につけてくれよ? 実際に使う時に邪魔になっては目もあてられんからな」
「はーい……」
そおだよね、と返事をしたところで優しくふいているそよ風が鼻をくすぐる、それにつられて鼻の奥から沸き上がる疼き。
ふぉ、ここで来るか。
だから僕は急いでナイフを影に入れると、だんだん強くなる疼きに耐えられなくなり、思わず口に手を当て、
「へっくしゅっ! 」
ゴオォオ………!!。
いっけないくしゃ……み、、え?
今頭の上なんか通過し……
ボォン……!
なんか爆発して目の前から熱風が…… え?
近くの人達が悲鳴上げてる……
うぇ?
何事、と顔を上げ後ろを見れば、数メートル先、敷き詰められた石を破壊しながらごうごうと燃え上がる火柱 ………何事。
思わず目を丸くし、隣のアイデンさんを見てひゅっ、と喉が鳴った。
まるて獲物を見定めるように静かな目で上を見るアイデンさん、口元を引き結んだその表情は至って真面目そのもの…………だけど琥珀色の目に光か宿ってないと………。
それに加えてアイデンさんの手は僕の腕をきつく、僕の腕の色が赤くなるほどが握られている。
アイデンさんの見ている屋根の上には街で見た人と変わらない衣服を着ている髪の長い女の人………ただしその手には2メートル近くある先に赤い玉のついた杖を持ち、その杖がいま紅く輝いていた。
女性と一瞬目が合ったかと思うと、後ろの路地から金属の擦れる音がいくつも聞こえ、首だけ振り返れば鎧を着た兵士さんがいっぱい出てきた………。
えぇと数は一 二 三 四……色々すっ飛ばしてざっと………十人? ………襲撃されていますよ奥様、どうしようか。
ほらしゃらりと剣抜いちゃったよ、どうする。
「案ずるな」
急な状況に逆に冷静になっている僕の頭に手を置いたアイデンさんは僕を見て薄く微笑んだ。
そしてふっ、笑みを消し真顔になったアイデンさんの目はギラリと鋭く、周りの兵達を見回す。
「紋章つきの鎧なんて馬鹿だなお前ら……薔薇はあの公爵…………良い度胸だな」
辺りを見終えたアイデンさんは鼻で笑ったかと思えば弧を描くようにニタリと笑う。
「用件だけ言え、それ以外はいらん」
やだなにこの怖い人………
「ありがとうございますー! 」
中々に頑固そうだけど気さくなおじさんの野太い声に返事をし、僕は店を出た。
アイデンさんに紹介して貰ったお店に入ると、商品を見てうだうだ悩む。
結局、一時間悩んで悩みぬき、漸くアルさんへのプレゼントを決めて少し人の少ない通りを歩く。
悩んでる時の事は……僕の優柔不断のお陰延々何にしようか悩んで悩んで悩んだ挙げ句別のことで悩み抜いた。
まず初めに手に取ったのは剣……なんだけど、アイデンさんが言うにはあいつが並みの剣振るうとすぐに折れてしまうから送るなら特注の物がいい、らしい。
だから、また振り出しからスタートよろしくむーむー唸りながらプレゼントを選び直した。
お陰で色々と教えてくれていた店主のおじちゃん呆れて店の裏引っ込んじゃうし、アイデンさんにはあくびされるわで漸く、漸く決めた一振りのナイフを買った時には日が沈みかけていた。
今から帰るんだけど、本当なら神殿に顔見せる予定だったけどアイデンさんに止められたから止めた。
「こんな感じの奴だけど、気に入ってくれるかな~アルさん」
てくてくと城へ向けて歩きながら茶色い皮の鞘に入ったナイフ、世に言うダガーナイフを持ちながら僕は呟く。
「あいつなら絶対気に入る」
「そうかなぁ……」
アイデンさんは笑顔で言ってくれてるから良いけど……。
「んー? 、んーいや、三日後くらいに渡す? かな?」
「………割りと先なんだな」
「城についたら十中八九あいつが出迎えると思う、その時に渡してみたらどうだ?」
「アルさんに渡すんなら意外性のあるものにしようと思うんだ」
「なら……何か飾りでもつけるのか?」
「そうだねぇ……つけるだけなら簡単だけど」
何を付与しよかな~。
「ならあまり目立ちすぎない所につけてくれよ? 実際に使う時に邪魔になっては目もあてられんからな」
「はーい……」
そおだよね、と返事をしたところで優しくふいているそよ風が鼻をくすぐる、それにつられて鼻の奥から沸き上がる疼き。
ふぉ、ここで来るか。
だから僕は急いでナイフを影に入れると、だんだん強くなる疼きに耐えられなくなり、思わず口に手を当て、
「へっくしゅっ! 」
ゴオォオ………!!。
いっけないくしゃ……み、、え?
今頭の上なんか通過し……
ボォン……!
なんか爆発して目の前から熱風が…… え?
近くの人達が悲鳴上げてる……
うぇ?
何事、と顔を上げ後ろを見れば、数メートル先、敷き詰められた石を破壊しながらごうごうと燃え上がる火柱 ………何事。
思わず目を丸くし、隣のアイデンさんを見てひゅっ、と喉が鳴った。
まるて獲物を見定めるように静かな目で上を見るアイデンさん、口元を引き結んだその表情は至って真面目そのもの…………だけど琥珀色の目に光か宿ってないと………。
それに加えてアイデンさんの手は僕の腕をきつく、僕の腕の色が赤くなるほどが握られている。
アイデンさんの見ている屋根の上には街で見た人と変わらない衣服を着ている髪の長い女の人………ただしその手には2メートル近くある先に赤い玉のついた杖を持ち、その杖がいま紅く輝いていた。
女性と一瞬目が合ったかと思うと、後ろの路地から金属の擦れる音がいくつも聞こえ、首だけ振り返れば鎧を着た兵士さんがいっぱい出てきた………。
えぇと数は一 二 三 四……色々すっ飛ばしてざっと………十人? ………襲撃されていますよ奥様、どうしようか。
ほらしゃらりと剣抜いちゃったよ、どうする。
「案ずるな」
急な状況に逆に冷静になっている僕の頭に手を置いたアイデンさんは僕を見て薄く微笑んだ。
そしてふっ、笑みを消し真顔になったアイデンさんの目はギラリと鋭く、周りの兵達を見回す。
「紋章つきの鎧なんて馬鹿だなお前ら……薔薇はあの公爵…………良い度胸だな」
辺りを見終えたアイデンさんは鼻で笑ったかと思えば弧を描くようにニタリと笑う。
「用件だけ言え、それ以外はいらん」
やだなにこの怖い人………
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