130 / 189
南方諸国編
130 南方諸国へ-「モザ島」-
しおりを挟む
翌日、隣の島「モザ」に渡った。
ここでも、ミリィとアリスの効果は絶大だった。っていうか、一発でバレる。
「もう、ミリィとアリスを代表にしようよ」ピステルが僻んでるし。
「まぁ、まぁ」ナエル王が宥めていた。
そういえば、ペリ君が静かだなと思っていたら、見ると何か別のことを考えているようだ。
「そうじゃ、モザ島を飛行艇で飛ぶのはどうじゃろう?」
ぱっと明るい顔になって言うペリ君。
名案を思い付いたという顔だ。相変わらず乗り物関係だけど悪くないかも。この島は中央に高い山があり全体を見渡しにくいのだ。
「おお、上空からご覧になりますか? それでは私がご説明いたしましょう」
モザ王国のミモザ国王がその気になってくれた。
ん? もしかして、ミが名前でモザが姓? ミ・モザ? セルー王国の国王マセルって、名前はマなのか? 姓がセルなのか?
ー そうみたいね。というか、姓と合わせて名前にするみたいね。
アリスがそっと教えてくれた。
なるほど。名前の一部にするんだ。一文字だから珍しいが、組み合わせることはネーミングとしては可笑しくない。これだと、何世とか言ってないだけで同じ名前を継承してるのかも知れない。
* * *
ともかく、ミモザ国王を伴って飛行艇に乗り移った。
「おお、天馬に……」などと感激している。あ、天馬一号はこれじゃないから。っていうか、マッセル国王と反応が似てる。
神魔動飛行艇は周囲の驚愕の声とともに上昇した。
今日のパイロットはミゼールだ。
首都モザは島の東岸中央に位置している。対岸にセルー島があるわけだが五十キロほど離れている。
ここから発進して、まずはモザ島を北上した。
「見ての通り、モザは港としてはあまり使えないのが難点です」
確かにモザ島の東岸は、ほぼ直線の海岸なのでちょっとした小舟を係留するにも苦労しそうだ。島が接近していて海流が緩やかなので、なんとか使えているというところだ。
海岸線を三百キロメートルほど北上すると最北端に到達する。
ここの対岸が、丁度セルー島の首都ラースになる。ラースは小さいながらも湾になっているのだが、こちらは残念ながら断崖絶壁だった。
最北端をぐるっと回って今度は西側を南下する。東西は最大で四百キロメートルほどの縦長の島で中央に山が連なっていた。
「こちらは穀倉地帯です。水が豊富なので、穀物以外にも多彩な作物を作っています」
確かに、大河ではないがいくつか川が見えた。海までの距離は短いので流れは速いだろうな。
「ただ、水が豊富なのはいいのですが嵐もまた多く水害も多いのが難点でして」
なるほど。この辺りはスコールが多いのだろうが台風のような嵐もあるのだろう。
セルー島と同等の大きさのモザ島だが、セルー島とは半分ほど南にずれているので最南端は熱帯というより亜熱帯になっているようだ。最南端まで来れば、作物もだいぶ違っているだろう。
「御覧の通り、この国の利点は地形であり、難点もまた地形という訳です」
なるほど。生産性はあるが生産した物を売れない環境なのだ。
近くの島に売れるだけでも景気が良くなるだろう。さらに南には別の島があるが、百キロメートル以上離れているので、せめてセルー島と交易をしたいところだろう。
* * *
モザ島の遊覧飛行から戻ると、すぐに大陸連絡評議会加盟のセレモニーとなった。
承認するというか、ここでも全て女神様のいう通りという感じですんなり話は終わってしまった。
そのため、評議会加盟宣言と侍女隊のデモンストレーションが終わると首都モザはお祭り騒ぎになった。
もともと黒青病の被害は無かったし気楽なものだ。というか、女神様降臨だから騒がないほうが可笑しい。
「それでは、これからは貴国から飛行船が定期的に来てくださると言うことですか?」
夕刻、歓迎の宴でミモザ国王が驚いた様子で言った。
「はい、まだ準備段階ですがぜひ交易したいと考えています」
俺は、テーブルに置かれた南国フルーツの山盛りを眺めながら言った。セルー島と同じものもあるが、ちょっと柑橘類が多いようだ。それはそれでいい。
「おお、素晴らしい。ありがとうございます。これも、女神様の思し召し。あ、おいででしたね。まさに、女神様の御威光ここに極まれりでしょうか」
うん、まぁ、そうなんだけど。こちらの意見を丸のみにしちゃうのは問題だな。
