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悪役令嬢
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「何ですって!?」
「………第2王子が番を見つけられました。蜜月は婚約式が終わってからとの王からの説得により、1ヶ月先とのことです。」
「相手の素性は?」
「平民で黒髪・黒目。目を引く美貌ではありますが、地位・容姿・財力において貴女様に勝るような存在ではないかと」
セルバンテス伯爵家の長女、レベッカ。彼女は当主の庶子で母親が亡くなったので伯爵家に引き取られた。
王族や高位貴族が嫁いできたことはなく、番への認識が甘い。
正室との間に嫡子をもうけているが、女子はいない。娘が欲しかった伯爵はレベッカを甘やかし、見事傲慢な性格ができあがった。
物心ついたときから王太子には番がいたので狙いは第2王子に絞っていた。カッコよく、武に秀でている王子が好きで公開訓練には何度も行った。家の爵位と財力を盾に王子に近づく女を排除してきた。
「私こそがイディオス様に相応しいのよ」
「ええ、勿論ですとも。レベッカ様こそが王子殿下の正室となるに相応しい」
「その女が邪魔だわ」
「ええ、ええ、お気持ち察します」
「排除できるかしら?」
「…………難しいですなあ」
彼の住む部屋付近は厳重な警備体制がしかれている。
彼自身も所属している黒竜騎士団の団員が見回りをしているし、扉の前にも常時3人はいる。(王族の番を守るための専属騎士が黒竜騎士団。魔法・武力共に秀でていて、世界最強とも言われている)
「暗殺者は?裏家業の人に頼めばいいんじゃなくて?」
「黒竜騎士団はブラックリスト入りしていると聞きますぞ。以来を受理してくれる可能性は限りなく低いですな」
「じゃあどうすればいいのよ!!」
「呪術です」
「呪術であれば遠くから、実行犯がバレずに殺せますからな。
問題は魔道具で保護している場合。そのレベルよりも低い呪術だとこちらに跳ね返ってくる。より高位の呪術をかけるには材料が高価になる上、かけるタイミングが重要となりますなあ」
「金に糸目はつけないわ。幾らかかってもいい。絶対に番を殺すのよ。」
「了解です」
馬鹿な令嬢と取り巻き。イディオスは番優先の生活を送っている。黒竜騎士団に所属はしているが彼らと一緒に訓練はしていない。住まいの離宮で番に見守られながら訓練をしている。
常に側に起き、お手洗いの時でさえ扉の外で待っているくらい。他は全てピタッとくっついている。
世界最強とも言われている黒竜騎士団の団員が側にいるのに呪術がかけられるわけがない。番とイディオスを離そうとするのは自殺行為。伯爵令嬢が「イディオス様だけに用事があるので番様は遠慮なさって?」と言ったが最後。首と胴体がおさらばするだろう。
番の本能が薄い者ほど厄介な存在はいない。一体何人の貴族が粛清されるのやら。
「………第2王子が番を見つけられました。蜜月は婚約式が終わってからとの王からの説得により、1ヶ月先とのことです。」
「相手の素性は?」
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「…………難しいですなあ」
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「呪術です」
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問題は魔道具で保護している場合。そのレベルよりも低い呪術だとこちらに跳ね返ってくる。より高位の呪術をかけるには材料が高価になる上、かけるタイミングが重要となりますなあ」
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