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第14章 女神様 ご降臨
086 万能で最強のルナです
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17日目 AM 9:50 朝
《2日に一度の会議: 偶数日の予定、本日は無し。
一番権利者: 真々美。
アリムは目を覚ました。》
◇
???
「ねえ、アリム、すこし代わってくれる?」
アリム
「ええ、助けていただけると嬉しいです。」
???
「ありがとう。
理香ちゃーん、黄花にそんな態度を取るなんて、偉くなったわねえ。」
オルア
「この声、前に聞いたことがある。
あのときの声だわ。」
☆ とつぜん、やさしい声が聞こえた。
☆
☆ 『コモンルーン 6つ目を使いなさい』
☆
☆ オルアが自身のコモンルーン選択ウィンドウを見ると、今まで空白だった場所に文字が見えた。
☆
☆ << スリーカー《1回限定》 >>
☆
☆ 008 原因不明? 救いのコモンルーン
???
「オルアさん、元気そうね。
良かったわ。
アリムさんも頑張っているわね。
さてと、理香ちゃーん。
なにか言い訳があるかなあ?」
スリーカー
「なぜ、その名前をご存じなのですか?
あなたはいったい、誰ですか?」
ルナ
「万能で最強のルナです。」
スリーカー
「さあ、聞いたこと有りませんね。」
ルナ
「こっちの名前の方が良いかなあ?
月の夜と書いて、月夜《つきよ》です。」
スリーカー
「ま、まさか、では、冬香様は?」
ルナ
「そうよ、あなたの師匠である黄花が転生した姿よ。
気付かなかったの?
ほら、見てよ。 いつも聴診器を持ち歩いて、手にしているでしょ。
昔からのくせで、聴診器が無いと落ち着かないのよ。」
冬香
「あのう、おはなしに割り込んで失礼します。
おうか というのは一体、誰のことですか?」
ルナ
「あれ? アリムさんの小説を呼んだわよね。」
冬香
「ええ、読みました。
ルナ、紅姫、黄花、青紫が登場人物ですよね。」
オルア
「冬香、あれって、「きばな」 と読むんだと思っていたわ。」
真々美
「植物の名前だとすると、「きばな」になると思うが、
人の名前の場合は、「きはな」と濁音にしない方が綺麗に聞こえるから、「きはな」 だと思うぞ。
その方が、花があって、美しいイメージになるからな。」
ルナ
「アリムさん、どうぞ。」
アリム
「おうか と読みます。
世界中心国の読み方になります。」
真々美
「そうなのか、温 秀平と書いて、ウェン シュウピン と読むようなものか?」
アリム
「その通りです。」
冬香、オルア
「「へー、分からなかったわ。」」
冬香
「ということは、もしかして、真々美とオルアも。」
ルナ
「そうよ、紅姫と青紫の転生体よ。」
オルア
「ということは、アリムはルナの転生体ですか?」
ルナ
「わたしは別のところに転生したのよ。
ごめんね。 どこかは言えないの。
ゆるしてね。
さてと、黄花自身が、つまり、冬香さん自身が気付いてなかったから仕方ないにしても、理香は気付いても良かったんじゃないかなあ?」
スリーカー
「あなたは、本当に月夜様なのですか?
わたしには信じられませんね。」
ルナ
「あら、そおお?
スリに失敗して捕まったところを、紅姫が斬り込んで助けてもらって。」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「ぎくっ」
ルナ
「器用な手先をスリという財布泥棒ではなく、医術に活かさせますから、と黄花に仲裁してもらって、」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「な、なんでそれを。」
ルナ
「首を縦に振ろうとしなかった連中に、大枚をはたいて、それこそ大判小判を積んで、青紫に買い取ってもらったことを話せば信じてくれるのかなあ?」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「月夜様、黄花様、気付けずに大変申し訳ございません。
それでも、医療費を買いたたこうとする輩はゆるせません。」
ルナ
「でも、それは、あなたの誤解だとアリムさんが説明したわよねえ。」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「う、うう。 でもでも。
初めてのときを やりなおせることがあったら、気を付けるようにすれば良いのではないですか?」
ルナ
「そんなところね。
じゃあ、よろしくね。
理香。
真面目に頑張っている貴女は素敵よ。
でもね。 少しは気を緩めて、気持ちを静めないと、小さな声や音が聞こえなくなるわよ。
黄花にも言われたでしょ。
患者を診ているときは、息を殺すように静かにして!
聞こえる音が聞こえないわ!
って。」
スリーカー《スリの理香の転生体》は、黄花が患者を診察している場面を思い出していた。
スリーカー《スリの理香の転生体》
「そうでしたね。
黄花様の声が耳に、よみがえります。」
ルナ
「理香、あとはお願いね。
どうするべきか分かるわよね。」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「そうですね。
機会があれば検討します。」
ルナ
「理香らしいわ。 元気でね。
紅姫、いいえ、真々美さん。
また会えて、うれしいわ。
体力の限界まで無理しちゃだめよ。」
真々美《紅姫の転生体》
「すまない、思い出せないんだ。」
ルナ
「いいのよ、あなたたち3人がいっしょに居る姿を見れて、本当にうれしいわ。
黄花、いいえ、冬香さん。
また会えて、うれしいわ。
医術を極めることもいいけれど、恋もしてね。
って、しているわね。 人生を楽しんでね。」
冬香《黄花の転生体》
「あの、ありがとうございます。
でも、機会があればって、来世まで待つしかないのでしょうか?」
ルナ
「アリムさんのいう通りにすればいいわ。
青紫、いいえ、オルアさん。
また会えて、うれしいわ。
在庫を多く持つことが好きなのは知っているけれど、ほどほどにね。
さびしさは物では埋められないって知っているわよね。」
オルア《青紫の転生体》
「でも、趣味の物を集めることは生きがいだから。」
ルナ
「いままでの物を捨てろとは言わないわ。
でも、これからは買いたい気持ちも無くなっていくわ。
お金がなければ買えないけれど、お金では買えない大事なものを手に入れた今ならね。」
オルア
「それって、もしかして。」
ルナ
「押したり、引いたりが重要よ。
追いかけすぎると逃げられるから、ほどほどに追いかけてね。」
オルア
「はい。」
ルナ
「アリムさん、あとはよろしくね。」
アリム
「と言われても、わたしではスリーカーさんを説得できなくて。」
ルナ
「説得はしたわ。
あとは、あなた次第よ。
理香と黄花に仕切り直す機会を用意してあげてね。」
ルナは、アリムに片目を閉じて、ウィンクした。
アリム
「う、うーん。
考えてみます。」
ルナ
「あなたなら、大丈夫よ。
そうそう、そう言えば、紅姫たちの神器が近くに来ているわね。
燃やすゴミになるまえに見つけて、渡してあげてね。
特徴は・・・
おでこをくっつけた方が早いわね。
じゃあ、よろしくね。
理香。 こっちを向きなさい。
まあ、ふくれっつらね。
あなたが引くに引けないことも分かるわ。
だからね、アリムさんが用意する舞台に上がらせてもらいなさい。
あなたも納得できる方法を用意してくれるわ。」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「はい、それなら、そうさせてもらいます。」
ルナ
「じゃあね、みんな元気で、出来る限り離れ離れにならないでね。」
◇
謎の声
「ご降臨されたのですか?
