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番外編SS

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じゅうじゅうと目の前の魔物の肉を、最近開発した醤油に似た香辛料をまぶしながら焼いていると、近くにきていた大橋が横からつまみ食いをした

「うまぁっ、なにこれ!!」

「おい、国家転覆させようとしたテロリスト兼、ネクロマンサーの大橋が何故ここにいる」

ナイフを片手にネロがミネルバの為に作った魔物チャーシューを切り分けながら、はふはふたべているのは、ミネルバに追われているはずの大橋だった


大橋はミネルバとのごたごたのあと、帝国の皇后(死体)を操り、クーデターを起こそうとしたのだ

「あ?芦屋、聖者になった下付きじゃない、お前に優しくする義理、俺にはないんだぞ?死体にして操ってやろうか?それよりこれうまっ!もっと作ってよ」

騒ぐ大橋に呆れながら、違う鶏肉っぽい肉も焼いてみる

「めっちゃ下品だよな、大橋…帝国なんか手に入れてどうするつもりなんだよ…それにこれはミネルバの為に焼いているんだが」

そう言いつつも大橋の分も焼いてあげるのは、ネロと同郷?のようなものだからだろうか


あれからネロは進化を重ね、聖者になったので、謎の聖女効果である両性では無くなっていた

それは死ぬほど嬉しかったが、ミネルバが余計に興奮するのか、そもそも男性体が好きなのかしつこくなってきたので、人間の三大欲求である食欲を刺激しようとネロが試行錯誤していた結果、ミネルバ邸の庭園で肉を焼いていたら大橋が現れたのである 


「だいたい、お前と会うとミネルバが妬くんだよ。さっさと食ったら帰れよ。もしくは掴まれ」

ネロの冷たい言葉にも大橋はめげない

「ちっ、ちょっとこの世界に馴染んでるからって偉そうに!もう少ししたら俺が天下をとるんだから、ちょっとは阿ってみろよ」

大橋の言葉に半目になりながら、もくもくと肉を焼く

「あっ!テロリスト!また来たでちか!ミネルバがお前に引導をわたすように命令されてるでちっ!覚悟っ!」

先程ネロが丹精込めて焼いた鶏肉っぽい肉を蹴散らしながらピークパッツァが大橋を追いかけていく

大橋は肉を頬張りながら逃げていった


「にいさーん!ピークパッツァにいさーん!」

グリフォンとパーチェスとクーがピークパッツァの後をついていく

なんとこの3人はミネルバがネロのお願いに折れて、傭兵としてピークパッツァの部隊で雇うことにしたのだ

グリフォンだけはネロの弟ということで屋敷に住まうことを許可されているのだが

ぱちぱちと肉を焼きながら、ネロは思う

いつ、平和になるんだろうかとーー


end
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