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Ⅱ.セカンド・コンタクト
19.どうしてこうなった?!
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「見~つ~け~た~!」
街で買い物をしてそろそろ帰ろうかと話していると、昨日と同じように息せき切ってエレンドスがこちらへと勢いよくやってきてしまった。
どうやら置いていかれたので、ずっと俺達を探し回っていたらしい。
「酷いじゃありませんか!置いていくなんて!」
「うるさい。これでも食ってろ」
「むぐっ?!」
エレンドスにうんざりしたラフィは問答無用でその大きく開いた口に先程買った串焼きを突っ込んだ。
つくねっぽいものがスイートチリソースっぽいタレを絡められて串に刺さっているもので、俺はちょっとだけ気になってしまう。
「ラフィ。それ、どんな味?」
「ん?ああ、ユウジも食べるか?ほら」
そう言ってラフィはもう一本を俺の口にそっと入れてくれた。
「んっ!美味しい!」
「気に入ったか?」
「うん!なんて言うか、みたらし団子っぽい味がする!」
「そのみたらし団子って言うのがよくわからないけど、おやつだしな。甘いだろ?」
「みたらし団子のたれは今日の卵焼きと同じで甘じょっぱい感じなんだけど…あれもおやつだから一緒かな」
「そうか。そっちも食べてみたいな」
ニコニコと話を弾ませる俺達にエレンドスが恨みがましい目を向けてくる。
「なんですか。デート中なんですか?僕はお邪魔なんですか?」
「うん、邪魔」
「ラ、ラフィ…!」
「だって本当のことだろう?折角楽しい時間を過ごしてたのに、こいつのせいで台無しだ」
まあラフィからしたら仕事から離れて羽根を伸ばしてるところを邪魔されてご機嫌斜めって感じなんだろう。
こういうところは年相応なんだよな。
「ナチュラルにあ~んとかして…」
「先にお前の口に突っ込んでやっただろ?文句を言うな」
「黙らせるために口に突っ込むのと、優しく口に入れて食べさせるのじゃ天地の差ですよ?!」
「やってることは一緒だろ?細かいことを指摘してくるな」
「うぅ…主が傲慢!ユウジ、この傲慢さを見てなんとも思わないんですか?!恋人にするにしてもよく考えた方がいいですよ?!」
「え?別におかしなことは言ってないだろ?それにラフィは友達だし、エレンドスが何言ってんのかわかんないんだけど…」
どうしてここで恋人云々が出てくるんだろう?
まあ『あーん』とかって確かに恋人同士でする奴だけど…。
そもそもラフィがちゃんと言ってるように、エレンドスと俺に両方串をくれたんだから、これはそういう類じゃないと思うんだけどな?
そうやって首を傾げていると、エレンドスは「ユウジはわかってない!」と強く言い放った。
「主はこう見えて腹黒なんですよ?!全部計算ずくで動いてるんです!騙されないでください!」
「またまた~。ラフィが頭いいのは知ってるけど、それとこれとは別だろ?大体ラフィが俺を騙すわけないじゃないか」
変なエレンドスと言って笑ってやると、エレンドスはギリギリと悔しそうにしながらラフィを睨んでいたけど、ラフィの方は慣れているのかどこ吹く風だ。
「さあてと、そろそろ帰ろうかと思ってたけど、エレンドスが来たならもうちょっと色々見て回るのもいいかもな。ついでに荷物持ちもしてもらえばいいし」
「え?でもラフィ。さっきまでは……」
今日はいくらでも物を入れられる魔道具を持ってきたって言って、これまで色々そこに入れていたのにと口にしようとしたら、ちょっと悪戯っぽく笑いながら「しーっ!」ってされた。
どうやら楽しい時間を邪魔してきたエレンドスへの意趣返しらしい。
(でもその仕草はちょっと反則だろ?!)