また、なつかしいお姿ですね。」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「本当の姿を見せたら、理香は切腹してしまうわ。
元々は武家の娘だったから、気位も高いのよ。
それよりも、判定と見守り、ご苦労様。
あなたには大変な役目を頼んでしまったわね。」
謎の声《性魔力 第7呪文》
「いいえ、わたしの存在を知る者はごくわずかですから、普段は余裕があります。
このようなお役目を与えられたことに感謝しています。」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「気を遣ってくれて有り難いわ。
あなたが呼び出される世の中にならないことを願っているわ。」
謎の声《性魔力 第7呪文》
「わたしも、そう願っています。
今回のループは、かなり良い状態ではないですか?」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「そうね、今回は、カセイダード王国チータマルム支国が健在だわ。
大きく改善されていると言えるわね。
前回の今頃は、カセイダード王国チータマルム支国どころか、チータマルム星が破壊されて消滅したからね。」
謎の声《性魔力 第7呪文》
「それを考えれば、最上と言えますね。」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「サア〇〇〇〇、白沢絵美、中路真々美、白石冬香、オルア サーパース、アリムを中心として良い影響が維持されるように、引き続き見守りをお願いしますね。」
謎の声《性魔力 第7呪文》
「微力をつくします。」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「謙遜しなくてもいいわ。
あなたたちは、よくやってくれているわ。
ただし、敵の動きには油断しないで。」
謎の声《性魔力 第7呪文》
「かしこまりました。」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「では、またね。」
◇
アリム
「うーん、どうすれば良いのかなあ。
そうだ。こうしよう。
冬香さん、右手のひらを私に向けてくださいな。」
冬香
「こうかしら、アリム。」
アリム
「そうそう、じゃあ、ボクの手のひらと合わせたいんだけど、しばらく我慢してね。
あ、でも、手が触れることは嫌かな?」
冬香
「嫌なわけないじゃない。
むしろ、うれしいわ。」
アリム
「良かった。
じゃあ、冬香さんの右手とボクの左手の手のひらを重ねるから、動かさないでね。」
冬香
「はい。」
冬香 こころの声
『アリムは、どうして、わたしたちの名前に「さん」付けて呼ぶのかしら。
壁を作られたみたいで悲しいわ。』
アリム
「では、行きます。
ボクの性魔力 25ポイントを譲渡します。
こぼさずに受け取ってね。」
アリムから冬香に25ポイントの魔力が譲渡された。
アリムの性魔力
現在値 43 / 最大値 90
冬香の性魔力
現在値 60 / 最大値 60
アリム
「こんなに上手く行くなんて信じられないけれど、準備は整ったかな。
さてと、
すごいよ。
冬香さん、スリーカーを習得したんだね。
最高峰の難しいコモンルーンなのに、すごいよ。
しかも、第5呪文として習得できるなんて、さらに、すごいよ。」
冬香
「アリム、なにを言っているの?」
アリム
「ねえ、冬香さんの初めてのスリーカーは誰に使用するの?」
冬香
「えっ?」
真々美
「それは、間違いなくアリムの頭に使うべきだな。
どうして、わたしたちのことを、名前にさん付けで呼ぼうとするんだ。」
アリム
「えっ?
あ、そうだよね。
思い違いしていました。
中路様、白石様、サーパース様、馴れ馴れしくして申し訳ありません。
大変、失礼しました。」
真々美
「ちがう、ちがうぞ、アリム。
わたしたちは、お互いの名前を呼び捨てで呼び合える仲なんだ。
真々美、冬香、オルアと呼び捨てで呼んで欲しいんだ。」
アリム
「えっ、まさか?
そんなことって、ありえないです。」
オルア
「冬香、もしかしたら、アリムは記憶が部分的に抜け落ちてるんじゃないかしら。」
冬香
「そんな、記憶障害は治せないわ。」
真々美
「冬香の初めてのスリーカーを使う相手が決まったな。」
オルア
「よろしくね、冬香。」
冬香
「初めてのスリーカーだったら、どんなにいいか?」
アリム
「ねえ、何の話をしているの?
ボクも仲間に入れてよ。」
冬香
「アリム、じっとしていてね。
アリムの記憶が戻りますように、わたしたちと非常に親しい関係だという記憶が無事に戻りますように!