もう、話し合いとかの状況じゃないからなぁ。逆にこっちが責任重大になる。調べるの大変なんだから、何か事情があるなら話してもらわないと。
「素直な気持ちを話されるといいと思いますよ。そこを含めて交易相手と調整することになります」
「おお、そうですね。私どもの気づかいなど所詮は人の考えの内、初めから全て打ち明けるべきなのでしょうね。ただ、私たちの至らぬことは、恥じ入るばかりですが」
ああ、なるほど。恥ずかしくて言えないってこともあるのか。そういえば、「難点も地形」と言っていたが。
「やはり、港が最大の懸案事項でしょうか?」
「はい、そうですね。港さえあればと、いつも思っておりますが、こればかりは……」
他の大陸と交易を始めるにしても、セルー島との交易を増やして全体にレベルアップしておいて貰いたいものだ。
「作りましょうか?」
「はい?」
「港を作りましょう。モザの前の海でいいでしょうか?」
国王、ちょっと逡巡したようだが意を決して言った。
「そのような、お願いをしてもよろしいのでしょうか?」
「いいですよ。こちらへ来る前にもヨセムという街で港を作ってきました。まぁ、海流の関係もあるので上手くいくか分かりませんが」
「おおおおお。あがりがとうございます」
国王、伏してしまった。それだけ大きい課題だったんだな。
「大丈夫ですよ。大した手間じゃありません。明日、さっそく作りましょう」と言って俺は笑った。
* * *
翌日、俺たちは首都モザの東岸に立っていた。
モザの前の海岸は断崖ではないがすぐに深くなるようだった。
深くとは言っても海溝でもないし、たかが知れている。逆に商船運航には都合がいい深さだ。これなら防波堤だけあれば底を攫う必要もないだろう。俺はさっそく近くに転がる岩を集めて浮かし、溶かしてブロックを作った。
「「「「「「「「「「おおおおっ」」」」」」」」」」
岸辺に集まっている住民から思わずどよめきが起こった。なんか、見世物っぽいな。
まぁ、中止するのも悪いので、とっとと作ってしまおう。
ブロックの置き場所を平たく攫い、岩を集めて溶かしブロックに成形して、設置する。ポンポンポン。
よく考えたら、俺だけがやることないんだよな~っ。ちらっと美鈴を見る。
「あ、そうだね。そのやり方でいいんだよね」
やっと気が付いたようで、反対側の防波堤を作り始めた。
ミゼールたち侍女隊も参加した。神化リング持ってる人は余裕なんだよ。ポポポポポン。
「「「「「「「「「「うぁあああああっ」」」」」」」」」」
また違ったどよめきが起こる。「この人たち全員ただ者ではない」という驚き。そう、可愛いだけじゃないんです、うちの嫁。
「す、すご~いっ。マスターの妃さんたちって凄いんだね~っ」肩の上でミリィが驚いている。
「ああ、そうか。まだ説明してないけど、あいつら全員俺の使徒だから」
「そうなんだ。私も頑張れば出来る?」
「あ~、まぁ、出来なくもないと思うけど魔力切れ起こすかも。後で教えるから、今日は様子を見てろ」
「うんっ」
素直な妖精で良かった。あ、違う。素直な妖精族で良かった。
防波堤の港は、あっという間に出来た。
岸がちょっと高めだったので船着き場と降りる階段も石造りで作る。
「本当に何から何まで、なんとお礼を申し上げてよいか分かりません。この御恩、一生忘れません」ミモザ王、感激頻り。
特効薬は必要無かった分こっちが感謝された。これで、セルー島との交易も活発になるだろう。
「これより、南方の島に向かわれるのですね。もし、よろしければ私もお供いたしましょうか?」とミモザ王。
「それは助かります。ではよろしく」ピステルは、肩の荷が下りたという顔で言った。
若いので好奇心旺盛なようだ。ミモザ王が、一緒ならこの先も話が早いだろう。
* * *
ミモザ王が同行することなったので準備もあり、その日はモザ島に留まることになった。
夕食も終わり、最後にお茶を飲んで寛いでいた。
「ピステル殿は、普通の人なのですね」と安心したように言うミモザ王。
「はい。普通の人間ですよ」とピステル。
「私も、普通の人間ですぞ」とナエル王。
「おお、左様ですか。さぞ大変なのでしょうね」とミモザ王。
「いえ、まぁ、驚くことばかりで楽しいですよ。それに、お陰様で国が急速に繁栄しています」とピステル。
「それについては、異存ありませんな。感謝しきれません」とナエル王。
「このような天翔ける神々の神殿に付き従うのは簡単なことではないでしょう。お察しします」とミモザ王。
そうか。天翔ける神殿に付き従ってるように見えるのか。
「なるほど。長くリュウジ殿と一緒にいるために、あたりまえになっていましたが、確かにこの飛行船。普通じゃないですからね」ピステルは改めてそう思った。
「左様。海にも潜ったそうだからな」とナエル王。
「な、なんと。それは真か? この神殿は意のままに何処へなりと行けるのですか?」
「はい。私は、一緒に海に潜りました。海の中で獲った魚を食べましたが、格別です」ピステル、なぜか自慢げ。
「ほう」とナエル王。
「……」ミモザ王はちょっと違う想像をしているかも知れない。
「あ、先ほど一緒に乗った飛行艇も海に潜れますよ」とピステル。
「そうそう。それは私も乗せて貰いました。いや、あの海底探検は驚異の体験でした。信じられないことの連続で……」いや、そっちの話はミモザ王には言えないでしょ?
「……」
「!!!」
「???」
三者三様の思いで言葉を失う人たち。共に心ここにあらず。ピステル、虐めは良くないよ。
ともかく、王族の友情が生まれたようである。
ここでも、ミリィとアリスの効果は絶大だった。っていうか、一発でバレる。
「もう、ミリィとアリスを代表にしようよ」ピステルが僻んでるし。
「まぁ、まぁ」ナエル王が宥めていた。
そういえば、ペリ君が静かだなと思っていたら、見ると何か別のことを考えているようだ。
「そうじゃ、モザ島を飛行艇で飛ぶのはどうじゃろう?」
ぱっと明るい顔になって言うペリ君。
名案を思い付いたという顔だ。相変わらず乗り物関係だけど悪くないかも。この島は中央に高い山があり全体を見渡しにくいのだ。
「おお、上空からご覧になりますか? それでは私がご説明いたしましょう」
モザ王国のミモザ国王がその気になってくれた。
ん? もしかして、ミが名前でモザが姓? ミ・モザ? セルー王国の国王マセルって、名前はマなのか? 姓がセルなのか?
ー そうみたいね。というか、姓と合わせて名前にするみたいね。
アリスがそっと教えてくれた。
なるほど。名前の一部にするんだ。一文字だから珍しいが、組み合わせることはネーミングとしては可笑しくない。これだと、何世とか言ってないだけで同じ名前を継承してるのかも知れない。
* * *
ともかく、ミモザ国王を伴って飛行艇に乗り移った。
「おお、天馬に……」などと感激している。あ、天馬一号はこれじゃないから。っていうか、マッセル国王と反応が似てる。
神魔動飛行艇は周囲の驚愕の声とともに上昇した。
今日のパイロットはミゼールだ。
首都モザは島の東岸中央に位置している。対岸にセルー島があるわけだが五十キロほど離れている。
ここから発進して、まずはモザ島を北上した。
「見ての通り、モザは港としてはあまり使えないのが難点です」
確かにモザ島の東岸は、ほぼ直線の海岸なのでちょっとした小舟を係留するにも苦労しそうだ。島が接近していて海流が緩やかなので、なんとか使えているというところだ。
海岸線を三百キロメートルほど北上すると最北端に到達する。
ここの対岸が、丁度セルー島の首都ラースになる。ラースは小さいながらも湾になっているのだが、こちらは残念ながら断崖絶壁だった。
最北端をぐるっと回って今度は西側を南下する。東西は最大で四百キロメートルほどの縦長の島で中央に山が連なっていた。
「こちらは穀倉地帯です。水が豊富なので、穀物以外にも多彩な作物を作っています」
確かに、大河ではないがいくつか川が見えた。海までの距離は短いので流れは速いだろうな。
「ただ、水が豊富なのはいいのですが嵐もまた多く水害も多いのが難点でして」
なるほど。この辺りはスコールが多いのだろうが台風のような嵐もあるのだろう。
セルー島と同等の大きさのモザ島だが、セルー島とは半分ほど南にずれているので最南端は熱帯というより亜熱帯になっているようだ。最南端まで来れば、作物もだいぶ違っているだろう。
「御覧の通り、この国の利点は地形であり、難点もまた地形という訳です」
なるほど。生産性はあるが生産した物を売れない環境なのだ。
近くの島に売れるだけでも景気が良くなるだろう。さらに南には別の島があるが、百キロメートル以上離れているので、せめてセルー島と交易をしたいところだろう。
* * *
モザ島の遊覧飛行から戻ると、すぐに大陸連絡評議会加盟のセレモニーとなった。
