93 / 101
番外編 2
北海道旅行 4
しおりを挟む
初日は家族でヴィラの周りのお店を堪能したり、室内でシェフを呼んで料理を振舞ってもらっていた。北海道の幸をたらふく食べた。奥さんを休ませるのも目的だと司が言って、俺を労ってくれたぜ。
子どもたちは、というか主に双子は二人で楽しんでいた。その夜は、家族五人で星空を堪能して大きなベッドで眠った。子どもたちを挟んで横になっていた司の瞳がちょっと怖かった。これ、明日、俺食われるって思ったよ。
この旅行に合わせて司は仕事三昧で、実はずっと俺たちご無沙汰だ。
俺の発情期がまだ出産後戻ってきていない。
三人目を産んで双子の世話をしていたら、ちょっと疲れていたみたい。主治医の先生は、いつか自然に戻ってくるからって大丈夫だと言っていた。久しくヒートの交わりをしてないから、司の精力は溢れんばかりで大変なのだと思う。ヴィラに来るといつもずっと交わっていたから、そんなことを思い出したのかな?
産後久しぶりにしたとき、司が気を使ってるのがわかった。もっと思う存分付き合ってあげたいんだけど、俺の体力がまだ戻っていなくて、司のしたい限界なんてとても付き合えなかった。
そんなことを考えながら、俺は体力温存のために布団にもぐって司の視線を交わすというスキルを見せた。少しだけ司の香りが俺の鼻腔に入り込んだけど、それを無視してなんとか蘭のかわいい赤ちゃんの香りを嗅ぐと母親としての自分を思い出し、眠りにつくことができた。
夜中、「託児所託児所」って寝言を言ってる司の鼻をむぎゅって摘まんでやった。
そして翌日。
「正樹ぃー!」
「まさくーん!」
美しい親子が目の前にいる。空が俺の足に抱きついてきた。
トップモデルの海斗さんと、その息子の空だった。海斗さんは俺たちより年上。その年上の美貌というか、年々美しさを増していた。そして長男の空は小学生ながらモデルをしている。ちなみにうちの双子は、空にメロメロだ。
「海斗さん! 空!」
玄関を開けて二人を迎えたところだった。今、俺は大人しくヴィラで蘭とお留守番中。司は双子を連れてアクティビティに出かけていた。といってもこの施設内だけど。目いっぱい遊ばせて疲れさせてやるって言ってた。だから正樹は体を休めとけよって言われた。
うん、これ、俺、今夜食われるな。
玄関で出迎えて部屋に入って来た時、二人しかいないことに気が付く。
「あれ? 櫻井と太陽は?」
「ああ、メインロビーで司と会ったから、僕たちだけ先にこっちにきたんだ」
ね、とお互いに目を合わせて微笑みあう親子。それだけでここがイギリスに見えてしまうのは俺だけじゃないはず。絵になるわ。
「あれ? 司ロビーにいたの?」
「うん。施設の人に双子預けて遊ばせてるって。なんか体力温存とか言ってロビーで休んでいるところに、僕たちが到着したんだ」
あいつ、子どもの世話をほっぽいて、完璧に夜の体力温存だよな? 俺には今日はゆっくりしろとか言って、蘭と二人部屋に残してきたくせに。ロビーで一人寛ぐとはけしからん!
