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11話 侵入作戦
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「よし、作戦はこんな感じでどうだ、ラクレス?」ソウイがエルフの三人で考えていた新しい作戦をラクレスに話した。
ラクレスは顎に手を当て少し考えると、「あぁ、良いぞ、ソウイ。」とその作戦に賛同した。
「じゃあ、今日は明日に備えて休もう。」
作戦はこうだ。
まず、トワとナーヤが正面から突入する。
なぜなら、ラクレスはビースト王国の連中とやり合った。
そのため奴らに顔を覚えられている可能性が高かった。
そして、正面に敵の力が向いた隙に俺とソウイが壁を登り侵入する。
そこからラクレスはフードをかぶり、バレない様に処刑場である大広間まで行きビアンカの救出へ行く。
もう片方のソウイはと言うと、すぐさま城の中に侵入しメアリーを捜索する。
トワとナーヤは退路確保のため、頃合いを見て一旦離脱し時を待つ。
これが大雑把な作戦であった。
ソウイ曰く、
「メアリー様の居場所がつかめていないから、単独で慎重に探しに行く。」
だそうだ。
そうして夜が明けた。
「よし、三人とも準備はいいか?」
「あぁ、ラクレスも大丈夫か?」
「もちろんだ。よし、行くか!!!」
そこから、4人は二手に分かれて行動した。
片方のチームであるラクレス、ソウイの方では、ばれないように城門とは違う方向に向かっていた。
「俺はラクレスが大広間で助けている間に、メアリー様を捜索する。大いに目立ってくれてかまわないぞ。」ソウイがラクレスに嫌な笑顔をしながら言った。
それに対してラクレスは、「冗談言うな。」と、こちらも嫌な笑顔で答えた。
そして、ラクレスは続けざまに口を開くと、「でも、処刑場には奴がいるかもしれないからな。戦いになる可能性が高い。ソウイ.......メアリーのことを頼んだぞ!!!」と、今度は真剣な表情をして言った。
ラクレスの頼むぞという目を見たソウイは「お前に言われなくても、絶対に姫様を助けてやる。」と、これから始まるであろう戦いに向けて気持ちを整えていた。
そうこうしているうちに、ラクレスとソウイは侵入する予定の場所まで来た。
「ここか.......」ラクレスは城壁の下まで来ると、見上げて言った。
「随分とデカい壁だな.......」ソウイもラクレスの意見に同情した。
「それよりラクレス、お前はどうやって登るんだ?」ソウイが何か策はあるのかという感じで聞いた。
しかしラクレスは、「あぁ、俺か?俺は一気にジャンプして飛び越える。」とすました顔で言った。
それを聞いたソウイは、「ジャンプって、正気か!?」と何言ってんの?と言わんばかりの顔をして驚いた。
それでもラクレスは、「他にどうやって登るんだよ?壁をよじ登るわけにもいかないだろう。そういうお前はどうなんだ?」ラクレスは逆に聞き返した。
ソウイはラクレスの聞き返しに困ったように「俺は.......」と、黙り込んでしまった。
「まさか.......お前、よじ登る気なのか!?」
ラクレスは恐る恐る聞いてみた。
するとソウイからは想像通りの答えが返ってきた。
「まさかも何も、普通そうだろ!!!お前はどんな身体能力をしてんだよ!!!」ソウイは逆切れをしたかのようにラクレスに言い返した。
「普通に魔力を足にためて、開放するんだよ。そうすれば、簡単に行けるぞ。」
「簡単にっていうけどな.......それが難しいんだよ!!!」
「そうなのか。こんなのは赤ちゃんでもできるものだと思っていたんだがな....。まぁ、魔力を使わなくても、半分くらいまでは行けるけどな。」ラクレスはボソッと言った。
が、「半、分!?」ソウイが驚愕の表情をしてラクレスを見た。
ラクレスは「当り前だろ!!!ビアンカさんだって出来てたぞ?」と、何そんな驚いてんだよと言わんばかりの顔をして言った。
「あの人は特別なんだよ!俺達エルフでも知っているくらいだぞ!やっぱり......人間って奴はこんなバケモンみたいな奴らなのかよ......」ソウイは少し疲れたような顔をして言った。
「知らん!!!」ラクレスに一蹴された。
「あぁそうだったな。ラクレスは記憶の失くしてたんだったな....ところで、今聞くのも何だが、ラクレスの適正魔法は何だ?ちなみに俺は、風と雷の2つ持ちだ!」ソウイは気分を変えようとして話題を変えた。
あっさりと適正魔法を教えてくれたソウイを見て、ラクレスも「俺は風以外なら使える。」とあっさりと答えた。
「そうか、風か....んっ!?風....以外....なら....使える?」ソウイは確認するように言った。
「あぁ、そう言ってるだろ?」
ラクレスの答えにソウイは驚きを隠せていない様子だった。
「おいおい....4属性魔法を使える奴なんて聞いたことがないぞ!!!2つ持ちでも希少だってのに....。お前って実はすごい奴なのか?」ソウイは驚き戸惑っていたが、そんなことを言っていた。
「知らん。」
(さっきからソウイのキャラが少しずつ変わっていっているような気もするが........
