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医者を呼んでくる。コウは風邪を引かないうちに早く着替えて。
ロミーはそういってアスランとコウを部屋から追い出した。
扉が閉まるとすぐにアスランに担がれる。しかし今度は荷のような扱いではなく、ビブレスではいつもしてもらっていた抱っこだ。
体は抱かれ方を覚えていて、腕をのばしてアスランの首に巻き付けていた。そうなると顔の位置も近くなる。
「もうわかっているだろうが、ロミーが一番のじじいっ子だ」
「そのようです」
「それもひねくれた愛情しか示せないタイプだ」
「そのうようですね」
ドキドキする。
コウにはお構いなしにアスランはズカズカと歩く。とても長い移動だった。
階段をおり地下へ出たのかと思えば窓の向こうには土と緑がみえる。城は不思議な構造
をしている。
あっ、やっぱりいるんだ。
人の気配を感じてそちらを見れば、影だけが動くのが見える。
何かの決まりがあるのだろうか、使用人と思わしき人達は姿を決して見せないようだ。
そうしてまたしばらく歩いた先の水にまたコウは前触れなくどぶんっと落とされた。
次は熱いしー。
癖のある香りもついているから温泉なのだろう。
ぷはっと湯面に飛び出してから隣に大きな塊があることに気付く、アスランまでもが一緒に飛び込んでいたのだ。
ここはやはり風呂で間違いないようだ。
吐出口から流れ出る湯が常に貯水池のように大きな浴槽を満たし、縁から溢れさせている。
壁の一面はガラス張りになっていて、外の木々の緑色が広がっていた。
湯温は神域の泉よりかなり高く、慣れないコウにとっては熱すぎて、ずっと浸かっていてはゆで上がると思われるほどだ。
「僕を、茹でて食べるのですね」
「コウの面白さに磨きがかかっている。それはそれでいいのだが……」
布がペタリと肌に貼りつき、吸い取っている分の体に重みを感じている。何となくではあるが外の泉の水よりこちらの方が重い気がする。
コウは、アスランを見上げる。
かき上げた前髪の隙間をぬって滴が垂れ、ぞくぞくするほど色っぽい。そして紫色の瞳には自分だけが映っている。
ずぶ濡れだと言うのにアスランの高貴な美しさを引き立てている。服を着ていないアスランの方が見慣れているほどなのに、どうして布一枚でこれほど違うのだろう。
「アスラン様、僕を食べてください」
「以前は食べるな食べなと口うるさかったというのに、何がコウを変えたのだ。言われなくとも今からコウを食べる。腹を満たすのではなく心を満たすために。私はお前を食べない、いつかそう誓ったはずだ」
「だめです。食べてください。僕を食べてください」
残念そうに言うコウにアスランががっくりと首を落とす。
食べるの意味が違うのはわかっている。しかしそのおねだりする姿が愛らしい。
「コウは……かわいすぎる……」
「うわっ、アスラン様!」
アスランに骨がきしむほどに抱きしめられて、コウは本当に自分が生きていることを実感した。
本当だ。本物だ……
もしかしたら崖から落ちた自分が、長い長い時間、幸せな夢を見ていたのではないのかと疑ったりもした。それほど現実離れしたことが続けて起こっていたのだ。
主様に命を救われたのも、アスランに出会い愛されたのも、リジルヘズに来たのも。すべては自分の願いが凝縮された夢。ぱちんと弾けて消えてしまう夢。
だけど現実にアスランはいて、自分の体はギリギリと縛られ痛みを感じている。さっきより密着してしまい自分のドキドキの速度がこれまでにないほど強い。
好き……
「アスラン様、僕はやはりアスラン様を愛しています。ずっとずっと会いたくて、本当は約束通り神域で待っていたかった」
「辛い思いをさせて悪かった。すべて龍が去った後を想像できなかった私の責任だ」
「謝らないでください。会えて嬉しい。僕が思うのはそれだけです」
コウは首をのばしキスをした。少し狙いを外してしまったし、柔らかさを感じる間もなかったけれど、これがコウにできる目一杯の表現だ。
