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第二章 超ハードモードの人生を終わらせるために頑張ります
試験
しおりを挟む学園は超実力主義。
初等部は行っても行かなくてもいいのでそこまででもないが、中等部はそうはいかない。とはいえ、高等部までじゃないけどね。
そこに家の格式とか肩書とかは一切関係ない。受験をしたいのなら、九歳以上なら受験可能だ。
なので、私の受験も認められ、試験は皆一斉に行われた。
この筆記試験の結果を元にクラス分けが行われる。一番上がSクラス。後はAからFクラスまである。
試験の結果次第で、王族でもFクラスになることもあるのだ。
さすがに、幼少時から家庭教師を付けてるから、それはないと思うけどね。あったら恥でしょ。それは他の高位貴族も同じこと。大袈裟ではなく、この試験でこれから先、左右されると言ってもいい。
まぁそれも正直、どうかと思うけどね。入学のクラスも大事だけど、要は卒業の時にどのクラスにいるかだよね。それに特に勉強が出来なくても、特出すべき点がある方が正直私は凄いと思う。
というわけで、よほどのことがない限り、入学年齢に達した十二歳の方々は落ちないが、私のように飛び級を狙う者はより厳しい審査が行われる。勿論、特別に面接も行われる。
一人試験会場に入った私は、かなり目立っていたけど、そんなことを気にする程神経が弱くはない。この一か月、寝る間も惜しんで詰め込んだことを書くだけ。
時間は一教科一時間。
算式と国語と社会。算式は計算。国語は語学も含まれる。社会は歴史と政治。受けるのは三教科だけだけど、実際は五教科。これって、ある意味詐欺よね。
詰まることなくペンを走らせる。時間はあっという間に終わった。筆記試験は自分でも出来た方だと思う。
問題は面接。
さすがに、入学目的をまんま答える訳にはいかないよね。
なので、どうしても読みたい本があるからだと答えることにした。まぁ実際、王宮の図書室には置いてない本が学園にはあったからね。
魔法具の作成に関する本だ。魔法具の作成には前々から興味があった。元々、自分の身を護るためと身体能力を強化するために使用していたのを、自分なりに改良していたのが切っ掛け。それも過去世の話だけど。
休憩と軽い昼食の後、面接試験が始まった。飛び級を受けるのは私を含め五人。うち、四人は男子。それに、どうやら私が最年少のようだ。だって、私以外の四人とも知り合いのようだから。三年目という単語が聞こえてきたからね。計算したらそうなるでしょ。
それにしても、少しは静かに出来ないのかな。控室にいる間も試験だということが分かってないの。シルキー様には、試験は馬車に乗った時点で始まっているのだと教えてもらったのだけど。
まぁ幸いのは、彼らが私のことを知らなかったことね。今年、試験を控えている者は新年のパーティーには出ないらしいから。もし知っていれば、絶対この場で何か言われた筈。共倒れは嫌だわ。
そんなことを考えていたら、ノックの音が控室に響いた。途端に静かになる室内。ガタガタと椅子の音をさせ、慌てて男子たちは座った。それ完全にアウトでしょ。呆れている私をよそに、案内人が何食わぬ顔で入って来た。
そして、私の名前を告げた。
「マリエール=グリード様」と。
「はい」
と答え、私は音を立てずに立ち上がる。
「面接会場にご案内致します」
「宜しくお願い致します」
私は案内人に軽く頭を下げた。
さぁ、マリエール。ここからが勝負よ。
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