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15.俺の部屋で。
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誤解は解けたものの、伊集院は俺が泣いた本というのが気になったらしく、どんな話なのか聞いてきた。
揶揄う目的ではなく純粋に好奇心から聞いたようだったし、まあいいかと思って大体どんな話か話したら読んでみたいというから貸してやることに。
「楽しみだ」
「そうか。じゃあちょっとお茶淹れてくるから」
そう言いながら俺は湯を沸かして紅茶を入れる。
これは最近お気に入りのメーカーが出してるディンブラだ。
ここのは本当に香りが上品で凄く美味しいし、伊集院にも是非楽しんでもらいたい。
そう思いながら出すと、一口飲んで伊集院は驚いた顔をした後ふわりと笑った。
「美味いな」
「だろ?最近気に入ってるんだ」
「そうか。いいな。俺も買いたい」
「それなら今度買う時多めに買おうか?」
「いいのか?」
「ああ。どうせついでだし」
「嬉しい」
これくらいで喜んでもらえるならまあ悪くはない。
それから暫く本の話で盛り上がっていたら、伊集院がポツリと溢した。
「はぁ…落ち着く」
「そうか。良かった」
どうやら無事に寛いでもらえたようで一安心。
流石に折角のもてなしが台無しになるのは嫌だし、よかったよかった。
「本当、知臣とは思った通り話は合うし、趣味も近いし好みも似てるし、どんどん好きになるな」
まさかのここで直球が来た。
「なあ知臣。今日は勝負関係なしに、俺と途中までしてみないか?」
「……え?」
「もちろんお前が怖いって思ったところでやめるし、どこまで大丈夫かだけでも知りたいなと思って」
「な…」
「な?」
「何がどうしてそうなった?!」
「さっき言っただろう?お前を知れば知るほど好きになるって」
それはつまり、伊集院は『男が好き』というわけじゃなく、単純に『俺が好き』ってことだよな?
つまり気の迷いで告白してきたわけじゃなく、俺自身の『中身が好き』ということで…。
「知臣?」
「…熱が出そうだ」
「照れてるのか?あんな事まで平気な顔でしてくれたのに?」
「…………」
確かに勝負を除外して考えた場合、俺は既にとんでもないことをやってしまっている。
おかしいな?
どこで間違ったんだろう?
「まあ俺としてはこのままちょっとずつ知臣と親しくなってから抱きたいと思ってたんだけど…」
(そんな事考えてたのか?!)
「でも、よく考えたら難しいなと思い直した」
「どういう意味だ?」
(やっぱり男を抱くのは無理と思い直したとか?)
そう思った俺だったけど、それは勘違いだったとすぐにわかった。
「そのままだ。例えば、こうして…」
「え…っ、んっ、やっ…」
伊集院が俺を引き寄せ、服の上から胸の突起をクリクリと指で摘んで弄ってくる。
「お前を感じさせるのに成功したとするだろう?」
「あっ、んっ、はぁ…っ」
「そうしたら、絶対次はお前が俺に試すだろう?」
それは当然その通りだ。
梱包材のプチプチでも用意して、張り切って特訓すると思う。
「んっ…あ…誉ぇ…」
だって悔しいじゃないか。
こんな一方的に襲われるなんて。
俺だってできるというところを見せたい。
なのに伊集院はそれは望んでいないらしい。
「可愛い。知臣」
伊集院はそう言いながら俺をベッドに押し倒し、手を休めないまま俺の唇を堪能し始める。
「んぅっ…は…ぁ…」
「俺はお前と勝負するのも楽しいけど、やっぱりこうして沢山愛したいんだ」
そう言いながら外したボタンの隙間から手を滑り込ませて、俺の肌に優しく触れてきた。
最初は恐る恐る確認するように。
大丈夫。怖くない。そう言わんばかりの優しい目でしっかり俺の表情を読み取っていく。
キスと言い愛撫と言い、どうしてこいつの行動は言葉以上に気持ちを伝えてくるんだろう?
