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2.中庭にいた生徒から見た生徒会会計
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side 中庭にいた生徒
「会計様、かっこよかった……」
忙しいからと中庭からすぐに生徒会室へ向かっていった生徒会会計の水無瀬葵様。
凛とした姿、少し伸びた様な、それでいて軽薄さを感じさせない、穏やかで柔らかい言葉遣い。
どこをみても、麗しくて美しかった。
「しかし、会計様、久しぶりにお会いしたな。」
俺のすぐそばにいたクラスメイト、「生徒会の女神様見守り隊」の同志がつぶやく。
ちなみに、「生徒会の女神様見守り隊」とは、水無瀬様非公認の親衛隊の様なものだ。
女神様とは無論、水無瀬様の別名だ。
濡羽色の髪、琥珀の様な色素の薄い瞳、170cmほどの身長と華奢な身体。まるで童話や神話に出てくる様な麗しいお姿をしているのだ。
中性的な美しさで抱かれたい、抱きたいとむさ苦しいタチや華奢なネコ、両方から絶大な人気を誇っている。
そんな水無瀬様は穏やかだが、あまり人を寄せ付けないことで有名で、親衛隊の結成が出来なかった。
だが、女神様を陰ながらサポートしたい! という数多くの生徒がいたため、非公認に結成された親衛隊「生徒会の女神見守り隊」。
非公認とはいえ、人数、人気では学園の親衛隊の上位に入る隊だ。
本人はまずまず、自分が「女神」ということに気付いておられず、「生徒会の女神見守り隊」の存在を知っていても自分の親衛隊だとは気づいておられない様だ。
そんな「生徒会の女神様見守り隊」にともに所属している同志の言う内容に、確かにと同意してしまう。
他の生徒会の方々は食堂や寮、運が良ければ廊下でもお会いすることがある。幸運にも同じクラスになれれば、教室で通常授業をご一緒することもできる。
でも、会計様は滅多にお会いできることはないのだ。生徒会としての仕事は他の方々とあまり変わらない量なはずなのに、生徒会室にこもっているのか、寮にこもっているのか、食堂や廊下で見かけたことすらない。水無瀬様は学年1位を入学以来取り続けているので、仕事が遅くて、なんてことはないだろう。
そして、クラスの授業に出ることも少ない。入学したての頃は出られていたそうだが、すぐに成績優秀者の特権である授業免除を使われる様になったのだとか。そのおかげで、ほとんどの人が生徒会の主催する行事でしか姿をみたことがないのだ。
しかも、食堂でも一度も出会ったという人がいない。女神様は意外と自炊派なのかもしれない。
「俺らホントラッキー過ぎるだろ! 女神様にたまたま会えたんだから」
また別のクラスメイト、ちなみにこちらも同志が呟く。
女神様と出会う、しかも声をかけてもらえるなんて下手な隊員だと吐血しかねないほどの幸運だ。
「「ほんと幸運だったなぁ」」
いまはこの幸運を噛み締めようと、少々血生臭い気がする口を回して、同志と語り合った。
「会計様、かっこよかった……」
忙しいからと中庭からすぐに生徒会室へ向かっていった生徒会会計の水無瀬葵様。
凛とした姿、少し伸びた様な、それでいて軽薄さを感じさせない、穏やかで柔らかい言葉遣い。
どこをみても、麗しくて美しかった。
「しかし、会計様、久しぶりにお会いしたな。」
俺のすぐそばにいたクラスメイト、「生徒会の女神様見守り隊」の同志がつぶやく。
ちなみに、「生徒会の女神様見守り隊」とは、水無瀬様非公認の親衛隊の様なものだ。
女神様とは無論、水無瀬様の別名だ。
濡羽色の髪、琥珀の様な色素の薄い瞳、170cmほどの身長と華奢な身体。まるで童話や神話に出てくる様な麗しいお姿をしているのだ。
中性的な美しさで抱かれたい、抱きたいとむさ苦しいタチや華奢なネコ、両方から絶大な人気を誇っている。
そんな水無瀬様は穏やかだが、あまり人を寄せ付けないことで有名で、親衛隊の結成が出来なかった。
だが、女神様を陰ながらサポートしたい! という数多くの生徒がいたため、非公認に結成された親衛隊「生徒会の女神見守り隊」。
非公認とはいえ、人数、人気では学園の親衛隊の上位に入る隊だ。
本人はまずまず、自分が「女神」ということに気付いておられず、「生徒会の女神見守り隊」の存在を知っていても自分の親衛隊だとは気づいておられない様だ。
そんな「生徒会の女神様見守り隊」にともに所属している同志の言う内容に、確かにと同意してしまう。
他の生徒会の方々は食堂や寮、運が良ければ廊下でもお会いすることがある。幸運にも同じクラスになれれば、教室で通常授業をご一緒することもできる。
でも、会計様は滅多にお会いできることはないのだ。生徒会としての仕事は他の方々とあまり変わらない量なはずなのに、生徒会室にこもっているのか、寮にこもっているのか、食堂や廊下で見かけたことすらない。水無瀬様は学年1位を入学以来取り続けているので、仕事が遅くて、なんてことはないだろう。
そして、クラスの授業に出ることも少ない。入学したての頃は出られていたそうだが、すぐに成績優秀者の特権である授業免除を使われる様になったのだとか。そのおかげで、ほとんどの人が生徒会の主催する行事でしか姿をみたことがないのだ。
しかも、食堂でも一度も出会ったという人がいない。女神様は意外と自炊派なのかもしれない。
「俺らホントラッキー過ぎるだろ! 女神様にたまたま会えたんだから」
また別のクラスメイト、ちなみにこちらも同志が呟く。
女神様と出会う、しかも声をかけてもらえるなんて下手な隊員だと吐血しかねないほどの幸運だ。
「「ほんと幸運だったなぁ」」
いまはこの幸運を噛み締めようと、少々血生臭い気がする口を回して、同志と語り合った。
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