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会いたくない人達

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シラキュース家と国王からの使者に苛つきながらも楽しい日々を送っていたある日。
会いたくもない2人に会ってしまった・・・と言うか私達を探していた様だ。正直とっても迷惑だ。


「ちょっと! 黒いくせにブランなブランシーヌ! 何無視してんのよ。跪いて挨拶なさい!」何言ってんのかしら。どんだけ上からなの?

「何でしょうか? ご挨拶の必要性は感じませんが・・・お久し振りですわね、お2人とも。随分隈が酷いですわね。」としれっと見つめると

「うるさいわよ!誰のせいでこんなに疲れていると思ってるのよ、あんたのせいでしょ! 詫びて、あんた達の馬車を渡しなさい!勿論馬付きよ。ついでにあんたのあの馬も寄越しなさい、替えの馬に使ってやっても良いわよ、フン!」
と尊大な目つきで見てくる半分の血の繋がりも無かった元義姉。

「何様のつもりですの?皆様のお買い物の邪魔です。移動した方がよろしくてよ?」と視線を寄越すと

「ブランのくせに生意気ですわ。そこの元執事の・・・レオンだったかしら? 前から使えると思っていたのよね。(ボソッ、カッコ良いし )彼も寄越しなさい!」
とレオンの事を上から下までジロジロと品定めするアイリーン。気持ち悪い、止めろ

「さぁ、いつまでも拗ねてないで・・一緒に帰ろう?」
とキラキラスマイルを向けてくる気持ち悪いカーシス様。スルリと私の手を取り腰に手を回しガッチリ確保し連れて行こうとする。

レオンの事もアイリーンが腕にしがみ付き胸を押し当て上目遣いで頭をレオンの肩に載せている。何なんだ、全く。『おまわりさーん、ここでーす!ここに変な人が2人います、捕まえてください!』って、もう少しで前世の言い回しが口から飛び出る所だったよ。 カーシス様の足をグリグリと踏んで力が緩んだ隙に逃げ出す。


「アイリーン様、レオンから離れて下さい。本来あなたが気軽にお声を掛けて良い方ではありませんのよ?」
と直ぐに権力をふりかざすきらいがある彼女に、元義姉より身分が上だと伝える。

「うるさいわね。あんたなんか、シラキュース家から出たんだから平民のくせにお黙りなさい!」
とイライラとした目つきで見てくる

「私は平民でもレオンはフリード国の王弟殿下のご子息よ、不敬だわ離れて。」
つい冷たい目で見てしまう。

「あら、そうだったんですわね?だったら尚更そんな平民の無能よりも私の方が良いわね!」

と気持ち悪い上目遣いをしながらニタリと笑みを浮かべ、益々くっつくアイリーン。レオンが悍ましいモノを見たと言わんばかりの目つきで振り解いてどうやら私も含めて結界を張った様だ。 久し振りに話の通じないお馬鹿さんに会ってしまった。そもそもアイリーンにはカーシス様がいるでしょ。

そう思ってカーシス様を見ると此方は私にロックオンしていた。足を踏まれた事は無かった様な顔をしていて・・・どっちも気持ち悪くて話にならない。

「ブランシーヌ、僕がアイリーンと再婚約したからまだ怒っているんだね? でも安心して?  私は、愛しているんだ。だから、戻って来て良いんだ。ちゃんと2人とも第一夫人なんだよ?国王が認めてくださったからこれは本当の事なんだ安心して私の夫人になって良いんだよ。」と微笑む

「第一夫人とかどうでも良いんです。私はもう貴方を愛していませんし興味も無いのです。それに、国王とかも今更どうでも良いです。レオンはフリード国の王族ですから貴方達は既に不敬ですが、現在 【 越後屋 】の会頭である私自身が複数の国から爵位を頂いております。しかもどの国からも束縛されない名誉爵です。アーフォレ国よりも格上のフリード国とエスメラルダ帝国の爵位も賜っておりますのであなた方のに従わずとも私は自由なのです。」

「そんなのおかしいじゃない! いくら【 越後屋  】の会頭でもそんなに多数の国の爵位でしかも束縛されない爵位だなんて!‘’ 繋がり人 ‘’  でもあるまいし! 」

と掴み掛かろうとするアイリーン。レオンと護衛がしっかり守ってくれた。カーシス様はアイリーンが “繋がり人 ‘’  と言ったあたりから目を大きく見開いている。そう、気付いたのだろうか? 私が、母 桜 と同じ見目をしておりもしかしたら力を受け継いでいると・・・

「・・・な、まさか! そんな筈ない! サクラは大きな力を持っていなかった!しなかったんだ。だからそんな筈ないんだ。ただの魔道具師・・・」と信じられないと言った表情で固まっている。

そこに、 「何をグズグズしておる。早く連れて来い! 王命なのだぞ。__全く、母娘揃って気が利かん奴らだ、フンッ」と吐き捨てる人がいる


「「???」」レオンと目を見合わせると


「おや、お久しぶりでございますな・・・アーフォレ国王。王自らこのような遠方まで来られるとは。あぁ、トップ会談にお出でになったのか。今回は10ヶ国の王達が集まる会談、その間参加国は他国の攻撃からは守られますからね。アーフォレ国王は初めてのご参加でしたね?」  

と半目で国王を睥睨するライアン様とシフォン様・・美形の御二人、すごい迫力です。合流にはまだ早いけれど誰か呼んで来てくれたんだね。御二人とはずっと一緒だった訳ではなく途中別れてフリード国にお戻りになっていたのだが、今日合流予定だった。そして帝国のアルフォンソ皇帝ともお会いする予定になっている。


「フン、またお前か。お前には関係無い! いくら大国とは言え、王弟風情が、私は忙しいのだ。そのブランシーヌとか言う小娘に用があるんだ、邪魔するな。」

もう、王となって10数年経つのに大国相手に身の程をわきまえない人だ。 不機嫌さを隠そうともせず顎で私を指している、不愉快だ。相手にしない。もう私は国から出た身踵を返そうと横を向くと

「何をしておる、そこな小娘早く此方に来るんだ。この無能が・・私を待たせるな。」と睨みつけて来る


何様だ、ウザイオヤジめ・・・王様だった






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