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番外編~フィオ・ソリチュード~
私の!
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「さぁ、さっさとワタルを元に戻せ!」
ナハトが私から力を奪った女を地面に引き倒した。
「くっ…………」
洞窟の入り口に戻るとティナが既に戻っててワタルが壁面に凭れ掛かってる。
目は開いてるけど何も見えてないのか私が戻っても反応すらしない、人形状態って言ってたけど本当に生きてるだけの人形みたいだった。
「チッ……なんでエルフ様がこんなガキに拘ってんだか、そんなにガキが好きなら私らが調達してやろうか?」
「あまりふざけた事を言っていると四肢を焼き落すぞ」
苦し紛れの挑発――殺気と一緒に右手で炎を踊らせるナハトをこれ以上刺激したら本当にやりそうだけど――あの女は手を使って宝石を取り出した。
もしも戻す時にも手が必要だったらワタルが一生このままになっちゃう、ナハトの怒りは理解出来るけど止めないと――。
「ナハト、焼くの駄目。殴る程度にして」
「……だがなぁフィオ、お前だって相当に怒っていただろう。こんな奴らに手加減など必要ない」
「ワタルがやめろって言ってる」
ナハトの怒声にほんの僅かワタル眦が動いたのを見逃さずにそう言う、ワタルを絡めて言えば流石に抑えてくれるはず。
「? ワタルはそんな事一言も……まだ声は戻ってないだろ」
「声が無くても分かる」
普段の言動から考えてもたぶん止めるし……女に甘いから。
「分かったぁ。フィオはワタルの表情を読んでるのね…………ん~、確かにこれは、やめろって言ってそうね」
ナハトが止まりそうにないのを見越してティナも乗っかってきて加勢してくれる。
「なに? …………そうか? 私はこいつらに対して怒っているのだと思うが」
ワタルが攫われた事を怒ってるのは分かるけど、とりあえずワタルが元に戻ってからにしてほしい。
「まぁまぁ、早く航を元に戻せばいいだけなんだし」
そうその通り、流石に三人に言われてしまえばナハトも不承不承殺気を納めた。
そして天明が女にワタルを元に戻すように促すと女は携帯していた荷物から宝石をいくつか取り出してワタルに押し付けた。
そしたらそれが体の中に吸い込まれていって、微動だにしなかったワタルが身動ぎして瞳が光を取り戻していく。
「…………ほら、これでいいんだろ。抜いてたものはすべて戻した」
「ワタル?」
心配して三人が覗き込むとワタルは目をまんまるにして驚いてる。
「見える、話せる、動けるー! はぁ~、やっと元に戻れた。もうこんなの二度と御免だな――うわ!? っとと、急に抱き付くなよフィオ。今は俺の方が小さいんだぞ」
無事が分かった途端に飛び付く、抱き締めた腕の中でもぞもぞとしてるけど放してあげない。
よかった……本当に元に戻ってよかった。
「いつも一人で居なくなるワタルが悪い」
「ズルいわフィオ、一人だけ……私も~」
「私もだ」
ワタルを抱いてる私の背中に二人が飛び付いてきてワタルごと抱き締められて押し倒された。
むぅ、今はちょっと独占したいのに。
「お前らなにしてんだ…………俺を潰す気か」
「そんな事言ってぇ~、本当は嬉しいくせに――ってフィオ何噛んでるのよ」
「私の」
二人は離れてくれそうにないから印を付けることにした。
あの時みたいに――何度も首筋に印を付けていく。
「なら私だって」
む……空いてる方にティナが唇を押し付けてる――負けない!
「やめい、くすぐったい。天明助けろー」
「馬に蹴られたくないからパスかな。でもまだ能力は戻してないし、姿だって縮んだままだから完全に戻してからにしたらどうですか?」
あ、そうだった……まだ完璧じゃない、あっちの女にも盗ったもの返させないと――なんで馬?
「貴様ら離れろ! その子はあたしのだぞ。少しの間放っておいてその後甘やかすつもりだったのに、貴様らのせいで無茶苦茶だ」
「…………なぁ航、何がどうなったら敵に好かれるんだ?」
天明の質問に顔を引き攣らせてるけど何かあった……?
