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第五章
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しおりを挟むリリヤside
…………なんで?
バレるはずが無いのに何でバレたの?
何で全部上手くいかないの!!
私がこの世界の主人公なのに!!
誰が私の邪魔をしたの?
許さない
私の幸せを壊したやつを見つけ出して、絶対に殺してやる!!
そのためには情報を聞き出して、この汚い場所から抜け出せないといけないよね。
幸いなことに私がどうやって魅了をかけていたのかはバレてない。
このブレスレットも親の形見だから取らないでって泣き喚いたら、見逃してもらったし、まだチャンスがありそうだよね。
まずは看守を魅了して、ここから逃がしてもらわないといけない
「おにいさ~ん、おにいさ~ん」
「煩いぞ。黙っていろ」
「でも~、こんな暗い場所は怖いんです~~~、お兄さんがそばに来て手を握ってくれたら、怖くなくなるの。手を握ってくれてたら静かにしてるからお願い」
お兄さんはチラッとこちらを見てから、顔を背けて私を無視する。
何で!!
こんなに可愛い女の子が手を握って欲しいってお願いしてるんだから、男なら喜んで手を握るものじゃないの!!
もしかしてこの男はホモなの?
だから私の見張りに選ばれたの?
でも甘いんだから!!
相手が同性愛者だとしても、少しでも体を触ることが出来たらどんな相手でも魅力魔法で虜に出来るんだから。
最初の頃は全然出来なかった。
説明書が無いから全然やり方が分からなくて、離れた状態の時に使ったら、私に好意がある場合は魅了をかけることができる。
好意がなかったら全く魅力に掛からないんだよね。
だけど修道院で暮らすようになってから、色々と試行錯誤して分かったことが、相手に触ると簡単に魅了魔法で私の虜になることがわかった。
特に相手の心臓や脈を測る時に触る場所などを、触ったまま魅了魔法を使うとより強力に魔法に掛かることが分かった。
だから握手や手を握ったりするのは手首を触りやすくなるから、相手を魔法にかけやすくなる。
この看守が私に好意がないのはわかりきってるから、今の状態で魅了をかけても意味がない。
どうすれば良いの?
このままこんな汚い所に居たくない。
もう!!
何でミハイル様は私を助けに来ないの?
王妃様だって私の虜になってるはずなんだから、すぐに助けに来るのが普通じゃないの?
私にいつまでこんな汚い場所で過ごさせるつもり?
地べたに座るなんて耐えられない。
暫くすると食事の時間になったみたいで、見張りのお兄さんがご飯を運んできた。
今がチャンスよ!!
食事を置いたお兄さんの手を両手で握る。
「お兄さんありがとう!!私ね。お兄さんみたいな真面目で頼りがいがある人が好きだよ?ここから逃げて2人で暮らそう?」
これでお兄さんは私の虜ね。
早くここから私を逃がして。
お兄さんはイケメンだから私の取り巻きに加えてあげる。
「何を馬鹿なことを言っている。俺には可愛い妻と子供がいる。お前みたいなアバズレを好きになるわけ無いだろ。お前が逃げようとしてるって、陛下に報告させてもらう」
「何で!?何で貴方に効かないのよ!!魅了を掛けたのに何で普通のままなの!!」
「馬鹿な女だな。何の対策もなくお前をこんな場所に入れるわけ無いだろ。お前が左手に付けてるその腕輪は、全ての魔法を封じる魔導具だ。魔法を使ったって証言も取れたな」
「あんなの冗談よ!!貴方しか聞いてないんだから言い逃れなんていくらでも出来るわ。何でこの腕輪外れないのよ!!」
ここに入る時に付けられた腕輪のせいで、今までみたいに魅了ができないと知ったから、必死に外そうとするけど全く外れる気配がしない。
「諦めろ。これはお前につけた相手にしか外すことが出来ないようになっている。自分がやったことを反省するんだな」
お兄さんはそう言って部屋から出て行き、次の見張りは30歳ぐらいのおばさんに変わった。
私はこのままどうなるの?
死ぬなんて嫌よ!!
リセットをさせて!!
ゲームオーバーなんて嫌~~~!!
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追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
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