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Date:7月18日(2)
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* * * * *
小さく白い星。金平糖によく似た可愛い粒。通称名をシュガープラムという麻薬は確かに町に充満していた。誰が先陣を切ったのかはわからない。話題性と希少性から若者を中心に欲しがる人間は増え、依存性の高い薬物が類似商品として出回るほどにその存在は地中深くに根付いている。
「アっ…んァ…はンッ~~っ」
着衣のままもつれ合い、出した舌を吸い上げるように絡まり合う。
「毎度、毎度、助かるぜ。ほら、今回の金だ」
アタッシュケースの中を確認した男は、目の前でそれを持ってきた男に向かって紙袋から取り出した札束を放り投げる。ドンっとそれなりの音がして、その札束は複数個、黒光りするテーブルの上に積み上げられていた。
「ぁ…ヤッ…はぁ…はぁ」
抑え込まれ割り広げられた下肢の間に、男のモノが埋まっていく様子をうつろな目で少女らしき女は見守っていた。
「おーおー、いい顔になってきたじゃねぇか」
金を積み上げた男は視界の端にうつるその光景をどこか楽しそうに煽っている。舌を出した少女の口に、先ほど購入したばかりの金平糖がそっと置かれる。美味しそうに舐めた少女は狂ったように快楽を求めて周囲の男たちを沸かせていた。
「おたくも偉いもん作ったよな」
シュガープラムが入ったアタッシュケースと引き換えに、持ってきた黒い鞄の中に金を回収する男に向かってその声は煙草の息を吹きかける。漂う白煙に混ざって聞こえる奇声は、たしかに人間というよりは獣と表現できるような声だった。
「男がキメるとやばいが、女をキメさすにはこれほどいい薬はねえ」
「あアァア…っ…ぁッ…や」
「まわっちまえば孕むまで犯してくれってしつけえのなんの」
「ァアッ…ひ…ぁっもっと…ちょうだぁあ」
「ま、廃人になったところで困るようなことはねぇから、存分に稼がせてもらってるよ」
金を回収し終えた男が立ち上がり、無言で室内を後にしようと背を向ける。
「ええと、名前なんつったっけ。ま、次もまたよろしくな」
にこやかに手を振った金払いのいい男は、確かに儲けているのか、その指や首には見るからに豪華な貴金属を揺らしていた。警察の目をかいくぐり、闇に存在する売春場が高級マンションの最上階に設けられているなどきっと想像もつかないだろう。地中深くに根を張るのは彼らによってばらまかれた麻薬に溺れ、その使い方を誤った人間たちだけ。
一粒飲んだところで即効性のないところがこの薬の悪いところだった。
可愛い見た目、甘い味。最初は気分だけで楽しむ若者が多かった。少しの媚薬効果が期待できるのか通常よりも洗練されたように感じる快楽。徐々に摂取量が増え、それがなくては快楽を得られないほど依存性が現れるころにはもう遅い。
「きゃぁぁっ」
黒いスーツの男は大金の入ったカバンを持って、マンションの玄関口から夏の日差しに変わりつつある太陽を見上げてその悲鳴を聞いた。
周囲に人影はない。
ふと視線を落とした足元に白い斑点の液体がこぼれている。思い当たる現象がちらついた。
「少し遅れます」
電話を取り出すなり報告した先はどこか知らない。要件を述べて切られた着信履歴だけが黒い画面の中で彼の行動の意味を知っていた。
「いやぁッ…うっ…んんっ」
涙目の少女の口に自身のものを無理矢理突っ込んで腰を前後に振っている化け物は汗のように白い液体を噴き出していく。必死の抵抗をみせているのか、女は男の太ももを空いた両手で必死に殴りつけていた。
シュガープラムの依存性は、ある日突然開花する。
まるで体内でその種が根付き、発芽するように、ある日突然凶暴性を増して通行人を闇の世界へ引きずり込む。それは決まって男性で、それは決まって人気のない場所で行われた。
「ゴホッゴホッ…ンぅ…ぅ」
白濁の液体を口内に噴射されて、拉致された少女が驚きながらえずく中、すでに正常思考を失い盲目的に目の前の身体を貪ることだけに特化した化け物は次の行動にうつしていく。衰えを知らない腫れあがった性器、人間の言葉が通じない未知の化け物、声を奪うように唇を塞がれた少女の身体にそれは深々と乱暴に突き刺さる。
赤い鮮血、痛みに暴れる身体、許容量を超えた白濁の液体。何時間それが続くのかは、発芽した男の体力と精力次第。文字通り精も根も尽きるまで、その行為は終わらない。
「出てる…ぁ…な、で…いぁんぐぅ」
重力に逆らうように浮き、重力に従うように沈む。
白い化け物は溢れ出ては零れていく液体を少女の身体になすりつけ、終わらない射精を繰り返し、やがてすべてを放出しきるのか、すっかり意識を失い冷たい体に変わった少女の身体をどさりと落として白い液体に溶けて消えた。
ぐしゃり。
雨も降っていないのに、ぬかるんだ地面に黒いスーツの男が靴でそれを踏む。
「ちっ」
小さな舌打ちは誰にも聞こえない。
シュガープラムという可愛さとは程遠い麻薬が生み出した産物。服用した男は白い化け物と化して白濁の少女をこの世に誕生させ、服用した女は男たちの慰み者として天上人に献上される。悪循環を生みながら、それでもそれが通常に息づいている。
ただの犠牲者というには悲惨な、それでも確かにシュガープラムとは無関係の一般人がその餌食になっているのは明らかで、黒いスーツの男は動かないはずの死体がピクリと動き出したことに気付いて視線をすっと鋭利なものに変えていた。
「ヴァージンローズを回収します」
相変わらずメモのように伝言だけを残して切った着信。男はその言葉通りにポケットからハサミを取り出し、少女の身体に咲いた花を無残にも切り取った。
ゴポリっと音をたててその膣からこぼれたのは黒い種。白濁の液体の中で少女が息絶えたのは、夏が始まる前のある夜のことだった。
* * * * *
時刻は少し遡り、まだ影が地上に現れている時刻。約束通り下校時刻をつげる校門前にその男は立っていた。
「今の人、めっちゃかっこよくない」
「え、誰待ってるんだろう」
「声かけなよ」
「げ、桐谷紗綾じゃん」
「なんだ、またあの子か」
聞きなれた風。雲が青さを増した空を流れて形を変えはしても、変わらない吹聴の声はこの世界に残っている。
「十和、お待たせ」
珍しく制服で校門前にやってきた紗綾は、宣言通りにその場にいた幼馴染にむかって声をかける。待たせたつもりはないのだが、時間に正確なこの男相手にかけるには、他に的確な言葉が見当たらなかった。
「十和くん、お・ま・た・せ」
いつそこに現れたのか、紗綾の隣で紗綾の真似をするように現れた長身の美形に十和の口元がひくひくと引きつっている。
「ダリル、お前まで」
「えーだって、紗綾ちゃんがどうしてもって、ね?」
「紗綾、お前な」
「え、ダメだった?」
当然のように三人行動を義務付けた紗綾に二人の視線が集中する。軽く首をかしげ、何を食べに行こうかと先をうながした紗綾には、このまとわりつくような視線もきっと意味がないのだろう。
「十和くんも苦労が絶えないねぇ」
「うるさい」
けたけたと笑うダリルに不機嫌な声を吐いてから、十和は紗綾と並ぶように足を踏み出した。紗綾を挟んで左にダリル、右に十和。横一列に並んで歩くには幅が必要だが、幸いにもこのあたりの道は舗装されていて随分と広く作られている。
「いい天気だね」
呑気な紗綾の声が木漏れ日の降り注ぐ街路樹の中に反射する。足元に照らし出された陽光がみせる万華鏡のような世界は、自然と気持ちを穏やかなものにさせてくれた。
本格的な夏はまだ来ていない。日陰にさえはいってしまえば、それなりに過ごしやすい気温と気候が並んで歩く三人を優しく包んでいた。
「魔種の回収はあれから順調?」