ちょっともやっとして強めに印を付け直した。
一通り印を付けて落ち着くとワタルの能力や私の力も戻させて船に戻った。
そして今は船室の中でティアに元の姿に戻してもらってる。
「な、な、なな……なんで?」
「ん~、戻った戻った。やっぱ元の身体に戻るとしっくりくるな」
元に戻って着替えたワタルが体の調子を確かめるように首や腕を回しながら船室から出てくると女は大口を開けて固まった。
「お兄様、私が縮めていたせいでごめんなさい」
「ティアのせいじゃないって――」
「そうだ、私が悪いんだ。私の我儘に付き合わせてその上目を離したから――」
私やティナが印を付けている時に大人しくしてたナハトがワタルの元の姿を見た途端に震え出して雫が頬を伝った。
「よしよし、泣くな泣くな……あ~、武器屋に行ったんだよな? 良い剣とか見つかったか?」
「……変わった形の物が多くて見る分には楽しかったのだが、全て航で切れてしまったから良い物はなかった」
本当に何しに行ってたの……今度訓練の時に強めにブチのめそう、そう誓いつつ泣き縋るナハトをティナと一緒に宥めた。
「はぁ、疲れた……ティナ、俺と一緒に居た娘たちってどこだ? 動けない間世話になったから礼言わないと」
「やっぱりそうだったのね、お礼も兼ねて手厚い保護をお友達に頼んでおいたわよ?」
「そっか――フィオ?」
「今はここに居て」
船室から出て行こうとするワタルを引き止め座り込ませて膝に座って腕の中に収まる。
凄く落ち着く……やっぱり小さいのより大きい元のワタルの方が好き、気持ちがほわほわする。
「まったく……敵相手にはあんなに容赦ないのにこんな蕩けた顔しちゃってもう……背中は私が貰うわよ?」
後ろからティナの手が伸びてきて私の頬を突っつくけど今はどうでもいい、このあったかいままで眠りたい。
「そんな所に突っ立って……ナハトは甘えなくていいの?」
「今回の騒動は私のせいだからな……甘える資格など無いというか……正直もう傍に居てはいけないかひょ!?」
壁に凭れてうじうじしてるナハトの頬をワタルが引っ張り上げた。
ちょっと面白い顔……。
「もう気にすんなって、俺の不注意もあったしさ、普通人攫いが町中歩いてるなんて思わないって」
「いやしかしっ、私が妙な事を頼まなければ――」
「嫌いになったのか? 面倒にばっかり巻き込まれる俺に呆れたか?」
「ちがっ――私は、ワタルが好きだ。私にとっての男はお前だけなんだ、嫌うはずがない、でも――」
「ならいいじゃん、俺はナハトが居なくなると寂しいんだけどな?」
「~っ、ズルいぞこのっ! わ、私をこんなにも骨抜きにした責任はきっちり取ってもらうぞ!」
ワタルを押し倒したナハトがそのまま唇を重ねた――っ!? 印も上書きされてる!?
「誑しね……完全に女誑しね。あとねワタル、日本はどうか知らないけれどヴァーンシアでは割りと人攫いは居るのよ?」
「へ?」
「だってほら、ナハトと初めて会った時ワタルは何の船に乗ってきたのかしら?」
「あ、あ~……」
「奴隷や都合のいい存在を欲しがる連中が一定数居ればそれを供給してお金にしようとする輩も現れるわ。そういうのを排除する役目を果たしていたナハトが警戒を怠ったのはどうなのかしらね? それに、ヴァーンシアで最初に訪れたのがアドラだったのにそういう危機感が抜けてたワタルもどうなのかしら? 今回はどうにかなったし日本人帰還の助けになるような収穫もあったからよかったけれど、二人ともデートの事で気を緩め過ぎだったんじゃないのかしら」
『うっ…………』
二人ががくりと項垂れてか細い声でごめんなさいを言った。
「勿論良い人間が居るのも確かよ、でも私達は今知らない土地に居るの、住み慣れたクオリアや見慣れたクロイツの外なのだからそれなりの気構えでいないと何かあった時辛いわよ? リオとミシャだって凄く心配してたのよ?」
ティナが珍しく真面目に説教してる……私が言いたかった事を色々言われた……私も何か言おうと思ってたけどワタルもナハトも弱々しく返事を繰り返してるからもういいかな?
