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領地 1
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実家に療養目的で帰って来た、見た目小娘、中身はアラフォーおばちゃんのエレノアです。
のんびりとぐうたら生活を満喫するつもりでいたのに、実家に帰ってきて3日目には、体力は回復して元気になってしまった私。
体が元気になったと感じたら、ぐうたら生活に飽きてしまっていることに気付く。
そんな私は、伯爵様に手紙を書くことにした。
伯爵領の農業を視察させて欲しいことと、領地に詳しい人物に同伴して欲しいという内容の手紙だ。
豊富に採れる農産物を、伯爵家ではただ出荷して売るだけだったらしい。
それって加工品にした方が儲かるんじゃね?…と考えた私は、ぜひ伯爵領を視察してみたいと思っていたのだ。
私の仕事は落ち着いているし、ロジャース伯爵家にはうちの優秀な秘書官達が手伝いに行ってくれているので、今なら時間に余裕がある。
動くなら……、今でしょ!と思ったのだ。
いつものように、うちの護衛騎士に手紙を届けてもらうことにした。
護衛騎士はいつものように、さっと行って来てくれた。勿論、伯爵様の返事の手紙を貰って帰って来てくれた。
手紙には一言…、〝私が同伴する。〟と書いてあった。
あの男、そこまで領地に詳しそうに見えないけど。
てっきり、領地内にいる領主代行みたいな人に頼むのかと思っていたのに。
体調も大丈夫なのかな?
でも、領主が直接行けば領民も喜ぶか!
ということで、その後も手紙をやり取りして、1週間後にはロジャース伯爵領に行くことになった。
馬車で片道三時間近くかかるので、お泊まりで行くことになる。
片道三時間の距離を、一応はまだ夫婦である私達が、現地集合・現地解散とは言えず同じ馬車で行くことになった。
勿論、私の馬車での移動。護衛騎士やメイドも同伴で行く。
嫌な雰囲気になって、馬車酔いしないといいけど…。
その時は寝ればいいか!
義姉さんに優し過ぎる義弟のギルも、一緒に行きたいと騒いだが、ギルはベネット家の時期当主として多忙だからそれは断った。
「義姉さん。護衛騎士は手練れの者を数人配置するからね。メイドも連れて行くよね?
あの伯爵は、最近義姉さんにベッタリしようとするところがあるから気を付けてよ。」
「大丈夫よ。伯爵様はああ見えて、大きな子供のような人だから。」
「……そう見せているだけかもしれない。
絆されないで。」
「大丈夫よ。
それより、あの女の監視をよろしくね。」
「分かってる!
義姉さん、気を付けて行って来てよ。」
優しい義弟は可愛いが、最近少しシスコン気味な気がして、義姉さんはちょっと心配になるわ…。
お泊まりの準備をして、護衛騎士達とメイドのミサを連れ、ロジャース伯爵家に伯爵様本人を迎えに行く。
「エレノア。今日と明日とよろしく頼む。」
「伯爵様、こちらこそよろしくお願い致します。」
「旦那様・奥様、どうかお気をつけて。」
家令とメイド長が見送りしてくれるようだ。
「トーマス。私達が留守の間に、もしあの女が戻って来たとしても、絶対に邸に入れるな。私からそう命令されているとハッキリ伝えていい。」
「一応、私の護衛騎士を2人置いていくわね。もしも、トーマスや騎士達で対応が難しい事態が起きたら、私の義弟を呼んで構わないわ。」
アブスが急に帰って来たりしたら厄介だから、念のために私の護衛騎士を警備担当として置いていくことにしたのだ。
私達がいない間に毒物を持ち込まれて、邸に隠されでもしたら厄介だからね。一応、用心はしておく。
ちなみに、アブスが毒物を手に入れようとしていることや、不貞をしていることは、まだ伯爵様には知らせてはいない。
伯爵様はアブスを信用していないから、自分達の留守中に勝手に戻って来られるのが嫌で、邸に入れるなと言っているのだと思う。
「畏まりました!」
なぜかご機嫌の家令とメイド長に見送られ、私達は出発する。
出発して数分後…。眠くなって来た私は、伯爵様を完全に無視して眠りについてしまった。
どれくらい眠っただろう…?
ガタン!
道が悪くなったようで、ガタガタと馬車が揺れだして目が覚める。
「エレノア、目が覚めたか?もうロジャース伯爵領に入ったから、あと少しで領地内の伯爵邸に着く。」
ロジャース伯爵領に入った途端に道が悪くなるなんて。
金がないから、伯爵領の道の整備も難しいってやつ?
