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自由都市、コミュシャへ後少し
しおりを挟むお母様が日本からの転移者で大変で辛い日々を送って来られたことが分かった。だから、母方の親戚は居なかったのだ。父方の祖父母は私達母娘には冷たく、関わることを拒まれた記憶がある。母とのお別れ・・告別式の時にも姿は無かった。
この国の王族も貴族も母の告別式で感謝どころか軽蔑・侮蔑しか表さなかった。その時に感じた違和感が今日の話で分かったからこの国に何の情も無く去る事が出来る。幾人か?良き人々だけ共に来れれば・・移住出来れば良い。行商担当が今後も移住希望を確認して行く事になっている。
今日は、皆んなも久しぶりに会えた同僚、知人とゆっくりと会えて嬉しそうだった。それと、此方に来た時の馬車を空間魔法で拡げてあり各自部屋があって、リビングがあって、バス・トイレもあるんだ!・・・家の様だと興奮しながら話していた。
疲れも、道中家屋にいるとの大差ないからとても良いの!と此方のスタッフにもすごい勢いで話すから聞いたスタッフもそれはすごい!と目をキラキラとさせていた。明日から此方にいるスタッフ・家族用に準備してある馬車にそれぞれに合わせた空間拡張と住空間を付与して行くと伝えると『やったー!』『貴族より高級馬車だ。』と皆の喜びが半端なく、ハイタッチし合っている。付与する前から感謝されて私も嬉しかった。フフフ♩
皆んなで再会の喜びを分かち合いとても美味しい夕飯をスタッフ皆んなと一緒に頂いた。日本の食べ物を数種類出すと口に合ったのか、大人気で商品にも出来たらと食材の調達、調理部門、販売形態・・・と商品として展開しようと話が進んで行った。どんな時も商売を忘れない【 越後屋 】の皆んなに脱帽。 転んでも只では起きない精神だ、この気概が 【 越後屋 】を大きくして来てくれたんだなって感謝、感謝だ。
こうして世は更けて行き皆思い思いに転がり、クダを巻き朝となった。
まだ、お酒が残り怠そうな者もいるが彼らは特に仕事は無いので、出発までの日常生活をしてくれれば良い、普通に自由時間だ。いつ閉店しても良い準備は済んでいる。そこで私は昨夜話していた馬車への付与を行っている。
「大丈夫なのか?結構な数があるはずだぞ?」
とレオンが少し心配気に聞いて来た。今のレオンはリラックスしたのかケモ耳と尻尾が出ている。耳がピコピコし尻尾は何となく下がっている。心配のサインだ。フフフ
ここ越後屋では普段は隠れているが獣人も結構多いのだ。奴隷として働かされていた者たちも出来だけ助け出している。今後あまりに酷い扱いを受けている者は仮死状態で死んだ者として助け出して行く予定。ここは獣人である事を隠す必要は無いからレオンの耳と尻尾が出ていてもOK。
「大丈夫だよ、希望聞いて相談しながら工夫して形にするのが楽しいの。」と心からの笑みを向ける
「そうか、なら良かった。」と耳も元気に、垂れていた尻尾はゆらゆらと嬉しそうに揺れている。言葉よりも語る尻尾
その後も、どんどん付与していって残るところ後3台。その中にはライアン様とシフォン様の馬車も含まれている。お二人の馬車は執事や侍女諸々お付きの者たちのスペースも含まれ、その家族も一緒に乗る事になった。降りてくる時にゾロゾロ出てくるとびっくりするかもね。なので、中はかなりの拡張をする事になるから最後にと、とってある。
そんな数日を過ごしとうとう旅立つ時がやって来た。皆んな晴々とした顔をし、揃って
「「「「「ありがとうございました! 」」」」」
と良きにつけ、悪しきにつけ色々な事があったなとひっくるめて挨拶し馬車に乗り込んだ。道ゆく人々が驚いているがそのままスルーだ。最後に私達が【 越後屋 】その物・・建物自体をインベントリに入れると「「「えええええーーー」」」と驚きの声が上がるも
「皆さーん、今までありがとうございました! 【 越後屋 】は自由都市 ‘‘コミュシャ‘’ へ本店を移しまーす。では、皆様の今後のお幸せをお祈りしておりまーす!」と大きな声でお伝えし私達は希望へ向けて旅立った。
道中色々な事を楽しみながら、商いもしながら新しい商品の土地による感触を確かめながら記録し改良を行いながら進んで行った。このリサーチを活かしながら同じ商品でもその土地の傾向に合わせた商品をその土地に必要に応じて支店を置きその土地で作り手を雇用し育てていく。
本拠地に向かいながらどんどん大きくなっていく【 越後屋 】。我らの本気を見るが良い。
こうして、新たな本拠地 コミュシャ‘’ へ着く頃には 【 越後屋 】は世界1 と言っても過言ではないくらい大きな商会へと発展していった。多小の国ならば此方の方が上とも言える規模となり、母様と私を苦しめたあの国なんて歯牙にもかけ無い、かける必要もないくらいの力をつけた。
バカにされて来た無能なスキル、それによって生み出されたとても便利なグッズ。
アイテムバッグ、乗る場所を10㎡程に拡げた馬車などは特に人気商品だ。だが、アイテムバッグなどは戦争や悪事に使用するといつの間にか失くなる様に設定しておいた。私の造ったモノを悪用するなんて許さない。
こうして世界中で大人気商品となったが私しか造れないモノが多くその様なものは市場を独占している。
その代わりと言ってはなんだが美味しいものレシピや便利なモノは商業ギルドに登録してあるから色んなところで多くの人に利用して貰ってどんどん進化させて使ってもらいたい。美味しいものもみんなで食べたい! 美味しいは皆んな幸せになるからね、そして新たな美味しいや便利をリターンしておくれー
そんな、 【 越後屋 】に、シラキュース家や国王から何度も戻って来いと使者がやってくる。ずっと丁寧にお断りさせて頂いてきた。今となってはあんな人たちどうでも良い、私の人生設計には存在していない。散々貶め蔑みこき使ってきたくせに戻るわけない。しかも上から目線なのが余計にムカつく
何より、お母様を苦しめた人達に便利や美味しいのお裾分けなんてしない。絶対に
時折苛つきながらも楽しい日々を送っていた。何せシラキュース家を立ってからかれこれ3年ほど経っている。あちこちに拡げながら進んで来たからこれでも早い方だと思う。
まだ、コミュシャには後少し・・・て所で、ある街のフリーマーケットを覗いて楽しんでいた時だった。
「ブランシーヌ・・・久しぶりだね。探したよ。」と聞き覚えのある様な声がした。
「「ん?」」 とレオンと2人顔を見合わせると目の前にカーシス様とアイリーン様が並んでいた
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