136 / 143
第五章
25
しおりを挟む 年の瀬も押し詰まってきた。明日から二泊三日の旅に出る。行き先は、海に面した洞窟風呂のある温泉旅館。何年ぶりだろう?子供の頃、家族旅行で来て気に入り、結婚してから家人を誘って二人で来た。今回は、その後生まれた子も一緒。車で行きにくいので、家人は乗り気ではない様子だが、一度、野外活動クラブの合宿で泊まったことがある我が子は、「あ~あそこ?」と喜んでいる。
宿泊先の近くにある世界遺産に登録されたところにも行きたい。子供の頃、訪れた時には、「滝なんか見たってつまらない」と思ったものだが、その滝をもう一度見たい。同じく、「何で、家族旅行で神社?」と思った神社も見てみたい。今の瑠紅が、その滝を、そしてその神社を見たら、どんな感想を抱くだろう?そんなところへ家族を連れて行った、今は亡き父親の気持ちが、今の瑠紅なら分かるだろうか?色々と楽しみである。瑠紅の過去と現在、そして未来をつなぐ旅路になればいいと思う。
なんでそんなこと考えるかというと、来月、異動があるからだ。異動先の発表は、年明けになる。勤務先が受託しているところとの契約が他社に取られ、我らは新年早々追い出しを食らう。他の受託しているところに割り振られるのだが、結構な人数、動くので、希望先に行けるかどうか分からないし、誰と一緒に動かされるかも分からない。続けるかどうかは異動先が決まってから決めるなんて人もいれば、すでに退職の意を伝え、有休消化に入った人もいる。遠方の職場を打診されたため、転職を決めてきた人もいる。なんて潔い。すがすがしささえ感じる。
で、「人の人生掛かってるんだから、ゲーム感覚で他社のシマをとるんじゃねえ!」と相手をドヤしたいところだが、「大コケしたらいいのに」とポソッとつぶやくくらいしか出来ない瑠紅は、居残りを表明し、ガチャッと当たりが出るのを待っている。その一方で、世の中、どんな仕事があるか、ネットで探してみたりもする。そこで、気づいたのだが……。
アルファポリスで、自分の投稿チェックをしていると、画面に広告が出るんだけど、それ、転職サイトのものなんだよね。狙ってる?瑠紅のこと。「ふんふん、どれどれ?」とタップして見てはいるが、これ、「物書きはあきらめて、定職に就きなさい」ってこと?それ、真綿で首を絞めるようなものだね?確かに、前月の確定スコア「2」とかだけどね。来月は「15」かな。桃トラのおかげで、スコア7.5倍増し……って、これで、生活できますか?悪いこと言わないから定職、探しなさいって?いや、定職には就いてるけどね。異動が……。横取りされたんだけど、他社に……。コケてしまえ!えいっ!(←闇魔法かけるの図)
でも、近頃は、面白い仕事があるんだね。Vチューバーのマネージャー、なんてある。漫画家っていうのもあった。そういうの、求人サイトで探すんだ……。
情報収集が好きな瑠紅は、条件を変え、あれこれ探す。そこで働いている人は、どんな人なのだろうと考えながら。ふふ、何だか、ぴゅー太になったみたい。そうそう、今回、お蔵入りしていたお話をリメイクし、アルファポリスにUPした。フレンチブルドッグのぴゅう太目線で語られる「ぴゅう太の庭」というお話だ。一時期住んでいたことのある宝塚市を舞台に、その頃に見た情景を交えて描いた作品で、恋愛~婚約~新居探しという男女が出会い結婚に至るまでの一連の流れを疑似体験できるものとなっている。カテゴリーが違う気もするが、恋愛でもライト文芸でもないように思うので、ひとまずキャラ文芸に上げてみた。これで、何スコア貰えるだろうか?