スリーカー。」
アリムの額に当てられた、冬香の左手がまぶしく光輝いた。
スリーカー
「おや、初めましての方ですね。
性魔力 コモンルーンの1つ、スリーカーです。
第5呪文として、登録された方は、あなたが初めてですよ。」
冬香
「初めまして、お会いできて、光栄です。
スリーカーさん、わたしは白石冬香と申します。
職業は医者です。」
スリーカーは、最初からスピーカーモードで対応している。
スリーカー
「なぜ、あなたは第5呪文として、私を選んだのですか?」
冬香
「第5呪文として登録した理由は、私が習得できるのは第5呪文までだからです。
レバーラとスリーカーのどちらか1つであれば、治療ができるスリーカーのちからが欲しいと切に願っているため、スリーカーを選びました。」
スリーカー
「そうでしたか。
第5呪文の場合 診断に5ポイント 治療に5×5=25ポイントで実行できます。 第6呪文として覚えるよりも、遥かにお得ですよ。」
冬香
「ひとりでも多くの患者を治療できるのであれば、うれしいです。」
スリーカー
「あなたとは長いおつきあいになりそうですね。
ご要望のアリム様の記憶については、記憶経路を復旧しました。
もう大丈夫ですよ。
それでは失礼します。」
冬香
「スリーカーさん、ありがとうございました。」
スリーカーさんは、去って行った。
◇
アリム
「真々美、冬香、オルア、無事だったんだね。
海賊を装った敵は、どうなったの?」
真々美
「大丈夫だ、すべて片付いた。
アリムのおかげだ。」
冬香
「アリム、記憶が戻って良かったわ。」
オルア
「お帰り、アリム。」
絵美はその様子を見守って、涙を流していた。
そして、涙をふき取って、話しかけた。
絵美
「アリムさん、初めまして。わたしは、」
アリム
「絵美? 生きてる! 動いてる?
間に合った?」
絵美
「えっ? だれか私の顔写真を見せたの?」
真々美、冬香、オルアの3人は大きく首を横に振った。
絵美
「なら、どうして?
しかも、名前を呼び捨てにするなんて。」
絵美は、名前を呼び捨てされて、不機嫌さを隠しきれなかった。
オルア こころの声
『アリムは、絵美様とも知り合いなの?
またしても、前世の知り合いかなあ?』
11:00
【まめ知識】
ルナ、紅姫、黄花、青紫の物語については、
関連作品
「仲間の美女3人と万能で最強のちからを手に入れました。神様にボクの「異世界アイデア」を採用された対価です。」
をお読みください。
カクヨム様
https://kakuyomu.jp/works/16818093078010169705
【読者様へ】
あなたの10秒で、この作品にパワーをください。
「お気に入りに追加」 【 ↓ 】 お願いします。
《2日に一度の会議: 偶数日の予定、本日は無し。
一番権利者: 真々美。
アリムは目を覚ました。》
◇
???
「ねえ、アリム、すこし代わってくれる?」
アリム
「ええ、助けていただけると嬉しいです。」
???
「ありがとう。
理香ちゃーん、黄花にそんな態度を取るなんて、偉くなったわねえ。」
オルア
「この声、前に聞いたことがある。
あのときの声だわ。」
☆ とつぜん、やさしい声が聞こえた。
☆
☆ 『コモンルーン 6つ目を使いなさい』
☆
☆ オルアが自身のコモンルーン選択ウィンドウを見ると、今まで空白だった場所に文字が見えた。
☆
☆ << スリーカー《1回限定》 >>
☆
☆ 008 原因不明? 救いのコモンルーン
???
「オルアさん、元気そうね。
良かったわ。
アリムさんも頑張っているわね。
さてと、理香ちゃーん。
なにか言い訳があるかなあ?」
スリーカー
「なぜ、その名前をご存じなのですか?
あなたはいったい、誰ですか?」
ルナ
「万能で最強のルナです。」
スリーカー
「さあ、聞いたこと有りませんね。」
ルナ
「こっちの名前の方が良いかなあ?
月の夜と書いて、月夜《つきよ》です。」
スリーカー
「ま、まさか、では、冬香様は?」
ルナ
「そうよ、あなたの師匠である黄花が転生した姿よ。
気付かなかったの?
