12 / 18
第十一話 天女の浄化
しおりを挟む
凛side
今日から天女様との浄化の練習が始まる。
少し早めに起きて、昨日の時点で安倍家から取り寄せた練習に使う呪物の準備を始めた。
練習には宝樹ノ間を使って良いとのことだった。真哉を叩き起こし、万が一の時のために陣や札の準備などを手伝わせる。
準備の途中で天女様が少し焦った様子でやってきた。少しも遅れていないというのに申し訳なさそうに謝っている。
天女様の腰の低さも考えものだな。
そう思いながらも準備を済ませ、
浄化の練習を開始した。
呪物が封印された箱を取り出し、天女様の前に置いた。天女様には比較的弱いものだなどと説明したが、この呪物は元々先々代の天女が愛用していた手鏡で、当時日ノ国の皇帝から天女へと贈られた由緒正しく、貴重な品だった。
先々代の天女が強力な闇を払うことが出来ず闇へと消えた時、そのまま一緒に呪物となった手鏡だ。
この手鏡を封印する為に安倍家の陰陽師は数人犠牲になっている。
何故そんな物を用意したかというと、昨日お会いした時点で美琴様が相当天女様としての力が強いことが自分の中で分かっていたからだ。
一言で天女といっても、歴代の天女たちはそれぞれ力の強さが違っていた。それが何故なのか詳しい事は分かっていないが、
美琴様から漂ってくる清力をみるかぎり、天女としての力が完全に戻っていないと言っているものの、今の時点で相当に強い力を持っていることは確実だった。
この手鏡を浄化出来るかどうかは難しいところだが美琴様の力を見極めるために用意したというわけだ。
真哉がある程度の浄化の説明を済ませ、
実際にやってみましょうと白々しく美琴様に話す。
美琴様は緊張した様子で呪物の箱にゆっくりと手をかざした。
その瞬間貼られていた札がビリビリと剥がれ、禍々しい呪いを纏っていた箱はぼろぼろと崩れ落ちた。
まさか本当に浄化を成功させたのか?
半信半疑だったが真哉が手鏡の状態を確認したところ、完全に呪いが祓われていることがわかった。
強力な力を持っているだろうと思ってはいたが、ここまでとは、、!
美琴様の様子を見てもあれほどの呪物を浄化したというのに疲れた様子は少しもない。
その後も何個か強めの呪物を出してみたが、全て祓ってしまわれた。
もう充分だと思い、教えることも無くなったため今日は疲れたでしょうからこの辺でと言ってお開きにした。
浄化の練習と言っていたが1日目にして
もうすでに今後教える事は無くなってしまった。
これからも練習を続けるのであれば、
安倍家の地下奥深くの祠に封印されている様な呪物を差し出すほかないのかもしれない。
ーーーーーーー
真哉side
気持ちよく眠っていたところを凛に起こされ、天女の浄化の練習のための呪物やら陣やらの準備を手伝わされた。
寝不足で少しいらいらしながら準備を進めていると、途中で宝樹ノ間に天女が姿を現した。
とりあえず座って待っていてくださいと声をかけまた作業に戻る。
天女のお付きの白狐は姿こそ表さないが、すぐ近くに気配があった。
何かあればすぐに出てくるつもりなのだろう。いけすかない狐だ。
準備が済み、浄化の練習が始まった。
凛が偽物の笑顔を貼り付け、安倍家の者に用意させた強力な呪物を取り出し、
天女を試そうとしている。
性格わる~と思いながら、その様子を見守り、適当に浄化の説明を天女に済ませた。
結局天女はこちらが教えるまでもなく、
完璧な浄化を行った。
失敗して呪われでもすれば面白かったものを、、。
その後も全ての浄化を成功させた天女に、
やることが無くなったため今日はお開きとなった。
「美琴様ってすごいんだね~!もう俺たちやることなくない?浄化の練習なんて退屈だし、早く連れて帰らないとさ~」
「分かっているから黙っていろ。」
いつものように凛に怒られ、大人しく片付けを始める。
余計なことをするなと言われているが
凛がもたもたする様であればこちらからも仕掛けよう。そう心に決めて1日目の浄化の練習が終わった。
今日から天女様との浄化の練習が始まる。
少し早めに起きて、昨日の時点で安倍家から取り寄せた練習に使う呪物の準備を始めた。
練習には宝樹ノ間を使って良いとのことだった。真哉を叩き起こし、万が一の時のために陣や札の準備などを手伝わせる。
準備の途中で天女様が少し焦った様子でやってきた。少しも遅れていないというのに申し訳なさそうに謝っている。
天女様の腰の低さも考えものだな。
そう思いながらも準備を済ませ、
浄化の練習を開始した。
呪物が封印された箱を取り出し、天女様の前に置いた。天女様には比較的弱いものだなどと説明したが、この呪物は元々先々代の天女が愛用していた手鏡で、当時日ノ国の皇帝から天女へと贈られた由緒正しく、貴重な品だった。
先々代の天女が強力な闇を払うことが出来ず闇へと消えた時、そのまま一緒に呪物となった手鏡だ。
この手鏡を封印する為に安倍家の陰陽師は数人犠牲になっている。
何故そんな物を用意したかというと、昨日お会いした時点で美琴様が相当天女様としての力が強いことが自分の中で分かっていたからだ。
一言で天女といっても、歴代の天女たちはそれぞれ力の強さが違っていた。それが何故なのか詳しい事は分かっていないが、
美琴様から漂ってくる清力をみるかぎり、天女としての力が完全に戻っていないと言っているものの、今の時点で相当に強い力を持っていることは確実だった。
この手鏡を浄化出来るかどうかは難しいところだが美琴様の力を見極めるために用意したというわけだ。
真哉がある程度の浄化の説明を済ませ、
実際にやってみましょうと白々しく美琴様に話す。
美琴様は緊張した様子で呪物の箱にゆっくりと手をかざした。
その瞬間貼られていた札がビリビリと剥がれ、禍々しい呪いを纏っていた箱はぼろぼろと崩れ落ちた。
まさか本当に浄化を成功させたのか?
半信半疑だったが真哉が手鏡の状態を確認したところ、完全に呪いが祓われていることがわかった。
強力な力を持っているだろうと思ってはいたが、ここまでとは、、!
美琴様の様子を見てもあれほどの呪物を浄化したというのに疲れた様子は少しもない。
その後も何個か強めの呪物を出してみたが、全て祓ってしまわれた。
もう充分だと思い、教えることも無くなったため今日は疲れたでしょうからこの辺でと言ってお開きにした。
浄化の練習と言っていたが1日目にして
もうすでに今後教える事は無くなってしまった。
これからも練習を続けるのであれば、
安倍家の地下奥深くの祠に封印されている様な呪物を差し出すほかないのかもしれない。
ーーーーーーー
真哉side
気持ちよく眠っていたところを凛に起こされ、天女の浄化の練習のための呪物やら陣やらの準備を手伝わされた。
寝不足で少しいらいらしながら準備を進めていると、途中で宝樹ノ間に天女が姿を現した。
とりあえず座って待っていてくださいと声をかけまた作業に戻る。
天女のお付きの白狐は姿こそ表さないが、すぐ近くに気配があった。
何かあればすぐに出てくるつもりなのだろう。いけすかない狐だ。
準備が済み、浄化の練習が始まった。
凛が偽物の笑顔を貼り付け、安倍家の者に用意させた強力な呪物を取り出し、
天女を試そうとしている。
性格わる~と思いながら、その様子を見守り、適当に浄化の説明を天女に済ませた。
結局天女はこちらが教えるまでもなく、
完璧な浄化を行った。
失敗して呪われでもすれば面白かったものを、、。
その後も全ての浄化を成功させた天女に、
やることが無くなったため今日はお開きとなった。
「美琴様ってすごいんだね~!もう俺たちやることなくない?浄化の練習なんて退屈だし、早く連れて帰らないとさ~」
「分かっているから黙っていろ。」
いつものように凛に怒られ、大人しく片付けを始める。
余計なことをするなと言われているが
凛がもたもたする様であればこちらからも仕掛けよう。そう心に決めて1日目の浄化の練習が終わった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる