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その日、ラランド家は阿鼻叫喚の渦に巻き込まれた
「なにかの間違いです!私には婚約者が既にいます!」
「それが何だというの?王命は絶対よ。あなたはクラウス・シェイドと婚約解消し、国王の第二側室として嫁ぐのです」
「そんな横暴な…!!」
イライザはとうとう強行手段に出た
兄である国王にメルージュが嫁いでしまえばあとはメルージュをどう扱おうがラランド侯爵は手出しができない
イライザはメルージュを婚姻したのち病にかかったと適当な理由をつけて死に追いやるつもりでいた
「これは王命です。王命に背くということは反逆と同じ!速攻死刑よ!」
「いくら国王と言えどもこればかりは元老院が許しませんわ!お世継ぎがいないならまだしもご立派なお世継ぎがいるというのに私が嫁ぐメリットはありません!」
メルージュはこれがイライザの罠だということを確信していた
父のブラッドか王城に急遽朝一で呼ばれたあたりから嫌な雰囲気はしていた
ここ最近は朝食など一緒に取っていなかったイライザが食堂に出てきた時から何か起こるかもしれないと身構えていたがまさかこんなことを企んでいたなど誰が思っただろうか
「つまりあなたは王命に従わないということね?」
「従う従わないという事ではありません。これは元老院に掛け合って再度審議して頂くのが正しいと思います」
「あーだこーだうるさいわね!!黙っていうことを聞きなさい!!」
「お断りします!!」
「本当に憎たらしい!!!誰か!メルージュを部屋に閉じ込めておきなさい!!!」
私が許可するまで部屋から出すことは許しませんわ!!とメイド達に怒鳴りつけるイライザをメルージュは睨みつけた
だがメルージュが言うことを聞かないとイライザはメイド達に手を出し始めるのでメルージュは大人しく部屋に篭った
「これをクラウスに届けて」
「かしこまりました」
一応監視役であろうメイドに手紙を渡す
メイド達はイライザに暴行されないように順従なフリをしているだけで実際はメルージュの味方であった
メルージュは自室から見える外の風景に目を向けた
季節は晩夏から初秋に移ろうとしている
どうか寒くなる前に全ての問題が終わってほしいと心から願ったら
ーーーー
「奥様!それはなりません!」
「メイドの分際で私に指図する気?!首にするわよ!!!!」
あれから何時間たっただろうか
窓際のソファでウトウトしていたメルージュはドアの向こうから聞こえる声で目が覚めた
どうやらメイド長とイライザが言い合いをしているようだ
バタバタと聞こえる足音がどんどん近づいてきた
「メルージュ!!」
バタン!!とドアを勢いよく開けた先には髪が少し乱れたイライザが立っていた
その後ろには男性の姿があった
「誰ですの?」
「ふんっ貴女が言うことを聞かないからこうやってわざわざ国王陛下がお越しになられたわよ」
「なっ…!」
イライザの後ろからずっと出てきたのは国王だった
イライザに似たその顔はニヤニヤとメルージュを見つめていた
「ほお。イライザほど美しくはないが、まあ行けなくもないな」
「約束は守って頂きますわよ?必ずその女を傷物にしてくださいね」
メルージュは身の危険を感じた
王城ならまだしもここはラランド侯爵家だ
王城ほど警備も手厚くない上に国王に意見ができる公爵もいない
父が留守にしている今この瞬間は悔しいがイライザに決定権がある以上メイド達も助けに入るのは難しかった
「それでは、1時間後にまたきますわ」
そう言い残しドアをがちゃんとしてられた
目の前には国王だ
普段ならば腰を落とし敬意を表する相手だが今この瞬間下卑た笑顔をする国王はメルージュからしたらただの犯罪者と変わりはない
「陛下!これはあまりにも横暴でございます!同意なしの行為はいくら陛下といえども罪に問われます」
「私を誰だと思っている、国王だぞ!この国で最も偉いこの私に抱かれると言うのに何を怯えている?」
「いくら国王といえど今やっていることは犯罪者と変わりありませんわ!!」
「小娘ごときが私に意見するな!!」
「きゃぁ!!」
あろうことか国王はメルージュの頬を平手で叩いた
その衝撃にメルージュは倒れ込み打たれた頬を庇いながら国王を睨みつけた
「国王が人に手をあげるなど随分と王族は堕ちたものですわね」
「ふん!いつまでその虚勢がはれるから実物だな」
国王はそういうとメルージュに近づき手を伸ばしてきた
ハッとしたメルージュはその手を叩き急いで立ち上がった
鍵はしまっているがメイドに託した手紙が今頃クラウスに届いてるはずだ助けがくるそれまではどうにか時間を稼げないかと部屋の中を走りながら考えた
そうしてベッドの上に置いてあった大量のクッションをメルージュは国王に投げつけた
「はっはっは!その程度で私の足を止めれるはずがな、いたぁ!!」
「もうあなたは国王でもなんでもないわ!犯罪者よ!!」
クッションが無くなってきたため、メルージュは部屋に置いてある調度品を次々投げ始めた
それら見事に国王にあたり僅かながらの時間を稼ぐことができた
「小娘が~~~!!!図に乗り追って!!」
「ッッ!!」
物がゴツんと当たった国王が激怒し床に落ちていた調度品を掴みメルージュに投げつけようとしてきた
「そこまでだ!!」
塞がれていたドアから助けがやってきた
「なにかの間違いです!私には婚約者が既にいます!」
「それが何だというの?王命は絶対よ。あなたはクラウス・シェイドと婚約解消し、国王の第二側室として嫁ぐのです」
「そんな横暴な…!!」
イライザはとうとう強行手段に出た
兄である国王にメルージュが嫁いでしまえばあとはメルージュをどう扱おうがラランド侯爵は手出しができない
イライザはメルージュを婚姻したのち病にかかったと適当な理由をつけて死に追いやるつもりでいた
「これは王命です。王命に背くということは反逆と同じ!速攻死刑よ!」
「いくら国王と言えどもこればかりは元老院が許しませんわ!お世継ぎがいないならまだしもご立派なお世継ぎがいるというのに私が嫁ぐメリットはありません!」
メルージュはこれがイライザの罠だということを確信していた
父のブラッドか王城に急遽朝一で呼ばれたあたりから嫌な雰囲気はしていた
ここ最近は朝食など一緒に取っていなかったイライザが食堂に出てきた時から何か起こるかもしれないと身構えていたがまさかこんなことを企んでいたなど誰が思っただろうか
「つまりあなたは王命に従わないということね?」
「従う従わないという事ではありません。これは元老院に掛け合って再度審議して頂くのが正しいと思います」
「あーだこーだうるさいわね!!黙っていうことを聞きなさい!!」
「お断りします!!」
「本当に憎たらしい!!!誰か!メルージュを部屋に閉じ込めておきなさい!!!」
私が許可するまで部屋から出すことは許しませんわ!!とメイド達に怒鳴りつけるイライザをメルージュは睨みつけた
だがメルージュが言うことを聞かないとイライザはメイド達に手を出し始めるのでメルージュは大人しく部屋に篭った
「これをクラウスに届けて」
「かしこまりました」
一応監視役であろうメイドに手紙を渡す
メイド達はイライザに暴行されないように順従なフリをしているだけで実際はメルージュの味方であった
メルージュは自室から見える外の風景に目を向けた
季節は晩夏から初秋に移ろうとしている
どうか寒くなる前に全ての問題が終わってほしいと心から願ったら
ーーーー
「奥様!それはなりません!」
「メイドの分際で私に指図する気?!首にするわよ!!!!」
あれから何時間たっただろうか
窓際のソファでウトウトしていたメルージュはドアの向こうから聞こえる声で目が覚めた
どうやらメイド長とイライザが言い合いをしているようだ
バタバタと聞こえる足音がどんどん近づいてきた
「メルージュ!!」
バタン!!とドアを勢いよく開けた先には髪が少し乱れたイライザが立っていた
その後ろには男性の姿があった
「誰ですの?」
「ふんっ貴女が言うことを聞かないからこうやってわざわざ国王陛下がお越しになられたわよ」
「なっ…!」
イライザの後ろからずっと出てきたのは国王だった
イライザに似たその顔はニヤニヤとメルージュを見つめていた
「ほお。イライザほど美しくはないが、まあ行けなくもないな」
「約束は守って頂きますわよ?必ずその女を傷物にしてくださいね」
メルージュは身の危険を感じた
王城ならまだしもここはラランド侯爵家だ
王城ほど警備も手厚くない上に国王に意見ができる公爵もいない
父が留守にしている今この瞬間は悔しいがイライザに決定権がある以上メイド達も助けに入るのは難しかった
「それでは、1時間後にまたきますわ」
そう言い残しドアをがちゃんとしてられた
目の前には国王だ
普段ならば腰を落とし敬意を表する相手だが今この瞬間下卑た笑顔をする国王はメルージュからしたらただの犯罪者と変わりはない
「陛下!これはあまりにも横暴でございます!同意なしの行為はいくら陛下といえども罪に問われます」
「私を誰だと思っている、国王だぞ!この国で最も偉いこの私に抱かれると言うのに何を怯えている?」
「いくら国王といえど今やっていることは犯罪者と変わりありませんわ!!」
「小娘ごときが私に意見するな!!」
「きゃぁ!!」
あろうことか国王はメルージュの頬を平手で叩いた
その衝撃にメルージュは倒れ込み打たれた頬を庇いながら国王を睨みつけた
「国王が人に手をあげるなど随分と王族は堕ちたものですわね」
「ふん!いつまでその虚勢がはれるから実物だな」
国王はそういうとメルージュに近づき手を伸ばしてきた
ハッとしたメルージュはその手を叩き急いで立ち上がった
鍵はしまっているがメイドに託した手紙が今頃クラウスに届いてるはずだ助けがくるそれまではどうにか時間を稼げないかと部屋の中を走りながら考えた
そうしてベッドの上に置いてあった大量のクッションをメルージュは国王に投げつけた
「はっはっは!その程度で私の足を止めれるはずがな、いたぁ!!」
「もうあなたは国王でもなんでもないわ!犯罪者よ!!」
クッションが無くなってきたため、メルージュは部屋に置いてある調度品を次々投げ始めた
それら見事に国王にあたり僅かながらの時間を稼ぐことができた
「小娘が~~~!!!図に乗り追って!!」
「ッッ!!」
物がゴツんと当たった国王が激怒し床に落ちていた調度品を掴みメルージュに投げつけようとしてきた
「そこまでだ!!」
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