「行け!ぴゅう太!これでスコア取ってこい!」ジロッ!……あ、すいません。何卒、よろしくお願いします(←低姿勢)。
宿泊先の近くにある世界遺産に登録されたところにも行きたい。子供の頃、訪れた時には、「滝なんか見たってつまらない」と思ったものだが、その滝をもう一度見たい。同じく、「何で、家族旅行で神社?」と思った神社も見てみたい。今の瑠紅が、その滝を、そしてその神社を見たら、どんな感想を抱くだろう?そんなところへ家族を連れて行った、今は亡き父親の気持ちが、今の瑠紅なら分かるだろうか?色々と楽しみである。瑠紅の過去と現在、そして未来をつなぐ旅路になればいいと思う。
なんでそんなこと考えるかというと、来月、異動があるからだ。異動先の発表は、年明けになる。勤務先が受託しているところとの契約が他社に取られ、我らは新年早々追い出しを食らう。他の受託しているところに割り振られるのだが、結構な人数、動くので、希望先に行けるかどうか分からないし、誰と一緒に動かされるかも分からない。続けるかどうかは異動先が決まってから決めるなんて人もいれば、すでに退職の意を伝え、有休消化に入った人もいる。遠方の職場を打診されたため、転職を決めてきた人もいる。なんて潔い。すがすがしささえ感じる。
で、「人の人生掛かってるんだから、ゲーム感覚で他社のシマをとるんじゃねえ!」と相手をドヤしたいところだが、「大コケしたらいいのに」とポソッとつぶやくくらいしか出来ない瑠紅は、居残りを表明し、ガチャッと当たりが出るのを待っている。その一方で、世の中、どんな仕事があるか、ネットで探してみたりもする。そこで、気づいたのだが……。
アルファポリスで、自分の投稿チェックをしていると、画面に広告が出るんだけど、それ、転職サイトのものなんだよね。狙ってる?瑠紅のこと。「ふんふん、どれどれ?」とタップして見てはいるが、これ、「物書きはあきらめて、定職に就きなさい」ってこと?それ、真綿で首を絞めるようなものだね?確かに、前月の確定スコア「2」とかだけどね。来月は「15」かな。桃トラのおかげで、スコア7.5倍増し……って、これで、生活できますか?悪いこと言わないから定職、探しなさいって?いや、定職には就いてるけどね。異動が……。横取りされたんだけど、他社に……。コケてしまえ!えいっ!(←闇魔法かけるの図)
でも、近頃は、面白い仕事があるんだね。Vチューバーのマネージャー、なんてある。漫画家っていうのもあった。そういうの、求人サイトで探すんだ……。
情報収集が好きな瑠紅は、条件を変え、あれこれ探す。そこで働いている人は、どんな人なのだろうと考えながら。ふふ、何だか、ぴゅー太になったみたい。そうそう、今回、お蔵入りしていたお話をリメイクし、アルファポリスにUPした。フレンチブルドッグのぴゅう太目線で語られる「ぴゅう太の庭」というお話だ。一時期住んでいたことのある宝塚市を舞台に、その頃に見た情景を交えて描いた作品で、恋愛~婚約~新居探しという男女が出会い結婚に至るまでの一連の流れを疑似体験できるものとなっている。カテゴリーが違う気もするが、恋愛でもライト文芸でもないように思うので、ひとまずキャラ文芸に上げてみた。これで、何スコア貰えるだろうか?
「行け!ぴゅう太!これでスコア取ってこい!」ジロッ!……あ、すいません。何卒、よろしくお願いします(←低姿勢)。
1,818
お気に入りに追加
5,711
あなたにおすすめの小説

【完結】婚約破棄され毒杯処分された悪役令嬢は影から王子の愛と後悔を見届ける
堀 和三盆
恋愛
「クアリフィカ・アートルム公爵令嬢! 貴様との婚約は破棄する」
王太子との結婚を半年後に控え、卒業パーティーで婚約を破棄されてしまったクアリフィカ。目の前でクアリフィカの婚約者に寄り添い、歪んだ嗤いを浮かべているのは異母妹のルシクラージュだ。
クアリフィカは既に王妃教育を終えているため、このタイミングでの婚約破棄は未来を奪われるも同然。こうなるとクアリフィカにとれる選択肢は多くない。
せめてこれまで努力してきた王妃教育の成果を見てもらいたくて。
キレイな姿を婚約者の記憶にとどめてほしくて。
クアリフィカは荒れ狂う感情をしっかりと覆い隠し、この場で最後の公務に臨む。
卒業パーティー会場に響き渡る悲鳴。
目にした惨状にバタバタと倒れるパーティー参加者達。
淑女の鑑とまで言われたクアリフィカの最期の姿は、良くも悪くも多くの者の記憶に刻まれることになる。
そうして――王太子とルシクラージュの、後悔と懺悔の日々が始まった。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームを元にした人気のライトノベルの世界でした。
しかも、定番の悪役令嬢。
いえ、別にざまあされるヒロインにはなりたくないですし、婚約者のいる相手にすり寄るビッチなヒロインにもなりたくないです。
ですから婚約者の王子様。
私はいつでも婚約破棄を受け入れますので、どうぞヒロインのところに行って下さい。

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる