64 / 65
三章 湯けむり温泉、ぬるぬるおふろ
凛は二人のお嫁さん
しおりを挟む
航はそのまま気を失ってしまった。挿入されながらの射精は、身体にかかる負担がとても大きいせいだ。それから何十分経っただろう。航が次に目を覚ますと、布団に寝かせられていた。服は綺麗にされて浴衣を着せられている。
「っ、ん……」
ぼんやりとした光の中に、小さく義弟の声がした。起きている事がばれないようにして、寝返りを打った。
まだ凛は花嫁さんの格好をしていた。可愛いからつい買って持ってきてしまった衣装、というか下着を凛は可愛く着こなしている。ぷっくりと膨らんだ乳首を三角形に囲うトップレス。前は清楚なのに後ろは何も布がないえっちなパンツ。二の腕まで覆う手袋と太もものニーハイソックス。穏やかなたれ目。ほくろ。そして行為中は外されていたヴェールを深くかぶっていた。
それを臨の手がそっとはらって、口づけをする。それはまるで結婚式だった。愛の誓い。凛がしっかりと臨に抱きついていて、臨もまた優しく抱きしめている。やがて唇が離れた。
「……結婚しよっか」
「うん……俺、臨さんのお嫁さんになりたいな……」
はにかむように笑う凛。それを優しく見守る臨。それはどこにでもいるような普通のカップルのようだった。ちく、と航の胸が痛む。しかしその痛みも二人の性行為をのぞき見しているうちに消えた。
「あ、あん、臨さんのおちんちん、がっちがち……なんでお兄ちゃんのナカに出さなかったの?」
「……凛ちゃんのナカに出したくて我慢してた」
「そうなんだ……えらい、えらい……」
凛がにっこり笑って頭を撫でた。それはまるで小さな子にするようなふるまい。身体の大きながっちりとしたスポーツマンにするようなものではない。しかし、臨は微笑んでされるがままだ。固い黒髪を、凛の小さな手が撫でる。何度も、優しく。
「凛ちゃん、好き。好きだよ……君を、愛しているんだ。だから、君の為ならどんな事でもする……」
それはかつて航が凛に囁いた言葉に似ていた。臨が凛と初めて関係を持った日のこと。溺愛。そんな単語が頭をよぎる。
もう一度キスをして、凛の身体が優しく布団に押し倒される。丁寧に、痛くないようにゆっくり。航の時とは大違いの扱いだった。相手を気遣って、行われる優しいセックス。
それを航はずっと見ていた。好きな人が好きな子と結ばれるのを、ずっと。
忘れられない夏の日の記憶がある。
義父と近所のおじさんのこと。座り込んでドアを見つめる事しか出来なかった、過去の自分。その時みたいに、ただ布団の中からじっと見ていた。
「あっ、あん……おっきい……あ、すき……のぞむさん、だいすきぃ……」
「俺も。俺も好きだよ、凛ちゃん……凛」
優しいまなざしで凛を見つめた臨が、そう言ってキスをした。腰を動かす。凛の足が逞しい腰に巻き付く。ぐちゅ、ぐちゅ、と音がする。
ただただ、興奮した。横に自分が寝ているのに、何も気にせず行われる恋人同士の愛情表現。それをただ見ている事しかできない自分。悔しいのに、苦しいのに、胸がドキドキして興奮する。性器が緩やかに勃ちあがり、先走りの汁が下着に垂れる。
ふと、凛と目が合った。とろんととろけた顔だった。
航はその凛の顔に、かつて覗き見た義父の顔を重ね合わせる。そして、その後の猛獣のような目も。身体がこわばる。
「あっ、おにいちゃん起きてる……ねえ、おにいちゃんも挿れて? 三人で一緒にしよ……?」
凛は頬を真っ赤に染めて笑った。その笑顔はまるで野に咲くスミレのようだった。鮮やかな青紫色の花を可憐に咲かせる、春の妖精。
ぞくぞくとした。でも凛を花にたとえるとしたら、スミレではない。スミレによく似ているけれどもっと禍々しい……ムシトリスミレ。可愛らしい容姿と蜜で昆虫をおびきよせて、粘液で捕まえて逃げられなくしてからじわじわと殺す……蟲喰いの姫君。
妖しい色香を纏いながら、二人の男を手玉にとる、天然の小悪魔。
「……そうだね、いつまでも三人で一緒にあそぼうね」
航もまたにっこりと笑って、凛のナカに性器をねじこんだ。はしたない声を上げて乱れる花嫁を臨と共にひしとかき抱いて、航は口角を上げた。
「っ、ん……」
ぼんやりとした光の中に、小さく義弟の声がした。起きている事がばれないようにして、寝返りを打った。
まだ凛は花嫁さんの格好をしていた。可愛いからつい買って持ってきてしまった衣装、というか下着を凛は可愛く着こなしている。ぷっくりと膨らんだ乳首を三角形に囲うトップレス。前は清楚なのに後ろは何も布がないえっちなパンツ。二の腕まで覆う手袋と太もものニーハイソックス。穏やかなたれ目。ほくろ。そして行為中は外されていたヴェールを深くかぶっていた。
それを臨の手がそっとはらって、口づけをする。それはまるで結婚式だった。愛の誓い。凛がしっかりと臨に抱きついていて、臨もまた優しく抱きしめている。やがて唇が離れた。
「……結婚しよっか」
「うん……俺、臨さんのお嫁さんになりたいな……」
はにかむように笑う凛。それを優しく見守る臨。それはどこにでもいるような普通のカップルのようだった。ちく、と航の胸が痛む。しかしその痛みも二人の性行為をのぞき見しているうちに消えた。
「あ、あん、臨さんのおちんちん、がっちがち……なんでお兄ちゃんのナカに出さなかったの?」
「……凛ちゃんのナカに出したくて我慢してた」
「そうなんだ……えらい、えらい……」
凛がにっこり笑って頭を撫でた。それはまるで小さな子にするようなふるまい。身体の大きながっちりとしたスポーツマンにするようなものではない。しかし、臨は微笑んでされるがままだ。固い黒髪を、凛の小さな手が撫でる。何度も、優しく。
「凛ちゃん、好き。好きだよ……君を、愛しているんだ。だから、君の為ならどんな事でもする……」
それはかつて航が凛に囁いた言葉に似ていた。臨が凛と初めて関係を持った日のこと。溺愛。そんな単語が頭をよぎる。
もう一度キスをして、凛の身体が優しく布団に押し倒される。丁寧に、痛くないようにゆっくり。航の時とは大違いの扱いだった。相手を気遣って、行われる優しいセックス。
それを航はずっと見ていた。好きな人が好きな子と結ばれるのを、ずっと。
忘れられない夏の日の記憶がある。
義父と近所のおじさんのこと。座り込んでドアを見つめる事しか出来なかった、過去の自分。その時みたいに、ただ布団の中からじっと見ていた。
「あっ、あん……おっきい……あ、すき……のぞむさん、だいすきぃ……」
「俺も。俺も好きだよ、凛ちゃん……凛」
優しいまなざしで凛を見つめた臨が、そう言ってキスをした。腰を動かす。凛の足が逞しい腰に巻き付く。ぐちゅ、ぐちゅ、と音がする。
ただただ、興奮した。横に自分が寝ているのに、何も気にせず行われる恋人同士の愛情表現。それをただ見ている事しかできない自分。悔しいのに、苦しいのに、胸がドキドキして興奮する。性器が緩やかに勃ちあがり、先走りの汁が下着に垂れる。
ふと、凛と目が合った。とろんととろけた顔だった。
航はその凛の顔に、かつて覗き見た義父の顔を重ね合わせる。そして、その後の猛獣のような目も。身体がこわばる。
「あっ、おにいちゃん起きてる……ねえ、おにいちゃんも挿れて? 三人で一緒にしよ……?」
凛は頬を真っ赤に染めて笑った。その笑顔はまるで野に咲くスミレのようだった。鮮やかな青紫色の花を可憐に咲かせる、春の妖精。
ぞくぞくとした。でも凛を花にたとえるとしたら、スミレではない。スミレによく似ているけれどもっと禍々しい……ムシトリスミレ。可愛らしい容姿と蜜で昆虫をおびきよせて、粘液で捕まえて逃げられなくしてからじわじわと殺す……蟲喰いの姫君。
妖しい色香を纏いながら、二人の男を手玉にとる、天然の小悪魔。
「……そうだね、いつまでも三人で一緒にあそぼうね」
航もまたにっこりと笑って、凛のナカに性器をねじこんだ。はしたない声を上げて乱れる花嫁を臨と共にひしとかき抱いて、航は口角を上げた。
0
お気に入りに追加
231
あなたにおすすめの小説
『僕は肉便器です』
眠りん
BL
「僕は肉便器です。どうぞ僕を使って精液や聖水をおかけください」その言葉で肉便器へと変貌する青年、河中悠璃。
彼は週に一度の乱交パーティーを楽しんでいた。
そんな時、肉便器となる悦びを悠璃に与えた原因の男が現れて肉便器をやめるよう脅してきた。
便器でなければ射精が出来ない身体となってしまっている悠璃は、彼の要求を拒むが……。
※小スカあり
2020.5.26
表紙イラストを描いていただきました。
イラスト:右京 梓様
【完結】ハードな甘とろ調教でイチャラブ洗脳されたいから悪役貴族にはなりたくないが勇者と戦おうと思う
R-13
BL
甘S令息×流され貴族が織りなす
結構ハードなラブコメディ&痛快逆転劇
2度目の人生、異世界転生。
そこは生前自分が読んでいた物語の世界。
しかし自分の配役は悪役令息で?
それでもめげずに真面目に生きて35歳。
せっかく民に慕われる立派な伯爵になったのに。
気付けば自分が侯爵家三男を監禁して洗脳していると思われかねない状況に!
このままじゃ物語通りになってしまう!
早くこいつを家に帰さないと!
しかし彼は帰るどころか屋敷に居着いてしまって。
「シャルル様は僕に虐められることだけ考えてたら良いんだよ?」
帰るどころか毎晩毎晩誘惑してくる三男。
エロ耐性が無さ過ぎて断るどころかどハマりする伯爵。
逆に毎日甘々に調教されてどんどん大好き洗脳されていく。
このままじゃ真面目に生きているのに、悪役貴族として討伐される運命が待っているが、大好きな三男は渡せないから仕方なく勇者と戦おうと思う。
これはそんな流され系主人公が運命と戦う物語。
「アルフィ、ずっとここに居てくれ」
「うん!そんなこと言ってくれると凄く嬉しいけど、出来たら2人きりで言って欲しかったし酒の勢いで言われるのも癪だしそもそも急だし昨日までと言ってること真逆だしそもそもなんでちょっと泣きそうなのかわかんないし手握ってなくても逃げないしてかもう泣いてるし怖いんだけど大丈夫?」
媚薬、緊縛、露出、催眠、時間停止などなど。
徐々に怪しげな薬や、秘密な魔道具、エロいことに特化した魔法なども出てきます。基本的に激しく痛みを伴うプレイはなく、快楽系の甘やかし調教や、羞恥系のプレイがメインです。
全8章128話、11月27日に完結します。
なおエロ描写がある話には♡を付けています。
※ややハードな内容のプレイもございます。誤って見てしまった方は、すぐに1〜2杯の牛乳または水、あるいは生卵を飲んで、かかりつけ医にご相談する前に落ち着いて下さい。
感想やご指摘、叱咤激励、有給休暇等貰えると嬉しいです!ノシ
召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる
KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。
ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。
ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。
性欲悪魔(8人攻め)×人間
エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』
ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話
さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ)
奏音とは大学の先輩後輩関係
受け:奏音(かなと)
同性と付き合うのは浩介が初めて
いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく
生贄として捧げられたら人外にぐちゃぐちゃにされた
キルキ
BL
生贄になった主人公が、正体不明の何かにめちゃくちゃにされ挙げ句、いっぱい愛してもらう話。こんなタイトルですがハピエンです。
人外✕人間
♡喘ぎな分、いつもより過激です。
以下注意
♡喘ぎ/淫語/直腸責め/快楽墜ち/輪姦/異種姦/複数プレイ/フェラ/二輪挿し/無理矢理要素あり
2024/01/31追記
本作品はキルキのオリジナル小説です。
彼女ができたら義理の兄にめちゃくちゃにされた
おみなしづき
BL
小学生の時に母が再婚して義理の兄ができた。
それが嬉しくて、幼い頃はよく兄の側にいようとした。
俺の自慢の兄だった。
高二の夏、初めて彼女ができた俺に兄は言った。
「ねぇ、ハル。なんで彼女なんて作ったの?」
俺は兄にめちゃくちゃにされた。
※最初からエロです。R18シーンは*表示しておきます。
※R18シーンの境界がわからず*が無くともR18があるかもしれません。ほぼR18だと思って頂ければ幸いです。
※いきなり拘束、無理矢理あります。苦手な方はご注意を。
※こんなタイトルですが、愛はあります。
※追記……涼の兄の話をスピンオフとして投稿しました。二人のその後も出てきます。よろしければ、そちらも見てみて下さい。
※作者の無駄話……無くていいかなと思い削除しました。お礼等はあとがきでさせて頂きます。
淫紋付けたら逆襲!!巨根絶倫種付けでメス奴隷に堕とされる悪魔ちゃん♂
朝井染両
BL
お久しぶりです!
ご飯を二日食べずに寝ていたら、身体が生きようとしてエロ小説が書き終わりました。人間って不思議ですね。
こういう間抜けな受けが好きなんだと思います。可愛いね~ばかだね~可愛いね~と大切にしてあげたいですね。
合意のようで合意ではないのでお気をつけ下さい。幸せラブラブエンドなのでご安心下さい。
ご飯食べます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる