【完】悪女と呼ばれた悪役令息〜身代わりの花嫁〜

輝石玲

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来てしまったゲームスタート

43話 ヒロインにはなれない

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途中から、自分が何を言っているのかも分からなくなっていた
頭に浮かんだ言葉を次から次へと履き続け、ストッパーが外れた僕は出してはいけない素をだしかけてしまった


「ろくに知ろうともせずに私の全てを知った気にならないでください。私達はお互いに何も知らない。それを望んだのは他の誰でも無い貴方自身なのに」
「それが何か?」
「いえ、分からないのであればそのままで結構です。貴方に面倒掛けるつもりはありませんから」


溢れる言葉も聞いてもらえる訳が無いと悟った
もうこれ以上僕が悪い意味で見せ物になる必要も無いだろう
今は一刻も早く一人になりたい
手に持っていたグラスをわざとらしく落とした
グラスは大きな音を立てて割れ、破片とワインが飛び散った


「きゃっ!私のドレスが……!」
「アイリス!聖女のドレスをわざと汚すとはどういう事だ!」


飛び散ったワインは数滴だけローズのドレスの裾にかかったようだ
ハルジオンはそれをわざとだと思ったらしいが、本命は僕のドレスを汚す事
落ちながら溢れたワインは僕が着ているドレスにかかっている


「わざとではありませんよ。まぁ、私もドレスが汚れてしまった事ですし部屋に戻らせて頂きます。このパーティーに私は不要ですから」


僕は座り込んでグラスの破片を回収した
左手に破片を回収し、ドレスの裾で床に溢れたワインを拭き取った


「あるじ!片付けは他の者がやりますから!」
「いいの、グド。散らかしたのは私なんだから」
「でも……!………とりあえず、破片だけはこちらに」


グドに破片をそっと渡した
僕は小さく「戻ろっか」とグドに呟き、その場から離れようとした
が、ハルジオンは僕の肩を強く掴んで引き止めた


「まるで悲劇のヒロインだな。俺のことなどなんとも思ってないのだろう?一体何を望んでいる」


全ての言葉が痛い
こんなに冷たくされても僕はまだハルジオンの事が好きなのだ
なんて愚かなのだろうか
まだ誤解を解けばなんて、馬鹿なことが頭から離れないから困る


「私がヒロイン?あり得ません。それに……なんとも思ってないなんて事はありませんよ。貴方には理解できないでしょうけど」


僕はワインでふらつく足を動かして部屋に戻った
たった一口で別人のように多弁になった事は、忘れたくとも忘れられない
部屋に着いてすぐにドレスを脱ぎ冷たいベッドに突っ伏した

僕はヒロインじゃない
ヒロインになんてなれないのに
こんなに苦しいのになんでまだハルジオンが好きなんだろう
また、昔のようにそばにいて欲しい

……ねえハル、アイリスと何があったの?
昔から二人はギスギスしてたけど、なんで………
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