2 / 13
出会い2
しおりを挟む
(どこ?こっちか。早く会いたい)
城下にいる人々は竜化できるのは王族だと理解し、逃げ惑う様子はない。むしろ王族が番を見つけられたのだと興奮してお祭り騒ぎだ。
竜には番制度というものがある。番を見つけた竜人は長い間蜜月に入る。血が濃い竜人ほど期間が長く、長くて1年ほど。その期間の業務や給与の支払いについて定められたものだ。
と言っても再度のことになるが番の本能がある者は大抵が上位貴族。お金に困ることはないから適用されるのは蜜月中の業務についてだ。
イディオスが辿り着いたのは城下に入るために検査を
受けている人々の列。
列にいる人達は竜の機嫌を損ねて食われまいと悲鳴をあげそうになるのを必死にこらえ、竜の動向を必死に見守っている。
(いた)
列の中央付近にいた。竜化を解いてから近づく。目的の人へと一直線。イディオスの目的の人が分かったのか、近くにいた人達は蜘蛛の子を散らすように場を離れた。
本人は目を見開いて驚いている。
(そんな姿もかわいい)
「えっ?え?」
「戸惑う姿もかわいいね」
「え?」
「愛しの番。名前を教えてくれ」
「あ、せ、セシリアです」
「僕はイディオス。イオって呼んで、セシリア」
「い、イオ?」
かわいい、かわいいかわいいかわいいなあ。直ぐにドレスや装飾品を注文しないと。父上や兄上のことだからその辺は準備してくれているだろうなあ。楽しみ。
コテンッと首をかしげる姿がかわいい。
「じゃあ城へ行こう?通るぞ」
「行こう」と「通るぞ」の声色が違いすぎ。
「ハッ!」
「あ、あの!」
「何?」
「私、働きに王都に来たんです。」
「運命の出会いだね。僕の妃として働こうか。給与はドレス・宝石、何でもいいよ」
「イオ様を見ても………
「イオ」
言外に籠められた思い。イオという呼び名以外は許さないぞという副音声が聞こえてきた。
「イオを見ても何も感じなかったですし、
番というのはまちが………
「え?」
「ひいっ」
「今、何て言った?周りが騒がしくて聞こえなかった」
因みに周囲の人々は一言も声を発していない。
「ま、まだイオのことを知らないですし、
お付き合いをするのは互いを知ってからでもと」
「もっと僕のことを知りたいって?かわいいことを言うなあ。じゃあ詳しくは城で話そうか」
お姫様抱っこで城下を歩くなど羞恥の極み。滅茶苦茶注目されている。
「かわいい、かわいいセシリア。絶対に逃がさないよ」
周囲の視線にプルプルとしているセシリアにはその声は聞こえなかった。
城下にいる人々は竜化できるのは王族だと理解し、逃げ惑う様子はない。むしろ王族が番を見つけられたのだと興奮してお祭り騒ぎだ。
竜には番制度というものがある。番を見つけた竜人は長い間蜜月に入る。血が濃い竜人ほど期間が長く、長くて1年ほど。その期間の業務や給与の支払いについて定められたものだ。
と言っても再度のことになるが番の本能がある者は大抵が上位貴族。お金に困ることはないから適用されるのは蜜月中の業務についてだ。
イディオスが辿り着いたのは城下に入るために検査を
受けている人々の列。
列にいる人達は竜の機嫌を損ねて食われまいと悲鳴をあげそうになるのを必死にこらえ、竜の動向を必死に見守っている。
(いた)
列の中央付近にいた。竜化を解いてから近づく。目的の人へと一直線。イディオスの目的の人が分かったのか、近くにいた人達は蜘蛛の子を散らすように場を離れた。
本人は目を見開いて驚いている。
(そんな姿もかわいい)
「えっ?え?」
「戸惑う姿もかわいいね」
「え?」
「愛しの番。名前を教えてくれ」
「あ、せ、セシリアです」
「僕はイディオス。イオって呼んで、セシリア」
「い、イオ?」
かわいい、かわいいかわいいかわいいなあ。直ぐにドレスや装飾品を注文しないと。父上や兄上のことだからその辺は準備してくれているだろうなあ。楽しみ。
コテンッと首をかしげる姿がかわいい。
「じゃあ城へ行こう?通るぞ」
「行こう」と「通るぞ」の声色が違いすぎ。
「ハッ!」
「あ、あの!」
「何?」
「私、働きに王都に来たんです。」
「運命の出会いだね。僕の妃として働こうか。給与はドレス・宝石、何でもいいよ」
「イオ様を見ても………
「イオ」
言外に籠められた思い。イオという呼び名以外は許さないぞという副音声が聞こえてきた。
「イオを見ても何も感じなかったですし、
番というのはまちが………
「え?」
「ひいっ」
「今、何て言った?周りが騒がしくて聞こえなかった」
因みに周囲の人々は一言も声を発していない。
「ま、まだイオのことを知らないですし、
お付き合いをするのは互いを知ってからでもと」
「もっと僕のことを知りたいって?かわいいことを言うなあ。じゃあ詳しくは城で話そうか」
お姫様抱っこで城下を歩くなど羞恥の極み。滅茶苦茶注目されている。
「かわいい、かわいいセシリア。絶対に逃がさないよ」
周囲の視線にプルプルとしているセシリアにはその声は聞こえなかった。
10
あなたにおすすめの小説
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
恋心を封印したら、なぜか幼馴染みがヤンデレになりました?