「ティナ……ごめんな――」
「弱りきったワタル可愛い~っ!」
やっぱりティナはティナだった……弱ったワタルを抱き締めて頬擦りしてる……この為に説教したの?
「航、ちょっといいか――悪かった。え~と、二時間くらい後なら話いいか?」
「いや違うから! なんもしてない! ティナが戯れてただけだから!」
ノックの後に扉を開けた天明がすぐに扉を閉めて扉越しに話しかけてるのをワタルが慌てて扉を開けた。
「あら、せっかく気を遣ってくれてるのだからそういう事でもいいのに……」
「いいわけあるか――んで、なんかあったのか?」
「ああ、大した事じゃないんだけど、航と一緒にティナさんが救出した二人がティナさんにもう一度ちゃんとお礼を言いたいそうだから時間が取れないかと」
「あら、幼いのに随分と礼儀正しい娘たちね。いいわ、私もワタルがお世話になった事をお礼しないと」
「彼女たちは裕福な商家の娘だから一般の女の子たちより礼儀作法について厳しくされてたみたいですね」
「その裕福な家庭のお嬢様が攫われてたってのは身代金か?」
「いいや、彼女たちの父親がルイズ家の意向に逆らったからその報復らしい」
実行犯の海賊を押さえて船長たちを懐柔したおかげで次から次へとルイズ家の悪事の話が出てきて忙しくなるって天明は顔を顰めてる。
でもあの船長姉妹を従わせる事が出来たのはかなりの収穫で能力を持つ犯罪者の扱いが楽になるとも笑ってた。
変な名前で暴れ回ってた日本人たちも能力を抜かれてただの人間に戻されて日本に帰還後犯罪者として裁かれるみたい。
ナハトが私から力を奪った女を地面に引き倒した。
「くっ…………」
洞窟の入り口に戻るとティナが既に戻っててワタルが壁面に凭れ掛かってる。
目は開いてるけど何も見えてないのか私が戻っても反応すらしない、人形状態って言ってたけど本当に生きてるだけの人形みたいだった。
「チッ……なんでエルフ様がこんなガキに拘ってんだか、そんなにガキが好きなら私らが調達してやろうか?」
「あまりふざけた事を言っていると四肢を焼き落すぞ」
苦し紛れの挑発――殺気と一緒に右手で炎を踊らせるナハトをこれ以上刺激したら本当にやりそうだけど――あの女は手を使って宝石を取り出した。
もしも戻す時にも手が必要だったらワタルが一生このままになっちゃう、ナハトの怒りは理解出来るけど止めないと――。
「ナハト、焼くの駄目。殴る程度にして」
「……だがなぁフィオ、お前だって相当に怒っていただろう。こんな奴らに手加減など必要ない」
「ワタルがやめろって言ってる」
ナハトの怒声にほんの僅かワタル眦が動いたのを見逃さずにそう言う、ワタルを絡めて言えば流石に抑えてくれるはず。
「? ワタルはそんな事一言も……まだ声は戻ってないだろ」
「声が無くても分かる」
普段の言動から考えてもたぶん止めるし……女に甘いから。
「分かったぁ。フィオはワタルの表情を読んでるのね…………ん~、確かにこれは、やめろって言ってそうね」
ナハトが止まりそうにないのを見越してティナも乗っかってきて加勢してくれる。
「なに? …………そうか? 私はこいつらに対して怒っているのだと思うが」
ワタルが攫われた事を怒ってるのは分かるけど、とりあえずワタルが元に戻ってからにしてほしい。
「まぁまぁ、早く航を元に戻せばいいだけなんだし」
そうその通り、流石に三人に言われてしまえばナハトも不承不承殺気を納めた。
そして天明が女にワタルを元に戻すように促すと女は携帯していた荷物から宝石をいくつか取り出してワタルに押し付けた。
そしたらそれが体の中に吸い込まれていって、微動だにしなかったワタルが身動ぎして瞳が光を取り戻していく。
「…………ほら、これでいいんだろ。抜いてたものはすべて戻した」
「ワタル?」
心配して三人が覗き込むとワタルは目をまんまるにして驚いてる。
「見える、話せる、動けるー! はぁ~、やっと元に戻れた。もうこんなの二度と御免だな――うわ!? っとと、急に抱き付くなよフィオ。今は俺の方が小さいんだぞ」