ほら、見てよ。 いつも聴診器を持ち歩いて、手にしているでしょ。
昔からのくせで、聴診器が無いと落ち着かないのよ。」
冬香
「あのう、おはなしに割り込んで失礼します。
おうか というのは一体、誰のことですか?」
ルナ
「あれ? アリムさんの小説を呼んだわよね。」
冬香
「ええ、読みました。
ルナ、紅姫、黄花、青紫が登場人物ですよね。」
オルア
「冬香、あれって、「きばな」 と読むんだと思っていたわ。」
真々美
「植物の名前だとすると、「きばな」になると思うが、
人の名前の場合は、「きはな」と濁音にしない方が綺麗に聞こえるから、「きはな」 だと思うぞ。
その方が、花があって、美しいイメージになるからな。」
ルナ
「アリムさん、どうぞ。」
アリム
「おうか と読みます。
世界中心国の読み方になります。」
真々美
「そうなのか、温 秀平と書いて、ウェン シュウピン と読むようなものか?」
アリム
「その通りです。」
冬香、オルア
「「へー、分からなかったわ。」」
冬香
「ということは、もしかして、真々美とオルアも。」
ルナ
「そうよ、紅姫と青紫の転生体よ。」
オルア
「ということは、アリムはルナの転生体ですか?」
ルナ
「わたしは別のところに転生したのよ。
ごめんね。 どこかは言えないの。
ゆるしてね。
さてと、黄花自身が、つまり、冬香さん自身が気付いてなかったから仕方ないにしても、理香は気付いても良かったんじゃないかなあ?」
スリーカー
「あなたは、本当に月夜様なのですか?
わたしには信じられませんね。」
ルナ
「あら、そおお?
スリに失敗して捕まったところを、紅姫が斬り込んで助けてもらって。」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「ぎくっ」
ルナ
「器用な手先をスリという財布泥棒ではなく、医術に活かさせますから、と黄花に仲裁してもらって、」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「な、なんでそれを。」
ルナ
「首を縦に振ろうとしなかった連中に、大枚をはたいて、それこそ大判小判を積んで、青紫に買い取ってもらったことを話せば信じてくれるのかなあ?」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「月夜様、黄花様、気付けずに大変申し訳ございません。
それでも、医療費を買いたたこうとする輩はゆるせません。」
ルナ
「でも、それは、あなたの誤解だとアリムさんが説明したわよねえ。」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「う、うう。 でもでも。
初めてのときを やりなおせることがあったら、気を付けるようにすれば良いのではないですか?」
ルナ
「そんなところね。
じゃあ、よろしくね。
理香。
真面目に頑張っている貴女は素敵よ。
でもね。 少しは気を緩めて、気持ちを静めないと、小さな声や音が聞こえなくなるわよ。
黄花にも言われたでしょ。
患者を診ているときは、息を殺すように静かにして!
聞こえる音が聞こえないわ!
って。」
スリーカー《スリの理香の転生体》は、黄花が患者を診察している場面を思い出していた。
スリーカー《スリの理香の転生体》
「そうでしたね。
黄花様の声が耳に、よみがえります。」
ルナ
「理香、あとはお願いね。
どうするべきか分かるわよね。」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「そうですね。
機会があれば検討します。」
ルナ
「理香らしいわ。 元気でね。
紅姫、いいえ、真々美さん。
また会えて、うれしいわ。
体力の限界まで無理しちゃだめよ。」
真々美《紅姫の転生体》
「すまない、思い出せないんだ。」
ルナ
「いいのよ、あなたたち3人がいっしょに居る姿を見れて、本当にうれしいわ。
黄花、いいえ、冬香さん。
また会えて、うれしいわ。
医術を極めることもいいけれど、恋もしてね。
って、しているわね。 人生を楽しんでね。」
冬香《黄花の転生体》
「あの、ありがとうございます。
でも、機会があればって、来世まで待つしかないのでしょうか?」
ルナ
「アリムさんのいう通りにすればいいわ。
青紫、いいえ、オルアさん。
また会えて、うれしいわ。
在庫を多く持つことが好きなのは知っているけれど、ほどほどにね。
さびしさは物では埋められないって知っているわよね。」
オルア《青紫の転生体》
「でも、趣味の物を集めることは生きがいだから。」
ルナ
「いままでの物を捨てろとは言わないわ。
でも、これからは買いたい気持ちも無くなっていくわ。
お金がなければ買えないけれど、お金では買えない大事なものを手に入れた今ならね。」
オルア
「それって、もしかして。」