夕立悠理
恋愛
ずっと、幼馴染みのマカリのことが好きだったヴィオラ。
けれど、マカリはちっとも振り向いてくれない。
このまま勝手に好きで居続けるのも迷惑だろうと、ヴィオラは育った町をでる。
なんとか、王都での仕事も見つけ、新しい生活は順風満帆──かと思いきや。
なんと、王都だけは死んでもいかないといっていたマカリが、ヴィオラを追ってきて……。
【完結】そう、番だったら別れなさい
堀 和三盆
恋愛
ラシーヌは狼獣人でライフェ侯爵家の一人娘。番である両親に憧れていて、番との婚姻を完全に諦めるまでは異性との交際は控えようと思っていた。
しかし、ある日を境に母親から異性との交際をしつこく勧められるようになり、仕方なく幼馴染で猫獣人のファンゲンに恋人のふりを頼むことに。彼の方にも事情があり、お互いの利害が一致したことから二人の嘘の交際が始まった。
そして二人が成長すると、なんと偽の恋人役を頼んだ幼馴染のファンゲンから番の気配を感じるようになり、幼馴染が大好きだったラシーヌは大喜び。早速母親に、
『お付き合いしている幼馴染のファンゲンが私の番かもしれない』――と報告するのだが。
「そう、番だったら別れなさい」
母親からの返答はラシーヌには受け入れ難いものだった。
お母様どうして!?
何で運命の番と別れなくてはいけないの!?
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
私、異世界で獣人になりました!
星宮歌
恋愛
昔から、人とは違うことを自覚していた。
人としておかしいと思えるほどの身体能力。
視力も聴力も嗅覚も、人間とは思えないほどのもの。
早く、早くといつだって体を動かしたくて仕方のない日々。
ただ、だからこそ、私は異端として、家族からも、他の人達からも嫌われていた。
『化け物』という言葉だけが、私を指す呼び名。本当の名前なんて、一度だって呼ばれた記憶はない。
妹が居て、弟が居て……しかし、彼らと私が、まともに話したことは一度もない。
父親や母親という存在は、衣食住さえ与えておけば、後は何もしないで無視すれば良いとでも思ったのか、昔、罵られた記憶以外で話した記憶はない。
どこに行っても、異端を見る目、目、目。孤独で、安らぎなどどこにもないその世界で、私は、ある日、原因不明の病に陥った。
『動きたい、走りたい』
それなのに、皆、安静にするようにとしか言わない。それが、私を拘束する口実でもあったから。
『外に、出たい……』
病院という名の牢獄。どんなにもがいても、そこから抜け出すことは許されない。
私が苦しんでいても、誰も手を差し伸べてはくれない。
『助、けて……』
救いを求めながら、病に侵された体は衰弱して、そのまま……………。
「ほぎゃあ、おぎゃあっ」
目が覚めると、私は、赤子になっていた。しかも……。
「まぁ、可愛らしい豹の獣人ですわねぇ」
聞いたことのないはずの言葉で告げられた内容。
どうやら私は、異世界に転生したらしかった。
以前、片翼シリーズとして書いていたその設定を、ある程度取り入れながら、ちょっと違う世界を書いております。
言うなれば、『新片翼シリーズ』です。
それでは、どうぞ!
目覚めたら大好きなアニメの悪役令嬢でしたが、嫌われないようにしただけなのに全員から溺愛されています
月影みるく
恋愛
目を覚ましたら、大好きだったアニメの世界。
しかも私は、未来で断罪される運命の悪役令嬢になっていた。
破滅を回避するために決めたことはただ一つ――
嫌われないように生きること。
原作知識を頼りに穏やかに過ごしていたはずなのに、
なぜか王族や騎士、同年代の男女から次々と好意を向けられ、
気づけば全員から溺愛される状況に……?
世界に一人しかいない光属性を持つ悪役令嬢が、
無自覚のまま運命と恋を変えていく、
溺愛必至の異世界転生ラブファンタジー。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる