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三章 湯けむり温泉、ぬるぬるおふろ

お兄ちゃんサンドイッチ

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 オレンジブラウンのウェーブがかかった髪の毛に、黒のヴェールがかぶせてある。その隙間からニヤリと笑う航の、禍々しくて綺麗な顔が見える。
 首元に手を回されて、キスをされる。唇の隙間から舌を引っ張り出して絡めながら……お尻を突き出すようにして性器を咥えこむ。
 ぐちゅ、と音がして柔らかくほぐれた内部に性器が突き立てられる。キスをしながら、航が腰をぐいぐいと動かすものだからたまらない。

「んっ、んんんん! んーっ、ん、は、はぁっ! やめろっ!」
「はっ、はぁ、はぁ……気持ちいいくせに……!」

 ごつ、ごつ、と奥を突く。吸いつく。ナカがきゅんきゅんと震えて、臨の性器を奥へ奥へと誘う。正直に言うと、とても気持ちが良い。身体の相性が良すぎる。臨は絶対に認めたくない。でも、止められない。
 航の手を引っ張って無理矢理四つん這いにさせて、乱暴に奥を突いた。

「あ、あんっ、すっごい……この体勢、奥に、奥にっあたる! あっ、あっあああああっ!」

 がくがくと腰を揺らして、航がよだれを垂らしながら喘ぐ。後ろから突くと、普段とはまた違う所に当たって気持ちが良い。締めつけ具合も変わってくるので、臨もたまらない。凛には絶対しないような力任せの強引ピストンで、ぐちゃぐちゃにかき回す。前立腺をどちゅっ、どちゅ、と突く。


「あん、ケダモノみたいっ、だめ、デキちゃう……あかちゃんデキるっ」
「わ、お兄ちゃん気持ちよさそう……ねえ、俺ともつくろ? おちんちん、貸して?」


 凛が四つん這いになる航の下に潜り込んで正常位のような恰好で、無理矢理性器を挿入してしまう。


「あぁっ、あああああっ! あん、凛のナカ、すごいっ、すごい!」
「のぞむさんの突く力が伝わってくるよぉ……あっ、あっ、おにいちゃんの、凛の弱い所に全部あたってるっ! あっ、あっあっあああっ!」


 臨からすると、白と黒の二人の花嫁さんを抱いているような感覚。航の腰を掴んで奥まで揺さぶる。


「あん、おにいちゃんと凛の乳首が、ちゅっちゅってしてるぅ……ねぇ、キスして……ん、んっ、んぅ……」


 二人で指を絡ませて手を繋ぐ。乳首を強調するためだけにつけられたいやらしいレースのトップレス。白と黒のレースと乳首が絡まり合うようにして触れ合う。こり、こりと芯を持った乳首と乳首がキスをする。
 乳首をこすりあいながら、食べてしまうかのように唇を奪った。手を繋いで、乳首をこすりっこして、夢中でキスをする一ノ瀬兄弟。その兄の方の前立腺を、奥を、入り口のあたりを、ぱんぱんに張った亀頭でこする臨。すると航の口からくぐもったような……獣の唸り声のような喘ぎが漏れるのだ。


「ん、んんんんん! んぅ、んーっ! ん、んん! ぷは、あっ、あっ、あっ! あ、凛に搾り取られながら、臨に犯されてるっ……!」
「あん、乳首さわってキスしたらおっきくなってきたぁ! あっ、あん、おにいちゃん……おねがい、精液ちょうだい。だして」


 凛が腰を振っておねだりをする。臨は正直……肉体的には気持ちいいが、精神的には複雑だ。本当は好きな人とだけしたい事。それなのに身体は正直だった。臨はぐっと腰を押しつけて、奥の奥に性器をねじこむ。
 新雪を踏み荒らしてぐちゃぐちゃにするみたいにして……凛が入れない所を、乱暴に犯す。ただただ快楽を追い求めた、相手の事なんて何も考えない性欲処理。それなのに航のナカは優しく受け入れて、温かくて気持ちの良い、とろけるような快楽を与える。



「…………ほんとはこんなことは凛ちゃんとしかしたくない。でも、凛ちゃんがいいって言ってるからヤるだけだ……好きな所をめちゃくちゃにしてやるから、さっさと精液出せ」



 臨は航の耳元にそう囁いた。そして腰の動きを速める。ぱんっ、ぱん、じゅぶっ、じゅぶ、ぶちゅ、と太ももとお尻の肉が当たって汚い音がする。
 お尻を少しも隠すことができない紐みたいな下着。ぐい、とひっぱって繋がっている所を見る。航のピンク色のひだひだが、頑張って性器を飲み込んでいた。男性なのでそこまでお尻は柔らかくない。しかし、動くたびに尻の肉がぷるぷると揺れる。
 たまらなくなった。臨がひときわ強く奥の襞をめくるようにしてこすり、凛が性器を締め付けると航はさすがに限界を迎える。


「う、あっ、あ゛……出る、出るよっ、凛……精液プレゼントしてあげるねっ……!」
「うんっ、うん、あん、出して、お兄ちゃんのアツアツ精液で凛のおなか、膨らませて……?」


 びゅる、びゅる、と航の精液が凛のナカに注ぎ込まれる。お風呂上がりであまり水分を摂っていない時に出る、どろどろ精液だった。綾瀬はそれを後ろから見ているだけでたまらないが、航のナカには出したくない。凛のナカでだけ出したい。ささやかな抵抗だった。
 鉄の芯が入っているようにかちかちに固くなった性器。その根元をおさえて、必死に射精を我慢した。航のナカは抜くときも内部のつぶつぶが搾り取ってくるから……油断はできない。
 

 薄暗い部屋の中、航と凛を臨は見下ろした。凛とキスをしながら腰をおしつけて、奥へ奥へと精子を塗り込む航。ぐちゅ、ぐちゅ、とほのかな明かりの中に水音が響いていた。

  
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