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しおりを挟むどう切り出していいか迷ってると、お父様が私の代わりに話し始めた
「エミリーが兄さんの養子になって、辺境伯領の当主になりたいって言い始めたんだ」
「エミリー本気か!?辺境伯領の当主は生半可な気持ちではやっていけないぞ」
やっぱり伯父様は私が当主になる事は反対なのかしら?
「伯父様、私は本気ですわ。女の私が辺境伯領の当主になるのは反対ですか?この前の魔力鑑定で私は魔法の才能があると判断されました。魔力が3万5千、属性が火、土、光です。この結果を聞いても反対しますか?」
私の鑑定結果を聞いた伯父様と伯母様はとてもびっくりしている。
司祭様も私の魔力は普通の人と桁違いだって言ってたから、伯父様達の反応は当たり前よね
「すごいな。私が初めて鑑定した時の結果より魔力量がある。はぁ~、確かにその結果を聞いたら、エミリーに私の跡を継いで欲しいと思う。だけど直ぐにエミリーを辺境伯の次期当主に任命することは出来ない」
「それは私が女だからですか?」
「違うよ。辺境伯の歴代の当主の中には、女性が当主だった事は何度もある。王都にいる貴族にとって、女性が当主になるのは信じられない事みたいだが、辺境伯の当主は男でも女でもどちらでもいいんだ。戦う力があり、皆の先陣を切って戦えるものが当主になる。だから一族の中で1番強い者が辺境伯の当主に選ばれる」
「なら何で私ではダメなのですか?今はまだ魔法の勉強はしてないですけど、使えるようになったら即戦力のはずです」
私には役立つ自信がある。
魔物と戦う為の魔力量があって、もしも怪我をしても光魔法があるから自分で回復もできる
もしかしてシャルルの鑑定が終わるまでは決められないとか?
もしそうなら2年後まで待たないといけない、
そんな事してたら、パトリシアが来年には我が家に来てしまうわ
「ダメなわけじゃない。どんなに剣術の才能があっても、魔力量があって魔法を自由自在に操れたとしても直ぐには決められないんだ。どんなに強くても、実際に魔物の前に立ったら恐怖で動けなくなる者もいる。慣れれば戦える者も居れば、絶対に恐怖が勝って普段の力を出せない者もいるんだ」
「では私が魔物と戦い、領民を守れるぐらい力があれば、次期当主として認めてもらえるんですか?」
「勿論だ。エミリーは女の子だから本当はそんな危険な事をさせたくないけど、一族の中で1番次期当主として相応しいのはエミリーだからな、火属性があれば魔物を倒せるし、光属性があるなら何かあった時に自分で回復出来るから1番安全だ」
伯父様の話を聞いてちゃんと納得出来た。
そりゃそうよね。
私は王都で育ってきたから、1度も魔物を見たことがない
巻き戻り前も王都から出ることがなかったから、魔物と遭遇することなんてなかった。
王都では騎士団が警備や見回りをしてくれてたから、街中に侵入することなんてなかったものね。
もしも侵入してても、巻き戻り前の私には戦う力なんてなかったから、安全な場所に避難させられてただろうし
「エミリーは本当にミカエルと私の娘になってもいいの?辺境伯領に行ったら、今までみたいに簡単には両親や兄弟に会えなくなるのよ?」
「覚悟してるわ。私は伯父様みたいなすごい人になりたいの。それに私には王都の空気は合わないみたいだから」
「そっか………、ジャンはそれで良いのか?」
「あぁ、エミリーは1度決めたら頑なに意見を変えないからな。本人がしたいようにさせてやるだけだ。もしも挫折して帰ってきたら、父親として温かく迎えるつもりだ」
「なら向こうで色々今後のことを決めるか?エミリーは辺境伯領に来るのはいつにするつもりだ?俺達は3日後に帰るつもりだが一緒に行くか?それとも後日1人で来るか?」
「1人で初めて長距離の移動は不安だから、伯父様たちと一緒に行くわ」
「なら今からでも準備しておいで」
「はい!!」
伯父様に後押しされる形で自分の部屋に戻ろうとした時
シャルルがテーブルをバンッ!!って叩いた
「やっぱり伯父さんは姉さんを連れていくんじゃないか!!僕の姉さんを連れて行っちゃう伯父さんなんて大嫌いだ!!」
シャルルは部屋から飛び出して行った
そう言えば忘れていたわね…………
私以外の皆も忘れていたみたいで気まずそうな顔をしている
「兄さん、シャルルがすまない」
「シャルルはまだ子供だからな。今は納得出来なくてもいずれ分かってくれるはずさ」
「俺はシャルルの気持ちがわかるよ。今までずっと一緒にいれると思ってた家族といきなり離れ離れになるんだから複雑だよ。だけど俺達よりエミリーの方が寂しい思いをするんだよな」
いつか私を裏切る相手だと分かってはいるけど、今はこんなに愛してくれる存在に、自分から距離を置こうとするのは、何だかいけないことをしてる気分になるわね。
巻き戻り前にあんなに酷い扱いされてたのに、私って単純なのかしら?
だけど全部忘れて家族として仲良く過ごそうとは思えないけど
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