【完】悪女と呼ばれた悪役令息〜身代わりの花嫁〜

輝石玲

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来てしまったゲームスタート

44話 ワインに掛けられていた魔法

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無駄にいい天気の朝

体が重たい
喉が渇く
体中がミシミシと音を立てているかのように痛い
でもずっと眠るわけにはいかないと体を起こそうとした

「痛っ…」

起き上がる為に体重をかけた左手に痛みが走った
何故かと見てみると、手のひらには包帯が巻かれていた

“カメリアぁ!”
「グド?どうし………」
“よ、良かった…!2日も眠ってたんだぞ!おいら、もう目覚めないかと……”


腕に飛び付いたグドは涙声だった
心配してくれているのだろう
…でも、なんで2日も眠っていたのだろうか
流石にワインを飲んで2日も眠った訳ではないだろう


“ワインに毒魔法が掛けられてたんだ。一口しか飲んで無かったからなんとか治療出来たけど……。左手の傷もグラスについてた毒のせいで治りが遅いんだ…”


なるほど…となる前に、グラスの破片を回収した時に手のひらを切っていたことに気付いていなかった
それにしても毒魔法だなんて一体誰が……
まさか僕にワインを渡したあの男?

“違うよ、あいつに魔法は使えないみたい。っていうか、魔法の主はわかってるんだけど………。本当に厄介なことになっちゃったみたいだよ”
「厄介?あの場にいた魔法が使えるのは……」

魔法なら近くにいたかは関係ないだろう
それならあのパーティーに魔法が使える人は沢山いる
その中でグドが「厄介」だと判断した人物……

「…ローズ?」

彼女なら魔法は得意だ
その上僕と同じバグであれば僕を早く消したいと思っても不思議では……いや不思議か?
ローズがプレイヤーであってもなくても、僕とハルジオンの関係が悪いのは見て取れる
僕を消す必要があるだろうか

“その通り、ローズに毒を盛る必要は無いよ。相手はもっと厄介な相手”
「………ハル、ジオン」

グドは渋々頷いた
でもおかしい
ハルジオンは僕と同じで魔力操作は出来ても魔法として使えない筈だ
ゲームでも明記されていた
ハルジオンは……

ラディクス王国の第一王子で次期国王
生まれ付きの才能は無いに等しく、努力だけで指折りの剣士にまで駆け上がる
しかし魔法は努力家の彼でも使えない
普段は冷静だが、ヒロインとアイリスの事になると取り乱してしまう

そう紹介されていた筈だ
ロード画面で何度もこの紹介を見た
まさか僕を殺す為に習得したのだろうか
でもハルジオンは結婚した後も僕を殺そうとした事など……


“………まだ、あいつの事が好きなんだね。おいらには分からないよ”


そう呟いたグドは人間サイズに変わった
「アズに目が覚めた事伝えてくるよ」とだけ言ってグドは部屋を出た

僕はハルジオンにたくさんの思い出を貰った
たくさん遊んで、喋って
ハルジオンに優しく笑いかけられるのが昔から大好きで
でも今ではそれすらも叶わない
どんなに冷たくされても、本当は優しいんだと分かっているから僕はこの感情を手放せない
いっその事こと、ハルが最低な奴だったら嫌いになれるのにな…
彼が毒魔法を掛けたなんて僕には信じられなかった
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