紗綾は左隣を歩くダリルに向かって声をかける。
小さく白い星。金平糖によく似た可愛い粒。通称名をシュガープラムという麻薬は確かに町に充満していた。誰が先陣を切ったのかはわからない。話題性と希少性から若者を中心に欲しがる人間は増え、依存性の高い薬物が類似商品として出回るほどにその存在は地中深くに根付いている。
「アっ…んァ…はンッ~~っ」
着衣のままもつれ合い、出した舌を吸い上げるように絡まり合う。
「毎度、毎度、助かるぜ。ほら、今回の金だ」
アタッシュケースの中を確認した男は、目の前でそれを持ってきた男に向かって紙袋から取り出した札束を放り投げる。ドンっとそれなりの音がして、その札束は複数個、黒光りするテーブルの上に積み上げられていた。
「ぁ…ヤッ…はぁ…はぁ」
抑え込まれ割り広げられた下肢の間に、男のモノが埋まっていく様子をうつろな目で少女らしき女は見守っていた。
「おーおー、いい顔になってきたじゃねぇか」
金を積み上げた男は視界の端にうつるその光景をどこか楽しそうに煽っている。舌を出した少女の口に、先ほど購入したばかりの金平糖がそっと置かれる。美味しそうに舐めた少女は狂ったように快楽を求めて周囲の男たちを沸かせていた。
「おたくも偉いもん作ったよな」
シュガープラムが入ったアタッシュケースと引き換えに、持ってきた黒い鞄の中に金を回収する男に向かってその声は煙草の息を吹きかける。漂う白煙に混ざって聞こえる奇声は、たしかに人間というよりは獣と表現できるような声だった。
「男がキメるとやばいが、女をキメさすにはこれほどいい薬はねえ」
「あアァア…っ…ぁッ…や」
「まわっちまえば孕むまで犯してくれってしつけえのなんの」
「ァアッ…ひ…ぁっもっと…ちょうだぁあ」
「ま、廃人になったところで困るようなことはねぇから、存分に稼がせてもらってるよ」
金を回収し終えた男が立ち上がり、無言で室内を後にしようと背を向ける。
「ええと、名前なんつったっけ。ま、次もまたよろしくな」
にこやかに手を振った金払いのいい男は、確かに儲けているのか、その指や首には見るからに豪華な貴金属を揺らしていた。警察の目をかいくぐり、闇に存在する売春場が高級マンションの最上階に設けられているなどきっと想像もつかないだろう。地中深くに根を張るのは彼らによってばらまかれた麻薬に溺れ、その使い方を誤った人間たちだけ。
一粒飲んだところで即効性のないところがこの薬の悪いところだった。
可愛い見た目、甘い味。最初は気分だけで楽しむ若者が多かった。少しの媚薬効果が期待できるのか通常よりも洗練されたように感じる快楽。徐々に摂取量が増え、それがなくては快楽を得られないほど依存性が現れるころにはもう遅い。
「きゃぁぁっ」
黒いスーツの男は大金の入ったカバンを持って、マンションの玄関口から夏の日差しに変わりつつある太陽を見上げてその悲鳴を聞いた。
周囲に人影はない。
ふと視線を落とした足元に白い斑点の液体がこぼれている。思い当たる現象がちらついた。
「少し遅れます」
電話を取り出すなり報告した先はどこか知らない。要件を述べて切られた着信履歴だけが黒い画面の中で彼の行動の意味を知っていた。
「いやぁッ…うっ…んんっ」
涙目の少女の口に自身のものを無理矢理突っ込んで腰を前後に振っている化け物は汗のように白い液体を噴き出していく。必死の抵抗をみせているのか、女は男の太ももを空いた両手で必死に殴りつけていた。
シュガープラムの依存性は、ある日突然開花する。
まるで体内でその種が根付き、発芽するように、ある日突然凶暴性を増して通行人を闇の世界へ引きずり込む。それは決まって男性で、それは決まって人気のない場所で行われた。
「ゴホッゴホッ…ンぅ…ぅ」
白濁の液体を口内に噴射されて、拉致された少女が驚きながらえずく中、すでに正常思考を失い盲目的に目の前の身体を貪ることだけに特化した化け物は次の行動にうつしていく。衰えを知らない腫れあがった性器、人間の言葉が通じない未知の化け物、声を奪うように唇を塞がれた少女の身体にそれは深々と乱暴に突き刺さる。
