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襲撃の後始末 後
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まず、私をひと目みた時のジュリアの表情が凄かった。
驚愕を貼りつけたまま暫く動かないので、失礼ながら立ったまま気絶してるかと思い、念のため顔の前で手をひらひらさせてみるとがしっ…と肩を掴まれ、
「ど どうしたのその髪?!」
と普段お姉さまタイプのジュリアらしからぬひっくり返った大声で迫られちょっと仰け反った。
ーーこれ、まんま言うとマズそうだよね?
「え、とちょっと昨日アクシデントで。…ヘン?」
私が短くなった部分をもて遊びつつ言うと、
「別に変ではないけれど…アクシデントって何よ?」
「えーと…放課後ちょっと色々あって」
私のその言い方にピンと来たのか、
「ーー誰?」
ジュリアの纏う空気がビシッ… と音を立てて凍った気がした。
私がジュリアと合流したのはお昼休みからだったので、
「た、食べながら話すから、とりあえず移動しましょう?!」
あまりの迫力に自分の声も引っ繰り返り気味だが仕方ない。
私はジュリアの背を押すようにして売店に寄って食べ物を確保してから、人気のない場所に向かった。
うん、ベストチョイス。
学園内の見取り図を把握している私が導き出した、内緒話しながらランチするのに最適な場所ーーここなら完全に人目を避ける事はないが盗み聞きされる心配がなく、近付いてくる人が必ず目に付く 建物と建物の隙間に当たるポイントだ。
昼食を食いっぱぐれるワケにはいかないので、食べながらひと通りの事情を話す(ナノルグさんともう1人の令嬢モドキが放校処分になった事はもう知れ渡っていたし、ジュリアなら話したところで面白おかしく吹聴するような人ではないとわかっているので)と聞いていたジュリアの目がだんだん険しくなり、終いには昨夜のマダム・ラッセル(要するに般若)みたいになってしまった。
「ーー貴女、行かないって言ってたじゃない!」
「い、行ってないよ?実際襲われたのは指定場所からずっと離れたところだったし向こうは私が1人になるの待って付け回してたみたいだし?!」
若干ひっくり返りながらも弁明する。
確かに私は呼び出し場所には行っていない。
ただ遠くから覗き見していた(とは言えないが)ら、それがモドキに襲いやすい条件を揃えてしまったのだ。
「あ゛あ゛あ“もうやっぱり放課後1人にするんじゃなかったわ!せめて寮まで付いてってれば…」
「え ジュリアの帰る寮とは方向が違うからそれは無理…」
寮は女子寮だけで三棟あり、当然ながら身分が上の者から部屋が割り当てられる。
王族から上位貴族が東寮、東に入りきらなかった上位貴族~中流が南寮、下位貴族~平民が西寮。
ざっと分けるとそんな感じだ。
勿論入学する生徒数によって毎年若干のズレはあるし、出来るだけ快適に過ごせるように との配慮から部屋は上から順に埋められ、侯爵令嬢であるジュリアは勿論東寮、私は南寮だ。
私は本来西寮の筈なのだがー…今年は平民や商家の生徒が例年より多いためらしい。
その兼ね合わせでズレたのだろう、うん。
ヒロイン補正とかじゃない。王太子がいらん気をまわしたとかでもない。絶対違うーー違うよね?
