善夜家のオメガ

みこと

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詩月

12

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「疲れた…。」

発情期から六日後、詩月はやっとあの部屋から出る事が出来た。時々葉月や佑月が来てくれたが、基本的には一人で過ごしあの劣情をどうにかするしかなかった。
自室に入るとベッドサイドに置かれていたスマホがチカチカと点滅している。きっと葉月が充電しておいてくれたのだ。
それを手に取りパスコードを入力する。

「うわっ、着信八十件、メッセージ百二十二件て…。」 

その多さに驚く。もちろんほとんどが健人からだ。
メッセージを開くと心配し動揺している様子が伺えた。
返信がないと分かっているのに何度も何度も送られてくるメッセージ。動画や写真もある。
動画を開くと流行りの歌に合わせて踊る健人が流れた。詩月を励まし笑わそうとしてくれているのだ。

「あはは、変なの…」

可笑しいのにポロポロと涙が溢れる。無性に健人に会いたい。だが今日も母の真知子がいるので無理だ。
詩月は涙を拭って通話をタップした。

「もしもしっ!詩月か?」

ワンコールで健人が出た。その声でまた泣きそうになる。

「うん。ねぇ、動画見たよ。何あれ。ステップ間違えてるよ。」

「え?そうか?練習したんだけどな。」

「ふふふ。」

「詩月、身体大丈夫か?」

優しい声に涙が頬を伝う。

「うん、大丈夫。」

「そうか。」

それからいつもと同じように他愛もない話をした。
健人は詩月が寝落ちするまでずっと付き合ってたくれていた。




「詩月っ!」

詩月は真知子が出かけたのを見届けてから健人の家に向かうと、玄関の前で健人が待っていた。
部屋に入るとキツく抱きしめられてうなじを撫でられる。何の傷もないキレイなうなじ。

「詩月のフェロモンだ。」

今度はスンスン音をたてて匂いを嗅いでいる。大きく息を吐くとまた抱きしめられた。
健人も不安でたまらなかったのだ。

「大丈夫か?辛かっただろ?こんなに痩せて…。」

「ううん、平気。」

健人が詩月を横抱きにしてベッドに座った。大丈夫だと言っても心配なようで身体中を探っている。

「健人、今日はぎゅってしてて。」

「うん。」

優しく詩月を寝かせてベッドの上で抱き合う。
時々キスをするだけでその日は何もせずずっと抱き合っていた。





発情期が終わり一息つく間もなく真知子は詩月と葉月を連れてパーティーやら夜会やらに出かけるようになった。
発情期が来てからの詩月はますます美しく艶っぽくなりそんな詩月を見せびらかすように真知子は連れ回した。
現にアルファたちからたくさんの求婚の話が降ってくる。
だが真知子は一流の詩月たちをアルファとしか結婚させないと言って尊大な態度をとっていた。
とにかく善夜には素晴らしいオメガがいるということを見せつけたいのだ。

「はあ、もううんざり。」

「全くな。時間の無駄だよ。」

夜会から帰った二人はタキシードを脱ぎ捨て文句を言う。
明日から真知子はドイツに行くと言っていたのでしばらくはこの苦行から解放されそうだ。

「あの大河原のアルファ見た?」

「見た。鼻の下伸ばして、マジキモい。」

「ね。あー明日から自由だ!」

葉月がベッドの上でゴロゴロする横で詩月はスマホで健人にメッセージを送っていた。
夜会やパーティーに行くと言うと健人がものすごく心配する。何事もなかったことを報告するのだ。
詩月がメッセージを送るとすぐに電話があった。

「もしもし?」

「詩月、大丈夫か?」

「大丈夫だよ。」

「他のアルファに何かされなかったか?」

「うん。」

初めての発情期を迎えてさらに美しくなった詩月を心配している。
夜会ではたくさんのアルファに声をかけられたが、皆断った。
そのあとも少し話をして明日の約束をして通話を切る。

「明日から健人のターンだね。」

葉月がニヤニヤしている。

「何それ。」

「思う存分フェロモンを付けまくるってことだよ。」

「…。」

葉月の冷やかしに何も言い返せずじとっと睨んだ詩月だが、明日のために早く寝ようと自室に戻った。






「ん、はぁ、あ、健人…。」

「詩月、詩月、はぁはぁ、ん。」

部屋に入るなり飛びつくように抱きつかれてベッドに押し倒される。そのまま息つく暇もなく唇と舌を吸われた。服はむしり取るように脱がされたが、その手は優しく身体を撫でる。

「はぁ、かわいい…。俺の匂い、いっぱいつけるからな。」

「あぁん、はぁ、健人っ、健人っ!」

身体中を舐め回してキスをする。
全身を丁寧に舐めたあと、健人の好きな体勢になった。

「詩月、かわいい。」

健人は感嘆の声を漏らすと詩月の尻の穴にキスをする。
わざと音をたてたり強く吸ったりしながら丹念に舐める。
舌を入れて出し入れすると詩月はあっという間に達してしまった。

「はぁはぁ、健人、イっちゃった…。」

「ん。かわいい。もっとイって?」

「ダメっ、」

「かわいい、かわいいっ!大好き…」

散々舌で嬲ったあと、健人も詩月の口や手で気持ちよくしてもらう。しかし今日はそれだけでは終わらなかった。
詩月を四つん這いにさせて股の間に健人の性器を挟んだ。

「はぁ、気持ちいい…ヌルヌル…。」

「あ、あぁ、健人っ!」

「ん、ん、ん、はぁ、うっ、」

健人が激しく腰を振り始めた。まるでセックスをしているようだ。詩月も健人のモノで擦れて堪らなくなる。

「あー、気持ちいい。詩月っ!イクっ!」

「あぁん!」

二人は同時に達した。

「ふぅ、詩月、大好き…。」

背中やうなじにキスをする。詩月は力尽きてベッドに倒れ込んだ。

「も、ダメ…。」

「えぇ?まだまだだぞ。いっぱいするって言ったろ?」

健人は嬉しそうにそう言って詩月のうなじを舐め回しながらまた腰を振り始めた。
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