「知臣…好きだ」
耳に心地よいテノールボイスが、脳を揺さぶるように熱を孕んで俺の心を鷲掴みにしてくる。
このまま流されるのは絶対にマズイ。
でもどこまで大丈夫か…それを伊集院に分からせておくのは悪くないかもしれない。
それ以上は生理的に無理とか、そういうのがあれば俺も『前に確認しただろ』って言い易いと思う。
(どうする?!どうする、俺!)
「す、」
「す?」
「……寸止めまでで」
結局俺は悩んだ結果、真っ赤な顔でそう言うのが限界だった。
でも伊集院はそれを聞いて両手で顔を覆ってしまう。
(な、泣いてないよな?)
ふるふる伊集院が震えてる気がするけど、気のせいだと自分に言い聞かせ、このまま誤魔化せないかなとちょっとだけ思ったのだった。
***
【Side.伊集院 誉】
我ながら無理難題を言ったと思う。
ノーマルな有馬にはどう考えてもハードルが高いはず。
でもそれでも有馬はキスを拒まなかったし、愛撫もしても怒らなかった。
期待したくもなる。
だからどこまで許してもらえるか探りながら様子を窺っていたんだが、有馬は何故か自分から墓穴を掘った。
「す、」
「す?」
「……寸止めまでで」
寸止め?寸止めって、あの寸止め?
挿入しなければいっぱい可愛がってもいいってことで合ってるのか?
(そこは『すまない。無理だ』じゃないのか?!)
真っ赤になりながらそんなことを言うなんて、可愛すぎる。
思わずだらしなく緩んだ顔を両手で隠すくらいには嬉しい言葉だった。
それにしても、俺以外にこんなに無防備になったりしないだろうな?
大丈夫だとは思うが、ちょっとだけ心配になる。
俺にだけこうだったら嬉しいのだけど。
何はともあれ了承が得られたならそこまではしていいってことだ。
一応念のためちょっとだけ煽って、言質だけは取っておこう。
「知臣。男に二言はないな?」
「も、もちろんだ!」
「じゃあ、寸止めまできっちり愛させてもらうから」
そうやって耳元で囁いたら、有馬は頬を染めながらも触れるのを許してくれた。
揶揄う目的ではなく純粋に好奇心から聞いたようだったし、まあいいかと思って大体どんな話か話したら読んでみたいというから貸してやることに。
「楽しみだ」
「そうか。じゃあちょっとお茶淹れてくるから」
そう言いながら俺は湯を沸かして紅茶を入れる。
これは最近お気に入りのメーカーが出してるディンブラだ。
ここのは本当に香りが上品で凄く美味しいし、伊集院にも是非楽しんでもらいたい。
そう思いながら出すと、一口飲んで伊集院は驚いた顔をした後ふわりと笑った。
「美味いな」
「だろ?最近気に入ってるんだ」
「そうか。いいな。俺も買いたい」
「それなら今度買う時多めに買おうか?」
「いいのか?」
「ああ。どうせついでだし」
「嬉しい」
これくらいで喜んでもらえるならまあ悪くはない。
それから暫く本の話で盛り上がっていたら、伊集院がポツリと溢した。
「はぁ…落ち着く」
「そうか。良かった」
どうやら無事に寛いでもらえたようで一安心。
流石に折角のもてなしが台無しになるのは嫌だし、よかったよかった。
「本当、知臣とは思った通り話は合うし、趣味も近いし好みも似てるし、どんどん好きになるな」
まさかのここで直球が来た。
「なあ知臣。今日は勝負関係なしに、俺と途中までしてみないか?」
「……え?」
「もちろんお前が怖いって思ったところでやめるし、どこまで大丈夫かだけでも知りたいなと思って」
「な…」
「な?」
「何がどうしてそうなった?!」
「さっき言っただろう?お前を知れば知るほど好きになるって」
それはつまり、伊集院は『男が好き』というわけじゃなく、単純に『俺が好き』ってことだよな?
つまり気の迷いで告白してきたわけじゃなく、俺自身の『中身が好き』ということで…。
「知臣?」
「…熱が出そうだ」
「照れてるのか?あんな事まで平気な顔でしてくれたのに?」
「…………」
確かに勝負を除外して考えた場合、俺は既にとんでもないことをやってしまっている。
おかしいな?
どこで間違ったんだろう?
「まあ俺としてはこのままちょっとずつ知臣と親しくなってから抱きたいと思ってたんだけど…」
(そんな事考えてたのか?!)
「でも、よく考えたら難しいなと思い直した」
「どういう意味だ?」
(やっぱり男を抱くのは無理と思い直したとか?)
そう思った俺だったけど、それは勘違いだったとすぐにわかった。
「そのままだ。例えば、こうして…」
「え…っ、んっ、やっ…」
伊集院が俺を引き寄せ、服の上から胸の突起をクリクリと指で摘んで弄ってくる。
「お前を感じさせるのに成功したとするだろう?」
「あっ、んっ、はぁ…っ」
「そうしたら、絶対次はお前が俺に試すだろう?」
それは当然その通りだ。
梱包材のプチプチでも用意して、張り切って特訓すると思う。
「んっ…あ…誉ぇ…」
だって悔しいじゃないか。
こんな一方的に襲われるなんて。
俺だってできるというところを見せたい。
なのに伊集院はそれは望んでいないらしい。
「可愛い。知臣」
伊集院はそう言いながら俺をベッドに押し倒し、手を休めないまま俺の唇を堪能し始める。
「んぅっ…は…ぁ…」
「俺はお前と勝負するのも楽しいけど、やっぱりこうして沢山愛したいんだ」
そう言いながら外したボタンの隙間から手を滑り込ませて、俺の肌に優しく触れてきた。
最初は恐る恐る確認するように。
大丈夫。怖くない。そう言わんばかりの優しい目でしっかり俺の表情を読み取っていく。
キスと言い愛撫と言い、どうしてこいつの行動は言葉以上に気持ちを伝えてくるんだろう?
「知臣…好きだ」
耳に心地よいテノールボイスが、脳を揺さぶるように熱を孕んで俺の心を鷲掴みにしてくる。
このまま流されるのは絶対にマズイ。
でもどこまで大丈夫か…それを伊集院に分からせておくのは悪くないかもしれない。
それ以上は生理的に無理とか、そういうのがあれば俺も『前に確認しただろ』って言い易いと思う。
(どうする?!どうする、俺!)
「す、」
「す?」
「……寸止めまでで」
結局俺は悩んだ結果、真っ赤な顔でそう言うのが限界だった。
でも伊集院はそれを聞いて両手で顔を覆ってしまう。
(な、泣いてないよな?)
ふるふる伊集院が震えてる気がするけど、気のせいだと自分に言い聞かせ、このまま誤魔化せないかなとちょっとだけ思ったのだった。
***
【Side.伊集院 誉】
我ながら無理難題を言ったと思う。
ノーマルな有馬にはどう考えてもハードルが高いはず。
でもそれでも有馬はキスを拒まなかったし、愛撫もしても怒らなかった。
期待したくもなる。
だからどこまで許してもらえるか探りながら様子を窺っていたんだが、有馬は何故か自分から墓穴を掘った。
「す、」
「す?」
「……寸止めまでで」
寸止め?寸止めって、あの寸止め?
挿入しなければいっぱい可愛がってもいいってことで合ってるのか?
(そこは『すまない。無理だ』じゃないのか?!)
真っ赤になりながらそんなことを言うなんて、可愛すぎる。
思わずだらしなく緩んだ顔を両手で隠すくらいには嬉しい言葉だった。
それにしても、俺以外にこんなに無防備になったりしないだろうな?
大丈夫だとは思うが、ちょっとだけ心配になる。
俺にだけこうだったら嬉しいのだけど。
何はともあれ了承が得られたならそこまではしていいってことだ。
一応念のためちょっとだけ煽って、言質だけは取っておこう。
「知臣。男に二言はないな?」
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「じゃあ、寸止めまできっちり愛させてもらうから」
そうやって耳元で囁いたら、有馬は頬を染めながらも触れるのを許してくれた。
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