各寮は方角もだが上手く木立に遮られ、互いの建物が見えないようになってはいるし、外観だけは大差ないように見えるが中の設備や食事、使用人の数(個人付きでないだけで各寮には生徒の世話をする使用人がいる)などは段違いの筈だ。
勿論互いに違いを話しあったりしないので詳しくは知らないし知る必要もないが、例えば私のいる寮は各個室にシャワールーム付きだがこれが東寮ならきちんと毎日湯が張られるバスタブ付きの浴室、西寮はシャワールームが共同で部屋にはない、て感じだ。
上位貴族の寮が大きさが変わらないのに入寮出来る生徒数が少ないのはそのせいーーおそらく1人辺りのスペースを半端なく広くとってるからだろう。
ーーなんて私の考えはジュリアの悲鳴で中断される。
「あああぁぁもぉそーいう事言ってんじゃないわよ!せめて寮の入り口まで一緒に行ってから別れれば良かったって言ってるの!」
「何言ってるの?侯爵令嬢のジュリアがそんな真似する方が危なー…」
「私は危なくないっ!危ないのは貴女のほう!ほんとにもう…1人にするんじゃなかったわ」
その言い様といい仕草が 何だか姉のイリーナに重なる。
「ジュリア…お母さんみたいになってるよ?」
「はあぁ~…あのねぇ、言っとくけどそもそもその熱烈なラブレターの彼?とやらの場合だって人気のない場所に呼び出されたからって行っちゃダメよ?」
「ー行かないとは思うけど。普通、告白って人気のない場所でするものじゃないの?」
「程度による。断られて逆上しても危ないしOKしてそのまま距離縮めてきても危ない」
「………逆上したらラブレターの場合でも刃物で切りつけられるってこと?」
「…ーーあー…うん、刃物かどうかはともかく…うん、襲いかかっては来るかも、ね?…貴女、…」
「?」
「ーーそこだけ無自覚?」
なんだかバカでかい溜息をつかれた。
「と・に・か・く!放課後だろうが早朝だろうが1人にならない事!寮までも誰かと一緒に戻るのよ?いない時は私に言いなさい」
いや、私幼児じゃないから1人で帰れるわよ?
ーーという呟きはジュリアの迫力にのまれかき消された。
だが、ジュリアに落ち着いてもらったのも束の間、今度は知らせを受けた父男爵が、学園に突撃してきてしまったのだ。
「メイデン男爵!落ち着いて下さい!伝魔法でもお伝えしたようにご令嬢は怪我を負ってはおりません!」
「怪我がなかったら何だと言うのだ?!髪を切られただけで怪我はしてないのだから学内で刃物を持って襲われようが構わんというのか?!」
「そ、そんな事はーー!!ど、どうかお掛けください!ひとまず落ち着いてー…」
「落ち着いていられるか!掛けて悠長に構えるつもりもない、娘は連れて帰る、学園は今日限りで辞めさせていただく!早々に手続きをして貰おう!さあ早く書類を出せ!」
私が知らせを受けて急いで学長室に向かってみたのは父男爵がギリギリ学園長を締め上げ…いや凄い迫力で迫ってる場面だった。
いや、学園長ってこの学園の最高責任者だよね?何で誰も止めないんだ?と周りを見回すも皆さん目を逸らし気味…お父様何やったの…いや今も現在進行形だけどさ?
「今日中に退校手続きをとって寮の荷物も纏めて娘ごと連れて帰る!運ぶ者も馬車も手配済みだ、さあ早く手続きをしろー…まさか此の期に及んで『学内は安全です』などとふざけたことは言わんだろうな?ーーさっさとしないと今回の事が王都じゅうに知れ渡るかもしれんぞ?」
ーー成る程。事実でも痛いだろうなー。
が、
「ーーお父様」
私は学園長に詰め寄るお父様の背中に声をかける。
「っ!」
驚いた父が声を発する前に、
「お父様。私、友達が出来ましたの」
「アリスティア…」
「一緒にいると楽しいんです。確かにこの学園には困った人たちもいますがー…友人は私に何かあれば代わりに怒ってくれたり、守ってくれたりもします。…〝頼りなさい〟と言って下さる先輩もいますのよ?」
私が歩み寄りながら言うと憮然とした顔のままではあるが学園長から一歩距離をとり、
「そうか…」
と呟いた。
「でも、来て下さって嬉しいですわ。ナノルグ伯は気性の激しい方と伺っております。私だけでは不安でしたしー…けれど、お父様?あまり無理をなされてはいけませんよ?長い距離を飛ばして来た上にそのように興奮なさってはいけません」
「ーー別に飛ばしてきちゃおらん。伝手で魔法使いに頼んで魔法陣で送ってもらったんでな。着いたあと儂はお前とお前の寮の荷物を運ぶ手配を済ませてここに来ただけだ」
「ーー魔法使いを雇われたのなら〝伝魔法〟で先に私に知らせて下されば良いでしょうに」
ため息をつきながら言うと
「契約したのは移動魔法陣だけだったからな」
と素知らぬ顔で言う。
奇襲にも程がありますわ、お父様。
「いずれにしろ、一旦座られてお茶を飲むくらいはして下さいませ。顔色がよろしくないですわよ?」
悪い どころか血色が良すぎるくらいだがー…ここは私も知らぬふりを貫く。
「年寄り扱いするな」
「していませんわ。お母様が亡くなられている以上、こういう事を指摘するのは娘である私達の役目だと心得ているだけです」
「…イリーナに似てきたな」
「お姉様をこれ以上苦労性にしない為にも落ち着いて下さいませ」
しぶしぶソファに腰をかけた男爵をみて教師陣はホッと息をついた。
ーーついでに、廊下の先の死角から覗き見ていた人々も。
「…見事な猛獣使いっぷりだね」
「ーーあぁ。まさか昨日の今日で学園に突撃してくるとはー…」
「本気で娘を連れ帰るつもりとはー…殿下の言った通りでしたね」
「ーー彼女本人が学園に残ってくれる気で助かったな」
「そうですね」
と言いながら踏み出そうとする2人を慌てて捕まえて
「ちょっと、何する気?!」
「?男爵がいらしてるんだ、詫びを兼ねた挨拶をしておくべきだろう?」
「いや今僕達が出てったら逆効果だから。火に油だから!詫び状何回突っ返されたかわかってる?!ただでさえ僕達は令嬢本人にもメイデン男爵にも好印象持たれてないんだからね?!そんな僕らが今のこのこ出てって何の役に立つっての?!」
酷い言い草だが事実でもあるのでー…王太子とギルバートは気まずそうに顔を見合わせて黙った。
驚愕を貼りつけたまま暫く動かないので、失礼ながら立ったまま気絶してるかと思い、念のため顔の前で手をひらひらさせてみるとがしっ…と肩を掴まれ、
「ど どうしたのその髪?!」
と普段お姉さまタイプのジュリアらしからぬひっくり返った大声で迫られちょっと仰け反った。
ーーこれ、まんま言うとマズそうだよね?
「え、とちょっと昨日アクシデントで。…ヘン?」
私が短くなった部分をもて遊びつつ言うと、
「別に変ではないけれど…アクシデントって何よ?」
「えーと…放課後ちょっと色々あって」
私のその言い方にピンと来たのか、
「ーー誰?」
ジュリアの纏う空気がビシッ… と音を立てて凍った気がした。
私がジュリアと合流したのはお昼休みからだったので、
「た、食べながら話すから、とりあえず移動しましょう?!」
あまりの迫力に自分の声も引っ繰り返り気味だが仕方ない。
私はジュリアの背を押すようにして売店に寄って食べ物を確保してから、人気のない場所に向かった。
うん、ベストチョイス。
学園内の見取り図を把握している私が導き出した、内緒話しながらランチするのに最適な場所ーーここなら完全に人目を避ける事はないが盗み聞きされる心配がなく、近付いてくる人が必ず目に付く 建物と建物の隙間に当たるポイントだ。
