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【続編】
15:みんな幸せになるだけよ
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今日の昼食も大成功だった。
アルベルトも三騎士も様々な種類のキッシュを楽しみ、初めて食べるポテトコロッケに驚き、美味しいと感動してくれた。しかも、アルベルトがいるからか。庭園の一角にテーブルと椅子が用意されていた。テーブルには真っ白なクロスが敷かれ、メイドが紅茶を当たり前のように運んでくれる。
真っ白なお皿が並べられ、カトラリーも揃えてくれていた。
もはや気軽な昼食などではなく、昼食会の様相を呈している。三騎士が同席しているが、少し離れた場所には警備の騎士の姿もあり、何も知らずに休憩にやってきた役人達が驚いていた。
「パトリシアさま、今日はプラサナスのメンバーが再集合したみたいで、楽しかったですね!」
昼食会を終えた帰りの馬車で、スノーは嬉しそうに私に抱きつく。
「そうね、スノー。みんな元気そうで何よりだったわ」
「王太子さまに不穏なオーラは一切ないですし、他の皆さんも問題なかったですよ」
スノーは。
ゴーストは勿論、呪いの類を見ることが出来た。
それはスノーが本当はミニブタであり、アズレークの変身魔法で人の姿しているから見ることが出来るのか、それは謎であるが。ともかくスノーは、アルベルトにかかっていたカロリーナの呪いを見ることもできた稀有な存在だった。
「ええ。もう災厄は去った。後はみんな幸せになるだけよ」
スノーが私に静かに寄り添う。
お腹がいっぱいになり眠たくなったようだ。
そのままその小さな肩を抱き寄せる。
本当に。
スノーは妹みたいだ。
妹であり、仲間であり、苦難を共にした大切な存在。
そんな風に思っていると。
スノーの眠気が私にも移ったようで、そのままウトウトしていた。
ガタンと突然馬車が止まり、衝撃で座席から放り出されそうになったのだが。スノーがものすごい力で私を掴んでくれていた。おかげで、前面の座先に激突せずに済んだ。スノーがこんなに怪力とは知らなかったので驚いてしまう。でも眠りの香(こう)をかがせた騎士二人の体を、スノーは楽々と支えていたことを思い出す。
「スノー、ありがとう。助かったわ。大丈夫?」
「ええ、私は大丈夫ですよ。パトリシアさまこそ、大丈夫ですか?」
「スノーが咄嗟に助けてくれたから」
するとそこに御者が真っ青な顔でやってきた。
扉を開けると被っていた帽子を握りしめている。
「パトリシアさま、大変申し訳ございません。突然、少女が飛び出してきて。避けきれませんでした」
「えっ!? まさか、轢いてしまったの!?」
アルベルトも三騎士も様々な種類のキッシュを楽しみ、初めて食べるポテトコロッケに驚き、美味しいと感動してくれた。しかも、アルベルトがいるからか。庭園の一角にテーブルと椅子が用意されていた。テーブルには真っ白なクロスが敷かれ、メイドが紅茶を当たり前のように運んでくれる。
真っ白なお皿が並べられ、カトラリーも揃えてくれていた。
もはや気軽な昼食などではなく、昼食会の様相を呈している。三騎士が同席しているが、少し離れた場所には警備の騎士の姿もあり、何も知らずに休憩にやってきた役人達が驚いていた。
「パトリシアさま、今日はプラサナスのメンバーが再集合したみたいで、楽しかったですね!」
昼食会を終えた帰りの馬車で、スノーは嬉しそうに私に抱きつく。
「そうね、スノー。みんな元気そうで何よりだったわ」
「王太子さまに不穏なオーラは一切ないですし、他の皆さんも問題なかったですよ」
スノーは。
ゴーストは勿論、呪いの類を見ることが出来た。
それはスノーが本当はミニブタであり、アズレークの変身魔法で人の姿しているから見ることが出来るのか、それは謎であるが。ともかくスノーは、アルベルトにかかっていたカロリーナの呪いを見ることもできた稀有な存在だった。
「ええ。もう災厄は去った。後はみんな幸せになるだけよ」
スノーが私に静かに寄り添う。
お腹がいっぱいになり眠たくなったようだ。
そのままその小さな肩を抱き寄せる。
本当に。
スノーは妹みたいだ。
妹であり、仲間であり、苦難を共にした大切な存在。
そんな風に思っていると。
スノーの眠気が私にも移ったようで、そのままウトウトしていた。
ガタンと突然馬車が止まり、衝撃で座席から放り出されそうになったのだが。スノーがものすごい力で私を掴んでくれていた。おかげで、前面の座先に激突せずに済んだ。スノーがこんなに怪力とは知らなかったので驚いてしまう。でも眠りの香(こう)をかがせた騎士二人の体を、スノーは楽々と支えていたことを思い出す。
「スノー、ありがとう。助かったわ。大丈夫?」
「ええ、私は大丈夫ですよ。パトリシアさまこそ、大丈夫ですか?」
「スノーが咄嗟に助けてくれたから」
するとそこに御者が真っ青な顔でやってきた。
扉を開けると被っていた帽子を握りしめている。
「パトリシアさま、大変申し訳ございません。突然、少女が飛び出してきて。避けきれませんでした」
「えっ!? まさか、轢いてしまったの!?」
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