道が整備されてないとダメだよ…。道が整備されている土地の方が絶対に栄えるんだから。
「…あっ。つい眠り込んでしまいましたわ。申し訳ありません。
もうすぐ着くのですね。」
「いや、私もウトウトしてしまっていたから、気にしなくていい。
領地の伯爵邸には、領主代行と伯爵邸の管理をしてもらっている遠縁の親戚が住んでいるから、着いたら紹介する。」
ふーん。伯爵様の親戚が管理人として在住しているのか…。
この伯爵様の親戚は、碌なヤツがいないから要注意ね。抜き打ちで帳簿とかも見せてもらおうかしら。
のんびりとぐうたら生活を満喫するつもりでいたのに、実家に帰ってきて3日目には、体力は回復して元気になってしまった私。
体が元気になったと感じたら、ぐうたら生活に飽きてしまっていることに気付く。
そんな私は、伯爵様に手紙を書くことにした。
伯爵領の農業を視察させて欲しいことと、領地に詳しい人物に同伴して欲しいという内容の手紙だ。
豊富に採れる農産物を、伯爵家ではただ出荷して売るだけだったらしい。
それって加工品にした方が儲かるんじゃね?…と考えた私は、ぜひ伯爵領を視察してみたいと思っていたのだ。
私の仕事は落ち着いているし、ロジャース伯爵家にはうちの優秀な秘書官達が手伝いに行ってくれているので、今なら時間に余裕がある。
動くなら……、今でしょ!と思ったのだ。
いつものように、うちの護衛騎士に手紙を届けてもらうことにした。
護衛騎士はいつものように、さっと行って来てくれた。勿論、伯爵様の返事の手紙を貰って帰って来てくれた。
手紙には一言…、〝私が同伴する。〟と書いてあった。
あの男、そこまで領地に詳しそうに見えないけど。
てっきり、領地内にいる領主代行みたいな人に頼むのかと思っていたのに。
体調も大丈夫なのかな?
でも、領主が直接行けば領民も喜ぶか!
ということで、その後も手紙をやり取りして、1週間後にはロジャース伯爵領に行くことになった。
馬車で片道三時間近くかかるので、お泊まりで行くことになる。
片道三時間の距離を、一応はまだ夫婦である私達が、現地集合・現地解散とは言えず同じ馬車で行くことになった。
勿論、私の馬車での移動。護衛騎士やメイドも同伴で行く。
嫌な雰囲気になって、馬車酔いしないといいけど…。
その時は寝ればいいか!
義姉さんに優し過ぎる義弟のギルも、一緒に行きたいと騒いだが、ギルはベネット家の時期当主として多忙だからそれは断った。
「義姉さん。護衛騎士は手練れの者を数人配置するからね。メイドも連れて行くよね?
あの伯爵は、最近義姉さんにベッタリしようとするところがあるから気を付けてよ。」
「大丈夫よ。伯爵様はああ見えて、大きな子供のような人だから。」
「……そう見せているだけかもしれない。
絆されないで。」
「大丈夫よ。
それより、あの女の監視をよろしくね。」
「分かってる!
義姉さん、気を付けて行って来てよ。」
優しい義弟は可愛いが、最近少しシスコン気味な気がして、義姉さんはちょっと心配になるわ…。
お泊まりの準備をして、護衛騎士達とメイドのミサを連れ、ロジャース伯爵家に伯爵様本人を迎えに行く。
「エレノア。今日と明日とよろしく頼む。」
「伯爵様、こちらこそよろしくお願い致します。」
「旦那様・奥様、どうかお気をつけて。」
家令とメイド長が見送りしてくれるようだ。
「トーマス。私達が留守の間に、もしあの女が戻って来たとしても、絶対に邸に入れるな。私からそう命令されているとハッキリ伝えていい。」
「一応、私の護衛騎士を2人置いていくわね。もしも、トーマスや騎士達で対応が難しい事態が起きたら、私の義弟を呼んで構わないわ。」
アブスが急に帰って来たりしたら厄介だから、念のために私の護衛騎士を警備担当として置いていくことにしたのだ。
私達がいない間に毒物を持ち込まれて、邸に隠されでもしたら厄介だからね。一応、用心はしておく。
ちなみに、アブスが毒物を手に入れようとしていることや、不貞をしていることは、まだ伯爵様には知らせてはいない。
伯爵様はアブスを信用していないから、自分達の留守中に勝手に戻って来られるのが嫌で、邸に入れるなと言っているのだと思う。
「畏まりました!」
なぜかご機嫌の家令とメイド長に見送られ、私達は出発する。
出発して数分後…。眠くなって来た私は、伯爵様を完全に無視して眠りについてしまった。
どれくらい眠っただろう…?
ガタン!
道が悪くなったようで、ガタガタと馬車が揺れだして目が覚める。
「エレノア、目が覚めたか?もうロジャース伯爵領に入ったから、あと少しで領地内の伯爵邸に着く。」
ロジャース伯爵領に入った途端に道が悪くなるなんて。
金がないから、伯爵領の道の整備も難しいってやつ?
道が整備されてないとダメだよ…。道が整備されている土地の方が絶対に栄えるんだから。
「…あっ。つい眠り込んでしまいましたわ。申し訳ありません。
もうすぐ着くのですね。」
「いや、私もウトウトしてしまっていたから、気にしなくていい。
領地の伯爵邸には、領主代行と伯爵邸の管理をしてもらっている遠縁の親戚が住んでいるから、着いたら紹介する。」
ふーん。伯爵様の親戚が管理人として在住しているのか…。
この伯爵様の親戚は、碌なヤツがいないから要注意ね。抜き打ちで帳簿とかも見せてもらおうかしら。
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