「アスラン様に出会ったのも、リジルヘズに来たのも、龍に食べられたのも、こうしているのも……本物です」
「コウがいなくなった生活は、悪夢のようだった。ビブレスへ迎えにいた時、お前はいなかった。コウの為に作った巣、先祖が作った小屋、庭に咲く花。どれもが以前とまったく変わらなかったのに、お前の姿だけが消えていた。しばらくしてやってきた精霊は、死にかけていたコウをリジルヘズに送ったと言うが、どこにもコウの姿はなかった。私はずっと……生きた心地がしなかった」
「ごめんなさい、アスラン様。本当にごめんなさい」
頭の上にあるアスランの息は乱れ、声は震えていた。自分のことでこれほど感情的になるアスランなど信じられない。
「どれだけ経ってもお前が見つかったという情報は入ってこなかった。こんなに近くにいたというのに」
「おそばにいました。亀様は間違いなくアスラン様の近くに送ってくれたんです。そこで、とてもいい人に出会えました」
早口になるコウをアスランは一度沈静させるように背を叩く。
「アケメには迎えが行っている。もう保護されている頃だろう。私も少々興奮して無茶をした自覚はある。コウしか目に入らず随分怖がらせてしまっただろう」
「アケメさんはあまり人と関わるのが得意ではないので心配です。でもとってもいい人でお喋りも上手で、いつも手を繋いで眠ってくれていたんです」
ここでアスランの目尻がぴくりと痙攣する。
コウがどこかの山の中や砂漠でのたれ死んでしまったり、拾われ襲われ泣いているような事態は想像したが、誰かと仲良く暮らすなんてことは想定外だった。
コウが酷い目に合うよりはよっぽどいいが、もしコウの気持ちがそっちに動いてしまったら、アスランはコウとその相手を殺めてしまうだろう。
「コウはそのアケメと一緒に暮らしていたのだな」
「はい。アケメさんとサイラスさんは男性同士の夫婦です。僕の話を笑い飛ばさず神域での話を信じてくれました。それにこれ……悪い人に取られないようにって亀を作ってくれたんです」
亀のマスコットのことだ。
もらった手作りの贈り物。それはコウにとって価値のあるものだった。
アスランはその笑顔に、コウがどれだけその夫婦に大切にされたかを知る。
アスランが夫婦のことを問えば、コウの口は出会いの頃から日々のことまでを滑らかに喋る。
コウの持っていたお金を保管し、金貨は肌身離さずついていたいという願いを聞き入れ、アスランと会う術を探してくれた。そして親子になってもいいのだと言った。
城の周りには王に仕える者達が住まいを持っているが、すべてが善人ではない。
いい人に助けられてよかったと、アスランはほっと胸をなでおろした。
コウの送ってきた人生はとても幸せとはいえないが、ウタリに出会った時を境に人に恵まれ好転していっている。
なかでも今回の二人とは、家族、親子という枠に近いようだ。アスラン以外の特別ができるのは少し悔しい気もするが、コウがこれほど喜んでいるのなら心を少しだけ広くして、二人を受け入れるつもりだ。
「あっ……あんっ……」
アスランは執拗だった。
ここは神域の泉とは違うのだと言い、湯の中でコウの蕾を丁寧にほぐしてきた。指の動きだけで三度吐き出し、熱さもあってぐったりしている所で、ようやく熱い塊を後ろから挿入される。
うぐっ……
ずんと全長の半分ほどが入り、その後は様子を見るように小突くように入ってくる。
上半身は床にぺたりとついている。そこだけは冷たくで気持ちいい。下半身は大きなものに貫かれている。アスランのものが硬すぎるせいか、たまにお尻が浮き上がるほど背中側の襞を刺激されてしまう。
全部入っているのだろう。考えられないほど深い場所がなぶられている。そこは少しの刺激だけで頭の先に白い電流を走らせる。
アスランはコウの頭がばかになって、何もかも考えられなくなってしまう場所を覚えているのだ。
「んっ……んくっ……きもちいい。いや、そこばっかり……」
もう出尽くしたはずなのに、床とお腹に挟まれた竿が新たなとろとろと液を吐き出す。
これはいつまで、続くの……