承認するというか、ここでも全て女神様のいう通りという感じですんなり話は終わってしまった。
そのため、評議会加盟宣言と侍女隊のデモンストレーションが終わると首都モザはお祭り騒ぎになった。
もともと黒青病の被害は無かったし気楽なものだ。というか、女神様降臨だから騒がないほうが可笑しい。
「それでは、これからは貴国から飛行船が定期的に来てくださると言うことですか?」
夕刻、歓迎の宴でミモザ国王が驚いた様子で言った。
「はい、まだ準備段階ですがぜひ交易したいと考えています」
俺は、テーブルに置かれた南国フルーツの山盛りを眺めながら言った。セルー島と同じものもあるが、ちょっと柑橘類が多いようだ。それはそれでいい。
「おお、素晴らしい。ありがとうございます。これも、女神様の思し召し。あ、おいででしたね。まさに、女神様の御威光ここに極まれりでしょうか」
うん、まぁ、そうなんだけど。こちらの意見を丸のみにしちゃうのは問題だな。
もう、話し合いとかの状況じゃないからなぁ。逆にこっちが責任重大になる。調べるの大変なんだから、何か事情があるなら話してもらわないと。
「素直な気持ちを話されるといいと思いますよ。そこを含めて交易相手と調整することになります」
「おお、そうですね。私どもの気づかいなど所詮は人の考えの内、初めから全て打ち明けるべきなのでしょうね。ただ、私たちの至らぬことは、恥じ入るばかりですが」
ああ、なるほど。恥ずかしくて言えないってこともあるのか。そういえば、「難点も地形」と言っていたが。
「やはり、港が最大の懸案事項でしょうか?」
「はい、そうですね。港さえあればと、いつも思っておりますが、こればかりは……」
他の大陸と交易を始めるにしても、セルー島との交易を増やして全体にレベルアップしておいて貰いたいものだ。
「作りましょうか?」
「はい?」
「港を作りましょう。モザの前の海でいいでしょうか?」
国王、ちょっと逡巡したようだが意を決して言った。
「そのような、お願いをしてもよろしいのでしょうか?」
「いいですよ。こちらへ来る前にもヨセムという街で港を作ってきました。まぁ、海流の関係もあるので上手くいくか分かりませんが」
「おおおおお。あがりがとうございます」
国王、伏してしまった。それだけ大きい課題だったんだな。
「大丈夫ですよ。大した手間じゃありません。明日、さっそく作りましょう」と言って俺は笑った。
* * *
翌日、俺たちは首都モザの東岸に立っていた。
モザの前の海岸は断崖ではないがすぐに深くなるようだった。
深くとは言っても海溝でもないし、たかが知れている。逆に商船運航には都合がいい深さだ。これなら防波堤だけあれば底を攫う必要もないだろう。俺はさっそく近くに転がる岩を集めて浮かし、溶かしてブロックを作った。
「「「「「「「「「「おおおおっ」」」」」」」」」」
岸辺に集まっている住民から思わずどよめきが起こった。なんか、見世物っぽいな。
まぁ、中止するのも悪いので、とっとと作ってしまおう。
ブロックの置き場所を平たく攫い、岩を集めて溶かしブロックに成形して、設置する。ポンポンポン。
よく考えたら、俺だけがやることないんだよな~っ。ちらっと美鈴を見る。
「あ、そうだね。そのやり方でいいんだよね」
やっと気が付いたようで、反対側の防波堤を作り始めた。
ミゼールたち侍女隊も参加した。神化リング持ってる人は余裕なんだよ。ポポポポポン。
「「「「「「「「「「うぁあああああっ」」」」」」」」」」
また違ったどよめきが起こる。「この人たち全員ただ者ではない」という驚き。そう、可愛いだけじゃないんです、うちの嫁。
「す、すご~いっ。マスターの妃さんたちって凄いんだね~っ」肩の上でミリィが驚いている。
「ああ、そうか。まだ説明してないけど、あいつら全員俺の使徒だから」
「そうなんだ。私も頑張れば出来る?」
「あ~、まぁ、出来なくもないと思うけど魔力切れ起こすかも。後で教えるから、今日は様子を見てろ」
「うんっ」
素直な妖精で良かった。あ、違う。素直な妖精族で良かった。
防波堤の港は、あっという間に出来た。
岸がちょっと高めだったので船着き場と降りる階段も石造りで作る。
「本当に何から何まで、なんとお礼を申し上げてよいか分かりません。この御恩、一生忘れません」ミモザ王、感激頻り。
