[完結]チート異世界転生なのに可哀想な展開に

番外編SS

ネロは知らない

切り札は取っておくものだ



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バロイには生まれついての能力が３つあった。

それは、”狙撃”、”改竄“、”ステータス制限無効”だ。

普通、能力は一つだけなのだが、王家の血筋は複数所持しているものらしい。

ネロはバロイの能力を模倣だと思い込んでいたが、それは違う。

あくまで改竄なのだ

捕まったあの日、ミネルバがネロという少年を探していると聞き、関わる者の記憶を改竄したのだ。ただ、ミネルバには暴露で全てバレて殺されかけたのだが

なぜ助かったのかと言うと、ネロの嫉妬する姿を見たくないのか？


バロイの提案にミネルバがのったからである

げっすい提案の犠牲になるネロが不憫ではあったが

そう、バロイは初めから、バロイのままなのである。

ただ、ミネルバはバロイをずっと始末はしたかったようで

ミネルバは考えなしに、民衆に聖女を捧げようとしたが、その聖女がネロの顔をしていては、ネロに迷惑がかかるということを考慮していなかったのである。

だから、ちゃんと襲いかかってきた民衆の1人を捕まえ記憶を改竄し、周りの記憶も改竄、大事なミネルバの記憶も改竄して身を潜めたのである


「ネロと旅に出たかったなあ」

本当にネロと旅に出たかったのだが、仕方ない

そんなことをしたら、ミネルバが地の果てでも追ってきそうだ

目的地である地下迷宮へ向かう

その後、バロイを見た者はいなかった



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ミネルバがむすっとした表情でネロに紙の束を渡してきた

不思議な顔をして、手紙を開くとバロイからの手紙だった

「私はしてやられるのが一番嫌いなのだが」

「生きてたんだ……あ、地下迷宮にいるらしい。俺も行ってみたいな…」

悪夢のあの百足を倒した前でピースをしているバロイの写真も同封されていた


ちゃんと番も倒してるよね？ちょっと不安になりながら笑っているとミネルバが咳払いをしている

むすっとしたままのミネルバの腕を取る

「ミネルバも一緒に」

end