昼食を食いっぱぐれるワケにはいかないので、食べながらひと通りの事情を話す(ナノルグさんともう1人の令嬢モドキが放校処分になった事はもう知れ渡っていたし、ジュリアなら話したところで面白おかしく吹聴するような人ではないとわかっているので)と聞いていたジュリアの目がだんだん険しくなり、終いには昨夜のマダム・ラッセル(要するに般若)みたいになってしまった。
「ーー貴女、行かないって言ってたじゃない!」
「い、行ってないよ?実際襲われたのは指定場所からずっと離れたところだったし向こうは私が1人になるの待って付け回してたみたいだし?!」
若干ひっくり返りながらも弁明する。
確かに私は呼び出し場所には行っていない。
ただ遠くから覗き見していた(とは言えないが)ら、それがモドキに襲いやすい条件を揃えてしまったのだ。
「あ゛あ゛あ“もうやっぱり放課後1人にするんじゃなかったわ!せめて寮まで付いてってれば…」
「え ジュリアの帰る寮とは方向が違うからそれは無理…」
寮は女子寮だけで三棟あり、当然ながら身分が上の者から部屋が割り当てられる。
王族から上位貴族が東寮、東に入りきらなかった上位貴族~中流が南寮、下位貴族~平民が西寮。
ざっと分けるとそんな感じだ。
勿論入学する生徒数によって毎年若干のズレはあるし、出来るだけ快適に過ごせるように との配慮から部屋は上から順に埋められ、侯爵令嬢であるジュリアは勿論東寮、私は南寮だ。
私は本来西寮の筈なのだがー…今年は平民や商家の生徒が例年より多いためらしい。
その兼ね合わせでズレたのだろう、うん。
ヒロイン補正とかじゃない。王太子がいらん気をまわしたとかでもない。絶対違うーー違うよね?
各寮は方角もだが上手く木立に遮られ、互いの建物が見えないようになってはいるし、外観だけは大差ないように見えるが中の設備や食事、使用人の数(個人付きでないだけで各寮には生徒の世話をする使用人がいる)などは段違いの筈だ。
勿論互いに違いを話しあったりしないので詳しくは知らないし知る必要もないが、例えば私のいる寮は各個室にシャワールーム付きだがこれが東寮ならきちんと毎日湯が張られるバスタブ付きの浴室、西寮はシャワールームが共同で部屋にはない、て感じだ。
上位貴族の寮が大きさが変わらないのに入寮出来る生徒数が少ないのはそのせいーーおそらく1人辺りのスペースを半端なく広くとってるからだろう。
ーーなんて私の考えはジュリアの悲鳴で中断される。
「あああぁぁもぉそーいう事言ってんじゃないわよ!せめて寮の入り口まで一緒に行ってから別れれば良かったって言ってるの!」
「何言ってるの?侯爵令嬢のジュリアがそんな真似する方が危なー…」
「私は危なくないっ!危ないのは貴女のほう!ほんとにもう…1人にするんじゃなかったわ」
その言い様といい仕草が 何だか姉のイリーナに重なる。
「ジュリア…お母さんみたいになってるよ?」
「はあぁ~…あのねぇ、言っとくけどそもそもその熱烈なラブレターの彼?とやらの場合だって人気のない場所に呼び出されたからって行っちゃダメよ?」
「ー行かないとは思うけど。普通、告白って人気のない場所でするものじゃないの?」
「程度による。断られて逆上しても危ないしOKしてそのまま距離縮めてきても危ない」
「………逆上したらラブレターの場合でも刃物で切りつけられるってこと?」
「…ーーあー…うん、刃物かどうかはともかく…うん、襲いかかっては来るかも、ね?…貴女、…」
「?」
「ーーそこだけ無自覚?」
なんだかバカでかい溜息をつかれた。
「と・に・か・く!放課後だろうが早朝だろうが1人にならない事!寮までも誰かと一緒に戻るのよ?いない時は私に言いなさい」
いや、私幼児じゃないから1人で帰れるわよ?
ーーという呟きはジュリアの迫力にのまれかき消された。
だが、ジュリアに落ち着いてもらったのも束の間、今度は知らせを受けた父男爵が、学園に突撃してきてしまったのだ。
「メイデン男爵!落ち着いて下さい!伝魔法でもお伝えしたようにご令嬢は怪我を負ってはおりません!」
「怪我がなかったら何だと言うのだ?!髪を切られただけで怪我はしてないのだから学内で刃物を持って襲われようが構わんというのか?!」
「そ、そんな事はーー!!ど、どうかお掛けください!ひとまず落ち着いてー…」
「落ち着いていられるか!掛けて悠長に構えるつもりもない、娘は連れて帰る、学園は今日限りで辞めさせていただく!早々に手続きをして貰おう!さあ早く書類を出せ!」
私が知らせを受けて急いで学長室に向かってみたのは父男爵がギリギリ学園長を締め上げ…いや凄い迫力で迫ってる場面だった。
いや、学園長ってこの学園の最高責任者だよね?何で誰も止めないんだ?と周りを見回すも皆さん目を逸らし気味…お父様何やったの…いや今も現在進行形だけどさ?
「今日中に退校手続きをとって寮の荷物も纏めて娘ごと連れて帰る!運ぶ者も馬車も手配済みだ、さあ早く手続きをしろー…まさか此の期に及んで『学内は安全です』などとふざけたことは言わんだろうな?ーーさっさとしないと今回の事が王都じゅうに知れ渡るかもしれんぞ?」
ーー成る程。事実でも痛いだろうなー。
が、
「ーーお父様」
私は学園長に詰め寄るお父様の背中に声をかける。
「っ!」
驚いた父が声を発する前に、
「お父様。私、友達が出来ましたの」
「アリスティア…」
「一緒にいると楽しいんです。確かにこの学園には困った人たちもいますがー…友人は私に何かあれば代わりに怒ってくれたり、守ってくれたりもします。…〝頼りなさい〟と言って下さる先輩もいますのよ?」
私が歩み寄りながら言うと憮然とした顔のままではあるが学園長から一歩距離をとり、
「そうか…」
と呟いた。
「でも、来て下さって嬉しいですわ。ナノルグ伯は気性の激しい方と伺っております。私だけでは不安でしたしー…けれど、お父様?あまり無理をなされてはいけませんよ?長い距離を飛ばして来た上にそのように興奮なさってはいけません」
「ーー別に飛ばしてきちゃおらん。伝手で魔法使いに頼んで魔法陣で送ってもらったんでな。着いたあと儂はお前とお前の寮の荷物を運ぶ手配を済ませてここに来ただけだ」
「ーー魔法使いを雇われたのなら〝伝魔法〟で先に私に知らせて下されば良いでしょうに」
ため息をつきながら言うと
「契約したのは移動魔法陣だけだったからな」
と素知らぬ顔で言う。
奇襲にも程がありますわ、お父様。
「いずれにしろ、一旦座られてお茶を飲むくらいはして下さいませ。顔色がよろしくないですわよ?」
悪い どころか血色が良すぎるくらいだがー…ここは私も知らぬふりを貫く。
「年寄り扱いするな」
「していませんわ。お母様が亡くなられている以上、こういう事を指摘するのは娘である私達の役目だと心得ているだけです」
「…イリーナに似てきたな」
「お姉様をこれ以上苦労性にしない為にも落ち着いて下さいませ」
しぶしぶソファに腰をかけた男爵をみて教師陣はホッと息をついた。
ーーついでに、廊下の先の死角から覗き見ていた人々も。
「…見事な猛獣使いっぷりだね」
「ーーあぁ。まさか昨日の今日で学園に突撃してくるとはー…」
「本気で娘を連れ帰るつもりとはー…殿下の言った通りでしたね」
「ーー彼女本人が学園に残ってくれる気で助かったな」
「そうですね」
と言いながら踏み出そうとする2人を慌てて捕まえて
「ちょっと、何する気?!」
「?男爵がいらしてるんだ、詫びを兼ねた挨拶をしておくべきだろう?」
「いや今僕達が出てったら逆効果だから。火に油だから!詫び状何回突っ返されたかわかってる?!ただでさえ僕達は令嬢本人にもメイデン男爵にも好印象持たれてないんだからね?!そんな僕らが今のこのこ出てって何の役に立つっての?!」
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