ご安心を、2度とその手を求める事はありません

ポチ

文字の大きさ
上 下
25 / 43

しつこい男は嫌われろ

しおりを挟む


「何をしておる、そこな小娘早く此方に来るんだ。この無能が・・私を待たせるな。」と睨みつけて来るウザイオヤジ改め王様、アーフォレ国王。 全く小さい男だ。

王族だけあって見目だけは美麗なイケオジの部類だがその狭小さが滲み出ておりライアン様の様なうっとりする程の美しさは無い。シフォン様と並び立つ様は威厳と美しさが相まり神々しい程だ。なんて面倒くさいなと現実逃避していると

「ダーナ様? まだですの?」と

と、きっと王妃であろうカーラ様らしき人が護衛の近衛と共にやって来る。
確かに庇護欲をそそる可憐な方だ。凛とした美しさと時折見せる可愛らしさを持っていたお母さまと比べると守ってあげたくなるのは王妃様であっただろう。

「あぁ、我が王妃は美しいな。待たせてすまぬ、そこな小娘・・サクラの娘が母と同じで無能な上に愚図でな。直ぐに騎士にひっ捕えて連れて来させる。そうすれば其方の希望の馬車も思いのままだ。」

「嬉しいわ、ダーナ様。聞く所によるとまるでお邸の様な馬車まであるとの事。湯浴みも直ぐに出来ると聞きましたわ!」 

と、指先を合わせ上目遣いで国王を見つめる王妃・・・そんな仕草人前でやって良いのは若い内だけ、もう30過ぎたんだから控えて欲しい
 

「んんんっ・・・もしかしてそこな無能な小娘とはワタクシの事でございますか?」と咳払いしながら半目で見ると

「やはり無能。そんな事も分からんのか!お前しかおらんだろうが。」

「無能か有能かで言えば、シラキュース家のアイリーン様の方がよほど無能でしょう。
それに、お話の流れ的にはアーフォレ国王様はそのな小娘に馬車をカスタマイズして欲しいのでしょうか?若作りのカーラ王妃の為に?」

と慇懃無礼にお伝えすると国王、王妃は顔を赤く染め口をパクパクしている、鯉か

「私は、若作りなどでは無く、素のままでも変わりませんわ!」
と私に怒りを向けた後は夫の国王にウルウルと涙を溜めた瞳を向けしがみ付く。

「サクラよりも余程無礼な娘だ!打首にされたいのか?ああ?

我が妃は世界一美しく清らかなのだ。大した事も出来ぬくせに大口叩かずさっさと馬車を改造し、アイテムバッグを献上するのだ!この無能がっ。」

「フフフッ、小娘より余程小娘レベルな王妃様、オカワイソウニ。国王様の頭の中身もお変わり無いようで、おめでたいお二人・・・

私は、とっくにアーフォレ国に籍はございません。多くの国から貴族の爵位を頂いております。正直今の世で1番自由な存在。

そもそも、母上___サクラお母様も本来であれば私と同じく自由に幸せに過ごし、本来の力を発揮できた筈・・・」

伏せていた目を開き、母と同じ黒曜石の瞳を向け強く見つめる

「フンッ、あやつが無能だっただけだ、役立たずの魔道具しか作れぬクズだ! お前同様な! 」

と気力を取り戻したのかカーラと2人して意地の悪そうな顔で嘲笑してくる、ああ、母の告別式でも見たその表情かお心底バカにした顔つき

「左様でございますか。 ならばその様ななどお二人には必要無いのではございませんか?私の魔道具や道具も母、サクラとであります故に・・」

アーフォレ国王達を目で射殺しながら続ける

「それに、例え欲しい__とましてもお譲りしません。ましてや献上など絶対に致しません!