無事が分かった途端に飛び付く、抱き締めた腕の中でもぞもぞとしてるけど放してあげない。
よかった……本当に元に戻ってよかった。
「いつも一人で居なくなるワタルが悪い」
「ズルいわフィオ、一人だけ……私も~」
「私もだ」
ワタルを抱いてる私の背中に二人が飛び付いてきてワタルごと抱き締められて押し倒された。
むぅ、今はちょっと独占したいのに。
「お前らなにしてんだ…………俺を潰す気か」
「そんな事言ってぇ~、本当は嬉しいくせに――ってフィオ何噛んでるのよ」
「私の」
二人は離れてくれそうにないから印を付けることにした。
あの時みたいに――何度も首筋に印を付けていく。
「なら私だって」
む……空いてる方にティナが唇を押し付けてる――負けない!
「やめい、くすぐったい。天明助けろー」
「馬に蹴られたくないからパスかな。でもまだ能力は戻してないし、姿だって縮んだままだから完全に戻してからにしたらどうですか?」
あ、そうだった……まだ完璧じゃない、あっちの女にも盗ったもの返させないと――なんで馬?
「貴様ら離れろ! その子はあたしのだぞ。少しの間放っておいてその後甘やかすつもりだったのに、貴様らのせいで無茶苦茶だ」
「…………なぁ航、何がどうなったら敵に好かれるんだ?」
天明の質問に顔を引き攣らせてるけど何かあった……?
ちょっともやっとして強めに印を付け直した。
一通り印を付けて落ち着くとワタルの能力や私の力も戻させて船に戻った。
そして今は船室の中でティアに元の姿に戻してもらってる。
「な、な、なな……なんで?」
「ん~、戻った戻った。やっぱ元の身体に戻るとしっくりくるな」
元に戻って着替えたワタルが体の調子を確かめるように首や腕を回しながら船室から出てくると女は大口を開けて固まった。
「お兄様、私が縮めていたせいでごめんなさい」
「ティアのせいじゃないって――」
「そうだ、私が悪いんだ。私の我儘に付き合わせてその上目を離したから――」
私やティナが印を付けている時に大人しくしてたナハトがワタルの元の姿を見た途端に震え出して雫が頬を伝った。
「よしよし、泣くな泣くな……あ~、武器屋に行ったんだよな? 良い剣とか見つかったか?」
「……変わった形の物が多くて見る分には楽しかったのだが、全て航で切れてしまったから良い物はなかった」
本当に何しに行ってたの……今度訓練の時に強めにブチのめそう、そう誓いつつ泣き縋るナハトをティナと一緒に宥めた。
「はぁ、疲れた……ティナ、俺と一緒に居た娘たちってどこだ? 動けない間世話になったから礼言わないと」
「やっぱりそうだったのね、お礼も兼ねて手厚い保護をお友達に頼んでおいたわよ?」
「そっか――フィオ?」
「今はここに居て」
船室から出て行こうとするワタルを引き止め座り込ませて膝に座って腕の中に収まる。
凄く落ち着く……やっぱり小さいのより大きい元のワタルの方が好き、気持ちがほわほわする。
「まったく……敵相手にはあんなに容赦ないのにこんな蕩けた顔しちゃってもう……背中は私が貰うわよ?」
後ろからティナの手が伸びてきて私の頬を突っつくけど今はどうでもいい、このあったかいままで眠りたい。
「そんな所に突っ立って……ナハトは甘えなくていいの?」
「今回の騒動は私のせいだからな……甘える資格など無いというか……正直もう傍に居てはいけないかひょ!?」
壁に凭れてうじうじしてるナハトの頬をワタルが引っ張り上げた。
ちょっと面白い顔……。
「もう気にすんなって、俺の不注意もあったしさ、普通人攫いが町中歩いてるなんて思わないって」
「いやしかしっ、私が妙な事を頼まなければ――」
「嫌いになったのか? 面倒にばっかり巻き込まれる俺に呆れたか?」
「ちがっ――私は、ワタルが好きだ。私にとっての男はお前だけなんだ、嫌うはずがない、でも――」
「ならいいじゃん、俺はナハトが居なくなると寂しいんだけどな?」
「~っ、ズルいぞこのっ! わ、私をこんなにも骨抜きにした責任はきっちり取ってもらうぞ!」
ワタルを押し倒したナハトがそのまま唇を重ねた――っ!? 印も上書きされてる!?
