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夫婦は只今別居中!
23.※運命の時はやってきた⑥ Side.シーファス
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バサバサと性急に動きにくい服を脱ぎ捨て、ハルのドレスへと手をかける。
いつもと勝手が違うから時間がかかるが、抵抗するハルからなんとかドレスを剝ぎ取った。
下着も全部取り払い、かつらも外せばそこにいるのはいつものハルだ。
その身には昨夜つけた俺の所有印が多々刻まれている。
「ハルッ!俺のラインハルトっ!」
「んぅっ…!やっ…!シーファスっ」
なのにハルは必死に身をよじり、俺から逃げようとしてくる。
その姿にどうしようもなく悲しくなった。
いつもどんな俺でも受け入れてくれていたのに、と。
もう触れられることさえ嫌だと思われてしまったんだろうか?
二度と抱かれたくないと、切り捨てられてしまったのか?
「ここにも、こっちにも俺の所有印があるのにっ…!俺と別れてどこに行く気だったんだ?!」
(嫌だ!俺を捨てないでくれ!)
そんな思いで性急に身を繋ぐ。
すっかり俺に馴染んだそこは俺をいつも通り受け入れてくれるのに、ハルは首を横に振って俺を拒絶してきた。
「ハルッ…俺が、俺が悪いのか?一度も会わず、会った方がいいと言うお前の忠告を無視したからっ…!そうなのか?!」
「あっ、ひぁっ…!んっんっ…!」
「ハル……っ、俺を捨てないでくれっ!」
ハルに捨てられたら生きていけない。
そんな思いの丈をぶつけるように何度も何度もハルの中を擦り上げる。
「これからはちゃんとここに帰ってくるからっ!お前の側に一日中一緒に居るからっ!夜だって毎日抱いて満足させるから!だから…だから、どこにも行かないでくれ!」
ハルの信頼を裏切った俺にできることと言えばそれくらいしかない。
そう思い、今日はハルが好きなことを全部やろうと思った。
身体だけでも満足させてやることができたなら、少しくらいやり直すチャンスが貰えるかもしれないと思ったんだ。
「あ…あああぁああっ!」
そうして抱いているうちにハルは快楽へと堕ちていき、淫らに腰を揺らしていつも通り溺れてくれた。
「ハルッ、ハルッ!」
「そこっ、そんなにしないれぇっ!」
ドチュッドチュッと前立腺を狙い撃ちで虐めてやると、ヤダヤダと首を振るが足を思い切り開いて腰を突き出し締め付けてくるから、もっとと言われているようにしか見えない。
「イクッ!イクぅううっ!」
そして感極まったように絶頂へと飛び、嬉しそうにピクピク身を震わせる姿を見て安堵の息を吐く。
嫌がられてはいない。
それならやはりもっともっと溺れさせよう。
俺の全力でいつも以上に愛を伝えれば、気が変わってくれるかもしれないから。
そう思って何度も絶頂へと導き、注いでは魔力を馴染ませ続けた。
だから…まあつまり────本気で余裕がなかったんだ。
気づけばハルは口から泡を吹いてて、俺は慌ててエリクサーを口移しで飲ませた。
確かにこれまでもちょっとやり過ぎたなと思った時のハルの状態を【鑑定】魔法で見たらHPが結構減ってて、気づけばスキル欄に攻撃耐性が追加されてたりしたけど、ちゃんと加減したら問題なかったし大丈夫だって思ってたんだ。
まさかヤリ過ぎて死にかけるなんて思わないだろう?!
兎に角無事でよかった。
これで殺してたらシャレにならないところだった。
これからは初級中級上級ポーションだけじゃなくエリクサーも部屋に常備しておこう。
その方が安心だ。
なんとか捨てられずに済んだらレベルももっと上げさせた方がいいかもしれない。
何はともあれ、全てはハルの気持ち次第だ。
その後一緒にシャワーを浴びて、改めて謝って軽食を取りつつチラチラと様子を窺っていたら、溜息を吐いてから『ちゃんと話し合おうか』と言ってもらうことができた。
そして俺が部屋に入った時からハルじゃないかと疑いを持った件を話すと、どこか嬉しそうに笑ってもらうこともできたんだ。
「その…シーファスは俺が妻でその…いいのか?」
「もちろんだ!そもそもハルが嫁じゃないと嫌だ」
「そ、そうか」
「ハルは?俺の事、今はどう思ってる?」
もう好きじゃないと言われるだろうか?
それとも暴走してヤリ殺そうとする最低男はお断りとか言われるんだろうか?