可愛いから思わず黙ってしまったじゃないか。
本当にラフィっていろんな面があって面白いよな。
こういうところも大好きだ。
最早親友といっても過言ではない。
そう思っていたのに────。
行くぞとラフィが促し三人で歩き出したタイミングでエレンドスが「のわぁ?!」と言いながら躓いて、何事かと振り向いた俺がそれを慌てて支えようとしたところをラフィが横からグイっと引っ張り、そのまま庇うように抱き込んできたのでびっくりして思わず顔を上げたら…………。
ちゅっ…。
俺の唇とラフィの唇がそんな音を立てながら────くっついてしまった。
一瞬時が止まったかのように、互いに驚き過ぎて固まってしまうとんだハプニング。
横でこけそうになった体勢を整えて、抗議しようと顔を上げたエレンドスがそれを目撃し、わなわなと震えながら叫ばなかったらきっと二人揃ってもう少し固まってしまっていたと思う。
「キ、キキキ、キス────ッッッ?!」
「?!?!?!」
俺達はその言葉に慌てて離れ、お互いに顔を真っ赤にしながら顔を背け合った。
(なんてこった……)
いくらアクシデントとは言え、友達とキスしてしまうなんて……。
そんな俺に先に我に返ったラフィがそっと謝罪の言葉を口にする。
「ユウジ…その、悪かった。いきなりでびっくりしたよな?」
「い、いや、まあ、その…うん。ただのアクシデントだし、大丈夫…だから」
そんな風にギクシャクする二人にエレンドスが追い打ちをかけてくるからいただけない。
「何がアクシデントですか!こっちが疲れているのをわかってて狙ったんじゃないんですか?!主はそういうところが姑息ですよね!」
その言い方に、流石に俺もカチンとくる。
だってさっきのはどう見てもエレンドスが悪いし、ラフィは俺が巻き込まれて一緒にこけないようにって庇ってくれただけなのに。
顔を上げてしまったのも俺だから、俺が責められるなら兎も角、ラフィが姑息呼ばわりされるのはどう考えてもおかしいだろう。
「ラフィは悪くないだろ?元々はエレンドスが悪いんじゃないか!」
責めるのはお門違いだと言って俺はそのままラフィの腕を掴んでエレンドスから離れるようにズンズン歩いていく。
本当は動揺してるし、こんな風にラフィと二人きりになるようなことはすべきじゃないとは思うけど、今はラフィとエレンドスを二人きりにしたくはなくて俺は勢いのままその場を離れた。
街で買い物をしてそろそろ帰ろうかと話していると、昨日と同じように息せき切ってエレンドスがこちらへと勢いよくやってきてしまった。
どうやら置いていかれたので、ずっと俺達を探し回っていたらしい。
「酷いじゃありませんか!置いていくなんて!」
「うるさい。これでも食ってろ」
「むぐっ?!」
エレンドスにうんざりしたラフィは問答無用でその大きく開いた口に先程買った串焼きを突っ込んだ。
つくねっぽいものがスイートチリソースっぽいタレを絡められて串に刺さっているもので、俺はちょっとだけ気になってしまう。
「ラフィ。それ、どんな味?」
「ん?ああ、ユウジも食べるか?ほら」
そう言ってラフィはもう一本を俺の口にそっと入れてくれた。
「んっ!美味しい!」
「気に入ったか?」
「うん!なんて言うか、みたらし団子っぽい味がする!」
「そのみたらし団子って言うのがよくわからないけど、おやつだしな。甘いだろ?」
「みたらし団子のたれは今日の卵焼きと同じで甘じょっぱい感じなんだけど…あれもおやつだから一緒かな」
「そうか。そっちも食べてみたいな」
ニコニコと話を弾ませる俺達にエレンドスが恨みがましい目を向けてくる。
「なんですか。デート中なんですか?僕はお邪魔なんですか?」
「うん、邪魔」
「ラ、ラフィ…!」
「だって本当のことだろう?折角楽しい時間を過ごしてたのに、こいつのせいで台無しだ」
まあラフィからしたら仕事から離れて羽根を伸ばしてるところを邪魔されてご機嫌斜めって感じなんだろう。
こういうところは年相応なんだよな。
「ナチュラルにあ~んとかして…」
「先にお前の口に突っ込んでやっただろ?文句を言うな」
「黙らせるために口に突っ込むのと、優しく口に入れて食べさせるのじゃ天地の差ですよ?!」
「やってることは一緒だろ?細かいことを指摘してくるな」
「うぅ…主が傲慢!ユウジ、この傲慢さを見てなんとも思わないんですか?!恋人にするにしてもよく考えた方がいいですよ?!」
「え?別におかしなことは言ってないだろ?それにラフィは友達だし、エレンドスが何言ってんのかわかんないんだけど…」
どうしてここで恋人云々が出てくるんだろう?
まあ『あーん』とかって確かに恋人同士でする奴だけど…。
そもそもラフィがちゃんと言ってるように、エレンドスと俺に両方串をくれたんだから、これはそういう類じゃないと思うんだけどな?
そうやって首を傾げていると、エレンドスは「ユウジはわかってない!」と強く言い放った。
「主はこう見えて腹黒なんですよ?!全部計算ずくで動いてるんです!騙されないでください!」
「またまた~。ラフィが頭いいのは知ってるけど、それとこれとは別だろ?大体ラフィが俺を騙すわけないじゃないか」
変なエレンドスと言って笑ってやると、エレンドスはギリギリと悔しそうにしながらラフィを睨んでいたけど、ラフィの方は慣れているのかどこ吹く風だ。
「さあてと、そろそろ帰ろうかと思ってたけど、エレンドスが来たならもうちょっと色々見て回るのもいいかもな。ついでに荷物持ちもしてもらえばいいし」
「え?でもラフィ。さっきまでは……」
今日はいくらでも物を入れられる魔道具を持ってきたって言って、これまで色々そこに入れていたのにと口にしようとしたら、ちょっと悪戯っぽく笑いながら「しーっ!」ってされた。
どうやら楽しい時間を邪魔してきたエレンドスへの意趣返しらしい。
(でもその仕草はちょっと反則だろ?!)
可愛いから思わず黙ってしまったじゃないか。
本当にラフィっていろんな面があって面白いよな。
こういうところも大好きだ。
最早親友といっても過言ではない。
そう思っていたのに────。
行くぞとラフィが促し三人で歩き出したタイミングでエレンドスが「のわぁ?!」と言いながら躓いて、何事かと振り向いた俺がそれを慌てて支えようとしたところをラフィが横からグイっと引っ張り、そのまま庇うように抱き込んできたのでびっくりして思わず顔を上げたら…………。
ちゅっ…。
俺の唇とラフィの唇がそんな音を立てながら────くっついてしまった。
一瞬時が止まったかのように、互いに驚き過ぎて固まってしまうとんだハプニング。
横でこけそうになった体勢を整えて、抗議しようと顔を上げたエレンドスがそれを目撃し、わなわなと震えながら叫ばなかったらきっと二人揃ってもう少し固まってしまっていたと思う。
「キ、キキキ、キス────ッッッ?!」
「?!?!?!」
俺達はその言葉に慌てて離れ、お互いに顔を真っ赤にしながら顔を背け合った。
(なんてこった……)
いくらアクシデントとは言え、友達とキスしてしまうなんて……。
そんな俺に先に我に返ったラフィがそっと謝罪の言葉を口にする。
「ユウジ…その、悪かった。いきなりでびっくりしたよな?」
「い、いや、まあ、その…うん。ただのアクシデントだし、大丈夫…だから」
そんな風にギクシャクする二人にエレンドスが追い打ちをかけてくるからいただけない。
「何がアクシデントですか!こっちが疲れているのをわかってて狙ったんじゃないんですか?!主はそういうところが姑息ですよね!」
その言い方に、流石に俺もカチンとくる。
だってさっきのはどう見てもエレンドスが悪いし、ラフィは俺が巻き込まれて一緒にこけないようにって庇ってくれただけなのに。
顔を上げてしまったのも俺だから、俺が責められるなら兎も角、ラフィが姑息呼ばわりされるのはどう考えてもおかしいだろう。
「ラフィは悪くないだろ?元々はエレンドスが悪いんじゃないか!」
責めるのはお門違いだと言って俺はそのままラフィの腕を掴んでエレンドスから離れるようにズンズン歩いていく。
本当は動揺してるし、こんな風にラフィと二人きりになるようなことはすべきじゃないとは思うけど、今はラフィとエレンドスを二人きりにしたくはなくて俺は勢いのままその場を離れた。
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