まぁ、そんなこともあるか。)
ソウイとの会話中そんなことを思っていたラクレスだったが、
「それより、そろそろだぞ。気を引き締めろよ!」約束の時間が迫ってきていたため、再び気合を入れ直した。
そんなラクレスをよそに、ソウイが気まずそうな顔をしてラクレスに言った。「そんなことより、一つ頼みがあるんだが.......」
「何だ?」ラクレスはこんなときにと思ったが、素直に聞いた。
すると、「俺を担いで、壁を越えてくれないか?」ソウイはラクレスにそうお願いした。
ラクレスは(なんだそんなことかよ.......)と思ったが、口に出さずに「良いぞ。」とだけ言った。
「本当にいいのか?」
「頼んでおいてなんだよ。いいって言ってるだろ。」
「感謝する。」
その直後.......
「ドーーーーーン!!!」
城門の方から轟音が響いてきた。
その音と共にラクレス、ソウイ両者の目の色が変わった。
「始まったな。」
「あぁ、ラクレス頼んだ。」
ソウイがそう言うと、ラクレスは上の警備兵がいなくなるのを待って一気に跳躍した。
「着いたぞ。ここからは、別行動だ!」
「あぁ、助かった。それじゃ、絶対に助けろよラクレス。」
「あぁ。そっちこそメアリーを頼んだぞ。ソウイ。」
そうして、二人はそれぞれの目的を達成するために歩み出した。
ラクレスは顎に手を当て少し考えると、「あぁ、良いぞ、ソウイ。」とその作戦に賛同した。
「じゃあ、今日は明日に備えて休もう。」
作戦はこうだ。
まず、トワとナーヤが正面から突入する。
なぜなら、ラクレスはビースト王国の連中とやり合った。
そのため奴らに顔を覚えられている可能性が高かった。
そして、正面に敵の力が向いた隙に俺とソウイが壁を登り侵入する。
そこからラクレスはフードをかぶり、バレない様に処刑場である大広間まで行きビアンカの救出へ行く。
もう片方のソウイはと言うと、すぐさま城の中に侵入しメアリーを捜索する。
トワとナーヤは退路確保のため、頃合いを見て一旦離脱し時を待つ。
これが大雑把な作戦であった。
ソウイ曰く、
「メアリー様の居場所がつかめていないから、単独で慎重に探しに行く。」
だそうだ。
そうして夜が明けた。
「よし、三人とも準備はいいか?」
「あぁ、ラクレスも大丈夫か?」
「もちろんだ。よし、行くか!!!」
そこから、4人は二手に分かれて行動した。
片方のチームであるラクレス、ソウイの方では、ばれないように城門とは違う方向に向かっていた。
「俺はラクレスが大広間で助けている間に、メアリー様を捜索する。大いに目立ってくれてかまわないぞ。」ソウイがラクレスに嫌な笑顔をしながら言った。
それに対してラクレスは、「冗談言うな。」と、こちらも嫌な笑顔で答えた。
そして、ラクレスは続けざまに口を開くと、「でも、処刑場には奴がいるかもしれないからな。戦いになる可能性が高い。ソウイ.......メアリーのことを頼んだぞ!!!」と、今度は真剣な表情をして言った。
ラクレスの頼むぞという目を見たソウイは「お前に言われなくても、絶対に姫様を助けてやる。」と、これから始まるであろう戦いに向けて気持ちを整えていた。
そうこうしているうちに、ラクレスとソウイは侵入する予定の場所まで来た。
「ここか.......」ラクレスは城壁の下まで来ると、見上げて言った。
「随分とデカい壁だな.......」ソウイもラクレスの意見に同情した。
「それよりラクレス、お前はどうやって登るんだ?」ソウイが何か策はあるのかという感じで聞いた。
しかしラクレスは、「あぁ、俺か?俺は一気にジャンプして飛び越える。」とすました顔で言った。
それを聞いたソウイは、「ジャンプって、正気か!?」と何言ってんの?と言わんばかりの顔をして驚いた。
