徒然なる恋の話

焔 はる

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十二夜【時を超える花言葉】

12-8

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俺は今夜のディナーデートにも備え、フォーマルな装い。

椎娜は手の怪我もあるし、「そんなお洒落な服持って来てない」と言うので、俺たちは椎娜の家に一度寄る事にして、椎娜が準備を終えてから指定されたお店、<fortune cafe Yggdrasill>へと向かった。





「椎娜、占いとか興味あった?」


占いカフェにやけに前向きに興味を示す椎娜が珍しくて問いかける。


「興味、っていうか・・・・・・、う~~~ん・・・・・・なんだろう・・・・・・」


「・・・・・・なんだろう・・・・・・」


椎娜本人すらこの調子。

なんだろう・・・と不思議そうだから、俺はもっと『なんだろう』だ。

好きも嫌いも、割と本能。

損得ではなく、本能で生きている。

心のまま、自分に嘘をつきたくない、だから、嘘を付く人間は嫌い。

それはきっと、大抵の人間が抱く当たり前の感情なんだけど、あまりにも人を疑うし、いつ、どのタイミングからなら信用できると本人が認めるのか俺もそこはわからない位椎娜は警戒する。

それに、ここ数週間で椎娜を取り巻く人間関係や環境が変化した要因は、俺との関係が変わったことによる影響がかなり大きい。

それによって、『桜太が信用している人達』を自分も信じていいのか、『桜太が信用している人なら信用してもいいのかもしれない』と、判断が揺れているのだと思う。

裏切りなんて日常茶飯事、やるかやられるか、食うか食われるかの世界で生きる岐津さんや、まぁ・・・ナツなんかも、椎娜が自分たちを警戒する事を別段気にもしていないし、それを当たり前とさえ思っているから、俺の勝手な想像だけど、少しずつ自分に慣れてきてるのを、面倒見のいい岐津さんの事だから楽しんですらいると思わる。

あとは、怪我をした上に仕事も辞めて、暇をしてるかな、とか、罪滅ぼしと思っていたりもするかもしれない。

懐に入れた人間は責任もって面倒を見るし、可愛がってくれる、情に厚い人なんだ、岐津元春という人は。
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