朝の時点で妻からのどんな罵りも受けてやると思っていたが、相手が愛するハルなら話は別だ。
内容によっては受けるダメージは段違いで、下手をしたら落ち込み過ぎて立ち直れなくなるかもしれない。
そんな不安な気持ちでハルからの言葉を待っていると…。
「俺は……シーファスが好きだから、別れたくないと思ってる」
そんな言葉が告げられて、あまりの安堵に泣きそうになった。
「……っハル!」
「今日も…シーファスに離婚を突きつけられるのが怖くて、朝から凄く不安だったんだ」
(そうか…)
ハルは俺が夫だと知ってたから、あんなに嬉々として抱かれてくれていたんだとやっと気づいた。
それなら最中に妻に申し訳なさそうな顔をしなかったのも当然だ。
それと同時に、俺が普段から妻とは別れると何度も言っていたせいで不安にさせていたことがわかった。
「シーファスが俺の顔も見ずに離婚届にサインさせて、そのまま一目散に役所に提出しに行くんじゃないかって思って…」
(確かにやりそうだ!)
これまでの自分の行動を振り返れば振り返るほどハルの言葉は的を射ていて、胸へと突き刺さってくる。
そしてそれがその通りになって受理されていたらと思うと……。
────離婚成立。
「気づいてよかった。気づかなかったら俺は逃げたお前を探し出して一生部屋に閉じ込めてたかもしれない」
結婚ができないならもうその手段しか残されてはいない。
本当に気づいた自分は運が良かった。
もう少しでハルと二度と結婚できなくなるところだったとヒヤリとなる。
「そもそもなんで言ってくれなかったんだ?一言言ってくれたらもっと早く誤解は解けたのに」
たった一言、俺に言ってくれればよかった。
自分が妻だと。
機会なんていくらでもあっただろうに。
そう思ったのに、ハルは意外なことを口にしてくる。
「いや。騙してたのかって嫌われたら嫌だなって思って…」
「ハルッ!そんなことくらいで嫌うわけがないだろう?!」
寧ろそんなことを言われたら大喜びしていたと思う。
どうしてハルはそう思ったんだろう?
もしかして俺の頑なな態度がダメだったのか?
「せめて一回ここで会って話し合えたらと思って何度も回りくどく促したんだけど、シーファスはこの手の話は聞きたくないって毎回全部スルーしてくるから」
「ぐっ…。悪かった!それは本気でお前が妻の事ばかり考えてるように感じて、それが嫌だったんだ!」
やっぱりだ。
俺の態度が全部マイナスに働いてしまっていた。
なのにハルはそんな俺を許してくれて、受け入れてくれる。
「取り敢えず、これからもよろしく?」
そう言って笑ってくれるハルの笑顔が眩しい。
こんなどうしようもない俺に『夫婦生活をこれからも続けていこう』と言ってくれたハルを、ずっとずっと大事にしよう。
そう思いながら俺はハルの手を取り、『許してくれてありがとう』と言ったのだった。
いつもと勝手が違うから時間がかかるが、抵抗するハルからなんとかドレスを剝ぎ取った。
下着も全部取り払い、かつらも外せばそこにいるのはいつものハルだ。
その身には昨夜つけた俺の所有印が多々刻まれている。
「ハルッ!俺のラインハルトっ!」
「んぅっ…!やっ…!シーファスっ」
なのにハルは必死に身をよじり、俺から逃げようとしてくる。
その姿にどうしようもなく悲しくなった。
いつもどんな俺でも受け入れてくれていたのに、と。
もう触れられることさえ嫌だと思われてしまったんだろうか?
二度と抱かれたくないと、切り捨てられてしまったのか?
「ここにも、こっちにも俺の所有印があるのにっ…!俺と別れてどこに行く気だったんだ?!」
(嫌だ!俺を捨てないでくれ!)
そんな思いで性急に身を繋ぐ。
すっかり俺に馴染んだそこは俺をいつも通り受け入れてくれるのに、ハルは首を横に振って俺を拒絶してきた。
「ハルッ…俺が、俺が悪いのか?一度も会わず、会った方がいいと言うお前の忠告を無視したからっ…!そうなのか?!」
「あっ、ひぁっ…!んっんっ…!」
「ハル……っ、俺を捨てないでくれっ!」
ハルに捨てられたら生きていけない。
そんな思いの丈をぶつけるように何度も何度もハルの中を擦り上げる。
「これからはちゃんとここに帰ってくるからっ!お前の側に一日中一緒に居るからっ!夜だって毎日抱いて満足させるから!だから…だから、どこにも行かないでくれ!」
ハルの信頼を裏切った俺にできることと言えばそれくらいしかない。
そう思い、今日はハルが好きなことを全部やろうと思った。
身体だけでも満足させてやることができたなら、少しくらいやり直すチャンスが貰えるかもしれないと思ったんだ。
「あ…あああぁああっ!」
そうして抱いているうちにハルは快楽へと堕ちていき、淫らに腰を揺らしていつも通り溺れてくれた。
「ハルッ、ハルッ!」
「そこっ、そんなにしないれぇっ!」
ドチュッドチュッと前立腺を狙い撃ちで虐めてやると、ヤダヤダと首を振るが足を思い切り開いて腰を突き出し締め付けてくるから、もっとと言われているようにしか見えない。
「イクッ!イクぅううっ!」
そして感極まったように絶頂へと飛び、嬉しそうにピクピク身を震わせる姿を見て安堵の息を吐く。
嫌がられてはいない。
それならやはりもっともっと溺れさせよう。
俺の全力でいつも以上に愛を伝えれば、気が変わってくれるかもしれないから。
そう思って何度も絶頂へと導き、注いでは魔力を馴染ませ続けた。
だから…まあつまり────本気で余裕がなかったんだ。
気づけばハルは口から泡を吹いてて、俺は慌ててエリクサーを口移しで飲ませた。
確かにこれまでもちょっとやり過ぎたなと思った時のハルの状態を【鑑定】魔法で見たらHPが結構減ってて、気づけばスキル欄に攻撃耐性が追加されてたりしたけど、ちゃんと加減したら問題なかったし大丈夫だって思ってたんだ。
まさかヤリ過ぎて死にかけるなんて思わないだろう?!