それでもラクレスは、「他にどうやって登るんだよ?壁をよじ登るわけにもいかないだろう。そういうお前はどうなんだ?」ラクレスは逆に聞き返した。
ソウイはラクレスの聞き返しに困ったように「俺は.......」と、黙り込んでしまった。
「まさか.......お前、よじ登る気なのか!?」
ラクレスは恐る恐る聞いてみた。
するとソウイからは想像通りの答えが返ってきた。
「まさかも何も、普通そうだろ!!!お前はどんな身体能力をしてんだよ!!!」ソウイは逆切れをしたかのようにラクレスに言い返した。
「普通に魔力を足にためて、開放するんだよ。そうすれば、簡単に行けるぞ。」
「簡単にっていうけどな.......それが難しいんだよ!!!」
「そうなのか。こんなのは赤ちゃんでもできるものだと思っていたんだがな....。まぁ、魔力を使わなくても、半分くらいまでは行けるけどな。」ラクレスはボソッと言った。
が、「半、分!?」ソウイが驚愕の表情をしてラクレスを見た。
ラクレスは「当り前だろ!!!ビアンカさんだって出来てたぞ?」と、何そんな驚いてんだよと言わんばかりの顔をして言った。
「あの人は特別なんだよ!俺達エルフでも知っているくらいだぞ!やっぱり......人間って奴はこんなバケモンみたいな奴らなのかよ......」ソウイは少し疲れたような顔をして言った。
「知らん!!!」ラクレスに一蹴された。
「あぁそうだったな。ラクレスは記憶の失くしてたんだったな....ところで、今聞くのも何だが、ラクレスの適正魔法は何だ?ちなみに俺は、風と雷の2つ持ちだ!」ソウイは気分を変えようとして話題を変えた。
あっさりと適正魔法を教えてくれたソウイを見て、ラクレスも「俺は風以外なら使える。」とあっさりと答えた。
「そうか、風か....んっ!?風....以外....なら....使える?」ソウイは確認するように言った。
「あぁ、そう言ってるだろ?」
ラクレスの答えにソウイは驚きを隠せていない様子だった。
「おいおい....4属性魔法を使える奴なんて聞いたことがないぞ!!!2つ持ちでも希少だってのに....。お前って実はすごい奴なのか?」ソウイは驚き戸惑っていたが、そんなことを言っていた。
「知らん。」
(さっきからソウイのキャラが少しずつ変わっていっているような気もするが........
まぁ、そんなこともあるか。)
ソウイとの会話中そんなことを思っていたラクレスだったが、
「それより、そろそろだぞ。気を引き締めろよ!」約束の時間が迫ってきていたため、再び気合を入れ直した。
そんなラクレスをよそに、ソウイが気まずそうな顔をしてラクレスに言った。「そんなことより、一つ頼みがあるんだが.......」
「何だ?」ラクレスはこんなときにと思ったが、素直に聞いた。
すると、「俺を担いで、壁を越えてくれないか?」ソウイはラクレスにそうお願いした。
ラクレスは(なんだそんなことかよ.......)と思ったが、口に出さずに「良いぞ。」とだけ言った。
「本当にいいのか?」
「頼んでおいてなんだよ。いいって言ってるだろ。」
「感謝する。」
その直後.......
「ドーーーーーン!!!」
城門の方から轟音が響いてきた。
その音と共にラクレス、ソウイ両者の目の色が変わった。
「始まったな。」
「あぁ、ラクレス頼んだ。」
ソウイがそう言うと、ラクレスは上の警備兵がいなくなるのを待って一気に跳躍した。
「着いたぞ。ここからは、別行動だ!」
「あぁ、助かった。それじゃ、絶対に助けろよラクレス。」
「あぁ。そっちこそメアリーを頼んだぞ。ソウイ。」
そうして、二人はそれぞれの目的を達成するために歩み出した。
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