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十二夜【時を超える花言葉】
12-6
しおりを挟む「・・・・・・何度も見る夢ってある?」
「夢?」
「うん、寝てる時の夢」
「・・・・・・俺、あんまり夢見ないからなぁ・・・・・・何度も見る夢があるの?」
「うん・・・そのシーンだけを何度も。」
そっか、と俺が相槌を打とうとした瞬間、俺のスマホが鳴った。
画面に表示されている名前は『岐津 元春』。
「・・・岐津さんだ。どうしたんだろう。」
振り向いた椎娜に岐津さんからだと告げて通話のアイコンを押した。
『悪い桜太、今日何か予定あるか?』
「いえ・・・予定という予定は・・・決めてないですけど・・・」
俺は、岐津さんの少し急いでいるような様子も気になりながら、何か予定を入れられてしまうと、椎娜と2人で過ごしたかった1日が潰れるのではないか、とハッキリしない受け答えをしてしまう。
・・・本音を隠しきれていない。
だって・・・嫌じゃないか。
今日は椎娜と2人で過ごしたかったんだから。
それが偽らざる本音だ。
『・・・悪いな、2人きりのトコロを邪魔して・・・(笑)』
「え、なんで・・・まぁ、そうですけど。」
『正直すぎるわ(笑)声にめちゃくちゃ出てるぞ(笑)』
「・・・では、申し訳ないのですがお断りを」
『待て待て待て、話しをちょっと聞けよ(笑)』
「・・・・・・断れない臭いしかしないんですが・・・・・・」
『まぁ、頼み事なのは間違いないんだが、<謝礼が出るデート>を兼ねて、引き受けてくれないか?2人で。』
・・・謝礼が出るデート?
しかも2人で??
一体どういう事だ??
背中を俺の胸に預けて右手で遊ぶ椎娜のつむじを見ながら、岐津さんの話に耳を傾けた。
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