私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ

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あっという間に3日が経ち、私は伯父様達と一緒に辺境伯領に向かう日になった

シャルルは怒って部屋を飛び出してから、自分の部屋に閉じこもり誰とも会おうとしなかった。

食事は部屋の前に置いといたからお腹すいた時に食べていたみたいだけど

「エミリー、本当にこのまま私達と行っていいのか?」

「えぇ、構わないです。シャルルと一生の別れになる訳ではありませんから」

「そうか……、ならジャン達にあらためてお別れの挨拶をしときなさい」

「はい。お父様、お母様、私の我儘を聞いてくれてありがとうございます。お兄様、シャルルとお父様達の事をよろしくお願いします。健康にお気をつけください」

お別れの挨拶をすると、お父様は不安そうな顔をしている、お母様はとうとう泣いてしまった、お兄様は妹の私の前では絶対に泣かないと決めているみたいで、決して泣きはしないけど我慢してるのがわかった

「エミリー、自分の命を1番に考えなさい。親である私たちより早く死ぬことは許さないぞ」

「エミリー、辛くなったらいつでも帰ってきて良いんですからね?無理をしてはいけませんよ」

「お前が伯父さんの養子になっても、エミリーが俺の妹であることに変わりないからな!! 」

「頑張ってきます」

伯父様に背を押されながら馬車に乗り込む

「ジャン、エミリーの事は絶対に私が守るから安心してくれ」

伯父様の合図で馬車がゆっくり動き出した

馬車が動き出した時、家の玄関のドアがバンッと開いて、シャルルが走って飛び出してきた

「姉さん!!絶対に会いに行くから!!姉さんは僕が逢いに行くまで、絶対に怪我したらダメだからな!!」

「皆、行ってきます」

走り出した馬車の中は静まりかえっている

何だかすごく気まずいわね

馬車に揺られながら、私は家族との色々な思い出を思い出していた。

幸せな思い出から辛い思い出まで沢山の思い出が私にはある

今後どうなるかは分からない。

一緒に住んでる訳では無いから冤罪をかけられることは無くなると思う

パトリシアが何故私をあそこまで敵視していたか分からないけど、今は距離があるから私を悪者にすることは無くなるわよね。

パトリシアに敵視されなくなったら、私が養子に行くことは変わらないけど、家族と仲良い関係にはなれるのかしら?

もしもなれたとして、私は家族と本当に仲良くしたいのかな?

交流を持ちたいかって改めて考えると微妙なのよね。

確かに家族とのいい思い出はあるけど、憎しみが全くないかと聞かれたら、私を見殺しにした家族だから憎しみはある

私とパトリシアの関係は無くなるだろうけど、両親とシャルルとお兄様はパトリシアと関わるはず、一緒にいるのを見て冷静で居られるわけが無い

それに問題は他にもある、私は辺境伯の次期当主になるなら伴侶を持たないといけない

だけどパトリシア達のせいで、私はまた誰かを好きになれる自信が無い

元婚約者の事を好きだったかと聞かれたら、政略結婚だから好きだったか今ではよく分からない。

だけど好きになろうと歩み寄ってはいた

だけど元婚約者はそんな私の気持ちを踏み躙った

あの時の事を思い出すと恋愛するのが怖い、本気で好きな相手ではなかったから、家族の態度の方がショックでそこまで落ち込まなかったけど、もしもあれが本気で好きな相手だったらって考えたら怖い

「エミリー大丈夫か?眉間にシワがよってるが?」

「えっ?私そんなに険しい顔をしていましたか?」

「あぁ、初めて見る顔だな。エミリーはそんなに家族から離れたかったのか?」

伯父様の発言にドキッとした

なんでわかったの?

私はずっとバレないようにしていたのに………

急に態度が変わったら変に思われるかとおもい、バレないように普段通りにしていたつもりだけど

「何で……、私………」

「図星みたいだな。何で気が付いたか不思議か?」

「うん」

「最初はちょっとした違和感だった。だけどな家から離れた途端、エミリーはホッとした顔をしていたんだ。確信はなかったけど今のエミリーの反応を見て確信した」

伯父様と伯母様は心配そうに私と事を見ている

何を話したらいいのかしら?

本当の事を話しても頭がおかしくなったと思われるだけ

「エミリー、私とミカエルは何を聞いても、貴女の事を見限ったりしないわ。安心して全て話しても良いのよ。家族と何かあったの?」

伯母様の言葉に私は気が付いたら涙を流していた。

私は泣くことが出来たのね。

巻き戻り前は家族に裏切られても涙は一滴も流れなかった。

酷い言葉なげられても泣くことが出来なかった、お兄様や婚約者はこんな時にも泣かないなんて可愛くないとか、反省してないとか言われてきた

私が泣いたのは死ぬ時に伯父様達の私の無実を信じる声を聞いた時だけだったわね
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