赤い鮮血、痛みに暴れる身体、許容量を超えた白濁の液体。何時間それが続くのかは、発芽した男の体力と精力次第。文字通り精も根も尽きるまで、その行為は終わらない。
「出てる…ぁ…な、で…いぁんぐぅ」
重力に逆らうように浮き、重力に従うように沈む。
白い化け物は溢れ出ては零れていく液体を少女の身体になすりつけ、終わらない射精を繰り返し、やがてすべてを放出しきるのか、すっかり意識を失い冷たい体に変わった少女の身体をどさりと落として白い液体に溶けて消えた。
ぐしゃり。
雨も降っていないのに、ぬかるんだ地面に黒いスーツの男が靴でそれを踏む。
「ちっ」
小さな舌打ちは誰にも聞こえない。
シュガープラムという可愛さとは程遠い麻薬が生み出した産物。服用した男は白い化け物と化して白濁の少女をこの世に誕生させ、服用した女は男たちの慰み者として天上人に献上される。悪循環を生みながら、それでもそれが通常に息づいている。
ただの犠牲者というには悲惨な、それでも確かにシュガープラムとは無関係の一般人がその餌食になっているのは明らかで、黒いスーツの男は動かないはずの死体がピクリと動き出したことに気付いて視線をすっと鋭利なものに変えていた。
「ヴァージンローズを回収します」
相変わらずメモのように伝言だけを残して切った着信。男はその言葉通りにポケットからハサミを取り出し、少女の身体に咲いた花を無残にも切り取った。
ゴポリっと音をたててその膣からこぼれたのは黒い種。白濁の液体の中で少女が息絶えたのは、夏が始まる前のある夜のことだった。
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時刻は少し遡り、まだ影が地上に現れている時刻。約束通り下校時刻をつげる校門前にその男は立っていた。
「今の人、めっちゃかっこよくない」
「え、誰待ってるんだろう」
「声かけなよ」
「げ、桐谷紗綾じゃん」
「なんだ、またあの子か」
聞きなれた風。雲が青さを増した空を流れて形を変えはしても、変わらない吹聴の声はこの世界に残っている。
「十和、お待たせ」
珍しく制服で校門前にやってきた紗綾は、宣言通りにその場にいた幼馴染にむかって声をかける。待たせたつもりはないのだが、時間に正確なこの男相手にかけるには、他に的確な言葉が見当たらなかった。
「十和くん、お・ま・た・せ」
いつそこに現れたのか、紗綾の隣で紗綾の真似をするように現れた長身の美形に十和の口元がひくひくと引きつっている。
「ダリル、お前まで」
「えーだって、紗綾ちゃんがどうしてもって、ね?」
「紗綾、お前な」
「え、ダメだった?」
当然のように三人行動を義務付けた紗綾に二人の視線が集中する。軽く首をかしげ、何を食べに行こうかと先をうながした紗綾には、このまとわりつくような視線もきっと意味がないのだろう。
「十和くんも苦労が絶えないねぇ」
「うるさい」
けたけたと笑うダリルに不機嫌な声を吐いてから、十和は紗綾と並ぶように足を踏み出した。紗綾を挟んで左にダリル、右に十和。横一列に並んで歩くには幅が必要だが、幸いにもこのあたりの道は舗装されていて随分と広く作られている。
「いい天気だね」
呑気な紗綾の声が木漏れ日の降り注ぐ街路樹の中に反射する。足元に照らし出された陽光がみせる万華鏡のような世界は、自然と気持ちを穏やかなものにさせてくれた。
本格的な夏はまだ来ていない。日陰にさえはいってしまえば、それなりに過ごしやすい気温と気候が並んで歩く三人を優しく包んでいた。
「魔種の回収はあれから順調?」
紗綾は左隣を歩くダリルに向かって声をかける。
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