運命を知っているオメガ

riiko

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番外編 2

大人の時間 3 ※

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 最初の交わりはずっとリビングだった。

 司の全てが出しきるとお互いに、ちょっとだけまったりタイムだ。司が水を持ってきてくれてそれを飲んでいた。アルファの長い射精が終わって、司が冷静になってきたので、司はいつもの通り俺の世話をしていた。体をホットタオルで拭いてくれていた。そして服は着せてくれなかったので、ブランケットを肩にかけられた。

 そうだよな、これはほんの始まり、ここから何回か司に抱かれるんだから服を着る必要はない。きっともうすぐ俺もヒートが来る。司が極限まで挿入はいってきたおかげで、俺のオメガの機能が俺だけのアルファへと向きだしたのを自覚した。この休み中、家事から解放されてすっかり元気になってたみたいで、最近の交わりのような疲れがない。むしろまだまだ司に抱かれたいって思ってる。

 なんていうか、さっきまでみんながいたリビングで致してた背徳感がやばい。水を飲みながらそんなこと考えてたら、今度は俺がだめだった。せっかく司のラットが治まってきたのに、それとは逆に俺の体が熱い。たまらなく後ろに司がほしい。さっき散々司がいたのに、それなのにまた欲しくてたまらない。

「司、俺、なんかもう……」
「これは、まずい。ベッドに移ろう」

 俺が持っていたペットボトルを司が受け取り、俺を抱き上げようとした。その刺激で俺は感じてしまう。触られるだけで、後ろから蜜がでるって、旦那のラットへのオメガの反応ってやばすぎるよぉ。

「ぅ……ん、あ、あ、だめ。もっかいれて」

 司に移動と言われたけど、そんなの耐えられなかった。すると司がキスをしてきた。冷たい水を飲んで冷えていた口内が一気に司の熱さが入り込んできた。それが心地いい。

「ん、んん、んちゅっ、ん、つか、さ」
「正樹、れるぞ」
「うん、あ、あん、いい、いい、ああ、あッあ、あ、あ、ああ」

 司が一気に司君を戦闘態勢に持ってきて、俺の中にぶち込んできた。さすがに数分前までしてたから、すんなりと迎え入れたけど、でも挿入された瞬間やはり俺は達した。

「は、あ、あああ。気持ちいい!」
「ああ、もうここじゃ正樹の体が辛くなるから、ベッド移動するぞ」

 なんでだろう。達したところですぐに欲しくなるなんて……

「やだやだ、まだ挿入はいっててえぇ。司、もっと、ツンツンしてぇ」
「ああ、挿入はいったままだ」
「え、あ、あああああ!」

 まさかの挿入したまま司が立ち上がった。これ、これ、これ、超エロいやつだよ、たまに司がヤッテル最中に俺を持ち上げて歩く、あれだよぉ。

 ああ、なにこれ、深い、深い、深すぎる。

「これで階段上がるからな」
「え、や、やだぁ、怖い。怖いから、動かないで」
「正樹は我儘だなぁ、動けとか動くなとか。じゃあ抜いていいのか?」

 司が嬉しそうにそう言った。俺に求められて嬉しいのバレバレなんだよ、さっきより司のフェロモンが濃くなってるので、俺にはバレバレなんだからな!

「ダメ、抜いちゃダメ。また司の蜜で俺を満たすまでだめぇ、ね?」
「うっ、可愛すぎだろ。じゃあ、このまま二階だ」

 司が悶えながら、俺に言い聞かせた。

「ぅぅぅ、俺、粗相しちゃうよ。階段に、なんて恥ずかしい」
「そんなの慣れてるだろ。専任スタッフの手配するから大丈夫だ。正樹少し締め付け抑えて、俺、歩けなくなる」

 司の言葉ひとつひとつに感じちゃう。今は恥ずかしいって思ってるけど完全にヒートに入っちゃえば、いろんなところを汚すことなど気にならなくなる。俺は覚えてないけど、トイレだってヒート中は司が世話してくれてるらしいし。

「うう、司、ほんとこれ、好きなのな?」
「ああ、正樹が必死に落ちないようにしがみついて、アソコが締まるのもフェロモンが強くなるのも、好きだ」
「へ、へんたいぃぃー」

 そんな会話をしながら、俺は歩くたびにアンアン言わされて、階段を上り寝室に入る。その最中もう俺は司に夢中で、ずっと俺の男根からは雫が漏れていたし、結合部からも二人の愛液が零れて、床を汚していた。

「正樹、着いたよ。一度抜くから」
「あ、あ、あ、ああ」

 司が一気に腰を振って奥をコツンと触ると俺がまた達する。

 愛する人の液体が体に染みわたって、極上の幸福感に包まれる。ホワホワして気持ちいい。あぁ、今度はベッドで抱いてもらえるんだ。どんな体勢になっても、大丈夫。だって、ベッドは柔らかいから、そんなよく分からないことを考えながら、司がずるッと抜けたその時、ふとベッド横にあるベビーベッドを見る。すると驚きの状況になり、俺は一気に幸せフェロモンから、母親モードに切り替わった。

「え……」
「きゃっきゃ、ばばばー」

 そこに笑ってる太陽がいた。

「た、たいよぅぅぅぅーーー!!!?」
「え、太陽?」


 俺の声に司もそっちを見る。そして二人で固まる。

「「……」」

 とりあえず俺は起き上がる。俺の体力はやはりまだ大丈夫のようだった。さっと体を拭き、ガウンを羽織り太陽を抱っこした。

「ねぇ、自分の子だけ忘れる?」
「あ、ああ蘭はいないな」

 司がきょろきょろして娘が見えないことを確認して、ベッド脇にあるスマホで電話を掛けた。太陽を連れて行かなかったことに気付いた海斗さんは、さすがにラット中に邪魔はできないと思い連絡待ってたって。お昼寝の時間からそろそろ覚める頃だから、あと数分でホテルスタッフに対応してもらおうかと考えていたらしい。

 たしかに、ラット中のアルファの邪魔なんてしたら大変だよね。俺たちが急に欲情したから、部屋を出る時急かしてしまったのかもしれない。

 太陽は笑ってて、なんともなさそうだった。抱っこして確認すると嬉しそうにしていた。赤ん坊とはいえ、いやらしい声を聞かせていたのかもしれないと思うと、なんとも教育に悪いことをしたと申し訳なくなる。

「正樹、太陽貸して。すぐに迎え来るって言うから下に降りてる」
「うん、ごめん。よろしくね」

 司もガウンを着ていた。司が太陽を抱っこして、俺にキスをする。

「正樹。隣の部屋に移ってて」
「え? なんで?」
「正樹の好きなもの置いてあるから」

 なんだろう。司はなんか企んでるような、そんな顔をして出て行った。
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