特効薬は必要無かった分こっちが感謝された。これで、セルー島との交易も活発になるだろう。
「これより、南方の島に向かわれるのですね。もし、よろしければ私もお供いたしましょうか?」とミモザ王。
「それは助かります。ではよろしく」ピステルは、肩の荷が下りたという顔で言った。
若いので好奇心旺盛なようだ。ミモザ王が、一緒ならこの先も話が早いだろう。
* * *
ミモザ王が同行することなったので準備もあり、その日はモザ島に留まることになった。
夕食も終わり、最後にお茶を飲んで寛いでいた。
「ピステル殿は、普通の人なのですね」と安心したように言うミモザ王。
「はい。普通の人間ですよ」とピステル。
「私も、普通の人間ですぞ」とナエル王。
「おお、左様ですか。さぞ大変なのでしょうね」とミモザ王。
「いえ、まぁ、驚くことばかりで楽しいですよ。それに、お陰様で国が急速に繁栄しています」とピステル。
「それについては、異存ありませんな。感謝しきれません」とナエル王。
「このような天翔ける神々の神殿に付き従うのは簡単なことではないでしょう。お察しします」とミモザ王。
そうか。天翔ける神殿に付き従ってるように見えるのか。
「なるほど。長くリュウジ殿と一緒にいるために、あたりまえになっていましたが、確かにこの飛行船。普通じゃないですからね」ピステルは改めてそう思った。
「左様。海にも潜ったそうだからな」とナエル王。
「な、なんと。それは真か? この神殿は意のままに何処へなりと行けるのですか?」
「はい。私は、一緒に海に潜りました。海の中で獲った魚を食べましたが、格別です」ピステル、なぜか自慢げ。
「ほう」とナエル王。
「……」ミモザ王はちょっと違う想像をしているかも知れない。
「あ、先ほど一緒に乗った飛行艇も海に潜れますよ」とピステル。
「そうそう。それは私も乗せて貰いました。いや、あの海底探検は驚異の体験でした。信じられないことの連続で……」いや、そっちの話はミモザ王には言えないでしょ?
「……」
「!!!」
「???」
三者三様の思いで言葉を失う人たち。共に心ここにあらず。ピステル、虐めは良くないよ。
ともかく、王族の友情が生まれたようである。
13
お気に入りに追加
494
あなたにおすすめの小説
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。
黒ハット
ファンタジー
前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。
元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
【旧版】パーティーメンバーは『チワワ』です☆ミ
こげ丸
ファンタジー
===================
◆重要なお知らせ◆
本作はこげ丸の処女作なのですが、本作の主人公たちをベースに、全く新しい作品を連載開始しております。
設定は一部被っておりますが全く別の作品となりますので、ご注意下さい。
また、もし混同されてご迷惑をおかけするようなら、本作を取り下げる場合がございますので、何卒ご了承お願い致します。
===================
※第三章までで一旦作品としては完結となります。
【旧題:異世界おさんぽ放浪記 ~パーティーメンバーはチワワです~】
一人と一匹の友情と、笑いあり、涙あり、もう一回笑いあり、ちょこっと恋あり の異世界冒険譚です☆
過酷な異世界ではありますが、一人と一匹は逞しく楽しく過ごしているようですよ♪
そんなユウト(主人公)とパズ(チワワ)と一緒に『異世界レムリアス』を楽しんでみませんか?(*'▽')
今、一人と一匹のちょっと変わった冒険の旅が始まる!
※王道バトルファンタジーものです
※全体的に「ほのぼの」としているので楽しく読んで頂けるかと思っています
※でも、時々シリアスモードになりますのでご了承を…
=== こげ丸 ===
いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!
町島航太
ファンタジー
ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。
ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる