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自殺か自己犠牲か?他の生命体の為に身を捧げると言うこと

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キャメロン系もオーランド系のようにモニター機材の端の方に立っていて、機材の影なのか分からないが、ちょっと薄暗い所に立っていて、なんでそんな不思議な所に立っていて話しているのか、その訳も聞きたかったが、そのことは、どうでもいいとも思っていたのであえて聞かなかったが、彼女の方だけは見続けた。




「あくまでも我々のことをお話している訳ですし、我々の全てが正しいとは、はっきりと申す事は出来ません。

ただ、我々は、工藤潤と言う人間に対し、その人生に対し、多大な影響を与えてしまったからこそ、我々の全てを報告する義務も発生していると思いお話しているのです。

このお話が、工藤さんのなんらかにに響くのなら、それは採用しても宜しいのですし、反対に、これはおかしいと思うのであれば受け流して一向に構わないのです。

ただ、この話を、工藤さんに話さないといけないと、我々は勝手に判断したものですので、話しているのです」




私は全くの自由の中にいると、言われたようであり、しかし、反対に自由とは言い切れない世界の中で鎖に繋がれているイメージも想像していた。

全て決められているのに、自由、どっかで読んだような、聞いたような気がするな!

私はそんな言葉を咄嗟に思い出していた。




「話を続けます。

我々は、精神世界の探求により、全てのことがら、例えて言うと、我々全ての知的生命体は、その生まれてから死ぬまでの一生が全て、自分によって決められていた事を知って、愕然としました。

我々は、もう生まれる前から、自分で自分の青写真を、設計図を描いていて、その様に生きてもらおうと祈りを込めながら設計していたのです。

その意識体が遥か彼方から残像のように見えた時には、得も言われぬ感動が我々を包み込み、その原点にこそ、全てが隠されていることと納得して行きました。

ある一定のラインが超越した時に、いきなり平原が見えてくると言った例えが正しいのかは分かりませんが、我々はその真実を知り、そのことを現世の物質社会崇拝者にも教えたのですが、けんもほろろに無視され、それがどんな意義があるのかと非難もされました。

そして、彼ら物質社会崇拝者は彼らの力を誇示する為に、また、新たな宇宙進出を計画し、実行しようと動き出そうとしていました。

しかし、実際、我々はある重大な問題を発見してしまい、もうこれ以上の我々のもう一つの分身であり、物質社会崇拝者たちの暴走を止めなければ、と言うジレンマに襲われ始めたのです。

我々は嘗ての我々を止めなくてはなりませんでした。

止めると言うよりも、この場合は、非難すると言った方が良いのかもしれません。

そこには、もう語り合えるほどの、ほんの少しの希望的観測もありませんでした。

我々の肉体を有する存在は、ある意味、その役目を終えていたのかもしれません。

それでも、せっせと、彼らは物質社会の更なる頂点を極めようとやっきになり、最後には見えざる敵、我々のことを、そう言って、彼らも大いに非難し、彼らのテクノロジーで我々を捕獲殲滅することだけを考えているようでした。

それは、凄く異様な状態であり、嫌悪すべき行為に他なりませんでした。

我々の、宇宙に対する責任は、我々と同じ知的生命体の更なる進化への精神的導きなのでしょうが、それもあくまでも、これから生まれてくるであろう、生命体の中でも知的生命体になる状態の妨げの排除でした。排除と言うと誤解がありますが、それは自らの排除を意味します。

人類の言葉では、サクリファイス、自己犠牲ですね。

我々は、以前もお話ししましたが、宇宙の摂理としてやってはいけないことをしてしまいました。

それは、本来、生まれるであろう生命が育まれるべき星と、我々の後を受け継ぐべき知的生命体が表れるであろう惑星を我々の手で破壊してしまったと言う、許されざる行為を、この状態になって初めて知ってしまったのです。

そして、もう、また同じ過ちを犯してはいけないと言う宇宙の摂理から、そして、我々の物質社会と合理主義の永遠の終焉を望み、我々は我々自身は、我々を育んでくれた星を自分自身の手で破壊しました。

その時、物質社会崇拝者はまさか、我々がそんな大それたことを、それも、物質社会の強力なテクノロジー無しで、行うとは思いもよらなかったし、それは今思い出しても本当に鮮やかなほど、一瞬の出来事でした。

我々は一瞬で、我々の星を、我々の物質化していた身体を、原子レベルまで完全に分解したのです。

勿論、多少の宇宙空間の歪は発生しましたが、それとて、本当に微々たる歪みであり、元々、そんな歪みなど無いと言っても差し支えない程の歪みでした。

なによりも、その時の、彼らの最後の断末魔みたいな音だけが微かに宇宙空間に、今までそこに大きな質量を与えていた空間に残そうとしましたが、それさえも、後の後の悪影響を考え削除しました。

我々はそして、真の静けさと、真の安らぎを得ることが出来ました。

と言うよりも、そこがスタートでもあり、全ての別れだったのかもしれません」




「と、言う事は、自分自身で、つまり、自分の星を、自分の星の生きていた自分自身を消滅したってことなの?」

「信じられないかもしれませんが、その通りです。
そして、もし、それをしなければ、あなた方のような知的生命体を育むべく宇宙の摂理に対し、悪影響を与え続け、他の全ての星と全ての生命体に迷惑をかけるはずですから、これは本当に必要なことだったのです」

私は、内心、驚いていた。

つまり、彼らは自分自身を犠牲にしてまでも、我々の様な人類みたいな知的生命体の誕生の礎になるかのごとく、自ら滅んできた、というのだ。それもさも当たり前の選択のように、究極の自己犠牲とやらを、彼らは選択して来たのだ。

その痛みはいくばくのことだったのか分からない、既に、肉体の無い世界へと移行していたとは言え、全く痛みの無い訳はないような気がした。

特に精神的に、何かを味わったのではないかとも考えた。
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