ルナ
「押したり、引いたりが重要よ。
追いかけすぎると逃げられるから、ほどほどに追いかけてね。」
オルア
「はい。」
ルナ
「アリムさん、あとはよろしくね。」
アリム
「と言われても、わたしではスリーカーさんを説得できなくて。」
ルナ
「説得はしたわ。
あとは、あなた次第よ。
理香と黄花に仕切り直す機会を用意してあげてね。」
ルナは、アリムに片目を閉じて、ウィンクした。
アリム
「う、うーん。
考えてみます。」
ルナ
「あなたなら、大丈夫よ。
そうそう、そう言えば、紅姫たちの神器が近くに来ているわね。
燃やすゴミになるまえに見つけて、渡してあげてね。
特徴は・・・
おでこをくっつけた方が早いわね。
じゃあ、よろしくね。
理香。 こっちを向きなさい。
まあ、ふくれっつらね。
あなたが引くに引けないことも分かるわ。
だからね、アリムさんが用意する舞台に上がらせてもらいなさい。
あなたも納得できる方法を用意してくれるわ。」
スリーカー《スリの理香の転生体》
「はい、それなら、そうさせてもらいます。」
ルナ
「じゃあね、みんな元気で、出来る限り離れ離れにならないでね。」
◇
謎の声
「ご降臨されたのですか?
また、なつかしいお姿ですね。」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「本当の姿を見せたら、理香は切腹してしまうわ。
元々は武家の娘だったから、気位も高いのよ。
それよりも、判定と見守り、ご苦労様。
あなたには大変な役目を頼んでしまったわね。」
謎の声《性魔力 第7呪文》
「いいえ、わたしの存在を知る者はごくわずかですから、普段は余裕があります。
このようなお役目を与えられたことに感謝しています。」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「気を遣ってくれて有り難いわ。
あなたが呼び出される世の中にならないことを願っているわ。」
謎の声《性魔力 第7呪文》
「わたしも、そう願っています。
今回のループは、かなり良い状態ではないですか?」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「そうね、今回は、カセイダード王国チータマルム支国が健在だわ。
大きく改善されていると言えるわね。
前回の今頃は、カセイダード王国チータマルム支国どころか、チータマルム星が破壊されて消滅したからね。」
謎の声《性魔力 第7呪文》
「それを考えれば、最上と言えますね。」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「サア〇〇〇〇、白沢絵美、中路真々美、白石冬香、オルア サーパース、アリムを中心として良い影響が維持されるように、引き続き見守りをお願いしますね。」
謎の声《性魔力 第7呪文》
「微力をつくします。」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「謙遜しなくてもいいわ。
あなたたちは、よくやってくれているわ。
ただし、敵の動きには油断しないで。」
謎の声《性魔力 第7呪文》
「かしこまりました。」
ルナ《女神、融通が利かない小娘》
「では、またね。」
◇
アリム
「うーん、どうすれば良いのかなあ。
そうだ。こうしよう。
冬香さん、右手のひらを私に向けてくださいな。」
冬香
「こうかしら、アリム。」
アリム
「そうそう、じゃあ、ボクの手のひらと合わせたいんだけど、しばらく我慢してね。
あ、でも、手が触れることは嫌かな?」
冬香
「嫌なわけないじゃない。
むしろ、うれしいわ。」
アリム
「良かった。
じゃあ、冬香さんの右手とボクの左手の手のひらを重ねるから、動かさないでね。」
冬香
「はい。」
冬香 こころの声
『アリムは、どうして、わたしたちの名前に「さん」付けて呼ぶのかしら。
壁を作られたみたいで悲しいわ。』
アリム
「では、行きます。
ボクの性魔力 25ポイントを譲渡します。
こぼさずに受け取ってね。」
アリムから冬香に25ポイントの魔力が譲渡された。
アリムの性魔力
現在値 43 / 最大値 90
冬香の性魔力
現在値 60 / 最大値 60
アリム
「こんなに上手く行くなんて信じられないけれど、準備は整ったかな。
さてと、
すごいよ。
冬香さん、スリーカーを習得したんだね。
最高峰の難しいコモンルーンなのに、すごいよ。
しかも、第5呪文として習得できるなんて、さらに、すごいよ。」
冬香
「アリム、なにを言っているの?」
アリム
「ねえ、冬香さんの初めてのスリーカーは誰に使用するの?」
冬香
「えっ?」
真々美
「それは、間違いなくアリムの頭に使うべきだな。
どうして、わたしたちのことを、名前にさん付けで呼ぼうとするんだ。」
アリム
「えっ?