最愛の母をずっと苦しめ、阿呆なアーフォレ国に縛りつけ・・・早逝させた原因の貴方方になど渡すものですか!」

後退る国王夫妻とカーシス様、アイリーン。周りには人だかりが出来、どうやら ‘’ 繋がり人 ‘’ を苦しめ早逝させた様だとの認識が広がっていく

「危うく私までもアーフォ・・いえ、阿呆国に縛られる所でしたわ。カーシス様、アイリーン様?婚約破棄して下さってありがとうございます。そして、として国外へ追放レベルで出して頂き感謝致しますわアーフォレ国王様。」

満面の笑みで射殺し続けながら言葉で刺す、お母様が言えなかった分まで想いを込めて

「サクラお母様は、大変優秀でいらっしゃったのです。あなた方と違って・・には役立たずな魔道具で世界で困っている人々をそっと陰から助けて来られた・・ずっと。そして、【 越後屋 】を育て残した。


お母様はアーフォレ国王、あなたの事もアーフォレ国の貴族の誰の事も愛してなど、欲してなどいなかった。 ‘’ 繋がり人 ‘’  として此方の世界に来る前の__結婚間近の婚約者様の事を死ぬまで愛していたのよ! あなた達のくだらない茶番劇なんかどうでも良かったの。嫌がらせでしか無い婚約・・死ぬまで、死んでからまで蔑み縛りつけたアーフォレ国。そっとしてくれるだけで良かったのに優しいお母様に付け込んだ。」


今更青い顔のアーフォレ国の面々、近衛騎士達も強張っている。隣にいてくださるライアン様、シフォン様。そしてしっかりと手を繋ぎ勇気をくれるレオン。揉め事の気配に集まってくれた ‘’ 家族 ‘’ 力強い味方


「だが、献上出来ないならば売っても良かろう。買って客となろうと言ってやっているのだ、客に対してその様な暴言を吐くのか? 【 越後屋 】は? 愛しておる婚約者にもいつまで拗ねておるのだ? 嫉妬なんてみっともない」

とまだ言い募るダメ王。カーシス様を利用するのか・・後で来たから聞いてなかったか__面倒くさい


「カーシス様云々はもう良いです。私は婚約破棄された方ですが嫉妬は感じません。今は愛するレオンがいてくれて家族が居て幸せなので視界に入らないで下さい。

それと、客? 造れないアイテムは、貴重故に売る相手を選んでいます。例え王族でも悪用する方には売りません。アイテムバッグは戦争の為に造ったものでは無いので戦争、人身売買、盗賊・・・悪事に使用された物は中身を正当な持ち主に返した上で消失します。防衛においての戦闘は除きますが・・・

それでなくてもアフォーレ国の者には余程善なる者にしか売りません。奪われても持ち主に返りますしね。要は、アフォーレ国には売りません。散々馬鹿にして来たくせに良く  ‘’  買う‘’  なんて図々しく言えますね。

それに、もしもアフォーレ国関係者に転売するような事をした者や関係者には2度と売らない事とします。

無能の造る魔道具なんて要らないんでしたわね?それでよろしいんではないでしょうか。

しっかり、トップ会談でお仕事、して帰ってくださいませね!ちゃんと見てますよ、出席しますから。」


「いやよ! 私も改造馬車が欲しいわ!!私は姉なのよ!!よこしなさいブランのくせにーーーー、キーーーッ!」

「いつまで拗ねているんだい?ブランシーヌ、愛してあげるんだ戻って言う事を聞くんだ!・・」

「ワタクシを誰だと思っているの、王妃よ!サクラの娘の癖に!無能のくせに~~!寄越しなさい・・・」

「サクラと同じ無能の分際で、後悔するからな!お前なんかが私でさえ初めてのトップ会談に出れるものか!・・・」


何だかまだギャーギャー煩いけれど

「周りの皆様、お騒がせ致しました申し訳ありません。 では、ごきげんよう」 

と周りの方達にのみ頭を下げ王達にはカーテシーも取らずさっさと後にした。ちゃんと、うるさくない様に防音の結界と足止めの固定はバッチリ。邪魔にならない空中に固定してきたから安心してねღ


では、また後ほど







しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

もう一度7歳からやりなおし!王太子妃にはなりません

片桐葵
恋愛
いわゆる悪役令嬢・セシルは19歳で死亡した。 皇太子のユリウス殿下の婚約者で高慢で尊大に振る舞い、義理の妹アリシアとユリウスの恋愛に嫉妬し最終的に殺害しようとした罪で断罪され、修道院送りとなった末の死亡だった。しかし死んだ後に女神が現れ7歳からやり直せるようにしてくれた。 もう一度7歳から人生をやり直せる事になったセシル。

意地を張っていたら6年もたってしまいました

Hkei
恋愛
「セドリック様が悪いのですわ!」 「そうか?」 婚約者である私の誕生日パーティーで他の令嬢ばかり褒めて、そんなに私のことが嫌いですか! 「もう…セドリック様なんて大嫌いです!!」 その後意地を張っていたら6年もたってしまっていた二人の話。

──いいえ。わたしがあなたとの婚約を破棄したいのは、あなたに愛する人がいるからではありません。

ふまさ
恋愛
 伯爵令息のパットは、婚約者であるオーレリアからの突然の別れ話に、困惑していた。 「確かにぼくには、きみの他に愛する人がいる。でもその人は平民で、ぼくはその人と結婚はできない。だから、きみと──こんな言い方は卑怯かもしれないが、きみの家にお金を援助することと引き換えに、きみはそれを受け入れたうえで、ぼくと婚約してくれたんじゃなかったのか?!」  正面に座るオーレリアは、膝のうえに置いたこぶしを強く握った。 「……あなたの言う通りです。元より貴族の結婚など、政略的なものの方が多い。そんな中、没落寸前の我がヴェッター伯爵家に援助してくれたうえ、あなたのような優しいお方が我が家に婿養子としてきてくれるなど、まるで夢のようなお話でした」 「──なら、どうして? ぼくがきみを一番に愛せないから? けれどきみは、それでもいいと言ってくれたよね?」  オーレリアは答えないどころか、顔すらあげてくれない。  けれどその場にいる、両家の親たちは、その理由を理解していた。  ──そう。  何もわかっていないのは、パットだけだった。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】愛されない令嬢は全てを諦めた

ツカノ
恋愛
繰り返し夢を見る。それは男爵令嬢と真実の愛を見つけた婚約者に婚約破棄された挙げ句に処刑される夢。 夢を見る度に、婚約者との顔合わせの当日に巻き戻ってしまう。 令嬢が諦めの境地に至った時、いつもとは違う展開になったのだった。 三話完結予定。

私のことが大嫌いらしい婚約者に婚約破棄を告げてみた結果。

夢風 月
恋愛
 カルディア王国公爵家令嬢シャルロットには7歳の時から婚約者がいたが、何故かその相手である第二王子から酷く嫌われていた。  顔を合わせれば睨まれ、嫌味を言われ、周囲の貴族達からは哀れみの目を向けられる日々。  我慢の限界を迎えたシャルロットは、両親と国王を脅……説得して、自分たちの婚約を解消させた。  そしてパーティーにて、いつものように冷たい態度をとる婚約者にこう言い放つ。 「私と殿下の婚約は解消されました。今までありがとうございました!」  そうして笑顔でパーティー会場を後にしたシャルロットだったが……次の日から何故か婚約を解消したはずのキースが家に押しかけてくるようになった。 「なんで今更元婚約者の私に会いに来るんですか!?」 「……好きだからだ」 「……はい?」  いろんな意味でたくましい公爵令嬢と、不器用すぎる王子との恋物語──。 ※タグをよくご確認ください※

余命わずかな私は家族にとって邪魔なので死を選びますが、どうか気にしないでくださいね?

日々埋没。
恋愛
 昔から病弱だった侯爵令嬢のカミラは、そのせいで婚約者からは婚約破棄をされ、世継ぎどころか貴族の長女として何の義務も果たせない自分は役立たずだと思い悩んでいた。  しかし寝たきり生活を送るカミラが出来ることといえば、家の恥である彼女を疎んでいるであろう家族のために自らの死を願うことだった。  そんなある日願いが通じたのか、突然の熱病で静かに息を引き取ったカミラ。  彼女の意識が途切れる最後の瞬間、これで残された家族は皆喜んでくれるだろう……と思いきや、ある男性のおかげでカミラに新たな人生が始まり――!?

好きでした、さようなら

豆狸
恋愛
「……すまない」 初夜の床で、彼は言いました。 「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」 悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。 なろう様でも公開中です。

処理中です...