兎に角無事でよかった。
これで殺してたらシャレにならないところだった。
これからは初級中級上級ポーションだけじゃなくエリクサーも部屋に常備しておこう。
その方が安心だ。
なんとか捨てられずに済んだらレベルももっと上げさせた方がいいかもしれない。
何はともあれ、全てはハルの気持ち次第だ。
その後一緒にシャワーを浴びて、改めて謝って軽食を取りつつチラチラと様子を窺っていたら、溜息を吐いてから『ちゃんと話し合おうか』と言ってもらうことができた。
そして俺が部屋に入った時からハルじゃないかと疑いを持った件を話すと、どこか嬉しそうに笑ってもらうこともできたんだ。
「その…シーファスは俺が妻でその…いいのか?」
「もちろんだ!そもそもハルが嫁じゃないと嫌だ」
「そ、そうか」
「ハルは?俺の事、今はどう思ってる?」
もう好きじゃないと言われるだろうか?
それとも暴走してヤリ殺そうとする最低男はお断りとか言われるんだろうか?
朝の時点で妻からのどんな罵りも受けてやると思っていたが、相手が愛するハルなら話は別だ。
内容によっては受けるダメージは段違いで、下手をしたら落ち込み過ぎて立ち直れなくなるかもしれない。
そんな不安な気持ちでハルからの言葉を待っていると…。
「俺は……シーファスが好きだから、別れたくないと思ってる」
そんな言葉が告げられて、あまりの安堵に泣きそうになった。
「……っハル!」
「今日も…シーファスに離婚を突きつけられるのが怖くて、朝から凄く不安だったんだ」
(そうか…)
ハルは俺が夫だと知ってたから、あんなに嬉々として抱かれてくれていたんだとやっと気づいた。
それなら最中に妻に申し訳なさそうな顔をしなかったのも当然だ。
それと同時に、俺が普段から妻とは別れると何度も言っていたせいで不安にさせていたことがわかった。
「シーファスが俺の顔も見ずに離婚届にサインさせて、そのまま一目散に役所に提出しに行くんじゃないかって思って…」
(確かにやりそうだ!)
これまでの自分の行動を振り返れば振り返るほどハルの言葉は的を射ていて、胸へと突き刺さってくる。
そしてそれがその通りになって受理されていたらと思うと……。
────離婚成立。
「気づいてよかった。気づかなかったら俺は逃げたお前を探し出して一生部屋に閉じ込めてたかもしれない」
結婚ができないならもうその手段しか残されてはいない。
本当に気づいた自分は運が良かった。
もう少しでハルと二度と結婚できなくなるところだったとヒヤリとなる。
「そもそもなんで言ってくれなかったんだ?一言言ってくれたらもっと早く誤解は解けたのに」
たった一言、俺に言ってくれればよかった。
自分が妻だと。
機会なんていくらでもあっただろうに。
そう思ったのに、ハルは意外なことを口にしてくる。
「いや。騙してたのかって嫌われたら嫌だなって思って…」
「ハルッ!そんなことくらいで嫌うわけがないだろう?!」
寧ろそんなことを言われたら大喜びしていたと思う。
どうしてハルはそう思ったんだろう?
もしかして俺の頑なな態度がダメだったのか?
「せめて一回ここで会って話し合えたらと思って何度も回りくどく促したんだけど、シーファスはこの手の話は聞きたくないって毎回全部スルーしてくるから」
「ぐっ…。悪かった!それは本気でお前が妻の事ばかり考えてるように感じて、それが嫌だったんだ!」
やっぱりだ。
俺の態度が全部マイナスに働いてしまっていた。
なのにハルはそんな俺を許してくれて、受け入れてくれる。
「取り敢えず、これからもよろしく?」
そう言って笑ってくれるハルの笑顔が眩しい。
こんなどうしようもない俺に『夫婦生活をこれからも続けていこう』と言ってくれたハルを、ずっとずっと大事にしよう。
そう思いながら俺はハルの手を取り、『許してくれてありがとう』と言ったのだった。
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