もう何千回も擦られている気がするのに、アスランの動きに終わりがみえない。
体を返され正面から抱き合うとまた下半身がパンパンとぶつかり合う。
繋がった場所からアスランの放ったものが流れる。アスランは何度か射精しているのだ。それでも一瞬の休みもなくコウを抱き続けている。
アスランは繋がったままでコウを抱っこして移動し、正面のガラスの面に手をつかせる。その拍子に中をぐりぐりされたコウは自分がどんな格好をしているのかまで頭が回っていなかった。
手をガラスにつき、足はつま先立ち、お尻は後ろに突き出している。
「ここであれば、ビブレスにいるようだろう」
「……うあっ……あっ……はい、緑がいっぱいです」
「しかしここは城だ。見えない場所には護衛や使用人が控え、私の出す合図に対応できるように待機している」
「えっ……それって」
「つまり、すべてを見られていると言うことだ」
「うそっ」
頭の一部がはっきりと覚醒するのに、面白がるようにアスランが腰を回してくる。
「あっ、あっあっあっ……やめてください、アスラン様……」
「見られていると言うのに、熱はおさまらないようだが」
アスランの手が前にまわり気持ちいい場所を包み込む。
「kっ、匂いが……強くなった」
首筋を噛まれる。
「いやですっ……こんな姿」
「見られるのは恥ずかしいか」
「アスラン様のこんな姿を人に見せるのはいやです」
「コウ、お前」
休みなく動いていたアスランがぴたりと止まる。
自分の恥ずかしい姿を見られるのが嫌ではなく、アスランの姿を独り占めできないのが嫌だと言う。
アスランはちょっとした意地悪を言ったつもりだったのに、倍以上の衝撃をくらったようだった。
「コウ、冗談だ。護衛もここまでは入ってこない。外にも人は配置していない」
「だったら、いいです。んっ……!」
興奮したアスランに下から突き上げられ、コウの体は持ちあげられた。後ろからふらふらの体を抱きしめられただ揺さぶられる。
好から力なく出る精は目の前のガラスを汚し、涙のような模様を描いていた。
ロミーはそういってアスランとコウを部屋から追い出した。
扉が閉まるとすぐにアスランに担がれる。しかし今度は荷のような扱いではなく、ビブレスではいつもしてもらっていた抱っこだ。
体は抱かれ方を覚えていて、腕をのばしてアスランの首に巻き付けていた。そうなると顔の位置も近くなる。
「もうわかっているだろうが、ロミーが一番のじじいっ子だ」
「そのようです」
「それもひねくれた愛情しか示せないタイプだ」
「そのうようですね」
ドキドキする。
コウにはお構いなしにアスランはズカズカと歩く。とても長い移動だった。
階段をおり地下へ出たのかと思えば窓の向こうには土と緑がみえる。城は不思議な構造
をしている。
あっ、やっぱりいるんだ。
人の気配を感じてそちらを見れば、影だけが動くのが見える。
何かの決まりがあるのだろうか、使用人と思わしき人達は姿を決して見せないようだ。
そうしてまたしばらく歩いた先の水にまたコウは前触れなくどぶんっと落とされた。
次は熱いしー。
癖のある香りもついているから温泉なのだろう。
ぷはっと湯面に飛び出してから隣に大きな塊があることに気付く、アスランまでもが一緒に飛び込んでいたのだ。
ここはやはり風呂で間違いないようだ。
吐出口から流れ出る湯が常に貯水池のように大きな浴槽を満たし、縁から溢れさせている。
壁の一面はガラス張りになっていて、外の木々の緑色が広がっていた。
湯温は神域の泉よりかなり高く、慣れないコウにとっては熱すぎて、ずっと浸かっていてはゆで上がると思われるほどだ。
「僕を、茹でて食べるのですね」
「コウの面白さに磨きがかかっている。それはそれでいいのだが……」
布がペタリと肌に貼りつき、吸い取っている分の体に重みを感じている。何となくではあるが外の泉の水よりこちらの方が重い気がする。
コウは、アスランを見上げる。
かき上げた前髪の隙間をぬって滴が垂れ、ぞくぞくするほど色っぽい。そして紫色の瞳には自分だけが映っている。
