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そうだ名古屋に行こう6
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新幹線の改札を出てすぐの広場。
そこにもやっぱり強面な人のかたまりがいて。
ご迷惑ですよ。ほら、ベビーカーのお母さんがめっちゃ遠巻きに避けて歩いてる。
人の流れを阻害しすぎ。
それは今の僕の半径3メートルも同じような物なので人のこと言えないけど。
そんな人混みの中心にいるのは圭介さんのお父さん。
予想外のところから知った顔が現れる。
今日の占いは本当によく当たるな。
ホワイトカラーのリネンスーツにカンカン帽。
丁寧に撫でつけられたロマンスグレーの髪の毛。
夏らしい装いです。カッコイイ。
「よく来たのー。鈴ちゃんは今日も別嬪さんだ」
「保さんもお元気そうでなによりです」
鈴村さん、普通に挨拶して普通にお話してるけど仲良し?
僕も挨拶しといた方がいい?
でも今日は女の子の格好してないし、僕がお花見で挨拶した佐倉唯って分かってるのかな?
圭介さんのお父さんは分かってそうだけど、まわりの警備の人達まで知ってるかは謎。
エクスキューズミー。本日の僕のキャラ設定資料くださーい。
とくに僕のこと連れ回しといて放置プレーな鈴村さんは責任もってキャラ指定しといてください。
現場が混乱してますよ。
「サクちゃんもよく来てくれた。疲れてないか?」
「新幹線で座っていただけだし疲れることなんてないです」
圭介さんのお父さんからサクちゃんって呼んでもらえたってことは僕はお花見でご一緒した佐倉でよろしいのでしょうか?
さっきからずっと手探りだよ。
身体的な疲労はなくても精神的な消耗が辛いです。
梅雨明けて本格的に暑くなってきたよねー。
今年も猛暑の予報らしいよー。
熱中症には気をつけてくださいねー。
って当たり障りない会話で誤魔化してたら。
うっかり圭介さんのお父さんをお名前で呼んじゃって。
「保さんなんて呼ばれるの儂は好かんなー」
って言われちゃった。
馴れ馴れしくてごめんなさい。
鈴村さんが保さんって呼んでるからって僕が名前で呼んでいいわけないよね。
お詫びして訂正致します。
「儂、サクちゃんにはお父さんって呼ばれたいなー」
僕はいまお宅の息子さんと絶賛喧嘩中なのですが。
「お義父さんって呼んでもいいんですか?」
「パパでも良いぞー」
「パパはさすがに恥ずかしいかな。僕もう大人だし。お義父さんって呼ばせてもらいますね」
僕は圭介さんと仲直りしたいんだし。
まずはお義父さんと仲良くなっておこう。
お義父さん。いい響きだな。お付き合いを許された感。
「可愛い息子がまた増えたー」
お義父さんはとっても嬉しそう。僕も仲良くなれて嬉しいよ。
鈴村さんは勝手にしろって呆れてる感じ。
でもさ、呼び方って大事だよ。
その人との関係性が現れるじゃん。
さて、警備隊の方々の話し合いも終わったご様子。
壁やんは相変わらず僕の壁ですけど。ようやく移動できる。
ここはみんなの邪魔だもんね。
「サクちゃんはお昼まだだろー? お父さんが美味しいもの食わせてやる。ちょっと距離あるから車で行くぞー」
これに乗りなさいって駅前に止められてたお義父さんの車。とっても趣味っぽい。
タイヤが大きくて、ごつくて。これ街中用じゃない。
キャンプに行って沢を横切れるやつだよね。
鈴村さんとお義父さんと一緒に乗ったけど距離が本当にちょっとで、歩いても良かったんじゃないってくらい近かった。
何台も車の列を作って移動する必要なくない?
そこにもやっぱり強面な人のかたまりがいて。
ご迷惑ですよ。ほら、ベビーカーのお母さんがめっちゃ遠巻きに避けて歩いてる。
人の流れを阻害しすぎ。
それは今の僕の半径3メートルも同じような物なので人のこと言えないけど。
そんな人混みの中心にいるのは圭介さんのお父さん。
予想外のところから知った顔が現れる。
今日の占いは本当によく当たるな。
ホワイトカラーのリネンスーツにカンカン帽。
丁寧に撫でつけられたロマンスグレーの髪の毛。
夏らしい装いです。カッコイイ。
「よく来たのー。鈴ちゃんは今日も別嬪さんだ」
「保さんもお元気そうでなによりです」
鈴村さん、普通に挨拶して普通にお話してるけど仲良し?
僕も挨拶しといた方がいい?
でも今日は女の子の格好してないし、僕がお花見で挨拶した佐倉唯って分かってるのかな?
圭介さんのお父さんは分かってそうだけど、まわりの警備の人達まで知ってるかは謎。
エクスキューズミー。本日の僕のキャラ設定資料くださーい。
とくに僕のこと連れ回しといて放置プレーな鈴村さんは責任もってキャラ指定しといてください。
現場が混乱してますよ。
「サクちゃんもよく来てくれた。疲れてないか?」
「新幹線で座っていただけだし疲れることなんてないです」
圭介さんのお父さんからサクちゃんって呼んでもらえたってことは僕はお花見でご一緒した佐倉でよろしいのでしょうか?
さっきからずっと手探りだよ。
身体的な疲労はなくても精神的な消耗が辛いです。
梅雨明けて本格的に暑くなってきたよねー。
今年も猛暑の予報らしいよー。
熱中症には気をつけてくださいねー。
って当たり障りない会話で誤魔化してたら。
うっかり圭介さんのお父さんをお名前で呼んじゃって。
「保さんなんて呼ばれるの儂は好かんなー」
って言われちゃった。
馴れ馴れしくてごめんなさい。
鈴村さんが保さんって呼んでるからって僕が名前で呼んでいいわけないよね。
お詫びして訂正致します。
「儂、サクちゃんにはお父さんって呼ばれたいなー」
僕はいまお宅の息子さんと絶賛喧嘩中なのですが。
「お義父さんって呼んでもいいんですか?」
「パパでも良いぞー」
「パパはさすがに恥ずかしいかな。僕もう大人だし。お義父さんって呼ばせてもらいますね」
僕は圭介さんと仲直りしたいんだし。
まずはお義父さんと仲良くなっておこう。
お義父さん。いい響きだな。お付き合いを許された感。
「可愛い息子がまた増えたー」
お義父さんはとっても嬉しそう。僕も仲良くなれて嬉しいよ。
鈴村さんは勝手にしろって呆れてる感じ。
でもさ、呼び方って大事だよ。
その人との関係性が現れるじゃん。
さて、警備隊の方々の話し合いも終わったご様子。
壁やんは相変わらず僕の壁ですけど。ようやく移動できる。
ここはみんなの邪魔だもんね。
「サクちゃんはお昼まだだろー? お父さんが美味しいもの食わせてやる。ちょっと距離あるから車で行くぞー」
これに乗りなさいって駅前に止められてたお義父さんの車。とっても趣味っぽい。
タイヤが大きくて、ごつくて。これ街中用じゃない。
キャンプに行って沢を横切れるやつだよね。
鈴村さんとお義父さんと一緒に乗ったけど距離が本当にちょっとで、歩いても良かったんじゃないってくらい近かった。
何台も車の列を作って移動する必要なくない?
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