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25.刺客

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カノンとクレイグを適当にあしらい、ウォーレンとワーナーに楽しい指導をする日々。
なんだかんだで充実しているなと思いながらコーヒー片手に休日を満喫する俺。
俺の股間にむしゃぶりついて美味いミルクを出そうと頑張っているメイナード。
うん。いつも通りだ。

そんな俺の元へその刺客達は突然やってきた。
刺客なんて随分久しぶりだ。
外交の時しつこく迫ってきた隣国の王女を振った時以来じゃないだろうか?

当然だがその刺客達はあっという間にメイナードの魔法の前で無力化されてしまう。
今は裸で縛られているから剣は使えないしな。
仕方がない。

「俺と殿下の楽しい時間を邪魔して、ただで済むとでも思ったか?」

メイナードが倒した刺客達へと凄むが、亀甲縛りで言うセリフではないぞ?メイナード。
まあある意味攻撃力は高いかもしれないが…。
縛られた素っ裸の男がおっ勃てながら凄む絵面はなかなか珍しいと思う。

さて。ここからは俺の出番だな。
誰に依頼されたのか、きっちりしっかり吐いてもらおうか。

「お仕置きの時間の始まりだ」

そして悲鳴をあげる刺客達へとスライムをけしかけ白状させると、まさかの人物から依頼されていたことが判明した。

「へぇ?ルイがね……」

外務大臣の息子であるルイが随分と思い切ったことをやらかしたものだ。
一人だけお仕置きを免れたと思っていたが、どうやらそうは問屋が卸さなかったらしい。
これはキツイお仕置きが必要だろう。
さて。どう料理してやろうか?

俺は取り敢えず刺客達をまとめて牢へと放り込むよう指示を出すと、まずは笑顔で兄の元へと向かった。
亀甲縛りを解いて服を着させたメイナードも当然一緒だ。
メイナードもかなり怒っているし、これは下手をしたら闇に消されそうだな。
相手は子供だし、そうならないようにちゃんとメイナードの手綱は握っておこう。

「兄上。先程刺客が送られてきたんですが…」

ちょうどそこに外務大臣の姿があったから、どうしようかと思ったものの、まあ口止めすればいいかとそのまま話してしまうことに。

「首謀者が学生だったので、対処は俺に任せてもらって構いませんか?」
「なんだと?!学生がどうしてお前に?!」
「王弟の俺へと言うより教師の俺に恨みがあったとか?」

ルイは俺が王弟だということを多分知らないだろうし、一教師なんてどうにでもなると思ったんだろう。

「たとえ教師であるアノス殿下にであっても刺客を放つなど言語道断!退学など生易しい処罰ではなく、家もろとも潰してしまわれては如何です?非常に許し難い!」

外交で他国に出向くこともある俺とそれなりに親しくしている外務大臣は俺に好意的だから、話を聞いて俺以上に憤っていた。
なんだか申し訳ない。

「ちなみにどこの家の不届き者ですかな?」
「非常に言い難いのですが…貴殿の息子です」
「………は?」
「刺客に吐かせたところ、ルイが依頼主だと判明しました」
「すみませんでした────っ!!!!」

うん。実に見事な土下座だな。
これは踏みたくなる。
いや。仲のいい大臣を踏むなよと言われるかもしれないが、ちょっとだけならいいかな?

「そういうわけで、取り敢えず黙って静観していてもらえたらありがたいです」

その間、王宮で寝泊まりして下手に動かないよう言いつけて俺は大臣の背から足を退けた。

そして休日が明け、学園での生活がまた始まった。

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