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第16章 主人公をロックオンした美女たち

100 のろいに対抗する手段 シルバー×紅丸=ゴールド

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 19日目 AM   9:00 朝
《2日に一度の会議: 偶数日の予定、本日なし。

 一番権利者: オルア。》





絵美
「アリムさん、なにかしら?」

真々美
「なにをすればいい?」

アリム
「真々美の【妖刀斬ようとうざん 紅丸べにまる】のちからを、
絵美様が持つ【シルバーソードの試作品しさくひん】に
おぼえさせてしいです。」

妖刀斬ようとうざん 紅丸べにまる
拙者せっしゃのちからをでござるか?」

アリム
「そうです。
 みなさん、お願いできますか?」

絵美
「わたしと真々美がけんいをすればいいのかしら?」

アリム
「えー、もうげにくいのですが、シルバーソード試作品では粉々こなごな になってしまいます。」

絵美
りゅうくんが作った剣を馬鹿ばかにしているの?」

アリム
「いいえ、ちがいます。
 ご説明いたします。 絵美様。
 シルバーソードは、現実界げんじつかいにあるものは、なんでも切れます。」

絵美
「分かっているじゃない。」

アリム
「しかし、それ以外のもの、目に見えないものは切れません。
 例えば、光、風、霊体れいたい妖力ようりょく呪力じゅりょく電波でんぱ放射線ほうしゃせんなどは切れません。
 ですから、シルバーソードのついとなる【ゴールドソード】を開発して切ろうと考えました。

 前世のボクであるりゅうくんは、【ゴールドソード】製作のためのヒントが欲しいと考えているはずです。」

真々美
「【妖刀斬ようとうざん 紅丸べにまる】は切れるのか?」

アリム
「切れるはずです。
 ですよね。 紅丸。」

紅丸
「そのとおりですじゃ。
 ただし、ひとのえにしだけは切れません。」

アリム
「良かったね。
 ひとひとえんを切ってしまったら、神々のいかりを買うからね。」

紅丸
「その可能性かのうせいが高いですな。

 ところで、拙者せっしゃは、どうすればいのでござるか?
 打ち合ったら駄目だめとなると、さわるだけでござるか?」

アリム
「その通りだよ。
 ほんの1秒、目がまたたきするくらいの一瞬いっしゅんだけで十分じゅうぶんだ。
 それを、やすみを入れながら、合計3回お願いします。」

紅丸
「ふむ、おやす御用ごようでござる。」

絵美
「なんだか気に入らないけれど、わたしは、どうするの?」

アリム
「シルバーソードの愛情エネルギーを満タンにして、剣をかまえてください。」

絵美
かまえるだけでいいの?
 もしかして、記録きろくを取るためのログきろく装置そうちが、シルバーソードについていますか?」

アリム
「ついているはずです。
 としか言えないです。

 シルバーソードの仕組しくみについては分からないので、説明せつめいできないです。」

絵美
前世ぜんせ記憶きおくは、完全かんぜんではないのね。」

アリム
「おしゃるとおりです。
 物語ものがたりのあらすじを知っている程度ていどと思っていただければ、たすかります。」

絵美
「まあ、りゅうくんのためになるなら、やっておいて、そんはないわね。
 真々美、紅丸さん、協力きょうりょくをおねがいできるかな?」

真々美
「ああ、もちろん。」

紅丸
「もちろんでござる。」





アリム
「それでは、絵美様、シルバーソードをたてりにかまえていただけますか?」

絵美
「これでいい?」

アリム
「はい、そのままで止まってください。
 エネルギー充填じゅうてんまんタンですか?」

絵美
「ええ、もちろん。」

アリム
「ありがとう。

 真々美も同じように構えてくれますか?」

真々美
「これでいいか?」

アリム
「そうです。
 真々美は、そのまま、ゆっくりと近づいて、シルバーソードのエネルギーまくの外側に、紅丸を少しだけれさせてくれますか?」

 真々美はアリムが言うとおりにした。

 剣と剣が打ち合ったとき、
    「バシュウーーー」
という音がして、シルバーソードのエネルギーまくった。

絵美
「えぅ? ほんの一瞬いっしゅんよね。」

アリム
「そうですね。
 紅丸にられたというか? ばされたというか?

