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【続編】
81:残念だがそれは不正解だ
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アズレークは細い指で私の耳に髪をかけながら「残念だがそれは不正解だ」と告げる。そう言われると困ってしまう。どう考えてもレッドドラゴンやブルードラゴン、グリーンードラゴンには思えないのだから。
「ロレンソは地上に存在するドラゴンではない」
「え……?」
驚いて顔をあげると、黒曜石のようなアズレークの瞳と目が合い、ドキッとする。その一方で。いつも通り、強い意志を感じさせる光がその目には宿っており、安堵することもできた。
「ドラゴンと言えば、空を飛ぶイメージが強いが、実は空を飛べるドラゴンは、地上では風を操るブラックドラゴンのみ。レッドドラゴン、ブルードラゴン、グリーンドラゴン、イエロードラゴンは空を飛べない」
改めて思う。私は……早急に、マルクスがくれた番|(つがい)に関する本を読む必要があると。そこにはきっと聖獣に関する詳しい記述があるはずだ。
「地上にいるドラゴンはそうだが、天上を住処とするドラゴンがいて、それはホワイトドラゴンと言われていた。ホワイトドラゴンは風を操る力を持つわけではないが、空を飛ぶことができる。そして地上に降りてくることは滅多にない。だから同じドラゴンという種族であっても、地上と天上で分けて考えられていた」
「つまりロレンソ先生はホワイトドラゴンを祖先に持つということなのね?」
アズレークは「その通り」と答え、私を抱き寄せる。
「ホワイトドラゴンの性質は温厚で温和で、そして持つ力も治癒の力と言われている。それでもドラゴンだ。鋭い牙を持ち、硬い鱗を持ち、鞭のような尻尾を持っていた。でも争いごとは好まない。だから本来、私に勝負を持ちかけるなんて、おかしな話なんだ。でもロレンソは……」
理解できた。ホワイトドラゴンが持つ気質からすると、ブラックドラゴンは風をはじめとする5つの力を操る、好戦的なドラゴンに見えてしまう。だからロレンソも、アズレークのことを争いを好むという見方をしていた。
好戦的だと思っているブラックドラゴンを先祖に持つアズレークに、ホワイトドラゴンの血を継ぐロレンソが勝負を挑んだ理由。それはさっきロレンソに聞いている。
「アズレーク、それはさっき本人に聞いたわ。ロレンソ先生は……探し求めていた番|(つがい)が見つからず、無気力になっていた。でも具合の悪い人を助けたことで、医師としての力を求められるようになった。その気持ちに答えたいと動き出すことで、再び気力が沸いたのね。でも私と出会って……」
「ロレンソは地上に存在するドラゴンではない」
「え……?」
驚いて顔をあげると、黒曜石のようなアズレークの瞳と目が合い、ドキッとする。その一方で。いつも通り、強い意志を感じさせる光がその目には宿っており、安堵することもできた。
「ドラゴンと言えば、空を飛ぶイメージが強いが、実は空を飛べるドラゴンは、地上では風を操るブラックドラゴンのみ。レッドドラゴン、ブルードラゴン、グリーンドラゴン、イエロードラゴンは空を飛べない」
改めて思う。私は……早急に、マルクスがくれた番|(つがい)に関する本を読む必要があると。そこにはきっと聖獣に関する詳しい記述があるはずだ。
「地上にいるドラゴンはそうだが、天上を住処とするドラゴンがいて、それはホワイトドラゴンと言われていた。ホワイトドラゴンは風を操る力を持つわけではないが、空を飛ぶことができる。そして地上に降りてくることは滅多にない。だから同じドラゴンという種族であっても、地上と天上で分けて考えられていた」
「つまりロレンソ先生はホワイトドラゴンを祖先に持つということなのね?」
アズレークは「その通り」と答え、私を抱き寄せる。
「ホワイトドラゴンの性質は温厚で温和で、そして持つ力も治癒の力と言われている。それでもドラゴンだ。鋭い牙を持ち、硬い鱗を持ち、鞭のような尻尾を持っていた。でも争いごとは好まない。だから本来、私に勝負を持ちかけるなんて、おかしな話なんだ。でもロレンソは……」
理解できた。ホワイトドラゴンが持つ気質からすると、ブラックドラゴンは風をはじめとする5つの力を操る、好戦的なドラゴンに見えてしまう。だからロレンソも、アズレークのことを争いを好むという見方をしていた。
好戦的だと思っているブラックドラゴンを先祖に持つアズレークに、ホワイトドラゴンの血を継ぐロレンソが勝負を挑んだ理由。それはさっきロレンソに聞いている。
「アズレーク、それはさっき本人に聞いたわ。ロレンソ先生は……探し求めていた番|(つがい)が見つからず、無気力になっていた。でも具合の悪い人を助けたことで、医師としての力を求められるようになった。その気持ちに答えたいと動き出すことで、再び気力が沸いたのね。でも私と出会って……」
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