徒然なる恋の話

焔 はる

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十二夜【時を超える花言葉】

12-7

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椎娜との初めてのデートで行ったレストランの他に、岐津さんが経営する飲食店は複数ある。

そのうちのひとつが、今回の頼み事で行く事になった<fortune フォーチュンcafe Yggdrasillユグドラシル>。

店自体は完全予約制で、こじんまりとした『占いcafe』。

初めて聞いた時は、なんて胡散臭い、ぼったくりの店じゃないか、と内心疑った。

実情は、『怖いほどに見抜かれる』、『黒歴史を暴かれたくなかったら行くな』、『占いじゃなくて黒魔術』、『見た目年齢20代、サバ読み300歳』、『店主は魔女』とSNS等でも話題になっていて、予約は最大2か月待ちもザラというから、どういう店が当たるのかわからないなぁと、占いやスピリチュアルなんてのには疎くて関わっても来なかった俺は半信半疑。

その話題性もあり取材が入っていたのだが、当日の今日になってキャスティングされていたタレントが急病で来れなくなったというのだ。


「ちなみに謝礼ってなんですか?」

『お前に現金て言ってもな・・・別に困ってやしないだろうし。』

「えぇ・・・まぁ。そうですね。」

『(笑)そんじゃあ現物支給だな。今晩好きなもん2人で食いに来いよ、席押さえとくから。』


それを椎娜に伝えれば目を輝かせている。

食べ物に執着はないのに、食べる事、美味しい物は大好き。

あ、ツナ缶とチクワだけは別格なんだったな・・・。

・・・・・・なんてお手軽・・・いや、お安い・・・いや怒られるな・・・・・・うん、なんて可愛いんだろうな・・・お金がかからない子だ・・・・・・

もっと欲を言ってくれてもいいのにな。


「よかったね、今夜は岐津さんのお店でディナーだよ。でも、日中の予定よかったの?せっかく2人きりだったのに。」


取材の詳細や店の住所などはLINEで送ると言われて電話を切り、椎娜に確認すれば、


「うん、大丈夫。なんか・・・楽しそう。そして、美味しそうな気配・・・」


椎娜がOKをした理由には、何の<理論も理屈>もなかった。

敢えて言うなら『感覚』。

本能と感覚で決める理論。


・・・ちなみに・・・

椎娜が残念そうではなかった事に、俺の方が残念さを独り噛みしめていた。

勿論それは微塵も出さずに笑顔のままで。
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