 絵美、もう一度、シルバーソードのエネルギーを充填じゅうてんしてください。」

絵美
「えっ、ええ。」

 絵美はアリムに言われたとおりにした。
 2回目、3回目も同じ結果だった。

真々美
「すごいな。 紅丸は。」

紅丸
「まあ、当然とうぜんでござるな。
 現実界げんじつかいちからしかめられていないカタナのようですからな。
 わたしは、現実界げんじつかいの外にある【幻魔界げんまかい】のちからも持っていますから。」

絵美
「アリム、せっかくだから、シルバーソードのちから全部試ぜんぶためしてもいいかな?」

アリム
「もしかして、
  真空導波しんくうどうは
  そらいかづち
のことですか?」

絵美
剣撃けんげきである真空導波しんくうどうはは大丈夫かもしれませんが、
 落雷らくらいを呼ぶ【キュワールサ】は無理むりだと思います。

 紅丸、どうですか?」

紅丸
「真々美と打合うちあわせする時間をもらえますか?」

アリム
「絵美、時間をくれますか?」

絵美
「どうぞ、その間に、シルバーソードに愛情あいじょうエネルギーを追加ついかしておきます。」

 紅丸は真々美になにかを説明せつめいしていた。

 真々美は、カタナつかやいばからとお部分ぶぶんと、
さやまる突起とっき側面そくめんから見ている。

真々美
「またせたな。
 絵美、アリム。
 準備じゅんびができた。」

絵美
「じゃあ、いくわよ。
 真々美。
 『シルバーソード 真空導波しんくうどうは』」

 高さ2m幅30cmの衝撃波しょうげきはが地上を走り、真々美にかって行った。

真々美
「『相殺波そうさいは』」

 『シルバーソード 真空導波しんくうどうは』は、かき消された。
 しかも、余波よはが絵美をきずつけることもなかった。

紅丸
加減かげんむずしいでござるが、対戦相手たいせんあいてわざすことで、こちらの力量りきりょうをわからせるときに重宝ちょうほうするわざでござる。」

絵美
「たしかに戦意せんい喪失そうしつするでしょうね。

 つぎは、【キュワールサ】をためしたいけれど、本当に大丈夫だいじょうぶなの?」

紅丸
「できれば、落とすいかづちは1本だけにしてしいでござる。」

絵美
「わかったわ。
 それくらいの手加減てかげんはするわ。」

紅丸
「かたじけないでござる。」

絵美
「『空を割るいかづち、キュワールサ』」

 真々美は、【妖刀斬ようとうざん 紅丸べにまる】のつか先端せんたんにある金属球きんぞくきゅうを、さやの丸い突起とっき側面そくめんに当ててから、さやの下部分を地面じめん突き刺つきさした。

真々美
「『大地封印だいちふういん』」

 カミナリ対策たいさく避雷針ひらいしん原理げんりで、キュワールサの落雷らくらい電気でんきエネルギーを大地だいちながした。
 その結果けっか、真々美は、無傷むきずでノーダメージだった。

真々美
「すごいな、紅丸は」

紅丸
「真々美の助力じょりょくがあればこそでござる。」

絵美
「こんなに強力な武器が、モンテハート大侯爵だいこうしゃくのコレクションにあったなんて。
 のこりのコレクションについても、くわしく調しらべるべきね。」

冬香
「モンテハート大侯爵だいこうしゃく脳内のうないをスキャンコピーしておくべきでした。」

オルア
れい口寄くちよせして、聞き出したいわね。」

絵美
「まあ、そのためにも、おとまかい開催かいさいしなくてはね。」

真々美、冬香、オルア こころの声
『どんな関係があるのだろう?』

アリム こころの声
れい口寄くちよせできる者との知り合いを、おとまかいに呼びたいのかな?』





 5人で残りの家事を片づけてから、昼ご飯を食べたのだった。


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