「誑しね……完全に女誑しね。あとねワタル、日本はどうか知らないけれどヴァーンシアでは割りと人攫いは居るのよ?」
「へ?」
「だってほら、ナハトと初めて会った時ワタルは何の船に乗ってきたのかしら?」
「あ、あ~……」
「奴隷や都合のいい存在を欲しがる連中が一定数居ればそれを供給してお金にしようとする輩も現れるわ。そういうのを排除する役目を果たしていたナハトが警戒を怠ったのはどうなのかしらね? それに、ヴァーンシアで最初に訪れたのがアドラだったのにそういう危機感が抜けてたワタルもどうなのかしら? 今回はどうにかなったし日本人帰還の助けになるような収穫もあったからよかったけれど、二人ともデートの事で気を緩め過ぎだったんじゃないのかしら」
『うっ…………』
二人ががくりと項垂れてか細い声でごめんなさいを言った。
「勿論良い人間が居るのも確かよ、でも私達は今知らない土地に居るの、住み慣れたクオリアや見慣れたクロイツの外なのだからそれなりの気構えでいないと何かあった時辛いわよ? リオとミシャだって凄く心配してたのよ?」
ティナが珍しく真面目に説教してる……私が言いたかった事を色々言われた……私も何か言おうと思ってたけどワタルもナハトも弱々しく返事を繰り返してるからもういいかな?
「ティナ……ごめんな――」
「弱りきったワタル可愛い~っ!」
やっぱりティナはティナだった……弱ったワタルを抱き締めて頬擦りしてる……この為に説教したの?
「航、ちょっといいか――悪かった。え~と、二時間くらい後なら話いいか?」
「いや違うから! なんもしてない! ティナが戯れてただけだから!」
ノックの後に扉を開けた天明がすぐに扉を閉めて扉越しに話しかけてるのをワタルが慌てて扉を開けた。
「あら、せっかく気を遣ってくれてるのだからそういう事でもいいのに……」
「いいわけあるか――んで、なんかあったのか?」
「ああ、大した事じゃないんだけど、航と一緒にティナさんが救出した二人がティナさんにもう一度ちゃんとお礼を言いたいそうだから時間が取れないかと」
「あら、幼いのに随分と礼儀正しい娘たちね。いいわ、私もワタルがお世話になった事をお礼しないと」
「彼女たちは裕福な商家の娘だから一般の女の子たちより礼儀作法について厳しくされてたみたいですね」
「その裕福な家庭のお嬢様が攫われてたってのは身代金か?」
「いいや、彼女たちの父親がルイズ家の意向に逆らったからその報復らしい」
実行犯の海賊を押さえて船長たちを懐柔したおかげで次から次へとルイズ家の悪事の話が出てきて忙しくなるって天明は顔を顰めてる。
でもあの船長姉妹を従わせる事が出来たのはかなりの収穫で能力を持つ犯罪者の扱いが楽になるとも笑ってた。
変な名前で暴れ回ってた日本人たちも能力を抜かれてただの人間に戻されて日本に帰還後犯罪者として裁かれるみたい。
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