あ、そうだよね。
思い違いしていました。
中路様、白石様、サーパース様、馴れ馴れしくして申し訳ありません。
大変、失礼しました。」
真々美
「ちがう、ちがうぞ、アリム。
わたしたちは、お互いの名前を呼び捨てで呼び合える仲なんだ。
真々美、冬香、オルアと呼び捨てで呼んで欲しいんだ。」
アリム
「えっ、まさか?
そんなことって、ありえないです。」
オルア
「冬香、もしかしたら、アリムは記憶が部分的に抜け落ちてるんじゃないかしら。」
冬香
「そんな、記憶障害は治せないわ。」
真々美
「冬香の初めてのスリーカーを使う相手が決まったな。」
オルア
「よろしくね、冬香。」
冬香
「初めてのスリーカーだったら、どんなにいいか?」
アリム
「ねえ、何の話をしているの?
ボクも仲間に入れてよ。」
冬香
「アリム、じっとしていてね。
アリムの記憶が戻りますように、わたしたちと非常に親しい関係だという記憶が無事に戻りますように!
スリーカー。」
アリムの額に当てられた、冬香の左手がまぶしく光輝いた。
スリーカー
「おや、初めましての方ですね。
性魔力 コモンルーンの1つ、スリーカーです。
第5呪文として、登録された方は、あなたが初めてですよ。」
冬香
「初めまして、お会いできて、光栄です。
スリーカーさん、わたしは白石冬香と申します。
職業は医者です。」
スリーカーは、最初からスピーカーモードで対応している。
スリーカー
「なぜ、あなたは第5呪文として、私を選んだのですか?」
冬香
「第5呪文として登録した理由は、私が習得できるのは第5呪文までだからです。
レバーラとスリーカーのどちらか1つであれば、治療ができるスリーカーのちからが欲しいと切に願っているため、スリーカーを選びました。」
スリーカー
「そうでしたか。
第5呪文の場合 診断に5ポイント 治療に5×5=25ポイントで実行できます。 第6呪文として覚えるよりも、遥かにお得ですよ。」
冬香
「ひとりでも多くの患者を治療できるのであれば、うれしいです。」
スリーカー
「あなたとは長いおつきあいになりそうですね。
ご要望のアリム様の記憶については、記憶経路を復旧しました。
もう大丈夫ですよ。
それでは失礼します。」
冬香
「スリーカーさん、ありがとうございました。」
スリーカーさんは、去って行った。
◇
アリム
「真々美、冬香、オルア、無事だったんだね。
海賊を装った敵は、どうなったの?」
真々美
「大丈夫だ、すべて片付いた。
アリムのおかげだ。」
冬香
「アリム、記憶が戻って良かったわ。」
オルア
「お帰り、アリム。」
絵美はその様子を見守って、涙を流していた。
そして、涙をふき取って、話しかけた。
絵美
「アリムさん、初めまして。わたしは、」
アリム
「絵美? 生きてる! 動いてる?
間に合った?」
絵美
「えっ? だれか私の顔写真を見せたの?」
真々美、冬香、オルアの3人は大きく首を横に振った。
絵美
「なら、どうして?
しかも、名前を呼び捨てにするなんて。」
絵美は、名前を呼び捨てされて、不機嫌さを隠しきれなかった。
オルア こころの声
『アリムは、絵美様とも知り合いなの?
またしても、前世の知り合いかなあ?』
11:00
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