ずぶ濡れだと言うのにアスランの高貴な美しさを引き立てている。服を着ていないアスランの方が見慣れているほどなのに、どうして布一枚でこれほど違うのだろう。
「アスラン様、僕を食べてください」
「以前は食べるな食べなと口うるさかったというのに、何がコウを変えたのだ。言われなくとも今からコウを食べる。腹を満たすのではなく心を満たすために。私はお前を食べない、いつかそう誓ったはずだ」
「だめです。食べてください。僕を食べてください」
残念そうに言うコウにアスランががっくりと首を落とす。
食べるの意味が違うのはわかっている。しかしそのおねだりする姿が愛らしい。
「コウは……かわいすぎる……」
「うわっ、アスラン様!」
アスランに骨がきしむほどに抱きしめられて、コウは本当に自分が生きていることを実感した。
本当だ。本物だ……
もしかしたら崖から落ちた自分が、長い長い時間、幸せな夢を見ていたのではないのかと疑ったりもした。それほど現実離れしたことが続けて起こっていたのだ。
主様に命を救われたのも、アスランに出会い愛されたのも、リジルヘズに来たのも。すべては自分の願いが凝縮された夢。ぱちんと弾けて消えてしまう夢。
だけど現実にアスランはいて、自分の体はギリギリと縛られ痛みを感じている。さっきより密着してしまい自分のドキドキの速度がこれまでにないほど強い。
好き……
「アスラン様、僕はやはりアスラン様を愛しています。ずっとずっと会いたくて、本当は約束通り神域で待っていたかった」
「辛い思いをさせて悪かった。すべて龍が去った後を想像できなかった私の責任だ」
「謝らないでください。会えて嬉しい。僕が思うのはそれだけです」
コウは首をのばしキスをした。少し狙いを外してしまったし、柔らかさを感じる間もなかったけれど、これがコウにできる目一杯の表現だ。
「アスラン様に出会ったのも、リジルヘズに来たのも、龍に食べられたのも、こうしているのも……本物です」
「コウがいなくなった生活は、悪夢のようだった。ビブレスへ迎えにいた時、お前はいなかった。コウの為に作った巣、先祖が作った小屋、庭に咲く花。どれもが以前とまったく変わらなかったのに、お前の姿だけが消えていた。しばらくしてやってきた精霊は、死にかけていたコウをリジルヘズに送ったと言うが、どこにもコウの姿はなかった。私はずっと……生きた心地がしなかった」
「ごめんなさい、アスラン様。本当にごめんなさい」
頭の上にあるアスランの息は乱れ、声は震えていた。自分のことでこれほど感情的になるアスランなど信じられない。
「どれだけ経ってもお前が見つかったという情報は入ってこなかった。こんなに近くにいたというのに」
「おそばにいました。亀様は間違いなくアスラン様の近くに送ってくれたんです。そこで、とてもいい人に出会えました」
早口になるコウをアスランは一度沈静させるように背を叩く。
「アケメには迎えが行っている。もう保護されている頃だろう。私も少々興奮して無茶をした自覚はある。コウしか目に入らず随分怖がらせてしまっただろう」
「アケメさんはあまり人と関わるのが得意ではないので心配です。でもとってもいい人でお喋りも上手で、いつも手を繋いで眠ってくれていたんです」
ここでアスランの目尻がぴくりと痙攣する。
コウがどこかの山の中や砂漠でのたれ死んでしまったり、拾われ襲われ泣いているような事態は想像したが、誰かと仲良く暮らすなんてことは想定外だった。
コウが酷い目に合うよりはよっぽどいいが、もしコウの気持ちがそっちに動いてしまったら、アスランはコウとその相手を殺めてしまうだろう。
「コウはそのアケメと一緒に暮らしていたのだな」
「はい。アケメさんとサイラスさんは男性同士の夫婦です。僕の話を笑い飛ばさず神域での話を信じてくれました。それにこれ……悪い人に取られないようにって亀を作ってくれたんです」
亀のマスコットのことだ。
もらった手作りの贈り物。それはコウにとって価値のあるものだった。
アスランはその笑顔に、コウがどれだけその夫婦に大切にされたかを知る。
アスランが夫婦のことを問えば、コウの口は出会いの頃から日々のことまでを滑らかに喋る。
コウの持っていたお金を保管し、金貨は肌身離さずついていたいという願いを聞き入れ、アスランと会う術を探してくれた。そして親子になってもいいのだと言った。
城の周りには王に仕える者達が住まいを持っているが、すべてが善人ではない。
いい人に助けられてよかったと、アスランはほっと胸をなでおろした。
コウの送ってきた人生はとても幸せとはいえないが、ウタリに出会った時を境に人に恵まれ好転していっている。
なかでも今回の二人とは、家族、親子という枠に近いようだ。アスラン以外の特別ができるのは少し悔しい気もするが、コウがこれほど喜んでいるのなら心を少しだけ広くして、二人を受け入れるつもりだ。
「あっ……あんっ……」
アスランは執拗だった。
ここは神域の泉とは違うのだと言い、湯の中でコウの蕾を丁寧にほぐしてきた。指の動きだけで三度吐き出し、熱さもあってぐったりしている所で、ようやく熱い塊を後ろから挿入される。
うぐっ……
ずんと全長の半分ほどが入り、その後は様子を見るように小突くように入ってくる。
上半身は床にぺたりとついている。そこだけは冷たくで気持ちいい。下半身は大きなものに貫かれている。アスランのものが硬すぎるせいか、たまにお尻が浮き上がるほど背中側の襞を刺激されてしまう。
全部入っているのだろう。考えられないほど深い場所がなぶられている。そこは少しの刺激だけで頭の先に白い電流を走らせる。
アスランはコウの頭がばかになって、何もかも考えられなくなってしまう場所を覚えているのだ。
「んっ……んくっ……きもちいい。いや、そこばっかり……」
もう出尽くしたはずなのに、床とお腹に挟まれた竿が新たなとろとろと液を吐き出す。
これはいつまで、続くの……
もう何千回も擦られている気がするのに、アスランの動きに終わりがみえない。
体を返され正面から抱き合うとまた下半身がパンパンとぶつかり合う。
繋がった場所からアスランの放ったものが流れる。アスランは何度か射精しているのだ。それでも一瞬の休みもなくコウを抱き続けている。
アスランは繋がったままでコウを抱っこして移動し、正面のガラスの面に手をつかせる。その拍子に中をぐりぐりされたコウは自分がどんな格好をしているのかまで頭が回っていなかった。
手をガラスにつき、足はつま先立ち、お尻は後ろに突き出している。
「ここであれば、ビブレスにいるようだろう」
「……うあっ……あっ……はい、緑がいっぱいです」
「しかしここは城だ。見えない場所には護衛や使用人が控え、私の出す合図に対応できるように待機している」
「えっ……それって」
「つまり、すべてを見られていると言うことだ」
「うそっ」
頭の一部がはっきりと覚醒するのに、面白がるようにアスランが腰を回してくる。
「あっ、あっあっあっ……やめてください、アスラン様……」
「見られていると言うのに、熱はおさまらないようだが」
アスランの手が前にまわり気持ちいい場所を包み込む。
「kっ、匂いが……強くなった」
首筋を噛まれる。
「いやですっ……こんな姿」
「見られるのは恥ずかしいか」
「アスラン様のこんな姿を人に見せるのはいやです」
「コウ、お前」
休みなく動いていたアスランがぴたりと止まる。
自分の恥ずかしい姿を見られるのが嫌ではなく、アスランの姿を独り占めできないのが嫌だと言う。
アスランはちょっとした意地悪を言ったつもりだったのに、倍以上の衝撃をくらったようだった。
「コウ、冗談だ。護衛もここまでは入ってこない。外にも人は配置していない」
「だったら、いいです。んっ……!」
興奮したアスランに下から突き上げられ、コウの体は持ちあげられた。後ろからふらふらの体を抱きしめられただ揺さぶられる。
好から力なく出る精は目の前のガラスを汚し、涙のような模様を描いていた。
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