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第一章 浅草十二階バラバラ殺人事件
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丁度良く次兄が我々の元へ帰って来た。涼しい表情で階段を上り尽くす。
次兄は鈴木巡査を無視して長兄との間に入った。
「やっぱりだった。ちゃんと新聞社に確認して来た。そもそもあの欄を書いたのは俺だ」
「ご苦労。でもこれからは、相手の素性をしっかり確認するようにね。東京真報新聞の未来が心配だ」
その言葉は聞き捨てならなかった。
「修助兄上は真報新聞の記者なのですか」
「なんだ、知らなかったのか? 新聞、お前も読んでるなんてな」
「人から貰ったのです。先週と、先々週のを持ってます」
僕は折って懐に入れていた二枚の新聞を取り出した。帝都へ来る前、川越であの使用人から譲ってもらった物だ。
「修助は体力はあるけど頭はアレだからね、新聞の端に載る小さな記事を任されている」
「兄上と言えど、怒るぜ。適材適所の結果なだけだ」
「とにかく、この求人欄も修助が任されている。この細々とした応募条件もね」
「最初は訝しんだが、二週連続でこれだと、今の世の中はそうなのかと……何も思わなくなった。明治になってから文化も法も価値観もコロコロ変わったからな」
長兄は僕の持つ新聞を指差した。
「弦助。答えはもう、お前の手の中にあるよ」
何かが分かりそうで、分からなかった。でも新聞を読み返して違和感は感じた。
次兄は鈴木巡査を無視して長兄との間に入った。
「やっぱりだった。ちゃんと新聞社に確認して来た。そもそもあの欄を書いたのは俺だ」
「ご苦労。でもこれからは、相手の素性をしっかり確認するようにね。東京真報新聞の未来が心配だ」
その言葉は聞き捨てならなかった。
「修助兄上は真報新聞の記者なのですか」
「なんだ、知らなかったのか? 新聞、お前も読んでるなんてな」
「人から貰ったのです。先週と、先々週のを持ってます」
僕は折って懐に入れていた二枚の新聞を取り出した。帝都へ来る前、川越であの使用人から譲ってもらった物だ。
「修助は体力はあるけど頭はアレだからね、新聞の端に載る小さな記事を任されている」
「兄上と言えど、怒るぜ。適材適所の結果なだけだ」
「とにかく、この求人欄も修助が任されている。この細々とした応募条件もね」
「最初は訝しんだが、二週連続でこれだと、今の世の中はそうなのかと……何も思わなくなった。明治になってから文化も法も価値観もコロコロ変わったからな」
長兄は僕の持つ新聞を指差した。
「弦助。答えはもう、お前の手の中にあるよ」
何かが分かりそうで、分からなかった。でも新聞を読み返して違和感は感じた。
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