「蘭はおねんね?」
「ああそうなんだ。さっき寝たところ」
海斗さんが、寝ている蘭を見つけて微笑んだ。
「太陽もすっやすやだから、僕と空で楽しんでおいでって、先にきたんだ。類が今、ロビーで見ててくれてる」
「さすが櫻井、相変わらずの王子様みたいなセリフ言うんだな」
太陽は櫻井家の次男で、空の弟。俺より少し先に海斗さんは出産していた。蘭と同じ年の幼馴染だ。
「あれ? じゃあまだ空は、蓮と凛に会ってないの?」
「うん。僕とママはまっすぐまさ君のいるヴィラに、送迎されてきたよ?」
「はは、二人より先に俺が空に会ったのばれたら怒られるな」
「ふふふ、僕も早く二人に会いたいな」
ああ、この海斗さんにそっくりな空に魅了されるうちの息子たちの気持ちが少しわかったよ。俺は自然と空の頭を撫でていた。
子どもたちは、というか主に双子は二人で楽しんでいた。その夜は、家族五人で星空を堪能して大きなベッドで眠った。子どもたちを挟んで横になっていた司の瞳がちょっと怖かった。これ、明日、俺食われるって思ったよ。
この旅行に合わせて司は仕事三昧で、実はずっと俺たちご無沙汰だ。
俺の発情期がまだ出産後戻ってきていない。
三人目を産んで双子の世話をしていたら、ちょっと疲れていたみたい。主治医の先生は、いつか自然に戻ってくるからって大丈夫だと言っていた。久しくヒートの交わりをしてないから、司の精力は溢れんばかりで大変なのだと思う。ヴィラに来るといつもずっと交わっていたから、そんなことを思い出したのかな?
産後久しぶりにしたとき、司が気を使ってるのがわかった。もっと思う存分付き合ってあげたいんだけど、俺の体力がまだ戻っていなくて、司のしたい限界なんてとても付き合えなかった。
そんなことを考えながら、俺は体力温存のために布団にもぐって司の視線を交わすというスキルを見せた。少しだけ司の香りが俺の鼻腔に入り込んだけど、それを無視してなんとか蘭のかわいい赤ちゃんの香りを嗅ぐと母親としての自分を思い出し、眠りにつくことができた。
夜中、「託児所託児所」って寝言を言ってる司の鼻をむぎゅって摘まんでやった。
そして翌日。
「正樹ぃー!」
「まさくーん!」
美しい親子が目の前にいる。空が俺の足に抱きついてきた。
トップモデルの海斗さんと、その息子の空だった。海斗さんは俺たちより年上。その年上の美貌というか、年々美しさを増していた。そして長男の空は小学生ながらモデルをしている。ちなみにうちの双子は、空にメロメロだ。
「海斗さん! 空!」
玄関を開けて二人を迎えたところだった。今、俺は大人しくヴィラで蘭とお留守番中。司は双子を連れてアクティビティに出かけていた。といってもこの施設内だけど。目いっぱい遊ばせて疲れさせてやるって言ってた。だから正樹は体を休めとけよって言われた。
うん、これ、俺、今夜食われるな。
玄関で出迎えて部屋に入って来た時、二人しかいないことに気が付く。
「あれ? 櫻井と太陽は?」
「ああ、メインロビーで司と会ったから、僕たちだけ先にこっちにきたんだ」
ね、とお互いに目を合わせて微笑みあう親子。それだけでここがイギリスに見えてしまうのは俺だけじゃないはず。絵になるわ。
「あれ? 司ロビーにいたの?」
「うん。施設の人に双子預けて遊ばせてるって。なんか体力温存とか言ってロビーで休んでいるところに、僕たちが到着したんだ」
あいつ、子どもの世話をほっぽいて、完璧に夜の体力温存だよな? 俺には今日はゆっくりしろとか言って、蘭と二人部屋に残してきたくせに。ロビーで一人寛ぐとはけしからん!
「蘭はおねんね?」
「ああそうなんだ。さっき寝たところ」
海斗さんが、寝ている蘭を見つけて微笑んだ。
「太陽もすっやすやだから、僕と空で楽しんでおいでって、先にきたんだ。類が今、ロビーで見ててくれてる」
「さすが櫻井、相変わらずの王子様みたいなセリフ言うんだな」
太陽は櫻井家の次男で、空の弟。俺より少し先に海斗さんは出産していた。蘭と同じ年の幼馴染だ。
「あれ? じゃあまだ空は、蓮と凛に会ってないの?」
「うん。僕とママはまっすぐまさ君のいるヴィラに、送迎されてきたよ?」
「はは、二人より先に俺が空に会ったのばれたら怒られるな」
「ふふふ、僕も早く二人に会いたいな」
ああ、この海斗さんにそっくりな空に魅了されるうちの息子たちの気持ちが少しわかったよ。俺は自然と空の頭を撫でていた。
応援ありがとうございます!
282
お気に入りに追加
3,710
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる